もう、今年始まって間もない時期ではあるんだけど、今年一番腹が立ったニュースになった。
公明・山口代表、次期戦闘機輸出で苦言「政府説明がない」
2024/1/16 17:39
公明党の山口那津男代表は16日の記者会見で、次期戦闘機など国際共同開発する装備品の第三国輸出を巡る政府の姿勢に苦言を呈した。「殺傷能力を持つ兵器を輸出しないのがわが国の基本的な進め方だった。政府がなぜ変えるのか、説明がほとんどない」と述べた。
産経新聞より
いやなに言ってるのよ、この人。そしてこの話は、議論するまでもない話である。
漂流させられる次期戦闘機輸出
まいどまいど「説明がない」
前回もこんな感じで文句を付けたけれども、文句だけ付けるんだったら必要ないから。
壊れたレコーダーの如く、毎回「説明がない」って。いや、何でもかんでも説明して貰えると思ったら大間違いだぞ。
NHKも似たような論調で政府批判をしているのだけれど、「平和主義」というのは武器を作らないとか、武器を輸出しないとか、そういう話と別次元の問題だからね。

大体、議論に入ろうとして邪魔したのはアンタのところじゃないか。
公明、共同開発品輸出に慎重 与党実務者で議論入れず
2023年12月01日22時25分
公明党は1日、防衛装備品の輸出拡大を検討する実務者協議で論点となっている国際共同開発品の第三国輸出について、慎重な姿勢を鮮明にした。自民党は英国、イタリアとの次期戦闘機開発を念頭に結論を急ぎたい考えだが、公明党の方針を受け、同日の協議では議論に入れなかった。
時事通信より
中間報告の時の話は一体何だったのさ……。
共同開発について、7月に自公実務者でまとめた中間報告では「第三国にも直接移転できる方向で議論すべきという意見が大宗を占めた」と明記している。
時事通信より
どうやら、選挙戦を有利に戦いたいが為にアピールをしているだけで、何か確固たる方針があるわけでもないのだ。
論点整理
そもそもこの話、去年からずっとやっている。
防衛装備品で自公が論点整理、武器輸出で政府解釈の明示化求める
2023年7月5日午後 1:15
防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の要件緩和に向けた自民、公明両党の与党協議は5日、 意見集約に向けた論点を整理し、自公の政調会長に手渡した。 国際共同開発する装備品の第三国輸出解禁や輸出品への武器搭載の是非などがポイントで、与党として政府側の方針を確認する。
現在の運用指針は、輸出可能な分野を1)救難、2)輸送、3)警戒、4)監視、5)掃海の5類型に限定している。5類型に自衛隊法条の武器が含まれるか、「これまで明確な整理がなされなかった」と指摘、政府の解釈を確認し明示化するよう求めた。
ロイターより
論点整理して政府の方針を確認する流れであったハズなのに、何故か足踏みをさせるような発言を繰り返す公明党。
確かに、現行の武器移転三原則の整理を考えると、第三国輸出にあたって問題点がある戦闘機になる可能性はあるんだけど、何のための共同開発なのかと。
三原則の例外
なお、公明党野狙いは去年末に拡大した輸出解禁の流れには、次期戦闘機を載せないぞということなのだろうね。
「殺傷能力ある武器」輸出解禁、自衛隊「パトリオット」を早速アメリカに 国会で議論ないまま「三原則」改定
2023年12月22日 20時33分
政府は22日、武器輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」と運用指針を改定した。三原則本体の改定は約10年ぶり。武器輸出政策を大幅に転換し、ミサイルや弾薬など殺傷能力のある武器輸出の解禁に踏み切った。国際紛争を助長する懸念は否定できないが、三原則は閣議で、運用指針は国家安全保障会議(NSC)で決定され、国会での議論はなかった。
東京新聞より
本件は、アメリカ製迎撃ミサイル「パトリオット」を日本でライセンス生産して、アメリカに輸出するという流れはOKということになった(従来はこれもダメだった)。
じゃあ、次期戦闘機の場合、日本で製造した戦闘機をイギリスに輸出できるのか?といえば、共同でライセンスを持ち合う関係なので、おそらくは出来る。が、そこから第3国に流されるのはNGというのが公明党の立場のようだ。

この整理からも分かるように、パトリオットミサイルの場合は、アメリカから第三国への移転がOKになっているので、本来であればイギリスから第三国輸出もOKということになるはずなのだが。
一番上の「国際共同開発」のケースでも、第三国に輸出が可能か?というと、完成品に限りダメという話になっているらしい。何故対応を変えているのか不明だが、そういうことになっているから仕方がない。
しかし、日本の使う戦闘機のコストを下げる為には、第三国にも輸出は可能という形にしないと都合が悪い。安くならないからね。価格も性能のウチなのである。そういう感覚が無いんだろうね、公明党には。
追記
もう一つ、救い難いニュースを紹介しておこう。
山口公明代表、中台関係「対話で解決」
2024年01月15日14時45分
公明党の山口那津男代表は15日、鹿児島市内の党会合で講演し、与党・民進党政権の継続が決まった台湾と中国の関係について「物事を対話によって平和的に解決していくことが世界の共通認識だ。力を使うことがないようにしていかなければならない」と指摘した。
時事通信より
支持母体の崇高なる理念はさておき、政治家としてこれを言ったらアウトでしょう。寧ろ、世界の共通認識は力の差がある場合には、力の行使によって相手をねじ伏せるのが常道で、対話なんて成立しない。
力は出来るだけ使うべきでは無いという理念は分かるけど、現実は違う。力は何時でも使えるように備えておいて、「躊躇無く使える姿勢」を示すことで平和を構築できるのである。
もう、公明党は国防を担う与党にいて貰っては困る存在になっているのだから、自民党はさっさとこれを切り捨てることが望ましい。失敗するぜ、このままだと。
コメント
公明党は母体の創価学会にある婦人部がかなり権力を持っててそこが反戦とか世界平和を唱えています。これはいわば彼女達の誇りみたいなものです。
公明党としては婦人部を無視できないですね
そして自民党が裏金問題で揺れてる今、圧力をかけてきたんだと思います。何らかの取引材料にされる可能性がありますね。国交省の次はどこのポストを狙うんでしょうかねえ
追記に触れましたが、支持母体の影響が山口氏の発言に出ているんでしょうかね。
反戦平和は教祖様(正確には前会長)の教えでしょうが、理想と現実の区別は付けてほしいものですね。
そして、ご指摘の裏金問題へのさや当てというのは、可能性としてありそうですね。国交省のポストは死守しそうですが、案外防衛省ポストを要求してくるかも知れません。
こんにちは。
本当に、公明党はガン。
連立切り捨てて良いと思う。
※切り捨てたら支持率上がって議席増えるかも、という逆説も有り得ますな。
>「政府説明がない」
何を偉そうに。
てめぇで聞きに来い。
そもそも、既に政府見解は出ている。
字が読めないのか?
>中台関係「対話で解決」
出来るもんなら蒋介石が逃げてきてないわ。
まあ、台湾を無血開城して支那に差し上げる、の意味なんでしょうけど。
元締めがくたばったから、公明党もそろそろ内部の締め付けやら瓦解やらが始まらないですかね。
こんにちは。
もう、小選挙区制を止めてしまって、中選挙区制度に戻し、比例代表制度や比例復活というアホなシステムも止めるべきです。
それをしないと公明党を切ることが難しいという、なんとも面倒な感じですね。
公明党の主張は支離滅裂なので論評するのもアレなんですが、単なる嫌がらせでしょうなぁ。