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干潟で太陽光発電の思いつきが、大変な事態を招いた韓国

公共事業
この記事は約9分で読めます。

太陽光発電の問題点という意味で、記憶しておくのは良いかも知れない。まあ、ろくでもない話なんだけどさ。

高興海峡だけ崖の群れの原因論議… 江原大学研究所「キッチン洗剤成分 ABS検出」

入力:2022.04.14 午前10時32分  修正:2022.04.14  午前10時36分

ボラなどが相次いで廃死した高興海峡だけ一帯で「キッチン洗剤」成分が検出され、議論が起きている。

14日、高興郡によると、江原大学魚類研究センターが住民が依頼した水質検査サンプルと魚類死体を分析した結果、台所洗剤成分の一種である「アルキルベンゼンサルフォネート(ABS)」を検出した。

研究センター側は、脂肪成分を溶かす作用をするアルキルベンゼンサルフォネートが魚の鰓や体の粘液にも作用した可能性があると伝えた。

NAVERより

機械翻訳の記事なので、文章がイマイチ分かりにくいのだが、記事の要旨は「韓国のとある海岸で、魚が大量死した」「死因はどうやらキッチン用洗剤のようだ」というものである。

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水上太陽光発電の弊害

セマングム干拓事業計画

韓国第11代大統領の全斗煥政権時代、この壮大な計画がぶち上げられた。「セマングム干拓地」を作る事で、湾内を開拓して農地と淡水湖を造成することにした。

結構な範囲の土地を干拓することで、巨大な農地が出現するはず……、だったのだが。日本の干拓事業を思い返してみても、干潟を干拓する方向で開発を行ったところは碌な結果にならなかった。

八郎潟などの巨大事業は成功裏に終わったと評価された時代もあったが、農業環境が大きく変わったこともあって、当初の目標であった大規模農地の確保に至らなかった。諫早湾の干拓事業は現在継続中だが、様々なトラブルを抱えている。もちろん、良い面もあるので一概に「失敗」だと評価すべきではないのだが、何れにしても大きな環境変化は避けられないというのが実情で、その事を人間が想定できないが為に様々なトラブルが引き起こされるわけである。

なお、干拓と言えばオランダ!というほどに干拓事業に力を入れた国がオランダで、オランダでの干拓は成功したと宣伝されている。日本も、オランダ式の干拓を採用したほど、世界的には「成功例」ということになっている。実情は知らないが、ある程度国土を広げたという実績を考えても、干拓事業にプラスの面があるのも事実である。

韓国の話に戻っていこう。実は、韓国での干拓事業というのはあまり実例がない。近年になって、技術力が高くなったことで実現可能というところにまで漕ぎ着けたようで、多くの地域住民の反対を抑えて干拓事業に踏み切ったようだ。

世界最長34キロの防潮堤、韓国に完成

2010年4月28日 20:13

韓国西部の全羅北道(Jeollabuk-do)で進んでいる「セマングム(Saemangeum)干拓事業」の一部で、全長33.9キロ、世界最長の防潮堤が完成し、27日に完工式が行われた。

セマングムの防潮堤が囲んでいるのは、ソウル(Seoul)市面積の約3分の2にあたる4万100ヘクタールの海面および干潟部分で、ここに予定されている干拓地は産業、観光、農業利用などを目的に2020年を完成目標としている。

AFPより

で、先ずは「世界最長の防潮堤」が完成した。多分、「世界最大ニダ!」と大喜びしただろう事は想像に難くない。

なかなか立派なものを作ったとは思うが、巨大な干拓地を確保する為には、防潮堤の内側から海水を抜かねばならない。

セマングムの防潮堤が囲んでいるのは、ソウル市面積の約3分の2にあたる4万100ヘクタールの海面および干潟部分で、ここに予定されている干拓地は産業、観光、農業利用などを目的に2020年を完成目標としている。

AFP”世界最長34キロの防潮堤、韓国に完成”より

で、2020年には完成予定だったと。

進まない干拓事業

ところが、これが順調に進んだかというと、そうではなかった。韓国あるあるではある。

7兆ウォンを投入した韓国最大の干拓事業、27年間工事中…埋め立て6.8%

2017.04.14 14:41

大統領選のたびに公約として登場されている地域開発公約の中には「嶺南圏新空港」と「セマングム事業」がある。昨年、事実上失敗に終わった嶺南圏新空港は、かつて2回の大統領選の過程で登場した。嶺南圏の票を集めるための目的だった。

~~略~~

1987年12月、盧泰愚政権元民正党大統領候補が公約として掲げて以来、31年間登場してきた大統領選の公約だ。だが、政府議論の段階で事業の妥当性や予算検討がなかったせいで環境汚染と予算浪費の議論が絶えなかった。91年11月28日、防潮堤着工以来、工事中止と再開が繰り返された理由だ。セマングム防潮堤も19年が過ぎた2010年4月に完工した。セマングムの開発速度が遅ければ遅いほど、アイロニーなことに大統領候補はセマングム公約を再び掲げた。

中央日報より

これだけの巨大事業なので、完成までに時間がかかることは目に見えている。そこで、定期的に開発に対する適正評価が行われる必要があって、韓国では5年毎の大統領選挙がその恰好のタイミングなのだ。

だが、技術評価の出来ない政治家が大統領に立候補し、再選禁止の規定がある為にかなりいい加減な公約を掲げて大統領選挙が展開される。

で、毎回のように大統領選挙の公約に登場するのがセマングム干拓事業らしい。

ところが大統領に当選すると、「やっぱりマズイか」と言うことになるようで。結果的に、停止と再会が繰り返されて、開発が進まないという事になるようだ。2017年の時点で、進捗度は6.8%であったそうな。

仕方が無い事ではあるが、だったら止めたら良いのに。

いや、実は防波堤と干拓地の助成は既に打ち切られているらしく、一体この計画は一体何処にいってしまうのだろうか?

水上太陽光発電だ!

さて、我らがムン君も当選した時には、このセマングム干拓事業の継続を目論んでいたようだが、これも実際に上手く前には進まず、どうしたかというと太陽光発電事業を推進したというのである。

いや、干拓事業の失敗を何とかするのが先でしょうに。放置ですか?

韓国の干拓地で200MWの水上太陽光、データセンターなどに供給

2020/09/24 13:49

韓国の財閥、SKグループの再生可能エネルギー関連企業であるSK E&Sは9月23日、合計出力200MWの水上太陽光発電所を開発すると発表した。

同国のセマングム開発投資庁(Saemangeum Development and Investment Agency:SDIA)による産業投資型発電プロジェクト(Industrial Investment Power Generation Project)の一環として開発する予定としている。

メガソーラービジネスより

この時点でかなり怪しい話だな。

今後、再エネ発電所の規模を少なくとも合計出力2GWに拡大していく。さらに2030年までに、韓国で合計10GW、国外で同5GWに拡大するとしている。

メガソーラービジネスより

SKグループには、多くの実績があるとのことで、この時点で「成功したも同然」という雰囲気だったのだが……、翌年、問題発覚。

鳥のふんまみれになったセマングム湖の太陽光発電 /群山

記事入力 : 2021/08/21 17:01

横30メートル、縦20メートルのソーラーパネルは、まるで白い絵の具を塗りたくったかのようだった。3日午後、全羅北道群山市のセマングム防潮堤を訪れた。約240枚の水上太陽光パネルが設置されたセマングム湖内で、8人の作業員が放水装備を片手にパネルを掃除していた。紺色の太陽光パネルはカモメ、カモ、ウなど、さまざまな鳥が排せつしていった分泌物で汚れていた。パネルを水で洗い流すと、今度は鳥のふんにより腐食したような跡が見受けられた。清掃後5時間ほどで、パネルは再び鳥のふんにまみれた。周囲の住民は「鳥のふんのせいでパネルを毎日掃除しなければならない」と眉間にしわを寄せた。

朝鮮日報より

干潟は有数の水鳥の飛来地になることは、多くの人が知っている事である。「また糞か」と思われる方、申し訳無い

当然、このセマングムの地も似たような状況であって、計画する前から分かっていた話である。

韓国政府の調査によると、セマングム一帯には毎年数万-数十万羽の渡り鳥がやって来る。ソーラーパネルは鳥たちにとって最高の憩いの場となるのだ。数百万枚のパネルが鳥のふんで覆われることになりかねない。ソウル大学のチュ・ハンギュ教授は「太陽光は年平均の利用率が15%程度と低い方で、パネルが汚れると発電量も大幅に減少するほかない」と説明する。

朝鮮日報より

……作る前に調査しよう、な!

作って1年で水鳥の糞塗れになった洋上太陽光パネルは、定期的な清掃を余儀なくされるに至る。水鳥を処分したり追い払うなんてことも出来ないだろうし、この時点でこの選択は間違いだったことは明白なのだが、ムン君を始め韓国の為政者達はその失敗を認めなかった。

また、安価に太陽光発電パネルを手に入れた事も問題視されたが、これも否定。

文大統領「太陽光重金属、中国産、緑調・鳥糞環境汚染は誤解」

入力 2021.11.24 午後7時11分:修正 2021.11.24  午後8時21分

文在寅大統領が24日太陽光発電と関連して「複数誤解があった」とし「太陽光が重金属が多く内包されているか、中国産が多く使用されるか、緑調または渡り鳥の糞便のために環境汚染の心配があるとかという部分、環境汚染とか」と話した。

~~略~~

去る8月、全北群山セマングム湖に設置された水上太陽光パネルがカモメやアヒル、飴など、いろいろな鳥たちが包んだ分泌物でとても汚れている写真が報じられ、太陽光発電が事業性があるか論議が起こった。 糞便を洗い流そうとしても、化学物質洗浄剤を使用しながら水質が汚染される恐れがある。

NAVERより

この状況を見て「順調」などと思う人はいないと思うんだが。

水上太陽光発電の全てがダメだとは思わないが、失敗は素直に認めようぜ。これはかなりヤバい案件である。

強力な洗剤で掃除をする

こういった鳥の糞の掃除をするのに、韓国はどうしたのか?というと、どうやら水質を汚染する強力な洗剤を使ったようなのだ。

ソレが冒頭のニュースに繋がる。セマングム干拓地での水上太陽光発電は失敗したのに、ソレを認められなかったが為にこんな事になってしまったのである。

が、この問題はセマングム干拓地だけでは無かった。

魚の群れ死の惨事…全国で起きる奇妙なこと[チェ・ビョンソンレポート]

入力2022.05.23 午前5時53分

大きな魚が船にいっぱいです。ボラ、鯉、フナなどで滿船になったので漁師が幸せかな?ところが船に載せられた魚たちの色がおかしい。魚の体に広がって出血の跡が見える。

満船になったにもかかわらず、漁師が幸せでない理由は、湖に浮かんでいる死んだ魚を乾かしたものだからだ。湖の端と数秒の間に魚の死体がいっぱいだった。

NAVERより

韓国の各地で海や湖、河川に関わらず、魚が死んで浮いている事案があっちこっちで見つかるようになってしまった。

……自然に優しい?

4月21日、調査結果で衝撃的な事実が明らかになった。海昌湾から採取した水と死んだ魚の血液から洗剤成分であるABSが検出された。より衝撃的なのは、魚の体内で検出されたABS濃度でした。

環境政策基本法上、ABSの有害性基準濃度は1L当たり0.5mg以下である。ところが、研究所が事故直後の去る3月10日ごろの濃度値を計算した結果、1L当たり481mgで基準値の962倍が出た。死んだ魚の血液中のABS濃度値はより深刻であった。1L当たり2144mgで基準値の4288倍を超えた。

NAVERより

こうした問題が起きるのは、水上太陽光発電を行っている地域の付近であり、多分だが水鳥達も被害にあっているだろうと思われる。

「環境に優しい太陽光発電」が聞いて笑わせる。太陽光発電を推進したムン君が政治の舞台から去った後、ユンユンはこの後始末をどうしていくだろうか?

日本でも、水上太陽光発電に色々なトラブルがあると聞く。良い面もあるのだろうが、失敗もあると思う。良くも悪くも結果が出たのであれば適切な判断が必要だろう。

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