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岸田氏、アメリカで演説をして高評価を得る

外交
この記事は約4分で読めます。

岸田氏については、是々非々な部分はあるが、事実は事実として捉えるべきだろう。

岸田首相演説に高評価 米議会、総立ち拍手も

2024年04月12日07時04分

岸田文雄首相は11日の米議会の上下両院合同会議での演説で、10回以上総立ちの拍手を受けた。米議会が民主、共和両党の激しい対立で機能不全に陥る中、日米の強固な連携を訴えた演説に、両党から評価する声が聞かれた。

時事通信より

時事通信の記事を紹介したのだが、どうにもハッキリしないな。

同盟国になった日本

アメリカは一人じゃない

評価を受けたという記事は出ている。

一方、共和党のジョンソン下院議長は「安全で安定したインド太平洋に向けた首相のビジョンを聞けたことを光栄に思う」と強調。同党のジム・リッシュ上院議員も「日本は揺るぎない同盟国で、防衛と経済安全保障での協力は最も重要だ」と指摘した。

時事通信「岸田首相演説に高評価」より

が、どういうわけか、何を言ったのかは時事通信の報道ではあまりハッキリと報じられていない。

調べてみると、NHKはそれらしいことを報じているね。

岸田首相 米議会で演説 “国際秩序守るため大きな責任担う”

2024年4月12日 10時25分

アメリカを訪問中の岸田総理大臣は議会演説に臨み、ロシアや中国の行動などで自由や民主主義に基づく国際秩序が脅威に直面していると指摘しました。そして秩序を守るため、アメリカだけでなく日本もグローバル・パートナーとして大きな責任を担っていく姿勢を強調し、日米の結束を呼びかけました。

~~略~~

そして岸田総理大臣は「ほぼ独力で国際秩序を維持し、孤独感や疲弊を感じているアメリカ国民に語りかけたい。アメリカは助けもなくたったひとりで国際秩序を守ることを強いられる理由はない」と述べたあと、「自由、民主主義、法の支配を守るのは日本の国益で、人権が抑圧された社会を私は子どもたちに残したくない。日本はすでにアメリカと肩を組んでともに立ち上がっている。アメリカはひとりではない。日本はアメリカとともにある」と訴えました。

NHKニュースより

アメリカでウケた理由は、「アメリカ一人に任せない」「日本もやる」と、訴えたからである。もちろん、口だけだと思われたら今後日本は世界から信用されなくなる。そういう意味でもなかなかの大見得を切ったと言えるだろう。

アジアの防衛は日本が担当

この「大見得を切った」という部分はどういう意味かと言うと、支那に対して日本が立ち向かうという趣旨のことを述べたからだ。

その上で、具体例のひとつに中国を挙げ「対外的な姿勢や軍事動向は、日本だけでなく、国際社会全体の平和と安定にとっても、これまでにない最大の戦略的な挑戦をもたらしている」と強調しました。

NHKニュースより

これを前段で話して、こう繋げる。

その上でみずからの政権のもとで防衛力の抜本的な強化に取り組んできたことや、強力なウクライナ支援を継続してきたことなどを説明し「日本はアメリカの最も近い同盟国という枠を超えて、今やグローバルなパートナーとなった」と強調しました。

NHKニュースより

当然ながら、支那に対して日本が主体的に立ち回ると理解されただろう。おそらくは、岸田氏もそのつもりで発言したのだろうし。

しかし、何より大切なのは岸田したこれをアメリカ議会で演説したということである。バイデン氏に対するリップサービスをしたという話ではなく、議会を味方につけるように演説を打ったわけだ。安倍氏も議会演説をして拍手を貰ったが、岸田氏のそれは一味違う。ある意味大風呂敷を広げたと言っていいだろう。

まあ、そのためには憲法改正が必須なんだけど、意外に国内のメディアは騒いでいないんだよね。アメリカで受け入れられたということを記事にしたくないのか、それとも別の理由があるのか。

立派な演説をしてアメリカで評価されたことは間違いがなく、外交的には大きな意味があったのだと思うけれど、日本でも日本人を勇気づける大演説をしてくれよ。それくらいしてもバチは当たらんだろう。

追記

産経新聞がわかりやすく書いていたよ。

岸田首相演説を米超党派が称賛 国際秩序に貢献「待望のメッセージ」、16回立ち上がり拍手

2024/4/12 15:59

岸田文雄首相は11日の米議会での演説で、国際秩序の維持に日本が米国と肩を組んで立ち向かうことを訴え、民主、共和両党の議員から大きな拍手を受けた。スタンディングオベーションは16回前後に達し、日本が米国を支える姿勢を示した演説は「とても力強いメッセージだった」と称賛する声が上がった。

演説後に産経新聞の取材に応じた共和党のステファニー・バイス下院議員は、岸田氏がウクライナ支援で米国と連携していく姿勢を示したことなどに関し「米市民が聞く必要があるメッセージだ」と強調。共和党の保守強硬派の反対で軍事支援の追加予算が未成立の中、支援の重要性を説いた岸田氏をたたえた。

~~略~~

一方、共和党のフレンチ・ヒル下院議員は「米国のリーダーシップは不可欠だが、米国だけでやる必要はない」とのメッセージは、「米外交が80年もの間望んできたものだ」と指摘。「見事な演説で素晴らしかった」と振り返った。ヒル氏は「日米の安全保障、外交、経済における関係は力強い超党派の支持で築かれている」とも語った。

産経新聞より

もちろん、実現できるかどうかが重要なんだけどさ。

コメント

  1. アバター 匿名 より:

    アメリカにとって、日本とは大事な金づるであり中国から自国を守るための防波堤でもある。
    それでも中国につくよりアメリカについたほうが日本の国益になると思いますから、私は現在の外交方針を支持します

    • 木霊 木霊 より:

      アメリカの態度や方針が業腹の方もいるかもしれませんが、超大国を上手く利用できる程度の関係を維持したいものです。
      どちらに付くという選択肢はなく、アメリカと肩を並べてやっていけるのであれば、それに越したことはありませんから。

      • アバター 匿名 より:

        日本では、アメリカに嫌われたら首相になることが出来ません。
        日本の外交、安全保障は日米合同委員会で非公式に決定されており、アメリカの承認なしで日本はこれらの政策を独自に決めることが出来ないようになっています。

        • 木霊 木霊 より:

          これはまた…。

          えーと?非公式に決定されていることをご存知ということですかね。陰謀論っぽいのですが、私の読解力では何がおっしゃりたいのかイマイチ理解できませんでした。

          • アバター 匿名 より:

            そうですね。おっしゃる通り陰謀論だと思いますので聞き流して下さい。
            日米合同委員会とは、簡単に言えば在日米軍によって日本の官僚をコントロールするための仕組みです。会議は月に2回あるのですが日米地位協定のためだけにこんなに頻繁に会議は必要ないですよね。実は様々なことが決められてるんです。あ、でもこれらは全部陰謀論なので悪しからず。きっと嘘です。お目汚し失礼しました。

          • 木霊 木霊 より:

            「陰謀論っぽい」とは書きましたが、「陰謀論だ」と断じたつもりはありませんよ。気を悪くされたのであればその点はご容赦を。

            > 日本では、アメリカに嫌われたら首相になることが出来ません。

            これに関して積極的に否定する積もりはありません。恐らくはそういう側面もあるでしょうし、実務的にもアメリカに敵対されると差し障りがあります。

            > 日本の外交、安全保障は日米合同委員会で非公式に決定されており

            一部の外交方針や安全保障政策がアメリカの影響を受けていることは、合同委員会を持ち出さずとも自明でしょう。
            ただ、「非公式に決定」というのは如何なモノか。
            https://www.mod.go.jp/j/press/news/2024/02/14a.pdf
            例えばこんな感じに決定された内容は公表されることもあります。確かに、合同委員会の会議内容は原則秘密で、日米双方の合意を得ない限り公開されないので、不都合ない情報しか表に出てくることはありません。しかし、貴方の言い分だと、日本の裁量は殆ど無いかの如く聞こえますが、それはもう日本という国家の独立を否定する話であります。属国然とした政策が多い用に見えているかも知れませんが、何もかもアメリカの言いなりというのは些か突飛すぎませんか?

            > 簡単に言えば在日米軍によって日本の官僚をコントロールするための仕組み

            日本の行政がどれだけの分量の仕事を処理しているか?と考えれば、月に2回程度の会議でアメリカ側が「日本が独自政策を決定することを防ぐ」ようなことは実現が不可能でしょう。

            > 実は様々なことが決められてる

            このように指摘されましても、検証のしようが無い。
            「何がおっしゃりたいのかイマイチ理解できませんでした」というのは、どの政策の何が問題かが伝わってこなかったからです。
            なんとなく、「岸田氏の演説の振り付けを全てアメリカ側が指示したのだ」といったご指摘をなさりたいのかとは思いましたが、そうであればハッキリそう仰れば良い。

            弱小ブログの一般人の戯言にコメントを付けていただけるのだから注文を付ける筋合いはないのかも知れませんが、せめて論点はハッキリさせていただきたい。あと、他の方がコメントされていらっしゃいますが、コメントのやりとりをして頂けるのであれば、ハンドルを付けて頂けるのであれば幸いです。このブログにも匿名氏は複数名いらっしゃいますから。

          • アバター 山童 より:

            木霊様、私は他ブログまで告げ口された匿名氏が大嫌いですが、匿名氏の言い分にも一理あるかも知れませんよ。
            彼の言う日米の密約は、たしか新書(講談社新書だったかな?)に書いた人がいました。Amazonのコメント欄で陰謀論と叩かれていた。
            世には陰謀論は多いが、ではそれら全てが馬鹿げているのかと言うと、そうでもない。
            トンキン湾事件もそうだし、医療福祉の名を借りた梅毒に黒人を感染させて放置する実験も陰謀論とされてきたが、後者はクリントン元大統領が実在した事を認めて謝罪しています。実在が証明された陰謀論もあるのですよ。陰謀論に飛びつくのは頭の悪い人ばかりでない。陰謀論と決めつける事で、精査を封じる事ができる。その為に陰謀論の動画配信などを野放しにしていると思う。
            これは私が兜町の怪しい紳士たちの金で、怪し気な陰謀本を書いたライターだった事から思う話です。私は彼と喧嘩した時に、横柄な態度だが論を立てて攻撃した。その彼は単なる誹謗中傷だけ悪意を込めて返した。
            その人間性は我慢できないが、彼の目が腐っているとも思えない。鋭い講評を重ねてきてますし。
            嫌だがそれなりに有能な人物だと思いますよ。
            陰謀論だと決めつけるのは話が早過ぎるのでは?

            最後に「匿名」での投稿をブログ主権限で禁止して欲しい。実際、匿名氏と匿名氏が喧嘩した事が過去にあったでないですか。それは他読者として
            不愉快だった。
            そんな事をしても使い捨てのハンドルで投稿するだろう?
            いや、違う。ライターとして(時にゴーストライターとして)複数文体で仕事した経験から。
            人はね、複数の使い捨て文体を利用すると、無意識にバレないように文体を変えようとするんですよ。それが重なると本人には苦痛になってくる。
            他人を装うにも変装できるキャラクターの数は知れてますから。なりすましと言うのは数を増やすとかなり苦痛になるんです。だから匿名やめてハンドルを利用させると。
            実は全く別な分野ですが、複数コメ主のなりすましを炎上の時のアクセス数から割り出して、匿名禁止で一人何役もを出来なくしてもらった経験があるんですよ。
            いちど御検討ください。

            匿名氏は嫌な奴とは思うが、陰謀論者かと言うと、それは早計な判断と思いますよ。
            なぜならば防衛医大卒の
            医師から彼と似た話を聞いた事があるんですよ。
            それに日米の密約の話で
            「なんで貴方が知ってるの?」は、そりゃ推測でしか言えませんよ。そこは売り言葉に買い言葉な対応は木霊様のらしくはないですよ。

          • 木霊 木霊 より:

            山童さんのコメントはいつも感心させられることも多いのですが、この件に関しては、別途匿名氏に返信させて頂いた通り、「要旨をハッキリ伝えて頂かないことには」という気持ちを曲げるつもりはありません。

            僕自身も、日米合同委員会なる存在が気にならない、問題ないといえば嘘になります。
            しかし、非公開を旨とする組織の会議内容を話題に取り上げたところで、憶測でしか話ができないのです。
            山童さんの聞いた「医師から似たような話」というのは、そりゃあるでしょう。おそらく、外交防衛方針において日本が独自の決定をできない理由は、憲法9条を後生大事に守り続けている事にも遠因があるのでしょう。そうした状態を放置したまま、日本が単独で防衛方針を決めるには差し障りがあるという現状は苦々しく思います。

            ……頭に血が上ったという側面は否定しません。
            一度、冷静になるべきかも知れませんね。

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