いやー、思い切ったことするね!
「胸躍る」文大統領後の風力発電機、3億ウォンのモデルだった
入力2021.10.01 午前11:02 修正2021.10.01 午後2:32
去る2月ムン・ジェイン大統領は、全羅南道新安郡手大橋で開かれた「世界最大の風力団地48兆投資協約式」を見つけて、「完全に胸が躍るプロジェクト」と期待感を表わした。全南道はこの日の行事で、世界最大の洋上風力団地造成計画を含む「全南型ニューディール」戦略を報告し、全南型の共生雇用協約式も開催した。会場には、巨大なサイズの風力発電機、複数台設置されていた。これは、すべてのモデルでは、そのために3億ウォン近い予算が投入された。
NAVERより
間違いなく僕の心は躍ったさ!3億ウォン、つまり3,000万円相当か。価格からして発電用の風車ってわけではなさそうだが。
世界最大の洋上風力発電を作るぜ!
韓国版ニューディール戦略
えーと、ちょっと前にはムン君、「韓国版ニューディール」構想をぶち上げてホルホルしていたと思うんだ。
ニューディール政策といえば、アメリカがやらかした失敗案件だが、左派の間では大人気な政策だ。尤も、大規模公共事業投資をして雇用を生み出し、社会インフラを整備する考え方は間違ってはいないと思う。ただ、ニューディール政策そのものは十分な効果が得られる前にブレーキをかけるような真似をしたので破綻してしまった。
真似をするのであれば、なぜ失敗したかはしっかり理解をしておかねばならないだろう。
「韓国版ニューディール」構想を公表
2020年07月17日
韓国の文在寅大統領は7月14日、新型コロナウイルス感染拡大による危機を克服し、ポストコロナ時代の世界経済をリードするための国家発展戦略として「韓国版ニューディール(K・New Deal)」構想を発表する、国民報告会を開催した。
JETROより
で、ムン君だが、韓国版ニューディール構想をぶち上げて、色々と社会構造の改革をしようと提案した。ところが、この方針は今年の7月には修正されてしまう。
もちろん、計画の修正そのものが悪いというわけではないんだが。
成長戦略を修正、「韓国版ニューディール2.0」
2021年07月28日
韓国政府は7月14日、「韓国版ニューディール2.0(未来をつくる国)」をテーマに、「第4回韓国版ニューディール戦略会議」を開催し、国家成長戦略「韓国版ニューディール」の追加対策を発表した。「韓国版ニューディール」政策は新型コロナウイルスによる経済危機を克服する政策として、2020年7月14日に発表された(注)(2020年7月17日記事参照)。
今回は、これまでの付随的な課題としていた「雇用・社会安全網(セーフティーネット)」を格差解消や青年支援などの強化による「ヒューマン・ニューディール」として格上げした。そのほか、メタバース(3次元仮想空間)などの新産業育成と、カーボンニュートラルの推進基盤の構築を新規課題として設定した(添付資料表参照)。
JETROより
「何かやけに修正が早いな」と、そんな風に思っていたのだけれど、中身を見ると色々な政策を更に盛り込んだらしい。金をかけたイベントにするつもりなんだな。
その発想自体は悪くはない。ただ、韓国経済の病魔に対して適切な措置をした後の方がいいだろうに。
とにもかくにも、その裏でちょっと面白いことがあったようだ。
洋上風力発電に48兆ウォン
えーと、冒頭のニュースでも触れられている洋上風力発電関連のニュースはこちら。
韓国政府「世界最大の洋上風力発電団地」の造成に48兆投資
入力 2021-02-05 22:43:
文在寅大統領は全羅南道の新安に位置する世界最大の洋上風力発電所を訪問し、「地域均衡ニューディール」の動きに拍車をかけた。
ムン大統領は去る5日、「新安荏子2大橋」で開かれた「世界最大の海上風力発電団地48兆投資協約式」に参席した。ムン大統領は「産業と経済そして社会のすべての領域でカーボンニュートラルを推進するために、エネルギーの主供給源を再生可能エネルギーに転換することが重要だ」とし、「洋上風力発煙は2050年カーボンニュートラル社会に大きく貢献をするだろう」と述べた。
もっと!コリアより
実験もやらずになかなか思い切ったことをするな!と、関心するが、世界最大の洋上風力発電所を作ると息巻いた。
カーボンオフセットが世界的なトレンドなので、洋上風力発電に手を付けるという発想そのものまでは否定しないが、その計画は十分に練られたものだったのだろうか?
新安洋上風力事業は原発約8基の発電量に相当する8.2GW(ギガワット)規模の風力発電団地を造成する事業だ。現在、世界最大の風力発電所である英ホーンシー(Hornsea)の電力生産量は1.12ギガワット規模だ。
もっと!コリアより
中々強気なことだが、いきなり世界最大の洋上風力発電所を作ろうという話になった。日本でも幾つか実験が行われていて、確か一部では失敗もしていたはずだが。
当然、プロジェクトは大きな失敗のリスクを抱えてのスタートと言うことも、時にはあるだろう。ただ、巨額の投資をする時にはそのリスクを最小限に押さえるように努力する必要がある。そのためには実証実験は必要だろう。
まあ、韓国ではどんなケースでも実証実験は余りやらないんだけどさ。
この事業には韓国電力、SK E&S、ハンファ建設など民間の発電企業と斗山重工業、CSウィンド、サムガンエムアンドティー(SAMKANG M&T)などの洋上風力発電企業が参加して、2030年までに約48兆5000億ウォンの大規模な投資が続く。具体的には4.1ギガワット規模の第1段階(2020~2025年)事業は21兆ウォンが投入され、2段階(2022~2027年)は12兆7000億ウォンが、3段階(2024~2030年)に12兆3000億ウォンなどで構成されている。事業期間全般に必要な基盤施設の構築投資額は2兆3000億ウォンだ。
もっと!コリアより
で、第1段階の工事が着手されるということで、洋上風力発電事業投資協約式をやったと。ん?事業投資協約式って、まだ風車の工事は始まっていない感じ?
それでも、事業投資協約式の時には背景に風車があるな。どう言うことなのか。
韓国電力の賭け
赤字体質の韓国電力
ところで、この公共事業投資は、韓国電力への資金注入の一環であったのだと、そんな話も。
赤字にあえぐ韓国電力、新安洋上風力事業に8年間11兆投資
Posted December. 21, 2019 08:40, Updated December. 21, 2019 08:40
韓国電力は、2020年から約11兆ウォンを投資、全羅南道新安郡(チョルラナムド・シンアングン)に国内最大規模の洋上風力発電団地の造成に乗り出す。全羅南道モデルとして雇用創出型事業の洋上風力発電団地を造成し、再生可能エネルギーの割合を高める狙いだが、赤字続きにより電気料金の値上げを迫られる韓国電力が莫大な投資をすることに議論が予想される。
~~略~~
一方で、最近経営悪化で苦しむ韓国電力が全羅南道の重点事業のため11兆ウォンを投資すれば費用負担は加速化するという見方もある。韓国電力は今年上半期(1~6月)9000億ウォンを超える営業損失で、上半期基準7年ぶりの最大赤字を出した。7~9月期には黒字に転じたものの営業利益の幅は2011年以降、最も低いなど収益改善が急がれる。
東亜日報より
なるほどー、韓国軍でも割と新装備に金を使って、国内産業の活性化を図っているのではないか?というように思う事があるけれど、これはそれにかなり近い話かな。
韓国電力は、1段階の3GW規模の事業に参加し、洋上風力発電団地と送変電設備を建設する。第1段階事業費に当たる20兆ウォンの中、11兆ウォンは韓国電力から支出。全羅南道と韓国電力は、賛同する民間事業者と年内にコンソーシアムを形成、来年の現場検証を経て2023年には着工の予定だ。
東亜日報より
兎にも角にも資金注入しておかないと、電力会社を潰す訳にはいかないだろう。そう言う意味でもニューディール政策という事になるのかもね。
とにかく派手なパフォーマンスをやって気分を盛り上げておかないと、国民に金の使い方がオカシイと叩かれる羽目になる。実質的にはあちこちで失敗をやらかした韓国電力の尻ぬぐいだったとしても、そうとは知られない様に色々頑張ったと。
ハリボテ疑惑
で、このほどその時の風車が「発電をしていないのでは」という話が持ち上がる。
「共生雇用協約章風力機モデル製作用役課題指示書」を見ると、全南道が当初予想した事業費は3億3800万ウォンだった。回転企画と制作の方向について「洋上風力事業の広報効果を極大化することができるようにリアルなモデルで製作しなければならない」と説明した。
NAVERより
……リアルなモデル?!模型って事?
また、この日の行事進行のために3億370万ウォン程度の予算が別途投入された。最大のコストが発生したのは「舞台のほか、会場づくり」の部分で、約9000万円が入った。道のシンボル製作と強風に備えた象徴安全公社に、このような金額が投入されたと発表した。
NAVERより
シンボル製作??
ところが気象庁の資料を見ると、イベントが開かれ、当時手大橋一帯風は秒速2〜3mに過ぎなかった。風力発電機の回転のためには秒速4mの風が吹かなければならない。モデル風力発電機を回すために発電機が投入された。発展車2台と大容量バッテリーなどをレンタルするには3000万ウォンがかかった。
NAVERより
ふむ、背景にあった風車が回っていたそうなのだが、当日の風力は微風であった。だから、風車を回すのに発電機を用意したらしい。意味が分からない。
というか、そもそもこの事典で工事は未だ始まっていない。後ろでくるくるしていた風車は模型だった。で、そのでっかいオモチャに、3億ウォン(3000万円相当)の予算を使い、発電機を借りてくるのに3000万ウォン(300万円相当)の費用を使ったと。
いやー、やることがダイナミックですな!
追記
さて、この洋上風力発電所だが、2023年に建設開始のスケジュールであったが、2023年現在、建設主体になるはずの韓国電力は極度の赤字にあえいでいて、組織維持の為に債券発行をする始末。
夢の風車建設は一体どうなっているのか?
LS電線、1000億ウォン規模の「海上風力事業」優先交渉対象者に選定
登録 : 2023-06-08 11:37:47修正 : 2023-06-08 11:37:47
LS電線が韓国最大規模の海上風力事業で、海底ケーブル一切を供給することになった。
亜洲日報より
LS電線は7日、(株)ハンファ建設部門が推進する新安牛耳海上風力事業の海底ケーブル供給優先交渉対象者に選ばれたと明らかにした。
同事業は全羅南道新安郡牛耳島南東側海域に400MW級海上風力団地を建設する大規模プロジェクトだ。 昨年基準で、韓国海上風力累積設置容量124MWの3倍を超える規模だ。
今回の優先交渉対象者選定によってLS電線は2025年下半期、風力発電団地建設および陸地連結に必要な海底ケーブル一切を供給する。 契約規模は1000億ウォン水準に達する見通しだ。
どうやら、話は着々と進んでいるようだが、海底ケーブルの敷設は2026年頃を目指しているらしい。この他に「建設」という話を聞かないんだけど、どうなっているんだろう??
外国企業も参加していて、いよいよ進む感じなのかな。
コメント