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馬毛島基地整備と反対派の運動

安全保障
この記事は約8分で読めます。

取り上げる価値があるかどうか悩んだのだけれど、ちょっとだけ触れておくことにした。

自衛隊基地整備進む馬毛島 「戦争の島にするな」全国の平和団体が初の交流会 工事中止実現へ連携確認 種子島

2023/11/14 08:33

全国の平和団体などが13日、鹿児島県西之表市のホテルで、同市馬毛島の自衛隊基地整備に反対する「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」と初の交流集会を開いた。

南日本新聞より

ふーん、「全国の平和団体」ね。平和団体って何する団体?

胡散臭い平和団体

平和団体の名を借りた老人会

暇なんだよね、きっと。

ニュースに添付されていた写真がこちら。「連帯の旗」という単語が光る。映っているのは軒並み高齢の方々ではあるが、きっと平和が大好きな人々なんだね。

なお、日本語的に「連帯」という単語だけ聞くと、「二人以上がいっしょになって事に当たり、責任を共にすること。」という意味になると思うんだけど、ここで出ている言葉は、おそらく連帯ユニオンの「連帯」なんだと思う。

全国建設運輸連帯労働者組合(連帯ユニオン)だが、有名になった関西生コンの関連団体である。そして、連携する団体として平和フォーラムという名前の組織がある。

正直、新聞で「平和団体」とか「連帯」とかいう言葉を見ると、「ああ、あの人達ね」と思ってしまう。もちろん、確証があるわけではないんだけど。

全国レベルで組織

彼らが全国レベルでの組織を維持できている理由は、「平和に関心が高い人が集まっている」ということではなく、こうした連帯ユニオン系の左翼団体や日本共産党や社民党といった組織がバックアップしているからだ。

彼らにとっての運動は、平和の実現を求めるのではなく、組織維持を目的としている。高齢化が進んで先細りが見えている団体だからね。

25都道府県から約140人、連絡会メンバー約40人が参加した。連絡会の渡辺道大事務局長(42)が基地整備までの経緯や着工後に浮き彫りになった住民への影響を説明。米軍や自衛隊の基地による騒音問題を抱える沖縄県や山口県岩国市、東京都の代表者はそれぞれの取り組みを紹介した。

南日本新聞より

というわけで、老人会の様相を呈していたであろう連絡会なのだけれども、連絡会の事務局長、渡辺道大氏は日本共産党に所属の市議である。

固有種マゲシカもピンチ 政府が急ぐ馬毛島の軍事基地化 騒音、埋蔵文化財…地元の懸念に耳貸さぬ理由とは

2023年1月12日 06時00分

米軍機の訓練場となる自衛隊基地が計画されている馬毛島(鹿児島県西之表市)が、2011年に候補地となって以来の重大な節目を迎えた。12日にも、本体工事が着手される見通しとなったのだ。急ピッチで進む国の手続きで、騒音や漁業被害への住民の不安は置き去り。これほど急ぐのは、翌13日の日米首脳会談の「手土産」だからではとの見方もある。米軍との一体化を加速する新基地建設は、何をもたらすのか。

「国会での議論もなく、地元の民意も無視された。強引な話で一方的に外堀を埋めるようなやり方だ」

11日午後、鹿児島県庁前で開かれた集会で、「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の山内光典会長(72)は語気を強めた。

東京新聞より

ここで登場する会長の山内光典氏だが、2023年鹿児島県議会選挙で落選した議員である。無所属で出馬しているが、社民党推薦の人物である。

馬毛島への軍事基地着工に反対する官邸前抗議に60人!

彼らにとっての反対運動というのは、運動することが目的であって平和(以下略

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馬毛島に建設中の基地

陸上離着陸訓練(FCLP)を移転

反対派の活動を取り上げた記事では、どんな基地が建設されてどんな意義があるのか?ということには触れられていない。

過去には記事を書いたんだけれど、データをとばしてしまったので簡単に説明しておきたい。今残っているものだと、これくらいかな。

で、先ずは島の様子なんだけども、こんな形の島だ。

種子島のお隣のそこそこの面積のある島だが、実は無人島になっている。元の所有者はタストン・エアポート社という破産してしまった会社で、防衛省から買収が持ちかけられていたが散々ゴネて引き延ばしを行い、平成19年頃から交渉が始まって令和元年になってようやく売買契約の合意に至った。

で、基地の工事が始まったのが令和4年1月12日以降の話となっている。

どんな基地かというと、陸上離着陸訓練(FCLP)を行う基地で、空母への離着陸訓練が主に行われる。陸上に建設された滑走路を空母の飛行甲板に見立ててタッチアンドゴーを繰り返す飛行訓練である。

img

これまではこうした訓練を硫黄島で行っていたのだが、利便性が悪く訓練を行うのに時間と費用がかかるという問題があった。

で、この訓練場所を鹿児島市の馬毛島に持ってくることで、やりやすくしましょうというのが今回の工事の目的である。

設備配置

なお、航空写真を見ると分かるが、なにやら島に十字の模様がついている。これ、元の所有者が滑走路を建設しようとしていた名残なのだけれど、そもそもこの島、山がなく河川もない。よって農業に適さず人が住むにはかなり不都合なことの多い島なのだ。それ故、無人島になっている。

種子島からは凡そ12km離れていて、漁業をするのに適した漁場が島の周囲にあるとのことだ。

そんな島に、このような滑走路や施設を建設する予定になっている。

img

なお、航空自衛隊の基地扱いではあるが、勤務する自衛隊員が暮らすための宿舎は種子島に整備される予定である。隊員は150名~200名の予定で、その家族とともに居住できることになっている。

軍拡のジレンマ

こういった訓練基地が出来上がって何が問題かと言えば、始終訓練のために戦闘機が飛び回るので、騒音に関してはかなり懸念されている。

馬毛島の評価書に環境大臣が意見 「可能な限りの騒音対策を」

12月06日 15時38分

馬毛島への自衛隊基地の建設計画に伴う周辺環境への影響をまとめた評価書について、環境省は「騒音に関する懸念を踏まえ可能な限り最大限の対策に取り組むことが重要だ」とする大臣意見を防衛大臣に提出しました。

~~略~~

その上で、環境影響評価の前提となった飛行経路や飛行回数に変更がある場合には、必要に応じて騒音予測を行い環境保全措置を講じることや、基地の運用後に行われる環境監視調査について、地元自治体などの意見を踏まえて、調査の方法や期間などをまとめた計画を事前に公表することなどを求めています。

NHKニュースより

種子島の岸から12km離れているとは言え、上空を飛ぶことになるのだからかなり五月蠅くなる可能性があるのは事実である。何しろ、爆音と名高いF/A-18E/F戦闘機や、F-35Bの発着訓練をやることは確実なので、騒音問題は起こりうる。実際に、厚木基地でも騒音問題は訴訟に発展している。

ただ、騒音問題は風向きなどの環境に大きく左右されるので、作ってみないと分からない部分はある。運用しながら対策を考えることになるんじゃないだろうか。滑走路の向きなどは考慮されている節はあるんだけどね。

それに、種子島ってロケットの打ち上げをそれなりの頻度でやっているんだが、それはいいのか?ロケットの音はかなり凄いんだけど。

沖縄国際大の前泊博盛教授(日米安保論)は「(馬毛島を含む)南西諸島をなぜ急に軍備強化しなければならなくなったのか、原因が十分説明されていない」と疑問視。中国側も呼応するように軍事演習をしていることから、互いに競争をやめない「軍拡のジレンマに完全に入り込んでいる」と話す。

~~略~~

米国の戦略に合わせて南西諸島を基地として提供し続ける日本を「独自の防衛戦略もない。総合的判断が見えない中で、島々に犠牲を強いている」と嘆く前泊氏。馬毛島の役割が強化されれば、攻撃される危険はさらに増す恐れがあると強調する。「住民はそのリスクを十分に知らされていない。政府に説明を求め、判断していく必要がある」

東京新聞より

なお、「軍拡のジレンマ」という事をいう方が東京新聞に紹介されているが、素人かっ!前泊博盛氏は、教授と紹介されているんだけれども、元は琉球新報の記者である。軍事の専門ではなく、きっと平和の専門家だね、上の方で説明した感じの。

まあ、さておきこの話は順番が逆で、支那が軍拡をやっているから日本側も仕方なく軍備強化をせざるを得なくなっているのが現実である。前泊氏は支那の代弁者って事なのかもしれない。

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実際の効果

ただ、馬毛島に基地を作ったら支那が攻撃してくる!というのはかなり短絡した理解である。

先ずはコチラの図を見て頂きたい。

これはwedgeの記事に添付されている図で、支那がそこそこの大きさの海軍属の艦船を出すには4ルートあるよという話になっている。が、実際にはもうちょっとルートが多い。使いにくいルートも含めると9ルートあるという話を説明するのがコチラ。

上の図よりも範囲が広いので、6番目くらいのルートが上の図に対応する出口なのだけれど、2番目と3番目も使えるよと言う積もりで紹介している。

で、この2番目の通路が、馬毛島の基地が出来上がると「使いにくくなるね」という話になる。支那の代弁者達が馬毛島の基地建設を嫌がるのはそういう理由である。

結局長くなってしまったけれど、「馬毛鹿が」どうとか言っている場合ではないのが、この話の本質なのである。しかし、ジュゴンの次はマゲ鹿かぁ、左派は芸がないねぇ。

追記

つまり、馬毛島にFCLPの基地を作ると、こういうのの牽制になるって事だね。

中国海軍の艦艇 鹿児島 大隅海峡を通過 海自護衛艦などが警戒

2023年11月15日 17時44分

太平洋を航行していた中国海軍の艦艇が15日、鹿児島県の大隅海峡を通過して中国の方向へ向かったのを防衛省が確認しました。周辺では海上自衛隊の護衛艦などが警戒にあたっていて、その様子をNHKのカメラが撮影しました。

大隅海峡を通過したのは、中国海軍のミサイル駆逐艦と、フリゲート艦、補給艦の合わせて3隻です。

NHKニュースより

勝手に通れば良いじゃないか、と思われる方もいるかもしれない。

大隅海峡は、軍艦を含めて外国の船舶の航行が認められている「特定海域」で、中国海軍の艦艇の通過は
▽3年前は確認されませんでしたが、
▽おととしは3回、
▽去年は4回確認されていて、
▽ことしは今回で7回目です。

NHKニュースより
大隈海峡

わざわざ特定海域の設定がしてあって、無害航行が可能になっている場所だからね。それでも、目と鼻の先を大型の砲を積んだ船が通過するのは面白くないし、どうせなら「いつでも上から爆撃されますよ」という緊張感を持って貰ったほうが良いよね。

コメント

  1. アバター 山童 より:

    おはようございます。先ず馬毛島の位置なんですが、ここは重要なんだと想うんですよ。二次大戦時に、米軍が日本上陸作戦を計画した時に、南九州、相模湾から三浦半島、房総半島が上陸地点で、馬毛島はこのうち南九州上陸作戦での中継地点にあると思った。
    つまりは逆ルートで太平洋側に出る場合も要衝になるって事ですね。

    次いで連帯……昔ポーランドにそんなのあったな。ワレサ委員長とか……。
    年寄りがお達者クラブするなら、歌を歌うとか手芸するとか、もう少しボケ防止になるような事をやれよ(笑)
    だいたい背後にいる共産党とかは何がやりたいわけ?
    今さら世界革命なんか笑止だし。最後に残る共産党国家の、中国も北朝鮮ももはや共産主義国家でないのは明らかしよ?
    太子党とか世襲独裁の共産主義って何なわけで? 共産党が自分等の議席を保持したいのは解るのですが、そこと中国にどういう関係がある?
    日本を占領したら、自分等は特権階級に入れてもらえるとか密約してるのかな?
    まぁ、んな事に血道をあげるなるば、いい加減、トップの席に固執する志位氏をなんとかせいよ。話はそれからだ。

    • 木霊 木霊 より:

      日本共産党が一体何処を目指しているのか、サッパリです。
      ですが、その党員達は盲目的に信仰している感じなんですよね、危ういです。

      トップの交代があれば、考え方が変わるんでしょうか?

  2. アバター 山童 より:

    も、ね、左翼はてしなくダメだな想うたのは、なんか刑務所の女性囚人は、産んた子供を(刑務所内で)育てる権利がある…とか、日本は遅れてるとかホザいてる記事を見てしまった。
    バカてねぇの?
    その子供の方こそ「刑務所で囚人に育てられたレッテル」貼られて迷惑だわ!!
    こういうねぇ、偏差値たかくて地頭が低能が多いすよ左派な奴らは。

  3. アバター 山童 より:

    左派が国は違えど、どこも変なのは何故なのか?
    最近、フランスでは言語の男女名詞の統一化が叫ばれてます。仏語には名詞に性別がある。ex 絵画は女性形 芸術は男性形
    そこを男女差なくせ!と。
    しかし、そもそもフランス語がキレイと言われる所以は、現在の標準フランス語って、18世紀に宮廷の官女の言葉を標準語に定めたからなんてすね。この背景には、当時の西欧の外交用語がフランス語だった事があり、よりキレイな発音にしようとした背景があるす。
    つまり、もともとは女性型で、それ故に名詞に男女差を出す事が(近代に)残ってきたとも言える!
    そういう歴史的かつ実際的用途を無視して、一方的に何かを押し付けようするてないですか。左派というのは!
    それって、彼らは庶民、人民、市民の方を向いていると言えるのてせうか? 
    何かと言うと「市民運動」を主張するが、彼らを支持する「市民」とは「特定少数」で「プロ市民」ばかりではないかと疑うんですね!!

    • アバター 山童 より:

      結局ですね、冷戦崩壊だ想うす原因は。
      それまでは左派思想って、武装革命か否かは別として、「最終的には世界革命で世界は社会主義国たけになる」を理想としてきた訳ですね。
      んが、その中心にして震源地のソ連が崩壊した。世界の中心は米国に移る!
      んでんでカチンの森虐殺とか、スターリンの粛清とか、大躍進や文革、拉致被害者問題など、それまで左派が隠していた共産党政権の持つ欺瞞と危険性が顕になるてきた!
      そこで左派は「大義名分を失う」訳です。いまさら誰も世界革命なんか、辺境の毛沢東主義者(ネパールのそれとか、ペルーのセンデルロロミノソとか)しかおらんてせう!
      んでんでんで、左派は「リベラル」を自称するようになり(本来は中道保守を意味したWord)、その主張を、ジェンダーフリーだの地球温暖化だの、熊を殺すなたのと、普通の人が反対し難い方向へズラすようになったのでは?
      つまり彼らは本気では何も考えてない単なる金と支持集めに過ぎんという見解てあります!

  4. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >戦争の島にするな

    戦争って、ホント、便利な言葉ですね。
    「戦争の出来る国」にするな、とか。

    いや、主権国家で戦争出来ない国は存在しない(防衛戦闘の放棄は主権の放棄に等しく、「国民の財産も命も、国家として護る意思はない」と表明するに等しい)のでは?

    ついでに言うと、戦争、もう始まってますよね。
    「経済」と「情報」の戦争が……

    結局のところ、彼らは「自分は死にたくない、殺されたくない、自分は無抵抗、這いつくばって靴舐めてでも命乞いする。だから、お前らは銃を向けられる理由を増やすな!」と言っているわけで、何故銃を向けられるか、向けられたくなければどうするか、その発想が欠けている、出来ないのだと認識してます。
    ガザ侵攻のきっかけとなった、音楽フェスの参加者は、一体、どんな悪事を働いてあんな目にあったというのでしょうね?彼らは。

    多分、ここから、日本は、彼らの嫌う「右傾化」をするのでしょう。それは、彼らと、彼らが靴を舐める「銃をこちらに向ける人達」がもっとも嫌い、もっとも避けようとしてきた事ですが、哀しいかな、そのきっかけを作ったのも、やはりその一群である、その認識も、やはりないのでしょうね。
    ※支那上層部にはあるようで、だから、公の場ではあることないことかまびすしい限りではありますね。

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