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予定通り長距離ミサイル早期取得費用が計上される

安全保障
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急ぐね。

長射程ミサイルの早期取得費計上 防衛省、配備計画前倒しに向け

2023/11/07

防衛省は2023年度補正予算案に、装備品の取得費や施設整備費など8130億円を計上する方針を固めた。他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)にも使う国産の長射程ミサイルを含む弾薬の早期取得費として1523億円を盛り込む。木原稔防衛相が26年度に配備する計画の前倒しに意欲を示しており、こうした方針を反映させた形だ。関係者が7日、明らかにした。

共同通信より

まあ、「長い槍」は守るに適しているというのは、古代ギリシアのファランクス陣形よりの伝統ではある。

長距離ミサイルの配備は急務

トマホークの調達も急ぐ

さて、先日、アメリカからトマホークを「急いで買う」と報じられていて、反対派は結構騒いでいた気はする。

最初に「型落ちを売りつけられる~~!」と発狂していた人もいたが、今は型落ちだろうが早く欲しいというのが、日本の本音なのだ。

いや、2022年末の時点では最新のものを買う予定だったんだけどね。

しかし、木原稔氏が防衛大臣になってからマキが入った。そのおかげで、日本国内企業の開発費も盛られる事になったんだけどね。

国産ミサイルは開発中で、26年度に陸自の12式地対艦誘導弾の射程を延ばす「能力向上型」と、島しょ防衛用の「高速滑空弾」の納入を計画している。補正予算への計上により、開発を加速化させる考えとみられる。

装備品の調達を巡り、円安に伴う価格高騰で不足する経費を補うため249億円を用意する。

共同通信より

円安の影響が出ているが、こんなのは誤差範囲である。いや、嘘だ。去年の年末あたりは1ドル130円程度だったので、1ドル150円付近まで来ている現状を考えると、18%程度値上がりしている。まあまあ大きな額になる。

国内調達の方の積み増しをしたほうが良いんじゃないかな?とか思うが、しかし開発費を増やしたら早く出来るってわけでもないだろうから、ある程度は仕方がないかな。

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シーレーン防衛には必須

そして、トマホークの獲得は艦対地攻撃の出来るバリエーションを増やすということになる。

トマホーク購入400発予定、首相が提示 米国製ミサイル

2023年2月27日 19:00

岸田文雄首相は27日、米国製の巡航ミサイル「トマホーク」について日本が400発の購入を計画していると明かした。政府は2023年度に契約を締結し26、27両年度に海上自衛隊のイージス艦へ配備を目指す。相手のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」の行使手段にする。

日本経済新聞より

2026年度に配備を目指していたところ、前倒しして2025年には200発のブロック4型を手に入れる段取りになっている。

政府は国会で審議中の23年度予算案にトマホークの取得経費として契約ベースで2113億円を計上した。キャニスターと呼ぶミサイルの収納容器など関連費用を含む。トマホーク1発あたりの単価は明示しなかった。

日本経済新聞より

ブロック5からブロック4になったんだから、少し値段が下がりそうなものだが、その辺りははっきりしない。

冒頭のニュースでも「前倒しに意欲」とは書かれているが、実は2025年になったとは書かれていないんだよね。

ただ、こちらの記事にも書いたんだけど、シーレーン防衛の必要性が高まっているので、とにかく早く「長い槍」を手に入れたほうが有利であると考えているようではある。

正直、李克強の訃報を聞いたときには、「早まったんじゃないか」という嫌な予感はしたのだ。

カナダ軍への嫌がらせ

ここのところ、支那からカナダ軍への嫌がらせのニュースも何度か聞いた。

こういった圧力をかけるやり方を、果たして習近平氏の支持で動いているかはわからないものの、極めて危険な行為ではある。

中国軍機、南シナ海でカナダ軍ヘリにフレア弾放出 カナダ海軍発表

2023.11.04 Sat posted at 12:05 JST

HMCSオタワ艦上(CNN) 中国軍機1機が先月29日、南シナ海の国際水域上空を飛行中、カナダ軍のヘリコプターの前方でフレア弾を放出していたことが分かった。カナダ軍の将校らは、無謀な行動でありヘリコプターが墜落する可能性もあったと指摘している。

CNNより

先ずは、他よりも弱いカナダ軍への嫌がらせをして、「手を引け」と脅しているのではないだろうか。

ただ、段階的に激しさを増しているような印象を受けるので、あまり良いこととは言えない。

ミレン氏がオタワ艦上でCNNのインタビューに答えたところによれば、上記の事案は同日2度発生したカナダ軍ヘリと中国海軍J11戦闘機の接近の2件目だった。戦闘機はヘリから30メートルの距離にまで近づいたという。

カナダを初めとする各国は、中国機が固定翼機に向かって近づく事例は何度も目撃している。しかし、そうした行動がヘリコプターに対して取られるのは異例だと、ミレン氏は述べた。

CNNより

こうした危険な行為は、その気はなくとも事故を招きかねない。

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馬毛島の整備費

そうそう、あと、気になった部分はこちら。

米軍再編を巡っては、空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)の移転を予定している鹿児島県西之表市の馬毛島での滑走路整備などに2684億円を確保。沖縄県と係争中の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設にも建設費326億円を充てる。

共同通信より

馬毛島の陸上離着陸訓練(FCLP)用の滑走路整備費用が付けられ、話を前に進める事になっている。ここの完成は支那としても嬉しくないわけで。

粛々と進めないと、沖縄の宜野湾市のように活動家に占拠される自体になりかねない。沖縄は本当に……。危機感のない。

コメント

  1. アバター 河太郎 より:

    オスプレイもたくさん欲しいです。
    離島に民兵のような形で送り込んで来る事は考えられる(朝鮮戦争では義勇兵として軍ではない形で紅軍を送り込んだ)ので。迅速に対処するには、ヘリや輸送機じゃ足らないでしょう。
    ある程度の増税はやむなし…言うと叱られそうですが、国が奪われれば、元も子もない。橋頭堡を目前に作られてからでは遅すぎる。

    • 木霊 木霊 より:

      オスプレイですか。
      散々「欠陥機だ」と騒がれましたし、米軍は調達を終了してしまうらしいので、ベル V-280の方が候補としては有力かも知れませんね。
      しかし、全てのヘリコプターと置き換えというわけには行かないでしょうし、動向がハッキリしないところが厄介ですね。

      ともあれ、防衛のために増税という路線は、ある程度許容されるべきだと僕も考えています。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >2022年末の時点では最新のものを買う予定だった

    ハインラインの「宇宙の戦士」の序盤、「明日思いつく最高より、今出来る最善を」という意味のセリフがあって、座右の銘です。
    いくら発注書は最新型がわんさか書いてあっても、今目の前の脅威に対して撃てるものが無いのでは意味が無い。
    それに、BlockVIは現行型で、型落ちとはいわない。

    ASM-3改の事もあり、「慌てず急いで正確に」事を進めていただきたいものです。

    ※その代わり、このところの円安その他もあって、US-2が二年続けて調達中断されたり、影響は各方面に出ていますが……痛し痒し。

    • 木霊 木霊 より:

      ハイラインの「宇宙の戦士」は好きなSFのうちの1つですよ。
      なかなかハードボイルドなSF作品でしたが、「今できる最善を」ですか。

      ASM-3の生産開始は決定されたのに、延期してASM-3(改)の方に行っちゃいましたよね。
      ただ「正確に」と言われても、現行撃てるミサイルを増やせるんだったら、そのままASM-3の製造に踏み切って欲しかったです。

      • アバター 七面鳥 より:

        >そのままASM-3の製造に踏み切って欲しかった

        そこは多分、
        ・-3のままでは、発射母機が相手の射程内に入ってしまう≒撃つ前にやられる
        ・-3改なら、射程外から撃てる
        ・改変に時間もお金もそんなにかけなくて良い目処がついていた、あるいは目処がつかなくてもやらないとダメ
        図上演習で発射前に全滅判定でも喰らったんじゃないでしょうかね。でも、「射程冴伸ばせりゃイケる!」と踏んだのでしょう。命中精度はものすごいらしいですから。

        何事も、費用対効果その他検討してるはずです、技本の中の人はバカみたいに頭良いはずですから。

        • 木霊 木霊 より:

          多分、色々な事情があってASM-3の能力向上版を製造した方が良いと判断したからこその話なんでしょう。
          命中精度もかなり高いという噂は聞きました。だからこそ、無印の方も作って置いて欲しかったんですが、予算的には難しいんでしょうね。

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