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イギリスのBYD製電気バスが炎上する恐れでリコールに

北欧ニュース
この記事は約5分で読めます。

ありゃ。

Daily Mail Onlineのポストからの引用である。大変なことになりそうね。

BYD製の二階建てバスに不具合

世界に先駆けて電化

関連ニュースはこちら。

「2階建てバス」も電気自動車、ロンドン公共交通電気化へ

2015年7月6日 21:02

今年10月、英国の首都ロンドン(London)は世界の都市で初めてバス、電車、地下鉄すべての公共交通を電気化する。ロンドン名物の2階建てバスにも、電池で走行する電気自動車が採用される。

大気汚染対策のために、道路上に渡した電線を介して電力を供給するトロリーバスや、ディーゼルと電気のハイブリッドバス、天然ガスで駆動するバスなどを採用している都市は、すでに欧州や米国に存在する。しかし、公共交通すべてを電気化するというロンドン交通局の今回の決定は世界初となる。

AFPより

世界初の試みと言うことで、日本でもニュースになっていたような気がするが、ロンドンで公共交通を電気化するはなしになった。この時に採用したのがBYD製のバスである。

その問題を解決するため、ロンドン市はEVバスメーカー大手の中国企業BYD社と提携。ジョンソン市長によれば、10月からBYD社製のゼロエミッションの2階建てバスが、ロンドン市内の16号線を試験走行する。

AFP「「2階建てバス」も電気自動車、ロンドン公共交通電気化へ」より

地雷臭しかしないニュースだが、当時のイギリスは支那の製品を信頼していたらしい。

8億ポンドのバス

8億ポンドというと、ザックリ1,500億円程度か。

Britain’s e-bus ticking timebomb: How nearly TWO THOUSAND electric buses worth £800m face urgent recall over fears they could see burst into flames

PUBLISHED: 15:33 GMT, 2 March 2024 | UPDATED: 15:43 GMT, 2 March 2024

Safety watchdogs have ordered the recall of almost 2,000 electric buses over fears they can catch fire if left unattended. 

The Driver and Vehicle Standards Agency has warned operators who use the Alexander Dennis Enviro200 and Enviro400 single and double decker buses of the critical safety issue. 

~~対訳~~

時限爆弾と化した英国の電気バス: 8億ポンドに相当する約2万台の電気バスが、炎上する恐れがあるとして緊急リコールに直面している

安全監視団は、電気バスを放置すると発火する恐れがあるとして、約2,000台のリコールを命じた。

運転者・車両基準庁は、アレキサンダー・デニスのEnviro200とEnviro400シングルデッカーおよびダブルデッカーバスを使用している事業者に、この重大な安全問題について警告した。

Daily Mail Online より

まだ調査段階にはあるようなんだけど、同系統のバスが発火してその原因を調べたら、どうやら同系統のバスには似た問題を抱えているということが分かった模様。

2024年1月11日、ウィンブルドン・ヒル・ロードで2021年型オプテア・メトロデッカーEVが炎上した。

DVSAが発表したリコール通知によると、105台のバスに影響があり、「制御モジュールの低電圧ハーネスコネクターが過度の嵌合サイクルを受けると疲労し、局所的な熱事故が発生する可能性がある」という。

アレクサンダー・デニスの広報担当者はMailOnlineに対し、「今年初めの事故を受けて、アレクサンダー・デニス、BYDおよびその他の関係者は、BYDとアレクサンダー・デニスの電気バスの一部にHispacold社が供給している暖房、換気、空調(HVAC)システムに潜在的な問題があることを確認した」と述べた。

Daily Mail Online より

これはまた大変なことになりそうだね。

記事を読む限り、現時点で早急な対策が求められているものの、何か方針が決まったという状況ではない模様。これから対応策を検討して部品交換などを行って対策するか、或いは別の方法を考えるのかということになりそうだ。

チャイナボカンシリーズを知る身としては、「さもありなん」としか言えない訳なんだけど、イギリス国民の安全に関わる話で、一旦バスが燃えだしたらバッテリーの大きさから考えて火災を止めることは相当時間を要するだろうし、乗客の安全をどのように確保すれば良いのか、という話もある。

とはいえ、いきなり公共交通機関を止めるわけにも行かないんだろうね。

追記

ちょっとベクトルは違うんだけど、EV絡みの訴訟でデカイのが出てきたな。

商船三井、ポルシェを提訴 「運搬船火災は電池が原因」

2024年3月6日 19:32

商船三井が独高級車ポルシェに損害賠償訴訟を起こしたことが6日わかった。2022年にポルトガル沖で起きた自動車運搬船の火災は「積み荷の電気自動車(EV)の電池が原因だった」と判断した。EV運搬時の電池の発火リスクの管理を巡り、議論が起きている。

商船三井は日本経済新聞の取材に対し「訴訟を起こしたのは事実」と話した。ポルシェは訴訟の事実を認めたうえで「進行中のため詳細はコメントできない」とした。

日本経済新聞より

そうとう高級車が燃えちゃったから、損害賠償請求額は巨額(3000万ユーロ:約50億円)になりそうだが。

コメント

  1. アバター ゆまはる より:

    何故、電気自動車が環境に良いと勝手に思い込んで国を誤った方向に、先進国と思われる指導者が先を競って導こうとしたのか不思議である。
    冷静に分析すれば、現状では、電気自動車(EV)の、生産~運用~廃棄までの生涯エネルギーは大きく、内燃機関自動車(HIV含む)が優れている。
    現在の電解液が液体のリチュームイオン電池は、高温や衝撃で熱暴走を起こすと、化学反応で酸素を発生する。
    酸素の発生は、極めて厄介で消火器での消化は不可能である。
    消火には、熱暴走が止まる温度まで下げるか、化学反応が終わるまで待つしか方法が無いので、最悪である。
    思うに、日本がハイブリッド車で特許と生産技術で西欧諸国に差を付け過ぎた。
    それで、日本叩きに西欧と悪乗りの〇那が共謀したが、大きな落とし穴が有ったと言うのが結論と思う。
    トヨタの社長が、冷静に意見しても、暴走すると止まらない政治家を見ると、ちょっとした弾みに地球滅亡に向かうことがあるかもと恐ろしくもある。
    その他にも、電気エネルギーは、使用するにはこれ程便利でエコなエネルギーは無いが、最大の欠点は、貯める事が極めて難しく、その運搬にも難がある。
    雪害等で長蛇の渋滞が発生した時の対応の難しさを考えると、現在の内燃機関自動車にすべてが置き換わるには、解決すべき課題が多すぎる。

    • 木霊 木霊 より:

      トヨタがハイブリッド車を開発して、世界中で特許を申請しまくったので、他社は簡単に真似ることができなくなりました。まあ、実際のところ、実際に作る権利を得たとしても、「あんなアホなシステム作るか」くらいの面倒くさい仕様だったのですが、少なくとも技術力的に「格下自動車会社」ではなくなったことを示しました。アメリカでも随分とアメリカの自動車会社のシェアを喰ってしまいましたからね。
      それで脅威に感じて排斥にかかった。
      EV推進はトヨタ潰しの裏返しとも言えるのでしょう。ご指摘の話の流れでもありますが。

      北欧は良くも悪くも環境に対して強迫観念のようなものがあります。
      ドイツなんかは端から見ると狂気の沙汰のような決定を次々として、脱原発の方向に行ってしまった。隣国に原子力発電所があるのだから、躍起になったところで大した意味はありませんが、そうしてしまった。EV推進と決めた結果、何が起きるかを考えなかったとも思えませんが、褐炭を使う方向性も潰したので行き先が再エネ発電しかなくなった。呆れて良いのやら別の戦略を警戒すべきなのか分かりませんが……。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    とはいえ欧州は、電池はアジアに頼るしか無かったのでは……
    中華電池とその制御系に頼るしかないあたり、終わってますが。
    ※韓国電池も同義。

    そんな折、気になるニュースも。

    リチウムイオン電池搭載の潜水艦、フランスとインドネシアが契約交渉を開始
    https://grandfleet.info/indo-pacific-related/france-and-indonesia-begin-contract-negotiations-for-submarine-equipped-with-lithium-ion-batteries/

    航空万能論GFさんのところですが、潜水艦に使うような電池、フランスは自国開発してましたっけ……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      フランスの潜水艦の話、インドネシアは欺されなければ良いんですが。
      フランスのスコルペヌ型潜水艦(通常動力)はなかなか優秀な船らしく、インドネシアに近いところではインドも採用しているんですよね。ただ、リチウムイオン電池があるのか?といえば、フランスAutomotive Cells Company(ACC)辺りが一生懸命生産していたはずですから、搭載する目処は立っているモノと。実機への搭載テストはこれからかも知れませんが。

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