あまりニュースとして情報量の多い話ではないのだけれど、多分、後日新しい話が供給されるだろうから、記事にしておきたい。
韓国K9自走砲、最大射程30%延長…155mm射程距離延長弾の開発に成功
2024年2月13日 16:00
K9自走砲の最大射程を30%以上延長できる155㎜射程距離延長弾の体系開発が完了した。この弾薬は今年から量産される予定だ。
AFPより
射程が伸びるのは良いことだと思う。でも、命中率が落ちたのでは話にならないんだが。
K9自走砲の研究に余念が無い
能力強化に成功した
このブログでも何度か触れている韓国製のK9自走砲なのだが、世界でも売れているようだ。
ただまあ、過去の記事で触れているように色々な問題を抱えていた兵器でもあった。おそらくは今は全部改良されている(と、信じたい)。
防衛事業庁によると、155ミリ射程距離延長弾は、軍が運用中の抗力減少弾とロケット補助推進弾の推進剤を複合適用し、K9自走砲の最大射程距離を現在より30%以上延長することができる。
AFP「韓国K9自走砲、最大射程30%延長」より
そのK9自走砲の射程距離が30%程改善されたと言うことらしいんだけど、このK9自走砲は多数の砲弾に対応していることでも知られている。
砲弾の種類 | 砲弾の射程距離 |
---|---|
M107弾 | 18 km |
RAP弾 | 30 km |
K310弾 | 36 km |
K307弾 | 40 km |
XM1113 | 53 km |
K315弾 | 54 km |
新開発の抗力減少弾 | 約70km ← New |
凄いと言えば凄い。
が、人の視線の高さから水平線までが5km弱だとされていて、この距離は観測点を高くすれば伸びることが知られている。そうすると、ザックリ計算すると観測点の高さを400m程度にまで上げないと、70km先は見通せない。つまりK9自走砲を使うにあたっては、航空兵器と連携させない砲撃した先の弾着確認ができないということになる。
尤も、これは地球が丸いことが前提なので、高低差がある場合には此の限りではない。砲撃するには飛距離があった方が良いだろうし、アウトレンジから攻撃できるに越したことはない。なにより、相手側よりも攻撃距離が長い方がありがたいだろう。
なお命中率
今回、K9自走砲の攻撃距離を伸ばすに当たって、155mm砲弾にロケット補助推進を組み合わせることにしたとのこと。
抗力減少弾は、弾発射後に抗力減少剤が燃焼し、弾の抗力を最小化して射程距離を延ばす弾薬をいう。ロケット補助推進弾は、飛行段階でロケット補助推進剤が燃焼し、弾の飛行を加速して射程距離を延長する弾薬だ。
AFP「韓国K9自走砲、最大射程30%延長」より
理に適っているとは思うのだけれど、飛行段階でのロケット補助推進剤の燃焼は命中率に影響するんでは?弾道計算は随分変わってくると思うぞ。
尤も、韓国では155mm砲弾を積極的に作ることの出来る国なので、案外、色々な研究が出来ているのかも知れない。
韓国、米国に155mm砲弾50万発貸与···昨年の販売台数に比べて5倍多い
登録 : 2023-04-12 16:37:47 修正 : 2023-04-12 16:37:47
韓国政府および防衛産業体が「155㎜砲弾50万発を貸与形式で提供する」という内容の契約を先月米国政府と結んだことが分かった。
~~略~~
韓国政府は米国に50万発を提供するものの、貸与する方式で米政府と合意したという。50万発は昨年末、韓国政府が米国に販売した155㎜砲弾10万発より5倍多い。
亜洲日報より
韓国は報道によれば、月4万発~5万発作ることができる砲弾工場を持っているそうな。色々な研究もされているんだろう。
命中率はさておき、砲弾の供給能力が高いことは素晴らしいね。え?不良品が多い?流石にアメリカに納入した砲弾が不良品なんてことは……。
うんまあ、韓国ならやりかねない。
コメント
こんにちは。
K2にしろK9にしろ、「そこそこの性能でそこそこのお値段で、面倒ごと無しで今買える」という、まさに韓国車みたいな製品なのですよね。
多少問題があろうと、モノが無ければどうにもならない事情の国にしてみれば、喉から手が出るほど欲しい品物。
そういうのを売れる国って、正直、羨ましいです。
※公明党潰さんとF3が……
※豪州が「もがみ型」に興味を示しているとか。こっちも話が進むと良いのですが。
こんにちは。
K2にせよK9にせよ、手に入れられる・手の届く価格の兵器であり、割と確実に入手可能だというところが受けていると思います。
高額で高性能な兵器であっても、手に入れられなければ意味がありませんから。
そういう意味では実に良くやっていると思います。