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「通貨スワップを推進しているから大丈夫」と胸を張る人民銀行

中華人民共和国ニュース
この記事は約4分で読めます。

また凄いこと言い始めたな。

中国、アジア地域の金融安定維持へ通貨スワップ推進 協力強化

2024年3月27日午後 3:07

中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁は27日、地域の金融安定を維持するため、通貨スワップを推進し、アジア諸国との金融協力を強化すると表明した。

ロイターより

このタイミングで、「通貨スワップ協定結んでくれ」って、まるで韓国じゃないか。

ブラフの可能性が高い

経済危機の支那

支那経済が危機的な状況にあることは、既にお伝えした通りで今更何を言うことがあるのか?というレベルなんだけど、これがまた色々ニュースが出てくるんだよね。

不動産開発不況と、それに関わる銀行業もかなりヤバイというお話をお届けしているが、これはつまり支那国内の流動性が低下していることも意味している。

まあ、端的に言うとデフレの兆候があって、これから更に経済的に苦しむ可能性が高いと言うことだ。

デフレ懸念が高まる中、苦境に立つ中国製造業

2024/03/19

2023年後半から、中国ではデフレ懸念が高まっている。消費者物価指数(CPI)は2023年3月以降、前年比+1%を下回る低い伸びが続き、10月から翌24年1月にかけて4カ月連続で前年割れした。また、経済全体の物価動向を示すGDPデフレータ(物価の変動を表す指標で、名目国内総生産(GDP)を実質GDPで割ったもの)は、2023年通年で前年比-0.6%と8年ぶりにマイナスに陥った。

MUFGレポートより

日本の銀行も強い警戒感を露わにしており、外資逃避が加速する状況というのも、こういったことからも裏付けられている。

中国の23年名目成長率、日本を下回る デフレが影響 - 日本経済新聞
内閣府が15日発表した2023年の国内総生産(GDP)速報によると、名目成長率で1977年以来46年ぶりに日中が逆転した。日本はプラス5.7%となり、中国のプラス4.6%を上回った。デフレに沈む中国と...

日本経済新聞ですら、「デフレだ」という始末で、支那応援団団長、どうなさったんですか?!と聞いてみたいところだ。

通貨スワップ協定を結んで何を目論むのか

で、冒頭の記事、支那は「通貨スワップ協定を結ぶのだ」という話なんだけど、こんな発言をしたら寧ろ支那と通貨スワップ協定を現在結んでいる国々で動揺が走るのではないか。

博鰲アジアフォーラムで、2国間通貨スワップは貿易と投資を促進し、金融安全網の強化に役立つと語った。

潘氏は「2国間通貨スワップは国際金融市場の混乱や一部の国での銀行危機の際に、緊急流動性支援を提供することが可能だ」と述べた。

ロイター「中国、アジア地域の金融安定維持へ通貨スワップ推進」より

何しろ、ハードカレンシーを持たない国との通貨スワップ協定というのは、相手側が絶対的な経済的優位にあって、万が一にも潰れないよという状況で、弱い立場の国側が、「危機に陥ったらちょっと後ろ盾になってね」ということで結ぶもので、基本的に支那がこれを使うことを想定していない。

というか、使われても困るのである。何故なら、支那経済の負債の額が大きすぎるので、歯止めにならないからだ。引き出されても返ってくるアテはない、リスクだけある金融商品となってしまう。

同氏によると、人民銀は29カ国・地域の中央銀行・通貨当局と通貨スワップ協定を締結しており、規模は全体で約4兆元(5534億9000万ドル)という。

ロイター「中国、アジア地域の金融安定維持へ通貨スワップ推進」より

これに関して詳細に言及されているのが、新宿会計士さんである。

【資料公開】今年9月時点における中華スワップ一覧表 | 新宿会計士の政治経済評論
2023年9月末時点で中国が外国の中央銀行や通貨当局と締結している通貨スワップ・為替スワップは、29件、金額が4兆元(5487億ドル)を超えている、などとするレポートが出てきました。中国人民銀行による...

実に分かりやすいのだが、実はこの記事に出てきている「通貨スワップ協定」の正体は、半分くらいが「為替スワップ」なのではないかと。

そうすると、見た目よりも脆弱な後ろ盾という意味であり、これを使った支那経済の復活というのはまあ無理だろうということになる。

負債額は40兆元

そもそも4兆元程度では支那が背負っている負債を何とか出来るわけないじゃない。

中国の地方政府「債務規模が急膨張」に漂う不安

2024/02/20 16:00

中国の地方政府の債務規模が急膨張している。地方政府が発行する地方債の残高は2023年末時点で40兆元(約825兆4520億円)を突破し、年間の支払利息が1兆2000億元(約24兆7636億円)を超えたことが、中国財政省(日本の財務省に相当)の最新統計から明らかになった。

東洋経済より

この数字がどこまで信用が出来るかは知らないのだけれど、4兆元だと推定される地方の負債残高40兆元の1/10である。インフラ投資の負債は2027年に100兆元に達するといわれている。

中国「暗黙の保証」のツケ 融資平台、債務2000兆円の山 - 日本経済新聞
中国で地方政府傘下のインフラ投資会社「融資平台」の債務が膨張している。国際通貨基金(IMF)の推計によると、2027年には100兆元(約2000兆円)の大台に乗る見通し。政府の「暗黙の保証」にタダ乗り...

この数字が本当かどうかは不明だけど、本当だとしたら4兆元程度では火消しには何の役にも立たないだろう。

市場に出すメッセージとして意味があると思ってのことだと思うが、国際社会は冷ややかな目で見ていることだろう。どう考えても足りないからね。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    スワップって、「小国が大国にケツ持ってもらう」ですよね?
    大国が、使う前提で小国に締結求めてどうする(笑)
    しかも、新宿会計士さんの所のリストの筆頭が香港って、お手盛りやないか~い(笑)

    中華朝貢国以外、誰がこんな世迷い言信じるんでしょうね?
    ※朝貢国も面従腹背で信じてなんかいない事はさておきましょう。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      イヤー、通貨スワップのネタは本当に意味が分からなくて面白いですね。
      結局、「支那は凄い」「だから信じて」としか言っていないんですよね。誰も欺されないと思うんですが……。
      よくわからんけど、とにかく凄い自信があるってことですな。キン肉マンかっ!

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