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【韓国軍】K2戦車が増やされないと退役できないM48A5戦車

韓国陸軍
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おめでとう!とうとうM48A3Kは退役が終わったんだね。

「50年前の装備が今もある」、古い武器まだ使う韓国軍[パク・スチャンの軍]

入力2023.10.15 午前6時04分|修正2023.10.15 午前9時38分

K2戦車、無人偵察機、無人水上錠、玄武弾道ミサイル… 。去る1日、国軍の日75周年記念行事と時価行進で姿を現した韓国軍の先端武器だ。

~~略~~

昨年公開されたものと比べると、海兵隊M48A3K戦車は今年明らかになった耐久年限超過装備対象から除外された。

NAVERより

新しい兵器を追い求める傾向の強い韓国軍だが、ついに老朽化兵器を退役させてあげる気になったようだ。

流石に老朽兵器は使い続けられない

M48戦車は傑作だが

このブログでも韓国陸軍が骨董兵器を使っている話は紹介している。

それが悪いことだとは言わないのだけれど、残念なことにメンテナンスが出来ない兵器を使い続けるということは危険を伴う行為である。

M48戦車「パットン」はベトナム戦争(1955年~1975年)で活躍した戦車で、アメリカ陸軍の主力戦車だった。が、その後、韓国陸軍に払い下げられた。

M4「シャーマン」、M48「パットン」といえば、古き良き兵器という印象のレガシー兵器になっていて、アメリカでは博物館に飾られている。

で、流石に韓国陸軍でも運用しているM48A3K/A5のうちA3Kは何とか退役させることになったのだと言うが、今回の本題である(注:A3Kは去年中に退役出来た模様)。

耐久年限が25年だったM48A3Kは90mm主砲を使用する戦車で、1970年代から韓国軍で使われた。

NAVERより

何しろ、M48A3Kは1970年から使い始められて、そろそろ50年を経過する機体ばかりになっている。この経緯については既に前の記事でも言及しているね。

M48A5はまだ退役できない

ただ、M48A5の方は未だもうちょっと現役で頑張ってくれ、という状況は続いているようだ。或いは、10月になったら変化があると思っていたんだけど。

1964~1995年に導入されたM48A5K戦車は耐久年限(25年)を超えたが、完全に退役していない状態だ。昨年基準で400台余りが残っていることが分かった。

NAVERより

未だに400両が現役なんだそうな。

地上分野はM48A5K戦車、M101 105mm曲射砲、M114mm 155mm曲射砲、ミストラル地対空ミサイルとTOW対戦車ミサイルが退役予定対象となった。

NAVERより

退役予定対象にはなっているので、徐々に退役していくのだと思うんだけどね。

でも、じゃあ、いつになったら退役出来るのか?ということなのだが。これが代替してくれるK2戦車の製造がちょっと足を引っ張っているので、長引きそうだよ。

これに関連して防衛事業庁は去る5月、国産K2戦車4次量産計画を確定した。来年から2028年までに1兆9400億ウォンをかけて150台余りのK2戦車を作る。K2戦車が追加配置されれば、装甲戦力の現代化はさらに弾力を受ける見通しだ。

NAVERより

ここに書かれている第4次生産計画なんだけど、なかなか不安な話がついて回っているんだよね。

  • 第一次量産計画:2014年にドイツ製パワーパックを搭載した100両の納入開始
  • 第二次量産計画:2018年に国産エンジンとドイツ製トランスミッションの組み合わせで、80両の納入決定、2019年より引き渡し開始
  • 第三次量産計画:2020年に国産パワーパックを採用し、性能と価格をディスカウントして118両の納入計画が発覚(注:結局、第三次量産計画では、韓国産エンジン+ドイツ製トランスミッションの組み合わせが採用されて製造されている)
  • 第四次量産計画:2024~28年で、150両を生産する予定だが、国産パワーパックが搭載されるかは未定。

防衛事業庁の関係者は「K2戦車4次量産事業では基本的に韓国産変速機の適用を推進する。検査通過に必要な320時間耐久検査は3~4カ月かかる」と説明している。

Yahooニュースより

なお、2023年6月に第4次生産計画が発表されているので、そろそろ耐久検査が終わっていてもおかしくない。

M48A5「パットン」は、この生産される予定のK2戦車に入れ替えられるというのが、当初の予定なんだけれども、「不安な話」というのはポーランド絡みの話だ。

K2戦車1000両を大人買いしたポーランド

何かというと、こんな話。

ポーランド 韓国の戦車約1000両/自走砲約650両/戦闘機約50機導入へ ライセンス生産も

2022.07.28

ポーランド国防省は2022年7月27日、韓国製のK2戦車や、K9 155mm自走榴弾砲、FA-50軽戦闘機などを導入することを決め、契約を締結したことを明らかにしました。

発表によると、K2戦車は当初180両を輸入し、以後800両以上をポーランド国内でライセンス生産するとのこと。なお第1段階の180両は2022年後半から取得を開始する予定で、ライセンス生産する第2段階の車体は2026年から国内製造をスタートさせます。なおライセンス生産車はK2PL(PLとはポーランドの意)と呼ばれアップグレード型で、第1段階の完全輸入のK2戦車も随時、K2PL規格に改修していくそうです。

乗り物ニュースより

韓国K2戦車が3カ月前倒しでポーランドに到着

2023年3月27日 12:00 

韓国の現代ロテムは22日、ポーランドのグディニャ(Gdynia)にK2戦車5台が到着したと発表した。当初の納期は6月だったが、約3カ月前倒しした。

今回到着したK2戦車は昨年8月にポーランド軍備庁と契約した180台のうちの一部だ。

AFPより

韓国がポーランドに戦車を輸出できるぞ!と大騒ぎしていたこの話。確かに、韓国製戦車が外国に輸出できることは快挙だし、日本勢としても垂涎の眼差しで見るべき案件だ。

でも、韓国が「できらぁ」してしまったために、第3次生産計画から5両持ち出したんだよね。更に18両納入予定なので、追加で13両は第4次生産計画から持ち出しが決定している。更に、180両は韓国国内で作る必要があり、それがPL仕様(ポーランド用)なので色々忙しい。

つまり、第4次生産計画は150両作る予定の所、実際には追加で180両(予定の180両のうち5両は納入済みだが、国内分から5両融通したのでその分は作らねばならない)は必要なのだ。今まで、年間100両程度しか作っていなかったのに、いきなり3倍造る能力が本当にあるのか?という疑念は出てくる。

3年あるんだけど

尤も2028年までに作れば良いのなら3年はある。年間100両の生産能力があるのならば余裕だという風にも言えるが、韓国戦車は他国の製品を組み合わせて作っている関係で、部品の納入が無いと組み上げられないという問題もあって、本当に予定通りいけるのか?ということは怪しい面もある。

【独自】「K2戦車の韓国製パワーパック、ドイツの許諾なしには売れない」

2020/10/21 09:41

韓国の防衛事業庁はK2戦車のパワーパック(エンジンと変速機を結合した動力装置)に用いられる変速機の国産化を推進しているが、国産化そのものはできても主なパーツはドイツから輸入しなければならず、これにより輸出もまたドイツの許諾を受けなければならないという指摘が20日に提起された。防衛事業庁はこれまで「K2戦車のパワーパックが国産化されたら輸出が本格化するだろう」と主張してきた。

朝鮮日報より

その懸念の1つがパワーパック問題だ。国産化に成功すれば不安材料が減るんだけど、これが未だ確定では無い。更にこんなニュースが。

「韓国K2戦車、欧州団結して拒否を」ドイツ防衛産業CEOが露骨に牽制(1)

2023.10.08 13:04

先月29日、米政治専門メディアのポリティコは「欧州の防衛産業企業がウクライナで武器を生産するため初めて足を踏み入れた」と報道した。欧州とウクライナの間の意向書締結や合弁工場設立が相次いで推進されている。西側は直接的な武器支援を減らし、ウクライナは自らの能力を向上するもののため当然といえる。

だが中長期的に西欧の防衛産業大国が東欧の防衛産業市場で主導権を強化する足がかりになるかもしれない。

中央日報より

ちょっと何を言っているのか分からない記事だが、要は北欧の軍需産業が力を入れ始めたので、韓国の企業がはじき出される可能性があるという話。

で、直接的には書いてないんだけど、需要が増加しているために韓国に部品を供給できる余裕が無くなるのではないかという懸念もある。書類不備やら色々な法整備の関連で嫌がらせをするという様な事もあるかも知れない。

ポーランドの評価によれば、K2戦車は独レオパルト2A7戦車と比べても遜色ない良好な性能評価が得られている。その評価が正当なものかどうかは分からないが、ドイツ陣営が警戒感を持つことは確実で、そのれに関連した嫌がらせが出てくる可能性はある。

そんな事情を考えると、2028年までに作ることが出来るのかは微妙な感じ。という感じで、M48A5は未だ未だ退役が先延ばしになるようだ。

部品供給も難しい。運用国が減り、部品製造業者が生産を中断すれば、部品の入手が一層難しくなる。これは部品購入費を上昇させ、稼働率を低下させる結果を招く可能性がある。

NAVERより

暫くは共食い整備で繋ぐにしても軍事力の低下は避けられないので、手持ちの兵器で頑張るしか無い。でも、現役主力戦車のK1も老朽化が結構激しいので、メンテナンスはしっかりやる必要がある。全体的に韓国陸軍機械化部隊は、手薄になりそうな予感だ。

コメント

  1. アバター BOOK より:

    うーん。木霊さんブログネタ的には面白い話になりにくいかもですが、

    1.この間ご紹介頂いた「韓国のポーランド武器輸出が暗礁に?」の韓国内の問題や
    2.ポーランド政権交代しそう≒無茶な武器の大人買いは抑制しそう
       https://jp.reuters.com/world/europe/ZIPNW7A6RJNSTNDZ3IQJOJMPMA-2023-10-16/

    からして、輸出できなくなって国内に回って来て、まあ大丈夫なんじゃ(笑)?

    p.s. 以前の動画、ユーロパック。すごいですね。 あれと互換性があると言うなら、K2とレオパルドは少なくともエンジンに関しては、相互互換があり、レオパルド壊れたら最悪K2のエンジン積んで補修も可能、その逆も可能。

    うらやましくも、素晴らしい軍事技術ですね。

    • 木霊 木霊 より:

      いやー、そこなんですけど、確かに1000両買うって話はかなり難しくなりそうな流れです。
      でも、最初の180両はおそらく買う話になりそうなんですよね、ポーランドは。
      流石に既に契約が終わっている分に関して、反故にしないでしょうから。

      なお、ユーロパックとの互換性って話なんですが、未だ、いまのところ「出来たら良いなー」という世界のようですよ。
      それでも、そこそこ走るだけの技術があるのは実証されていますから、十分に凄いんですけどね。

      • アバター 七面鳥 より:

        横合いから失礼します。

        >ポーランドは。
        >流石に既に契約が終わっている分に関して、反故にしないでしょうから。

        さてさて。
        政権交代しましたし、元々が「金は無いけど武器欲しい」でハンコ押してたポーランドですから。
        易姓革命で前政権のやったこと全部チャラ!くらい、やっても驚かないです。
        元東欧諸国ですから、そのくらいには信用置けないと思ってます。

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