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韓国がF-35の重整備拠点をゲット!と報じられる

韓国空軍
この記事は約9分で読めます。

えーと、ヨカッタネ?

[単独]韓国で「F-35A重整備」する…2027年清州に整備工場設置

入力2024.04.17.2024.04.17.午後6:30修正2024.04.17.午後6:32

日本が韓国空軍の戦略資産であるステルス戦闘機F-35Aの高度な重整備を担当することになり、情報漏洩の懸念が多かったのですが、2027年から韓国空軍が直接F-35Aの重整備を行うことが最終決定されました。

NAVERより

記事の内容に若干違和感を感じはするんだけど、韓国空軍がF-35Aを導入後ずっと抱えてきた問題を解消できそうなことは喜ばしい。

整備拠点の取得は韓国にとっては喜ばしいことだが

整備の難しいF-35

このブログでは韓国が採用したF-35Aに関しても定期的に記事を書いているが、まとめて書いているのはこちら。

でココでも紹介しているのだが、韓国がF-35Aの導入を決めて、2019年に最初の機体が納入され、合計40機が韓国国内で運用される状況になっている。

ただ、整備の問題は懸念材料ということに。

どういうことかというと、高度な機能を持つF-35A戦闘機の性能を維持する為に、重整備拠点というのが国際的に複数設けられていて、日々の点検レベルは各国で行えるが、数年に1度の割合でエンジンの定期検査や分解・検査整備、改修などはMRO&U(Maintenance Repair Overhaul and Upgrade)施設と呼ばれる整備拠点で行う必要がある。

これは、部品供給にODIN(Operational Data Integrated Network:運用情報統合ネットワーク)というシステムを採用しているとも関係しているといわれていたのだけれど、当初採用する予定だったALISも、方針転換によって採用予定のODINも、あまり上手くいっていないので本当に関係するかは不明。

Start of F-35 ODIN Software Fielding to Squadrons Delayed Until 2025

04/21/2023

While the U.S. Air Force’s fiscal 2023 and 2024 budget requests said that fielding of Operational Data Integrated Network (ODIN) software for the Lockheed Martin [LMT] F-35 fighter would begin in the third quarter of this year and end in the first quarter of 2025, first fielding of the software is now slated for 2025.

~~対訳~~

F-35 ODINソフトウェアの飛行隊への配備開始は2025年まで延期

米空軍の2023会計年度と2024会計年度の予算要求では、ロッキード・マーチン [LMT] F-35戦闘機の運用データ統合ネットワーク(ODIN)ソフトウェアの実戦配備は今年の第3四半期に開始され、2025年の第1四半期に終了するとされていたが、ソフトウェアの最初の実戦配備は2025年に予定されている。

DEFENSE DAILYより

F-35戦闘機が国際開発をして、部品供給業者が各国に散らばっていることが問題の本質であるかも知れないのだが、とにかく部品の管理をサポートするプログラム開発が遅延している。

まあ、色々新しいことをやっているので仕方のない面はあるんだろうけれど。

国際整備拠点が貰えなかった韓国

で、韓国はF-35Aを購入決定する段階から、「ウリにもMRO&U拠点が欲しいニダ」とおねだりをしていたのだが、芳しくなかった。

[単独]「F-35の整備、韓国軍が判断…日本の三菱からオファーない」

入力2020.07.02 14:59

空軍が昨年から導入されているF-35Aステルス戦闘機が日本戦犯企業三菱重工業に渡って整備を受ける日本のメディアの報道を正面から否定しました。

空軍関係者は「韓国軍戦力の整備は完全に私たちの軍が判断して決定する事案であるうえ、日本やアメリカ側の正式なオファーもなかった」と、このような明らかにした。

先にNHKは防衛省を引用して、「今月からアジア太平洋地域のF-35の整備拠点で運用されている三菱愛知県の工場で、韓国軍のF-35A整備も行われる」と伝えました。

OBSより

アメリカは「日本で整備して貰えよ」「近いんだし」という姿勢でいたのだが、韓国にしてみれば国防上の観点からそれは望ましくないという主張をしていた。

それは日本が仮想敵国として想定されていることも関係しているのだろうが、しかし、一応日本と韓国の間にはGSOMIA(秘密軍事情報保護協定)が結ばれているので、今更という気はするんだ。

しかし、2021年に購入したF-35Aもそろそろ3年が経過して、一向に整備拠点を選定することが出来ないでいることは、韓国空軍としても宜しくはない。

だから、韓国はしきりにアメリカに対してMRO&U拠点のおねだりを繰り返していた。

追加購入のタイミングで

で、昨年、F-35Aを20機追加で購入することを決めて、その時に再度おねだりをしたら、OKを貰えたとか。

韓国軍は昨年末、総事業費4兆2,600億ウォンを投じてF-35A20台と関連装備を2028年まで導入することにしましたが、これとともに総事業費の増額なしに韓国で重整備を行うことができるように米国と合意したことが確認されました。

NAVER「韓国で「F-35A重整備」する」より

……この手の報道が出たときに、相手側から「そんなこと言っていない」と否定されるのがいつもの流れなんだが、今回は大丈夫なのだろうか。

アメリカとしても在韓米軍を維持する為には、韓国に整備拠点があった方が都合が良いことは多いのだろうけれど……。

日本で整備を行うと、韓国空軍の作戦情報が日本側に渡されることになりますが、清州基地整備場設置でそのような懸念が解消されることになりました。

NAVER「韓国で「F-35A重整備」する」より

ふむ。この件、航空万能論さまのところでも報じていた。

韓国が整備権限を取得、2027年から清州基地でF-35Aの重整備を実施
韓国の防衛事業庁は「F-35Aの重整備について米国側と国内実施で合意した」「清州空軍基地内に設置される施設で2027年末から重整備が開始される」と明かし、フィンランドに続き韓国も自国機向けの整備権限を...

だから情報が正確だという話にはならないのだが、ただ、イスラエルに続きフィンランドも機体、エンジン、コンポーネントの整備や修理を自己完結できる運用体制の構築が認められた実績があるとのことで、多数の機体を購入する韓国にも認められたとしても不思議はない。

ないのだが……、えーと、整備が始まるのが2027年からだということになっていて、そうするとあと3年は重整備ができないことになる。

ええのん?それは。

それとも、それまでは整備のためにアメリカに持っていくのだろうか?日本での整備は断固拒否の姿勢を見せているので、それは勝手にしていただければ良いんだが。

追記

別の記事でも、この関係の話を報じているね。

S. Korea to build F-35 maintenance facility at Cheongju Air Base

Published : April 18, 2024 – 09:57

South Korea will build its own maintenance facility for its F-35A stealth jets by 2027, a move that would enhance operational efficiency and reduce costs, the state arms procurement agency said Thursday.

~~対訳~~

韓国、清州基地にF-35整備施設を建設へ

韓国は2027年までに、F-35Aステルス戦闘機のための独自の整備施設を建設する予定である。

コリアヘラルドより

整備施設の建設はやっぱりこれからっぽい。記事によると2027年末までに工場を建設して環境の整備を行うことと、2025年から順次、空軍熟練整備士30人余りが米国に派遣され、専門教育を履修することが決まっているようだ。

South Korea’s Air Force operates a fleet of 39 F-35As at an air base in Cheongju, 112 kilometers south of Seoul, after one jet retired last year due to damage from a bird strike.

In December, the Defense Acquisition Program Administration signed a letter of acceptance with the US government to procure an additional 20 jets, scheduled for delivery beginning in 2027.

DAPA said the second phase of the F-35A procurement deal includes provisions for South Korea to establish its own facility for heavy airframe maintenance, repairs, overhauls and upgrades, as well as stealth coating.

~~対訳~~

韓国空軍は、ソウルから南に112キロ離れた清州の空軍基地で39機のF-35Aを運用している。

12月、国防調達計画庁は、2027年からの引き渡しを予定している20機のジェット機を追加調達するための受諾書に米国政府と署名した。

DAPAによると、F-35A調達契約の第2段階には、韓国がステルス塗装だけでなく、重機体のメンテナンス、修理、オーバーホール、アップグレードのための独自の施設を設立する条項が含まれている。

コリアヘラルドより

DAPA(Defense Acquisition Program Administration:韓国防衛事業庁)の発表なので、韓国の公式発表って位置づけだね。よっぽど確証がないとこんなことを嘘つかないだろうけれど、この契約が本物かはちょっと怪しいかも。

F-35の契約では戦闘機に関する機微技術の技術移転がオプションとして盛り込まれていたという話があって、その後に重要技術に関して移転に合意した事実は無いという話になっちゃった。で、KF-21に搭載するいくつかの技術は自国での開発を余儀なくされたってな話だった。

アメリカ側からの情報が出てから、この話は本当だったということにした方が安全のような気がするよ。

コメント

  1. アバター 匿名 より:

    韓国は官公庁も外交シーンで「実は嘘でした」「景気良くぶち上げたけど実際は尻すぼみ」をよくやるので
    信用ならんですね

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    この記事は、あちこちで見かけて真偽付けられず困ってましたが、大筋は本当、で決着しそうですね。
    ※色々と韓国は軍事関係でアメリカに食い込んでるので、その見返り、という説に同意出来ます。

    あとは、運用開始してから、またぞろ「ブラックボックス開けちゃいました」とかが起こらないと良いのですが。
    ※国境線越えた情報流出も心配、まあ、その問題は本邦にもありますが。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      韓国が公式に発表しているので、おそらく大筋では間違いではないと思います。
      ただ、記事にも書いたように「韓国側の認識では間違いない」ということなので、本当に?という疑いはまだ拭えないんですよね。

  3. アバター 匿名 より:

    重整備工場の運用が2027年からODINのソフト運用が2025年から…
    北側さんもしかしたら今が一番チャンスなんかもですね
    いや、ブラックボックス開封の27年以降のほうが良いのか?
    すると台湾有事もそれ以降かも?

    • 木霊 木霊 より:

      あー、どうなんでしょうね。
      北の将軍様も求心力がなくなって四苦八苦している感じなんですよね。それどころではないかも?

  4. アバター 匿名 より:

    まあMRO&U施設出来るなら作ってもええんやないですか?
    日本にとっては歓迎されないお客さん(韓国)の相手しなくて良いし、アメリカさんは整備資材やらその辺でお金稼げるしwinwinじゃあないですか!
    問題が有るとすればたかだが60機(納入確定分含む)F35でペイ出来る程お安く無いと思います。
    日本は国内100機超プラス在日プラス在韓の整備 メンテナンス契約込みで稼げますけどね

    • アバター 匿名 より:

      ゆんゆんの次の酋長が左派なら、運用に至らない未来もありそう。
      まだまだ、ハードルはたくさんありそう。

    • 木霊 木霊 より:

      本文ではMRO&U施設だとしているんですが、サイトによってはFACOだと断じているところもあるんですよね。
      日本の場合はFACOでMRO&U施設を兼ねていて、今のところMRO&U施設だけと言うところが無いようなので、それ故の混乱なのかとも思いましたが。
      この辺りはもう少し詳しい情報が出たらまた追記したいと思います。

  5. アバター 砂漠の男 より:

    受け入れ側の韓国に、将来的な追加負担がない保証はまったくないでしょう。
    初期導入設備に追加費用負担はないとしても、機体の高性能化や仕様の変更等に伴って、先々それだけではフルカバー出来ない整備でも出てくれば、それ相応の追加設備投資は必要ですけど、それを韓国側が嫌って要らないというなら、それまでの事でしょうね。
    日本にとっては、どうでもいい話ですけど。

  6. アバター 孤高の人 より:

    この記事にビックリしましたね。韓国は過去20年ぐらいの間に戦闘機の整備不良その他で40機程度が墜落して20人程度のパイロットが死亡してますよね?そんな低レベルの工業技術国で最新のハイテクのステルス戦闘機の重整備する?

    俺の想像だが・・

    その後韓国整備のF35が数機が整備不良で墜落して、米軍に激怒されて、日本政府に「助けてくれ」と泣きつく。壷自眠党が「心配しなくても三菱に支援させるから大丈夫」とかバカ言いそうで怖い。

    戦後はGHQがK国を作って壷自眠党に面倒みさせてきた。それがこの後も続くのかよ?
    もう、このへんでおしまいにせん?

    • 木霊 木霊 より:

      韓国の兵器産業は驚くほどの進化を遂げていますよ。
      ご指摘のような過去の整備問題が存在したのは事実ですが、一方でそうした問題の解決に向けた努力は行っています。なので、韓国国内に重整備拠点を整備できるというのであれば、「存分にどうぞ」と思う次第であります。十全な整備ができるかは別ですが、技術力は向上していますので可能性がないとまでは言えないのかと。

      ただそれはそれとして、整備不良の問題は整備文化の問題でもありますので、韓国整備のF-35が整備不良で墜落というニュースが出回る可能性は否定できませんが、日本で整備した韓国空軍のF-35Aが墜落するような事態を招くリスクを考えると今回のニュースは日本でも歓迎すべきなのでは?と思っています。
      在韓米軍は、果たして韓国にMRO&U施設ができたとして、果たして韓国で整備するのか?という点にも疑問ですね。

      最後に、「壷自眠党」という言葉は不適切である様に思いますので、今後弊ブログではお使いにならないようにお願いいたします。自民党を嫌うことは別に問題ありませんし、その事を書かれることも咎め立ては致しませんが。

  7. アバター 孤高の人 より:

    この「韓国、重整備国内実施に米国と合意。2027年末から清州空軍基地内施設で重整備が開始」の話の内容に大きな疑問点が・・・

    ★韓国空軍がF35を導入したのは確か2019年頃でもう5年が経過してるはず。それなのに重整備出来るのが2027年末とはさらに3年先でつごう8年も未整備状態を看過するみたい。

    ★日本でも100億円で買えるF35を一機につき30億円余計に払って合計1200億円出して、三菱重工も数百億円も整備場負担してるのを韓国はつごう数千億円も払ってする。

    ★当初は韓国空軍の40機しか重整備しか出来ないので年間数百億円の赤字も出るけど負担する。

    ★今回2024年の国会議員選挙で与党は惨敗してるので共に民主党の 李在明という左翼政権が今の大統領に替わるかもしれないのに、韓国にF35の重整備を米国政府が許すだろうか?

    ・・・・なんかとても、無理筋みたいだけど、どうなんだろう?・・・

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