ああ、そういえば「買う」って言っていたね。おめでとう。
韓国軍が戦闘機Ｆ３５Ａを２０機追加導入へ 米国と購入契約
2023.12.27 12:30
韓国防衛事業庁は２７日、軍の次期戦闘機導入２次事業として米政府と最新鋭ステルス戦闘機Ｆ３５Ａの追加購入契約を８日に締結したと発表した。２０２７年から新たに２０機のＦ３５Ａが配備される。
聯合ニュースより
1機墜落しちゃったし、39機だけでは足りないよね。あ、恐らくコレが今年最後の記事になります。
で、整備はどうするの？
有償軍事援助（FMS）を通じて導入
何かと評判の悪いFMSだが、悪い選択ではないと思う。部品ならばともかく武器の購入はFMSの方が安心だよね。
で、20機の追加導入が決まったので、39機＋20機の59機態勢になるということになりますな。
防衛事業庁は追加導入する２０機について「現在運用中のＦ３５Ａに比べ、脅威への対応、暗号・保安、武装などの性能が大きく向上する」と説明した。武装の搭載量が既存の１．５倍に増え、レーザー誘導式の精密誘導爆弾（ＪＤＡＭ）など新たな武装も可能だ。
次期戦闘機１次事業では１９年から２２年にかけ４０機のＦ３５Ａを導入した。このうち１機は昨年１月に飛行中にワシと衝突し、修理費が新規購入費を上回ることから廃棄処分が決まり、現在は３９機を運用している。２次事業で２０機が追加配備されれば、空軍が保有するＦ３５Ａは５９機に増える。
聯合ニュースより
なぜ、20機になったのかは良く分からないのだけれど、どうせなら21機買えば良かったのに。そうはならなかったみたいだね。
2次事業で
一応、1次事業で40機、2次事業で20機購入することになり、2次事業で20機規模の戦闘機を買うのはF-15Kの時と同じだ。
ただ、この時は20機の戦闘機代金で21機を購入したウルトラ交渉テクニック（ゴネ得）を発揮している。
「F－15K」戦闘機導入2次事業、最初の3機到着
2010/09/09 09:25
韓国空軍が次世代戦闘機事業で戦力化を進めている戦闘機「F－15K」の2次事業により導入される21機のうち、最初の3機が8日に空軍第11戦闘飛行団に到着した。到着した3機はF－15K41、42、43号機で、31日（現地時間）に米セントルイスを出発し、ハワイ、グアムなどを経由し、太平洋を横断した。
Wowkoreaより
なお、この時も最初に40機買って、二次事業で購入前に1機失っているんだよね。
Ｆ－１５Ｋ墜落 エンジン欠陥の場合、韓国の会社が賠償
Write: 2006-06-12 17:02:09
７日、東海上空で夜間飛行訓練中の韓国空軍のＦ－１５戦闘機１機が墜落し乗っていた２人が死亡した事故の原因が、エンジンの欠陥によるものであったことが判明した場合、一次的な賠償責任は、戦闘機メーカーのアメリカ・ボーイング社ではなく、エンジン導入会社の韓国の会社にあることが分かりました。
軍関係者が１１日明らかにしたところによりますと、「２００８年までに韓国が購入することになっているＦ－１５Ｋ戦闘機４０機のエンジンは、ＧＥ＝ ゼネラル・エレクトリック社が製造したもので、これを韓国の防衛産業会社が購入してボーイング社に渡す方法で契約を結んだので、エンジンの欠陥による事故責任の主体は、エンジンを導入した韓国の会社になる」ということです。
KBS Worldより
この時の事故も、ハッキリしなかった。何故か、「整備マニュアルが英語で書かれていたため韓国空軍の整備士には理解出来なかった」というおかしな噂も流れたが、実際の整備士はアメリカに派遣されて研修を行っていたのであり、英語マニュアルが読めなかったとは考えにくい。
そして、調査の結果、パイロットのブラックアウトによる墜落だと後に報じられた。ただ、その原因はハッキリされることはなく、購入するF-15K戦闘機21機が20機分のお値段で韓国に引き渡された（と、報道されている。この件に関するボーイングからの正式発表はなかった模様）。
よって、F-35Aの2次事業も「その時不思議なことがおこって」、21機導入できることになるということにはならなかったようだね。
配備は2027年からという話になっている。
F-35Bの購入は見送り
さて、「最大25機」という報道もあったが、20機買うことになった韓国空軍だが。
韓国にＦ３５戦闘機売却 最大２５機、７４００億円で―米
2023年09月14日07時10分
米政府は１３日、韓国に対する最新鋭ステルス戦闘機Ｆ３５の売却を承認し、議会に通知したと発表した。最大２５機で、売却総額は約５０億６０００万ドル（約７４００億円）に上る。
時事通信より
えーと、1次事業は、40機で68億ドルだったね。
韓国、戦闘機Ｆ３５を40機発注へ 予算は68億ドル＝関係筋
2014年3月24日午後 4:17
韓国は米ロッキード・マーチン 製の最新鋭ステルス戦闘機「Ｆ３５」を７兆３４００億ウォン（６７億９０００万ドル）の予算で４０機発注する計画だ。関係筋が２４日、明らかにした。購入は第３・四半期に完了する見通しだという。
ロイターより
これは、価格が高くなったって事かな？それとも、予備部品や武器をちゃんと買うという意味なんだろうね。……多分。
ところで、韓国海軍が軽空母を導入するとか正規空母を導入するとか言う騒ぎがあって、ちょっと今は勢いが萎んでいるのだけれど、この時に盛り上がったのがF-35B購入の話である。結局、空母の話が萎むと同時にF-35Bの話もなくなってしまった。
まあ、英断だったのでは。
「性能改良」が残っている
ところで、新規購入の話は喜ばしいことなんだけど、最後の一文の方がちょっと気になった。
カン氏はまた、１次事業で導入されたＦ３５Ａの性能を改良する事業も準備中だと伝えた。
聯合ニュースより
この「性能の改良」というのは、F-35Aのブロック３Iからブロック3Fへのバージョンアップなのか、ブロック4へのバージョンアップのことかは良く分からない。
だが、何れにしても、韓国国内で出来ない作業なのである。
前々から指摘しているのだが、韓国はF-35Aの整備問題を抱えていてコレを解決したという話を聞かない。時期的にはブロック3Iの時点での購入だと思われるんだけど、流石にそのままで使うわけには行かない。出来ればブロック4にしたいだろう。
英BAE、F-35のブロック4電子戦システム受注
2023年4月16日 12:56 JST
英国の航空宇宙防衛大手BAEシステムズは、米ロッキード・マーチンから第5世代戦闘機F-35「ライトニングII」の17ロット向けに電子戦システム「AN/ASQ-239」の最新版となるブロック4（Block 4）を受注した。契約額は4億9100万ドル（約653億円）で、これまでに納入済みの1200ユニットへの追加となる。
Aviation Wireより
イギリス企業のBAE社が受注したのは、追加発注分で、これまで1200セットは既に納入済みか。韓国空軍としてはこちらに是非とも、と考えているに違いない。
どこかで改良事業するのだろうけれど、やっぱりアメリカに送り返す線が濃厚かな。
コメント
日本には、三菱重の小牧南工場(名古屋)と石川島播磨の瑞穂工場(東京)の2か所にF-35A整備拠点があり運用されている。
米軍は、韓国軍へ日本にF-35Aの整備を要請しろと通知しているらしいけど、韓国軍は動かない模様。日本に飛行データや機体データが漏洩するのを恐れているのかもね。
ペンタゴンは、F-35について一定飛行時間毎に指定の民間エンジンデポでの整備を課しているので、韓国軍は飛行時間とのにらめっこ状態だね。整備だって順番待ちだし、入庫してすぐに出庫とはならない。それを踏まえての追加発注でしょうけど、機体の引き渡しは何年後になるのかな。
さて、どうするんだろうね？(棒
木霊さん、今年はお世話になりました。
いろいろ勉強させていただいて感謝！
よいお年を
あけましておめでとうございます。
お返事が年越ししてしまいました。
さて、F-35Aのスケジュール感と整備の話は簡潔に纏めて頂いて感謝です。
韓国空軍は色々と抱えていますが、この辺り、どうやって解決するのか見物ですね。