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護衛艦「かが」に文句をつける支那

安全保障
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いろいろな意味ですごい記事だな。

護衛艦「かが」空母化に中国激怒 「平和憲法に従い、専守防衛を堅持せよ」

4/15(月) 11:51配信

改修が一部終わり、戦闘機の発着が可能となった海上自衛隊の大型護衛艦「かが」の耐熱甲板が今月8日、母港の呉基地で報道陣に公開された。これについて香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは14日、同艦の空母化に激怒した中国が、「攻撃的兵器の保有を禁じた平和憲法違反だ」と主張していると報じた。

Yahooニュースより

「どの口が言うのか」というレベルの発言を支那がしているわけだが、ロジックは東京新聞並みである。おっと、罵倒し過ぎだろうか?

おまえが言うな

「空母化」された護衛艦「かが」

いずも型護衛艦の1番艦「いずも」や2番艦「かが」は、近年の日本を取り巻く状況に対応するために、F-35Bが降り立てるように改修される運びとなった。

元々は、ヘリコプター搭載護衛艦として設計されていたが、必要があって改修された。

ただし、これがどれほどの意味を持つかは、日本政府次第のところはあるんだよね。

データは公開されていないが、いずも型護衛艦に搭載できるF-35Bは精々10機弱程度であろうと予想される。それが2隻だ。「空母化」などと言われてはいるが、その実、F-35Bやオスプレイが離発着出来るようになっただけである。

「日本政府次第」というのは、他に空母を保有するアメリカやイギリスなどとの共同作戦を行う前提であればこそ、「いずも」や「かが」の運用メリットが生まれる。そして、「いずも」や「かが」が活躍する場合、想定される敵は支那である。そのケースでは必ず日本が主体となって戦う必要があるのだ。その前提で言えば、一番懸念されている事態は台湾有事勃発ではあるが。

いずも型護衛艦は空母なのか

なお、自衛隊の公式見解としては、「空母じゃないよ」ということらしい。

まるわかり「日本の防衛」より

子供向けの内容とは言え、「空母じゃない」は無理がある説明なんだが、基本的には空母は「航空機の運用に特化した艦艇」なので、いずも型護衛艦は「多機能護衛艦」であって「空母」じゃないと。

……空母として使えるよね?

ただ、ココで言う「空母」の意味をアメリカ軍的に捉えると、この「空母ではない」という説明もおかしくはない。アメリカ海軍は世界で唯一、航空勢力を海に展開することができて航空優勢をとることが可能である。しかし、その他の国家が保有する「空母」と位置づけられている艦船は航空機の搭載数が少なく、せいぜい邀撃がこなせる程度である。

結局のところ、海軍の世界では「護衛艦」と言い張ればそれが罷り通る世界なので、海上自衛隊が「違うよ」と言い張れば、「空母」ではないことになるのだろう。そして実際に、いずも型護衛艦では正規空母として運用出来るわけではないので、自衛隊側の主張に理がないわけでもない。更に、連続運用出来るシロモノでもないので、日本が空母を保有・運用出来る状態になったとは言えない。

支那にとっては都合が悪い

こういった日本の防衛体制の強化は、支那にとっては都合が宜しくない。

いかな支那が防衛費にお金を投入したとはいえ、未だアメリカ一国相手にするにも力不足は明らかである。そこに日本やイギリスが加わるとなれば、支那の悲願は達成されずに潰える可能性が高い。

日本はF-35Bを2024年度末に最初の6機を新田原に配備する予定になっていて、それが配備されると自衛隊の防空防衛網は一気に広がることになり、日本単独でも支那にとっては油断ならない相手になってしまう。

また、「かが」は、旧大日本帝国海軍の空母「加賀」から命名されたと指摘した上で、日中戦争が始まった直後の1937年8月、上海爆撃に同空母が関与したことを挙げ、「かが」を改修した日本政府の動機も疑問だと同紙は伝えた。同艦が8日に公開された際、中国外務省の華春瑩報道官は、「日本は専守防衛を堅持し、軍事開発に慎重になるべきで、その逆ではない」と主張した。

Yahooニュースより

専守防衛などという方針について日本を馬鹿にしている支那だが、こういう時には都合よく利用したがる。

立民「専守防衛堅持を」=公明「中国と対話重要」―日米首脳会談

2024-04-11 18:37

岸田文雄首相とバイデン米大統領が安全保障協力の深化を打ち出したことに対し、立憲民主党は11日、憲法に基づく「専守防衛」原則を変容させる可能性があるとして首相の説明を要求した。自民党や日本維新の会は会談内容を評価。公明党は日中関係にも目配りするよう注文を付けた。

時事通信より

そして全く同じ戯言を言うのが立憲民主党であり、公明党なのである。まあ、一体何処の国の政党なのか。呆れるばかりだな。

時々、支那が自分の国を「一党独裁の国ではない」と否定することがあるが、その支部が日本にあったという意味では、まさに一党独裁ではないのかもしれない。

とまあ、日本のおかしな政党の主張を取り上げるのはここまでにしておいて、同じロジックで説明する勢力が日本国内にいることに支那も喜んでいるらしい。日本政治の足をどこまで引っ張ることができるのか?が、工作員たる彼らの使命である。

そもそも支那も空母を複数作っている

ちなみに、このブログに来られる方の多くは支那のなんちゃって空母に関してはよくご存じであると思う。

支那の空母1番艦は「遼寧」という名前の001型空母は、ソ連時代に建造された空母「ヴァリャーグ」(建造計画は途中で放棄されて完成しなかった)をベースに作られた模造品である。

搭載可能な航空機は24機~36機であると言われているので、1個航空師団を編成できる規模の空母だと言える。

2番艦「山東」は002型空母と位置づけられて、「遼寧」をコピーして作った感じの船となっている。大きさは「山東」の方が大きくなっている(遼寧の満載排水量は59,439t程度だが、山東の基準排水量は67,000tである)。

3番艦「福建」は003型空母とし、支那が設計から完全にオリジナルで作り上げた空母であるとされている。満載排水量は80,000 tと報じられており、更に大型化されている。そして、アメリカ海軍しか手に入れていなかった電磁カタパルトを採用しているという特徴がある。

ただ、この電磁カタパルトが運用出来るかどうかは確認されておらず、電力が足りるのか?という点も懸念されている。ブログでもその辺りは言及している。

そして、4隻目は未だ建造段階ではあるが、運用することを明言している。大きさなどは未だ報じられていないのだけれども、計画だけなら5隻目まで作ることになっている。

4隻目の空母建造明言 海軍高官「技術に障害なし」―中国

2024年03月07日15時40分配信

中国軍が4隻目となる空母を建造していることを明らかにした。開会中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で軍の代表を務める袁華智・海軍政治委員が7日までに、香港メディアの取材に対し、建造中だと認めた。中国軍高官が4隻目の建造を明言したのは初めて。

時事通信より

金持ちだな!噂ではこの4隻目となる004型は原子力空母になるのでは?といわれている。理由は003型が電磁カタパルトを採用したにも関わらず、ディーゼル機関を採用していたために電力不足なのではないか?と心配されているからだ。

で、自分の国ではバンバン空母を作っていて、日本には「作るな」だ?どの口が言うのか。

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空母運用にはお金がかかる

原子力空母は年間800億円の維持費がかかる

さて、こういった空母の運用にはお金がかかる。アメリカでもこの運用費の高さに頭を抱えているのだが、当然同じように支那も困っているとは思われる。

原子力空母は毎年800億円の経費、トータルコストは4兆円

2022.9.26

~~略~~

現在、米海軍の主力となっているニミッツ級原子力空母のコスト総額を示したものです。空母の建造から運用、廃棄までに必要なコスト総額は約4兆円となります。しかし、この4兆円は一度に必要となるわけではありません。

現代の原子力空母の耐用年数は約50年ですから、50年という年月をかけて総額で4兆円が支払われることになります。

空母の配備で最初にかかる経費は当然のことながら、空母そのものの建造費です。

THE GOLDEN Onlineより

アメリカの空母はなかなか贅沢な作りになっているので、支那の空母はもうちょっとお安いかも知れない。

THE GOLDEN Onlineより

このサイトの算出したデータによれば、通常空母でも年間500億円ほどのコストがかかっているといわれている。支那は4隻目を作っているので、毎年その分お金をかける必要があるよということになる。見栄に使うコストだと考えれば、支那にとっては「必要コスト」であると理解しているのだろうね。

いずも型護衛艦のお値段

ちなみに、いずも型護衛艦だが、ヘリコプター搭載型護衛艦として建造された時点では、建造費は1139億円であり、改修費用に初回31億円、2回目は約421億円、おそらくは3回目の改修も必要だろうと言われており、まあまあコストがかかる状況ではある。

したがって3隻目以降はどうするのか?という問題も真剣に考える必要がある。

いずも型護衛艦「空母化」必要なの? 軍事的な合理性はあるか それ以上に大切な「日本の見られ方」

2023.10.29

日本はまもなく戦闘機の運用が可能な航空母艦、いわゆる「空母」を手にしようとしています。2023年現在、海上自衛隊が保有するいずも型護衛艦の2隻、「いずも」と「かが」に対してF-35B 短距離離陸・垂直着陸(STOVL)戦闘機が運用可能な能力を付加する改修が順次行われています。これは日本の軍事力を大きく向上させるとともに、国際社会における日本の存在感を高めることになるでしょう。

乗り物ニュースより

日本の海上自衛隊は空母の取得に対して執念を燃やしてきた背景があるものの、実際に運用する場合に「専守防衛には必要ない」という判断で却下され続けていた。

この判断は専門家やマニアの間でも概ね共通認識であり、海上自衛隊が空母を保有する意味は薄いという見解が一般的だったように思う。

その根拠は、日本の防衛政策においては基本的に航空自衛隊の活動範囲内での作戦が推定されるから。加えて空母は高価であり、維持費や運用費も考慮するなら空中給油機のほうが、はるかに戦力の向上につながるだろうと考察したためです(これについては空中給油機KC-46の配備がすでに始まっています)。

乗り物ニュースより

しかし、いずも型護衛艦の改修にあたって、日本とアメリカ、イギリスなどが共同運用する構想が出てきており、実際に訓練も共同訓練を行うようになっている。こうした話は自由で開かれたインド太平洋(FIOP)構想にも関わっており、乗り物ニュースが指摘するように政治的・外交的な意味合いが強い採用動機が伺える。

それが年間維持コストに500億円かかるとして、計1000億円を支払い続けるだけの意味があるのか?という事と天秤をかけると、昨今の東アジア情勢を鑑みれば「意味がある」という話になるんだろうと思う。

そして、その事こそが支那を「激怒させる」要因になっており、そういう意味で考えれば悪くない話である。

何より、費用負荷戦略的な考え方をすると、日本が空母運用可能な護衛艦を手に入れたことで、支那は日本に対して嫌がらせをしにくくなり、より多額のコストをかけて装備を揃えないと現状の方針を貫くことが難しくなる。逆に言えば、支那が今の方針を取り下げて軍事力を低下させれば、日本もここまで防衛費をかけなくても良くなるのであるが……。

いずれにせよ、日本の軍備拡張は支那の野望を実現するためにかかる費用を拡大させる結果になり、支那経済に負荷をかけることとなる。そういう意味で、今般のいずも型護衛艦の改修はアリだと思う。

では、この次どうするのか?という話になると、日本が正規空母を手に入れると言うよりは、ワプス級やアメリカ級のような強襲揚陸艦を手に入れる方が現実的で、そちらの方向を向いていると思われる。日本にはおおすみ型輸送艦というそれに類する艦船はあるのだが、大きさの面でも性能の面でもアメリカ級に遠く及ばない。おそらくは、今後はF-35Bの着艦を視野に入れながらそちらの方向の艦船の建造を目指し、島嶼防衛の拠点としての運用を目指すのが良いのではないかと思う。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    本邦における軍艦の命名規則は、世界中でも例を見ない程のカッチリしたものだと自負する次第であります!
    なので、「かが」は、全くもって誰からも文句を言われる筋合いのない、正しい名称なのであります。

    ……って言い返してやればいいのに、って思いました。
    「あかぎ」さんも早く欲しいな……ボーキが激減しますが(笑)

    それはともかくとして、「遊興船にする」名目でボスポラス海峡通したくせに再武装させたのはどこの国かと小一時間。
    まあ、「ナロナムブル」(人がやればスキャンダル、自分がやればロマンス)は小中華の決まり文句ですが、さすがはその小中華の親玉と言ったところですね。
    ※大中華とは、とても呼べない。仮にもそれなりに偉大ではあった史上の大中華と呼ぶに相応しい国に対して。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      支那には好きに言って貰っても構わないのですが、本邦側がもう少しきっちりとした反論をして欲しいものであります。
      「空母を沢山作っている国に言う資格はない」とか。ズバッと切って欲しいものですな。

  2. アバター 山童 より:

    うるせぇ黙れ!ですね。
    それと……シナなるワードなんですが。
    ここ、また調べてから言及するつもりですが、「中国」って単語は実は戦前の日本帝国時代の外務省が用いたのが先例なのですね。これは共産党以前に、中華民国が抗議して外務省が変えた。
    つまりは大日本帝國が認めたワードなわけで、それが私が(北京に腹を立てた時いがいは)「シナ」を使わない理由なのです。別に他者に強要はしませんが。
    「美味しんぼ」の原作者みたいな自虐でシナを用いない訳ではありません。
    こっから先はうろ覚えなので、後日にまた報告いたしますが。
    「チャイナの共和国」を彼らは表向き公称していますが、「中華」のミドルアースを先進国以外には用いる事があるらしく、その二枚舌こそ糾弾すべきと思います。その辺りはまた調べてみます。

    • アバター 山童 より:

      どうせなら「震旦」にしたどうですかね。連中も過去に自称したワード(王朝としてでなくエリアとして)ですし。
      お前らは震旦国だ!と。
      お前らが自称きてたんたから文句ねーよな!と。
      これなら「中華=ミドルアースとしての中国」でもなく「支那」でもない。
      震旦国どうです?
      あとカタカナでチナとかね。チナはフィリピン人は普通に使ってますよ。

      • アバター 山童 より:

        ちゃんと相手をリスペクトして、きちんと漢字を用いてますから。
        決してケンカ売ってるわけではありません😁

    • 木霊 木霊 より:

      支那なるワードが適切かどうかは議論の余地があるのでしょう。
      弊ブログで用いている理由は、石原慎太郎氏に倣っていたからですが、今更チャイナに変えるのも難しいということもあって、当面は現状のままで行きたいと思います。
      「支那」ではなく「中国」のほうがいいと言われる方もいるでしょうが、「中国」と書くと日本の一部地域と区別が付かないのでそれは避けたいというのが本音であります。文脈から間違う人は殆どいないと思うんですけどね。
      他、ご提案頂いた言葉は日本人に読んで貰うブログとしては、直ぐに「ああ、アノ国の事ね」と理解頂けないとそれはまた困るわけでして。「チナ」なら分かるかもですが。

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