抗議デモが増えている支那だが、社会不安が増すね。
中国で抗議デモが増加、雇用や不動産問題が影響-米人権団体報告書
2024年2月20日 16:02 JST
中国では昨年後半に抗議デモが増加し、景気回復を図る当局者にとって新たな悩みの種となっていたことが、最新の報告書で明らかになった。
Bloombergより
支那経済が不調である証拠はこんな部分にも現れている。今回は、記録を目的とした記事なので、あまり話を広げられないんだけどね。
抗議活動だけで済むのだろうか
「白紙革命」の時よりも
以前、「白紙革命」が有名になったが、白紙革命はゼロコロナ政策を批判する抗議活動であり、政権批判にも繋がったとされている。期間は2022年11月26日から12月頃の短い期間だったが、支那当局にとっては割と衝撃的な出来事ではあったようだ。
中国ゼロコロナ政策に抗議の「白紙革命」 政権批判、プロパガンダ成功が招いた皮肉
更新日:2022.12.05 公開日:2022.12.05
「白紙革命」が今、中国を揺るがしている。中国では2020年1月以来、きわめて厳格な新型コロナウイルス感染対策が続けられてきた。3年近く続くコロナ禍において死者数は最小限に抑えこんできたが、その代償として経済、社会に与えた影響は甚大だ。「動態清零」(動態的ゼロコロナ)と呼ばれる、あまりにも厳格なコロナ対策の撤回を訴える抗議集会が「白紙革命」である。
GLOBE+より
この抗議行動によってゼロコロナ政策は同年12月中に撤回されるに至った。
そもそも武漢ウイルスの蔓延を招いたことこそが、支那の政策の誤りなのだが、そこはまあさておこう。
ともあれ白紙革命の時よりも抗議デモが増えたよと言うのが、冒頭のニュースなのである。
米人権団体フリーダムハウスの「中国反体制モニター」プロジェクトによると、2023年10-12月(第4四半期)に記録された「抗議デモ」は952件前後と、四半期ベースで昨年最多となった。
Bloomberg「中国で抗議デモが増加、雇用や不動産問題が影響」より
白紙革命の期間は短かったが、このレポートは月次報告なので、コレを見ても白紙革命の時期よりも多かったのだろうという風に言って良いだろう。
デモの内容は雇用絡み?
さて、では何について抗議をしているのか?というと、どうやら雇用問題に対するデモが多い様だ。
22年半ばにデータ収集を開始した同プロジェクトによると、このうち約61%は雇用問題に関連したもので、17%は住宅問題絡みだという。また、省別では製造業が盛んな広東省が約18%と最多だった。
Bloomberg「中国で抗議デモが増加、雇用や不動産問題が影響」より
なるほど、確かに失業率が高いので抗議デモをする時間ができるもんね。
中国国家統計局、若者の失業率発表を再開-昨年12月は14.9%
2024年1月17日 12:16 JST 更新日時 2024年1月17日 13:19 JST
中国国家統計局が17日発表した2023年12月の学生を除く若年層の失業率は14.9%となった。
統計局は昨年8月、若者の失業率について調査方法を見直すとし、その間は公表を停止すると説明。7月分の16-24歳失業率は公表されなかった。16-24歳の失業率は6月に21.3%と、過去最悪を更新していた。
Bloombergより
去年12月の支那国家統計局の若年失業率は14.9%と報じられている。日本の同時期の失業率は2.5%程度。アメリカの失業率が3.7%程度なので、数字が正しいとして比較してもかなり悲惨な状態ではある。
統計局の康義局長は北京での記者会見で、「学生を含まない年齢層別の失業率を算出することで、社会に出てきた若者の雇用状況をより正確に反映できる」と述べ、学生は16-24歳の3割余りを占め、求職ではなく、主に学業に専念していると説明。
Bloomberg「中国国家統計局、若者の失業率発表を再開」より
ただ、支那国家統計局が自ら明らかにしているとおり、今回の数字には学生は含んでいない。尤も、支那の学生数は驚くほど増加しており、休学している学生も少なくないようだ。
少子化が進んでいる支那だが、大学や専門学校に進んでいる学生数は過去最大となっている。
このように、元々信用性が疑わしかった数字だが、2023年における空白期間の前と後では基準が異なるので比較に値しない。
アルバイトを探している学生と卒業した学生を混ぜると、不正確なイメージになるとも指摘した。
Bloomberg「中国国家統計局、若者の失業率発表を再開」より
イメージが悪いから数字を弄りましたと白状しているわけだが、これまでは支那の数字は変化率だけは参考になると言われていたんだけどそれすら信用出来なくなってしまった。
おそらくは青年の失業率は3割~5割程度のままである可能性が高いのだろうね。だからこそデモも起きると。
コレに関する情報は殆ど出ていないので、今後どうなるのかは不明なのだが情報が出てきた時には、大きく事態が動くことになるかもしれない。
追記
忘れていたけどこの記事も。
中国に派遣の北朝鮮労働者、賃金ピンハネで怒り工場占拠ストライキ…管理職に暴行で死なす
2024/02/17 07:18
中国吉林省に派遣された北朝鮮労働者が1月中旬に起こした暴動の詳細が、北朝鮮消息筋の話で明らかになった。賃金のほぼ全額をピンハネされたことに怒った約2000人が加担しており、北朝鮮の外国派遣労働者が起こした初の大規模デモだったという。労働者には20歳代の元女性兵士が多数含まれ、奴隷状態に甘んじない若者の反骨意識も浮かび上がった。
讀賣新聞より
支那の吉林省でデモが行われたという報道なんだけど、凄いことが書いてあるね。「賃金のほぼ全額をピンハネ」って。
ここでは、北朝鮮国防省傘下で外貨稼ぎを担う「ジョンスン貿易」が派遣した労働者が勤務していた。1月11日、賃金の長期未払いに怒った約2000人が工場を占拠した。北朝鮮から派遣された管理職代表と監視要員を人質に取り、賃金を支払うまでストライキに入ると宣言した。
北朝鮮当局は、駐中国領事と秘密警察・国家保衛省の要員を総動員して収拾を試みたが、労働者たちは要員らの工場立ち入りを拒否。人質に取った管理職代表に暴行を加えた。暴動は14日まで続き、管理職代表は死亡した。
讀賣新聞より
賃金を支払うまでは働かないと怒った労働者の気持ちは分かるが、国家的に労働力派遣を行わなければならないほど困窮しているという意味でもあろう。
にもかかわらずストライキを起こしたとなれば、これは賃金未払いが常態化していた可能性は高いだろう。北朝鮮だって、逆らったら死刑になる国家だからね。
中国 新興EVメーカーの工場が突然生産停止か 賃金未払いも発覚
2024/02/22 18:18
中国・上海にある新興の電気自動車メーカーの工場が突然、生産を停止しました。従業員への賃金未払いも発覚しています。
中国メディアは、上海に本社を置くEV=電気自動車のメーカー「華人運通」の工場が生産を停止したと報じました。
テレ朝NEWSより
調べて見ると、この手の賃金未払いはあちらこちらで散見されるようになっている。あまり記事にはならないが、不動産開発業の工事現場も作業が止まっているところが多いと聞くから、当然給料も支払われない。
中国住宅の「予約販売」急減 工事停止を懸念
2023年12月5日 15:12
中国のマンション購入で、完成前に売買契約を結ぶ予約販売の物件を敬遠する動きが広がっている。新築販売面積に占める比率は6年ぶりの低さとなった。不動産会社の資金不足で建設中に工事が止まる例が相次いだためだ。ただ完成後販売の物件は資金回収までの期間が長く、不動産会社の資金繰りを逼迫させる要因になりかねない。
日本経済新聞より
作っても売れないから作らないというレベルではなく、建設途中で賃金の支払いが出来なくなり材料の調達も出来ないから工事が止まっているケースも多いそうで。
にもかかわらず、デモや暴動が起きたというニュースは殆ど見かけないのは、情報が統制されているからなんだと思う。
追記2
この手の話がどこまで信用出来るのかは分からないが、こんな記事もある。
中国Z世代「10年働けば年収2000万円」の豪語が「生まれる時代を間違えた」の絶望に変わったワケ
2024.2.21 7:00
若者が豪語しなくなった、おとなしくなった――こう聞いたら、あなたは「いいことだ」と思うだろうか、それとも「大丈夫か?」と不安になるだろうか?日本の若者は昔に比べて謙虚でおとなしい人が増えている印象があるが、中国では今、約2.6億人いるといわれるZ世代の行動や思考、特に就職やお金に対する考え方が大きく変わりつつあることが注目を集めている。どう変わったのかというと……。
中国のZ世代(1995年から2005年生まれ)は、中国の高度経済成長期に育ち、幼い頃からデジタル環境に親しんだ世代である。彼らの人数は約2.6億人といわれている。人口の多いこの世代が就職し、社会にどのように参加するかが、今後の中国社会や経済に大きな影響を及ぼすのは言うまでもない。
急速に経済が成長し、豊かになり、世界で中国の存在感が高まった「黄金時代」を経験してきた彼らは、これまで常に自信にあふれ、希望に満ちていた。しかし今の彼らは将来に対する希望を持てず、「生不逢時(生まれた時代を間違った)」と嘆く声も多い。
~~略~~
中国のシンクタンクによると、昨年の大学卒業生の内定率は20%にも満たない見込みだという。16~24歳の失業率は21.3%と過去最高を更新し(2023年6月の数字)、その後、中国政府は失業率の公表を一時停止。調査方法を見直して再開したが、北京大学の経済学者は「実際の(16~24歳の)失業率は47%に上る」との見解を明らかにしている。実際、筆者の知人で、今年の夏に卒業予定の大学4年生の女性も、「100社以上に応募したが、まだ1社も内定を得られていない」と落胆している。
Diamond Onlineより
「生まれる時代」を間違った訳ではないと思う。寧ろ、「生まれる国」を間違ったのではないか?少なくとも、支那皇帝の習近平氏が君臨する時代は未だ未だ続く。
そのうちに支那における中華人民共和国というのが崩壊するかもしれない、そんな状況に追い込まれる可能性もある。このままだとね。
ただ、注目すべきは大学卒業生の内定率が2割に満たないという事実である。この「16~24歳の失業率」というものも、実態を表していない可能性が高いことは本文に指摘の通り。
しかし、こんな記事もある。
一般的に、大学の学部卒は22才、大学院修士は24才、博士は27才で修了となっているが、支那では高学歴化が進んでいると言われていて、それは実際の数字に表れている。
現代の支那では、就職までのモラトリアム期間として、大学に留まり続ける人も少なくない。休学して就職するまでの時間を調整している人もいるのだとか。学歴と就職のミスマッチも起こっているが、これが失業率の調整機能を果たしているのだから呆れる話である。
いや、不幸な話というべきか?ともかく、「支那に留まっても未来がない」というヘルコリア化が進んでいるのだ。そういう意味では韓国の方が先進国だね!
コメント
最近、紅皇帝が経済運営で泣き言を言った-そんな噂があるらしい。
紅皇帝は経済の詳しい仕組みや運営手法なんて知らんだろうから、
すべて部下任せ(責任の押し付け)だろうけど、なんとなく支那の経済が
ドツボに嵌っていることに気が付いた。
紅皇帝は経済を知らないから、具体的な指示を出せない...
部下たちは、誤魔化しの限界を悟って、口をつぐむばかり。
紅皇帝がいまだに一帯一路とか言っているのだから、推して知るべし。
最近の李強や王維は無口だし顔色も悪い。中共軍はソッポを向いている。
今年は支那で何か起こるかな。
周囲にイエスマンばかり残したのだから、「ここがおかしい」と言ってくれる部下も居ない。
最善の手を打っている積もりなのに、経済指標はどんどん悪化する。
泣き言の一つも言いたくなるでしょうが、支那皇帝の立場ではギブアップも出来ない。
支那経済の悪化は、不良債権の積み上がりに起因している部分があって、これを何とかしないと改善は覚束ないのだけれど、何とかしようとすると多くの人の資産が架空のものであったことを明るみに出さざるを得ない。そんな決断をしたら、それこそ明日の我が身が危ないわけで。
いつまで続けられるんでしょうな。
う~ん、いまの支那はいつまでもつんでしょうねぇ。
昨年から上海在住の日本人チューバ―の番組をサブスクして、上海を定点観測しているんですが、昨年12月には上海の賑わいはもう完全に消えて、路面商店は軒並み閉鎖、人通りもほとんどなく、上海はシャッター街と化していました。
今年に入って、不動産関連の失業者が増えだし、旧正月を挟んで会社を解雇されたという人々の告白をSNS上で何件も見ました。嘘か真か不明ながら、現在の上海での空きオフィス率は50%前後もあるそう。
支那に景気回復の一手があるとすれば、無制限のバラマキでしょうか。
(これやると、社会の倫理感が急降下するんですが。)
ここの所の経済指標はなかなか酷いものでありまして。
上海総合株価指数なんか、スゲーあがったと思ったらもう息切れしておりまして。
空売り規制とか色々圧力をかけて、相当資金注入したけれども2日保たなかったのでは笑い話にもならない。
ご指摘のように、空きオフィス率が高いことも、上海を拠点に支那で商売しようとする人が減っていて、その事が経済に大きな影響を及ぼしているのでしょう。
バラマキは既にやっているけれども、流動性が上がらないという状況らしいですよ。20ヶ月で54兆元刷ったそうです。
こんにちは。
片や強引な領土奪取と政権の破壊、片や国民弾圧と経済破綻。
21世紀にもなって、19世紀かと思うような「覇権国の(滅亡に繋がる)国家運営」が見れるあたり、歴史学者や歴史小説家は滂沱の涙でしょう(笑)
問題は、その二国が常任理事国、かつ、それなりに経済的に影響がデカい国家だってことですね。困ったもんです。
※アメリカの拒否権も(ガザについて言いたいことはわかるが)困ったもんですが……
※ガザ市民、イスラエル市民、共に被害者であり、許すまじはガザ市民を盾にするハマスである、と、誰か断言しませんかね、国連の場で。
※同じ路線で、ロシア系人民の為と言ってウクライナ系人民を殺す事は正当なのか?って聞いて欲しい。
※同じ国の国民を虐げてる支那は……もうどうでもいいです。
こんにちは。
まー、ロシアでも全く同じような構図が見られますから、社会主義国あるあるなんでしょう。両国とも既に社会主義から脱しているらしいですけど。
歴史学者がどのように評価するのか。
100年後くらいの歴史書を眺めてみたい気もしますが……、よく考えたら日本国内でもここ100年くらいの歴史を黙殺していますから、100年ではちょっと足りないかも知れません。500年後くらいなら、アリでしょうかね。