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【韓国海軍】韓国製魚雷シリーズ、青、赤、白、虎

韓国海軍
この記事は約15分で読めます。

まず、魚雷について簡単に説明しておこう。

魚雷は、弾頭にエンジンとスクリューをつけて、水中を航行し目標とした艦船などを破壊することを目的とした兵器だ。

そのうち、短魚雷と呼ばれるモノは対潜水艦攻撃用の小型・短射程の魚雷である。 一方、主として対艦攻撃用の大型・長射程の魚雷を長魚雷と呼ぶ。ただ、長魚雷の方は対艦ミサイルに取って代わられているため、今は数を減らしているんだとか。

で、この手の魚雷がどんな兵器に搭載されるかというと、潜水艦や中小型の水上艦(水雷艇、駆逐艦、巡洋艦)、或いは航空機に搭載される。

新型軽魚雷「青鮫」

韓国初の国産潜水艦攻撃用短魚雷「K745青鮫」である。名前がカッコイイ(棒

高性能?な青鮫

で、「K745青鮫」は10億ウォンの費用を投入して開発された、韓国海軍の誇るべき2番めの魚雷なのだとか(1番目は「K731白鮫」らしい)。

水上艦艇や航空機から発射・投下して敵潜水艦を攻撃する機能を持っているが、性能的には微妙らしい。どうやら、アメリカ軍が使っていたMk46の技術をベースに作られたんじゃないか?という噂。

……のだけれど、なかなか開発期間が長かったようで(苦笑

えー?アメリカのMk46やMk54の技術をパクっただけじゃないの?

韓国初の軽魚雷「青鮫」誕生秘話… KBS1「神話創造の秘密」で開発プロセスの概要
記事入力 2005.07.14午後4:12

~~略~~
国防科学研究所魚雷開発チームは、2003年、海軍から軽魚雷「青鮫」の実弾射撃実験を必要とされる。
軽魚雷は魚雷とは異なり、300㎏以下の比較的軽量で製作、トラップや航空機に搭載されて潜水艦を攻撃する水中誘導武器だ。

しかし、軽魚雷は魚雷よりもはるかに小さいほど、精密な集積技術が必要である。
ため魚雷である「白鮫」を開発した魚雷の開発チームは、軽魚雷製作のために、より緻密で高度化された技術を必要とされる。
さらに魚雷は水中で電磁波や赤外線を利用することができないほど高い周波数の音波を使用して、目標を確認して追うだけ高難度の技術が要求される。
魚雷の開発チームは、絶え間ない開発と検証実験を介して、最終的に韓国初の軽魚雷である「青鮫」が誕生する。

NAVERより

最初は、こんな感じでホルホルしてたんだけど、これがどうやら上手くいかなくなっちゃった。

実は、開発がかなり難航していたらしく、初めての海中走行テスト時(1998年11月)、30秒程度で浮き上がってしまい失敗してしまったという武勇伝を持っている。え?魚雷?

ま、まあ、テストだし、失敗はつきものだよね。

だけど、実戦配備前に試射をあまり行わなかったせいか、実戦配備後、海軍訓練中に青鮫を紛失するという事態に(苦笑

海軍 西海での訓練中に魚雷誤射事故

Write: 2012-06-27 14:56:03/Update: 2012-06-27 15:16:03

西海で訓練中だった海軍の護衛艦で、魚雷が誤って発射される事故が起きていたことがわかりました。 
海軍が27日に明らかにしたところによりますと、21日、西海の泰安(テアン)半島付近で海上訓練中だった平沢(ピョンテク)2艦隊所属の2300トン級護衛艦で、敵の潜水艦を捕らえる短魚雷である「チョンサンオ(青サメ)」 1発が誤って発射されました。
原因はまだわかっていません。
魚雷は爆発しないまま海に沈み、海軍が回収作業に当っているということです。

~~略~~

韓国では、2009年12月にも海軍の対潜水艦訓練の途中に「チョンサンオ」1発が誤って発射され、流失する事故が起きています。

KBSより

青鮫流失で韓国海軍もさぞや青ざめた事だろう。 何しろ500億ウォンを投入して開発した立派な兵器だからね。

新型軽魚雷「赤鮫」

青鮫にロケット推進器を付けただけのシロモノらしいのだが、9年の歳月と1000億ウォンを投入した韓国産ASROCだ。

韓国産ASROCなので、K-ASROC(カスロック)と呼ばれるが、性能もカス(笑)

アスロックのキホン

取り敢えず、ASROC(Anti Submarine ROCket)というものについて簡単に説明したい。

アスロックは、単魚雷などの後ろに飛翔用推進ロケットをくっつけた構造になっており、発射後に目標方向に放物線を描いて飛翔し、目標手前の空中でロケット部分が切り離されて、単魚雷に接続されたパラシュートで減速落下しつつ海面に着水、パラシュートが切り離されてから、短魚雷が目標を追尾する。

何故こんな事をするかというと、水中を進む魚雷の速度には限界があり、遠くから魚雷を撃つと避けられやすくなってしまう。だから、目標近くまで空を飛ばそうと、そういう発想なのだ。

加えて、最近のアスロックはVLSと呼ばれる垂直発射システムから発射できるようになっており、多数の魚雷を連射できる。

潜水艦などに攻撃する場合には、効果的だね。

韓国でも開発成功したVLS式ASROC

で、韓国で開発したからK-ASROCということらしいのだけれど、弾頭には青鮫が使われる模様。よって、当然、青鮫の欠点はそのまま引き継がれる。実際に、試射に失敗したとかニュースを見かけた。

対潜ミサイル「ホンサンオ」、今月末にも実戦配備

2011.08.15 11:20

国内技術で開発された対潜ミサイル「ホンサンオ(紅鮫)」が韓国海軍の最新鋭のイージス艦に実戦配備されることが15日、分かった。

総合ニュースより

この赤鮫、1000億ウォンの研究費を投じて開発され、満を持して配備されるハズが……。

[単独] 1発当たり20億紅鮫、10発を撃ち配置決定… 軍兵器開発転換点

入力2012.10.03 03:01 | 修正2012.10.04 07:21

実戦配置した後の最初の試験発射に失敗した国産の潜水艦ミサイル「紅鮫」の失敗の原因究明などのために、軍当局が今月末から来年初めまで総10発のミサイル試験発射を実施することにした。

ホンサオの1発当たりの価格は20億ウォンで、1回の試験評価時ターゲットと追跡装置の設置など10億〜20億ウォンのお金が追加でかかる。

10回の試験発射には、少なくとも300億ウォンの予算がかかる見通しだ。

朝鮮日報より

ああ、実戦配備後に最初の試射に失敗したんだっけ(笑)

そして、試射に失敗したので、10発のミサイルを使って試験発射をやる、もったいない!と、そんな記事になっているのだが、開発コンセプトから問題だったよな、これ。

世界で2例目の潜水艦攻撃ロケット魚雷…性能は世界一

2009年06月23日08時41分

水上艦から発射され動力飛行し、水中の敵潜水艦を攻撃する新型のアスロック(ASROC:Anti-Submarine Rocket、艦載用対潜兵器の一つ)「ホンサンオ(紅鮫)」が22日、国内で開発された。

国防科学研究所(ADD)が開発したホンサンオは、垂直発射型(VLS)の対潜ロケットとしては米国に続き、世界でも2例目となるが、性能は世界最高だ。ホンサンオは海軍艦艇の甲板の下に搭載された垂直発射台から発射され、敵潜水艦がある海上に向かって直ちに方向を変えられることから、作戦に非常に効果的だ。 

中央日報より

開発当時には、「世界で2例目に成功」とか嘘言っていたし(この時点では、アメリカや日本も配備しているので2番目は嘘だ。なお、ロシア等他の国も対潜ミサイルを開発し、保有しているが垂直発射方式ではない)、「性能が世界一」っていうのも……。

ハッキリ言って、性能的には日本の07式垂直発射魚雷投射ロケットより劣っている。比べるべくもないね。

世界で2例目!性能は世界一!と、ホルホルしていた結果、試射失敗とは恐れ入る。青鮫の欠点をそのまま受け継いでいるから、仕方が無いよねぇ。

韓国製対潜水艦魚雷 実弾試射失敗=量産再開は不透明

2013.09.15 11:16

相次ぐ試験発射の失敗で設計ミスの可能性が指摘されてきた韓国製対潜水艦魚雷「ホンサンオ(赤いサメの意)」が、先ごろ実施された最終実弾試験発射でも1発が標的を命中できなかったことが15日、防衛事業庁関係者の話で分かった。

総合ニュースより

そしてまた失敗した模様。進歩無いねぇ。

新型軽魚雷「白鮫」

韓国初の魚雷

「K745青鮫」が短魚雷に対して「K731白鮫」は長魚雷である。

短魚雷と長魚雷の違いは文字通り長さで、長魚雷の方は大型・長射程のものが多い。潜水艦の主兵器となるのもこのタイプである。この魚雷には、ADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)と韓国LG精密が、8年間かけて開発した魚雷だとかで、開発には3億ウォンが投じられているそうな。

開発は1990年ごろから始まって、2003年に実戦配備されている。

ちょっと古い兵器なので、残念ながらニュースソースは見当たらないが、「機関のテスト中発火して実験室を全焼」したり、「対馬近海で航走試験中にK731が日本領海へ入り込む」、「漁船を追い回す」など、数々の伝説があるようだ。

白鮫開発の初期には国内で本体の基本素材である円筒型アルミニウム合金素材が生産出来なかった。そのため板材を円筒型に成型し溶接し製作しなければならなかった。

しかし製造企業のアルミニウム溶接技術不足と素材の不均一な物性値のために圧力試験で漏水はもちろん溶接接合部が破裂したり塑性変形が発生した。また成型された素材は時間が過ぎるとともに歪みが発生する事もあった。

国防日報より

そもそも本体を作る事すら最初は出来なかったとか。引用先の記事を読むと味わい深いが、開発には苦労したみたいだね。

この魚雷は、209型潜水艦「張保皐級潜水艦」に搭載されているそうなのだが、最終実弾テストの際に、目標の高速輸送艦APD-882「慶南」を撃沈する事無く失敗(信管が敏感すぎて目標の遙か手前で爆発)したらしい。

加えて、2004年3月のテストにも失敗したが、同年5月に再度テストが行われ無事成功したとのこと。

……相変わらず、配備されてからテストするんだね。

もちろん、まともに作れない(苦笑

「虎鮫」登場

有線誘導にも対応

ところで、最近になって「白鮫」の後継型が登場するという話が出てきた。予定通りであれば、既に配備が始まっているハズなんだけどな。

MADEX 2019: South Korea aims to deploy Tiger Shark torpedo by 2020

24 October 2019

South Korea is expected to deploy the Tiger Shark torpedo on its naval submarines by 2020, a South Korean government agency has told Jane’s .

The weapon, which has been designed for the KSS-2 and KSS-3 classes of submarines, was showcased at the International Maritime Defense Industry Exhibition (MADEX 2019) in Busan.

NAVAL NEWSより

その名は「虎鮫」だ。

The Tiger Shark is designed to strike enemy vessels from longer distances and features enhanced speed and processing capabilities over its predecessor, the White Shark torpedo.

Jane’s 360より

「the White Shark torpedo」と書かれていて、白鮫の後継型だと言うことが分かる。

どうやら、白鮫はサイズ的に直径19インチ(約48cm)だったらしく、直径21インチ(約53cm)までサイズアップするのが目的らしい。内蔵する爆薬の量が変わってくるので、サイズアップすればそれなりの破壊力を得られるのは道理だ。

ただね、この53.3mm直径の魚雷は既に世界標準といって良いレベルで認知されているんだよね。

参考までにアメリカの魚雷と日本の魚雷を紹介しておこう。

<アメリカ軍が採用した対艦誘導魚雷:潜水艦用>

魚雷名配備期間直径推進最大速度
Mk14魚雷1931年ー1980年533mmウェットヒーター35ノット
Mk37魚雷1956年ー1972年480mm電動36ノット
Mk48魚雷1971年ー現在533mm斜板式ピストンエンジン55ノット

アメリカ軍で採用する魚雷は複数あるので、潜水艦から発射するタイプでメジャーなものを3つ程紹介した。次に日本の自衛隊が使っている魚雷を紹介しておこう。

<自衛隊が採用した対艦誘導魚雷:潜水艦用>

魚雷名配備期間直径推進最大速度
80式長魚雷1965年ー1975年483mm電動30ノット以上
89式長魚雷1970年ー1984年533mm斜盤機関55ノット

なお、89式魚雷の後継として開発されている18式魚雷というのが現在導入予定になっているけれど、詳細はまだ不明な部分が多いので紹介は割愛しよう。

ただまあ、21インチ、つまり533mm直径の魚雷を用いるのが主流になっていて、この直径を採用することで大きなエンジンが積めるようになるので、「速度と処理能力」も強化されるという事になるようだ。

なお、白鮫では多くの火薬を積むことで、21インチ魚雷である89式魚雷やMK48よりも破壊力に優れるといわれているのだけれども虎鮫でもこれを踏襲するようなことになるようだ。

良い事ばっかりだね!

白鮫は有線誘導に対応出来ない

魚雷には後部から通信用ワイヤーを延ばして艦船から直接操作できる有線誘導という技術があるのだが、白鮫はこの有線誘導に対応することが出来なかった。

虎鮫魚雷は光ファイバー慣性航法システム(INS)を採用しているらしいので、この問題点も解決できることになる。

白鮫の時は「中間誘導過程が必要無く、敵の音を自分で追跡して攻撃する最先端アクティブ音響魚雷で、多数の目的を同時に攻撃することがで、中間誘導による速度低下がないという長所を持っている」とホルホルしていた気がする。

確かにワイヤー付きだと発生する速度低下が発生するのは避けられない。デモそんなことは各国の軍隊はみんな知っているよ。知っている上でわざわざ有線誘導しているのは、海中での無線誘導が未だに使い物にならないからである。

魚雷はそもそも標的となる艦艇の進行速度や方向などを予測して発射される武器なのだが、魚雷自身が音波を出しながら標的の位置を確認して誘導していくのは、自身の居場所をバラすことになるのでリスクが高い。

そんな訳で、複数の魚雷を扇状に発射して誤差をカバーするか、誘導する方法を考えねばならないのだけれど、白鮫は「アクティブ音響魚雷」とのことで、これはアメリカが開発したMk32魚雷やMk44魚雷に採用されていたのだけれど、これらは短魚雷と呼ばれる大戦誘導魚雷であり、潜水艦から発射する類の魚雷ではない。

パッシブ式音響誘導も魚雷に利用されるケースがあるようだけれども、精度が劣る点が問題となっている。

有線誘導は、こうした誘導方式をカバーする目的で、潜水艦本艦の探知能力を使って魚雷の進路を補正し、「ここまで来たらあとは外さない」というところまで誘導する方法である。その後はワイヤーを切り離して魚雷は目標に到達することになる。

実現できれば性能向上

そんなわけで、虎鮫魚雷が完成すれば、今までショボかった韓国潜水艦の対艦攻撃能力を向上させることが出来る。

何しろ、アクティブ音響誘導をするということは、敵側から潜水艦が発見されるリスクを高めるという問題点もあるけれども、対魚雷用デコイなどを使われると魚雷が狙いを外してしまうという問題があった。他に大きな音が出ると、そっちの方向に行ってしまう落ち着きの無い魚雷だったんだな、白鮫君は。

それをカバーする為に、韓国はドイツからSUT魚雷を買っていたらしい。

ドイツのSUT魚雷といえば、こんなニュースもあったな。

Taiwan navy offers £630 reward to fishermen for missing torpedo

1:17PM BST 15 Jun 2010

Taiwan’s navy has appealed for help from local fisherman, offering a cash reward to anyone who finds a torpedo its sailors lost during a drill last week.

The offer follows four days of futile searching in the area around the Tsoying base in southern Taiwan, the navy said in a statement on Tuesday.

Any fisherman who snares the German-built SUT torpedo will scoop 30,000 Taiwan dollars (£630).

The Telegraphより

台湾がSUT魚雷を紛失して、賞金をかけて漁師に探させたみたいな話だ。台湾はこの後Mk48魚雷に置き換えることにしたらしいのだけれど、Mk48魚雷もそう新しい魚雷じゃ無いぞ。

これからは自前の魚雷が使えるので有望だね!

韓国産機雷「潜竜」

そして機雷だ。ちょっと魚雷とは毛色が違う兵器なのだけれど、新型軽魚雷「紅鮫」と同じ会社が作った製品なので、このカテゴリーで紹介しておきたい。性能も推して知るべし!

ちなみに、機雷というのは海に仕掛けられる地雷みたいなものだな。自動又は遠隔操作により爆発させることが出来る水中兵器だ。

もちろん、まともに作れない(苦笑

国産機雷「潜竜」、性能実験で不発8割超
記事入力 : 2013/10/23 11:19

北朝鮮の艦艇を攻撃するため韓国海軍が保有している韓国製機雷「潜竜(K721)」が、性能実験の結果6発に1発の割合でしか爆発せず、成功率が16.6%にすぎないことが22日までに分かった。

~~略~~

韓国政府消息筋によると、2007年と09年に実施された海上実弾射撃演習で、潜竜の不発が相次いだという。このため監査院は国防技術品質院(技品院)に指示を出し、昨年9月に性能実験を行った。演習弾を付けた機雷を演習当時と全く同じ状況に置き、6回の試験を実施した結果、機雷は1度も作動しなかった。今年1月に実施した2回目の性能実験では、30回の試験で6回しか作動しなかった。計36回の試験で、きちんと爆発したのはわずか6回だったわけだ。

リンク切れ

8割不発だとぉ?既にそれ兵器じゃないでしょ(笑

一応、複合型機雷という位置づけらしいんだけど、実際には磁気反応式に固定すると確実に暴発するっぽい。これで、「戦力に直ちに問題は生じない」というのだから、韓国海軍の戦力たるや(笑

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