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【韓国空軍】KF-21戦闘機のエンジン国産化を目指すぜ!

韓国空軍
この記事は約6分で読めます。

まて、ちょっと待て。

「KF-21ステルス戦闘機転換、エンジン国産化無し難しい」

入力2024.03.13 午後4時25分

今後、ステルス戦闘機と攻撃用無人機開発のために航空エンジンの国産化が急がれた中、ハンファエアロスペースが1万5000ポンド力(lbf)以上の推力を出す航空エンジン開発に挑戦する。

NAVERより

凄いこと言い始めちゃったぞ!

夢が広がる戦闘機開発

KF-21「ステルス」戦闘機?!

ついにKF-21関連の続報が来て、ウッキウキで記事を読み始めたのだが、記事を読み始めて直ぐに飲んでいた朝のコーヒーを吹き出しそうになった。

ちょっと待て、一旦深呼吸しようぜ!

このブログで大人気の韓国が開発中のKF-21戦闘機だが、そもそもステルス機じゃなかったよね?!

それどころか成功が危ぶまれて、安全運転のために初期生産分は40機から20機へ半減させた。

そもそもの開発に紆余曲折あったが、ここまで開発を急ぐことが可能となった一番の要因は実績のあるエンジンを採用したことだと思う。

KF-21に搭載されるのはF414-GE-400Kが2基であり、これはF/A-18E/F「スーパーホーネット」と同じ構成である。爆音で有名なエンジンではあるが出力もしっかり確保できている実績十分のエンジンだ。

確かに、ブロック1はミサイル4発を胴体下に半埋め込み式で装着する形態の対空能力のみの仕様で、ブロック2は対地攻撃が可能な仕様に変更、ブロック3でステルス化という話ではあった。

だからブロック3を見据えて、ステルス対応のエンジンを入手する必要がある一方、アメリカはF-22「ラプター」用のエンジンF199も、F-35A「ライトニングII」用のエンジンF135も単体では輸出していない。つまり、韓国がステルス戦闘機を自前で開発する為には、エンジンも自前で開発する必要があるという論理的帰結になる。

これまでエンジン設計実績がない

ところが、当然ながらこれまで戦闘機どころか旅客機すら製造してこなかった韓国にとって、エンジンを作れというのはなかなかハードルが高い。

韓国唯一の航空用ガスタービンエンジン企業であるハンファエアロスペースは、今年退役を控えたF-4ファントム戦闘機「J79」エンジンを皮切りに1万台余りの航空エンジンを作った。 しかし、すべて海外の技術を買ってライセンス生産したものだ。エンジンライセンスがないため、T-50だけでなく、今後KF-21の輸出などに困難が伴う可能性がある。

これにより、防衛事業庁は2020年から産業通商資源部と一緒に推力5500lbf級無人機用(MUAV)ターボファンエンジンを開発している。さらに、KF-21のF-414-400Kエンジンに匹敵する1万5000lbf級ターボファンエンジンの核心構成部品の研究も進めている。10年以上の研究開発期間に約5兆5000億ウォンが滞りなく投入されれば、2030年代中・後半には国産戦闘機エンジンが誕生すると見られる。

NAVER「KF-21ステルス戦闘機転換、エンジン国産化無し難しい」より

機械翻訳のために文脈が怪しいが、韓国唯一の航空機用ガスタービンエンジン企業は、いままでノックダウン生産しかしてこなかった。

記事ではライセンス生産したことになっているが、韓国には精密部品を作ったり鋳造や鍛造で必要な強度の出る部品を作るような技術に乏しい。特殊な部品は海外から調達して組み立てをやっていたのが実態だと見るべきだろう。つまり、ライセンス生産したことになっているけれども、実態はノックダウン生産に近かったと考えられる。

そして、生産したエンジンを海外に輸出する許可は、製品毎に取得する必要があるので、T-50高等練習機の輸出の時に、スムーズに行かないこともあった。もちろん、そのことがKF-21を輸出する際の障壁になる可能性は高い。

そこで新エンジンの開発に資金を投入して、2030年代後半には開発完了すると。

良く分からんが、とにかく凄い自信だな。いつものことだが。

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必要な技術が足りない

実際に必要な技術が足りていない事は記事には触れられている。

現在まで戦闘機エンジンを設計・製造できる国は米国、英国、フランスなど一部に過ぎない。当社のエンジン技術は、これらの先進国に比べ約70%水準に近づいたと評価されるが、素材技術は40~50%程度だけ確保した状況だ。今後の規格システムは5倍以上、素材データベースは4倍以上確保しなければならない。

NAVER「KF-21ステルス戦闘機転換、エンジン国産化無し難しい」より

……さらっと日本を外したが、戦闘機エンジンの開発なら日本もやっている。残念ながら「戦闘機エンジン」としての実績はないので完全な間違いとも言えないんだけどね。T-4練習機のエンジンはIHIが開発したF3-30/30Bであるし、研究機のX-2に搭載されたFX5-1エンジンもIHI製である。

F-3戦闘機に搭載されるはずだったXF9は開発中止の憂き目にあいそうで、少なくともF-3戦闘機への搭載は見送られた模様。

話が逸れたが、韓国はその手の技術開発すらやっているかが怪しい。実際に記事にも「先進国に比べ約70%水準に近づいた」(当社比)とかやっているのだけれど、「素材技術は40~50%」とちょっと弱気である。

続いて「先端航空エンジンの開発に成功すれば、国内約100社が輸入していた部品を自社生産でき、独自のエンジン整備も可能となる」とし「民間航空機や海洋、発電などに適用できる派生型エンジン分野に及ぶ。影響まで考慮すれば、直間接的な経済効果は2040年以降年間数十兆ウォンに達するだろう」と話した。

NAVER「KF-21ステルス戦闘機転換、エンジン国産化無し難しい」より

それでも、最後はホルホルしちゃうのがお約束である。

サイズには余裕がある……?!

なお、ちょっと面白い図を紹介しておこう。

これ、韓国がKF-X(現在はKF-21と呼んでいる)とF-22、F-35とのサイズ比較を行った図である。

機体内部の空間が予想よりも大きいという点も注目する。当初16mと知られていた胴体の長さが17m以上に増えた。離着陸ホイール(ランディングギア)収納部の詳細設計案が知られていないが、公開された映像で延期する際に武装を内部に積載できるスペースが十分だと思われる。ただし来る2021年4月に出荷される試作機と1次量産物量(Blocl 1)では長距離空対空ミサイル4発が中央胴体の下半埋立形態で装着される予定だ。チョン・グァンソンKF-X開発事業団長は「軍の要求に応じて空間は維持したが、内部武装窓は今段階で考慮していない」と話した。軍はブロック2・3に進化的開発段階で完全埋立型で性能を改良していく計画だ。

ソウル経済より

F-35AよりもKF-Xの方が期待の余裕があるぜ!という説明なんだけど、F-35Aは単発機なんだぜ。

なお、日本が開発する予定のF-3戦闘機は、実はF-22戦闘機よりも大型かされる模様。

次世代戦闘機のトレンドは大型化と航続距離の増大(JSF) - エキスパート - Yahoo!ニュース
航空自衛隊の次期戦闘機(仮称F-3)は双発の大型戦闘機が計画されています。これに対し財務省は運用費が嵩む大型戦闘機を止めさせて安い小型戦闘機に変更させようと「近年では戦闘機は小型化が一般的」という資

財務省が「小型化がトレンドだから!」と大嘘をこいていたが、実際には大型化するとの予想になっている。

韓国は小型サイズの双発機を選んだので、世界のトレンドから外れる結果とはっている。ただ、その事が間違いだとは言わない。小型で軽量の方が扱いも良くコストも安くなる傾向にあるからだ。

まあ、何にせよ、頑張って「小型」で高性能な韓国初の戦闘機用エンジンを開発してくださいな。

コメント

  1. アバター 匿名 より:

    冶金とか素材技術って韓国さん的に過去の積み重ねな世界だから一番不得手な世界だったはず。
    でもまあ 自称で常温超電導素材とか作れるので大丈夫!!

    あとは空母着艦型のKF-21Nもあるからそっちも楽しみですね

    • 木霊 木霊 より:

      そうはいっても、ご指摘のように冶金の分野ってトライ&エラー的な要素が強いのと、素材分野との連携が大切なので、そもそも韓国向きの分野じゃないんですよね。ハッキリ言って頑張って何とかなる分野じゃないと思いますよ。

      KF-21Nの方は、そもそも空母がないんですが、あの国。作る、作らない以前の話のように思えます。

  2. アバター 匿名 より:

    海外のシンクタンクが日韓の技術格差が50~150年有ると発表していた、冶金技術は格差が150年有るそうです。

    発電用ガスタービンで日本が米独に追い付く為に、日本独自の素材開発から初めてやっと追い付けたし、そこから民間機用素材を開発した事を考えると150年差で済むかな?

    • 木霊 木霊 より:

      前のコメントにも書きましたが、冶金分野は韓国向きじゃないので、諦めた方が良いと思っています。
      ガスタービンエンジンの開発も、セラミックスブレードとか高温耐久のベアリングとか、結構特殊な技術が必要ですから、どうなんでしょうね。
      そういえば、韓国がセラミックベアリングの国内供給の目途が立ったみたいな記事をどこかで書きましたから、実は着実に進歩しているのかもしれませんけどね。

      • アバター 匿名 より:

        K国にタービン用冶金技術が無いとは言い切れないのでは? 傍証:ジェットじゃなくロケットエンジンだけどK国ヌリ号1段目エンジン。。。は、
         ロシア製RD-151のパクリなことは白状してるけど「丸パクじゃないやい! 寸法アップしてる!」と言ってるので、これが本当なら(笑) 結構シビアコンディションで動作する高圧縮タービン、独自寸法の制作実績があることになる。
         尤も米国も採用すなるベストセラー露製RD-170 用タービンを、こっそり密輸入して自国製と言い張ってるなら制作実績はなく、彼らの国民性を考えればこっちの可能性も高いですね(笑) 失礼しました。

        • 木霊 木霊 より:

          韓国の冶金技術に関しては、あることはあるのですよ。
          そこはエンジン作っていますし、製鉄工場もありますから。
          あの国は「レシピ」を外国から買うことで製品を生産しているのですが、自国で開発ということに力を入れない。特に冶金など地味な分野は疎かにされています、そういう意味です。作ることは出来ると思いますよ、間違いなく。

  3. アバター 匿名 より:

    いや、xf9が中止ってどこ情報です?
    これが事実ならf3そのものが中止される可能性が大なんですが?

    • 木霊 木霊 より:

      書き方が悪かったですね、「中止の憂き目にあいそうだ」とは書きましたが、中止になったとは言っていません。
      IHIはRRとタッグを組んで次期戦闘機F3エンジンの開発に乗り出し、GCAPに参画しています。
      https://www.ihi.co.jp/all_news/2022/aeroengine_space_defense/1198116_3479.html
      https://www.ihi.co.jp/all_news/2023/aeroengine_space_defense/1200486_3544.html
      ただ、共同開発相手がRRなので、RRが開発中のエンジンを軸とした開発を続けて、そちらの採用可能性が高そうだというのが現状でありまして。XF9の開発そのものは発展的解消という形になりそうだという話であります。国産エンジンの搭載というのはなかなかハードルが高いですね。そして、何れの場合もF3(あるいはGCAP)そのものが消えて無くなると言う事にはならないでしょう。

      • アバター 匿名 より:

        ちょっと突っ込んだ話をしますと 
        その協業してるはずのRR側のエンジン開発が滞っている状況でして
        全く試作型もなにもできてないんですね、2035の配備は絶対と言ってる以上それに間に合わないオプションは存在市内も同然になります

        • 木霊 木霊 より:

          あーなるほど。
          確かにRRのエンジンって、概念設計だけでモノが存在しない感じでしたからね。
          冷却装置「プリ・クーラー」や電動スターター・ジェネレーターが実現できれば良いんですが、アレがどうも。
          プリ・クーラーの方はアメリカとも共同開発する話があり、テストが上手くいったとかいうのも見かけましたが。
          なおIHIにはこの手の技術がありますから、共同開発したら「うまく行くんじゃないの」という気でいるのかも知れません。イギリスにはあまり優れた素材開発能力がありませんからね。

          これは三菱重工の関係者から聞いた話なんですが、三菱やIHIがジェット機のメンテナンス業務をやっていて、これがなかなかの白人至上主義社会のようで。おそらくRRも戦闘機エンジンの分野で相当高飛車に出てくるのでしょう。だからGCAPのエンジンにIHIのXF9を採用するというのは相当な困難が予想されます。そういう意味で言うと、ご指摘のようなF3戦闘機の登場の遅れという話に繋がる可能性はあるのでしょうね。

      • アバター 七面鳥 より:

        横合いから失礼します。

        RRは、発電量を爆上げする技術を持っているとかで、これからの機体にはエレキ系が電気食いまくるのは必定(F35はそれと冷却で苦しんでる)ので、主要部分はRR、ただし、XF9のタービン入口温度は魅力的だから、その技術もコア部分に導入したい、ので、IHI参画と読んでますがいかがでしょうか?

        • アバター 匿名 より:

          時間的な問題で今からペーパーワークを始めると言う話では、物理的に2035に間に合わないんですよ

          • アバター 匿名 より:

             すみませんソース失念なんですが、GCAPは初めからXF-9モディファイが前提でRRが協力するハナシだったはず。
             
             でRRがIHIと協業する理由は①RRに適当なベースエンジンがないがXF-9はかなり至適②七面鳥氏の説③一番イタイハナシ:戦闘機用エンジンベンチであるATF(Altitude Test Facility、高空性能試験設備)の日本でのスケールアップが何故か米国の圧力で不可能となったこと
             https://merkmal-biz.jp/post/32152
            恐らく米航空産業の横やりですね。なので英RRにベンチ借りるのです。  そういう意味で私は個人的にはスケジュールはギリギリだけど間に合うのじゃないかと。

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