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月面着陸に成功したSLIM

科学技術
この記事は約5分で読めます。

何とも残念なことにトラブルはあったようだが、着陸は成功したようだよ。

月着陸成功も浮かない表情 JAXA「成果の最大化に努力」

2024/01/20

「太陽電池の発電ができていない。取得したデータを地球に送信させ、成果の最大化を図るべく努力している」。月への軟着陸に成功したものの、電池のトラブルに見舞われた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「SLIM(スリム)」。20日未明の記者会見で、JAXA幹部は終始浮かない表情を見せた。

共同通信より

トラブルについては心配だけれども、現時点で諦めるのは未だ早かろうと思う。

続報を待て!

着陸には成功した

この話は、以前に記事にしているので先ずはリンクを貼っておく。

この時詳細に説明したように、今回は新しい着陸方法をトライしていた。そして、「JAXAは着陸は成功した」としているのだから、この点は先ず評価すべきだろう。

現時点で出ているプレスリリースはこちら。

小型月着陸実証機(SLIM)の月面着陸の結果について

2024年(令和6年)1月20日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2024年1月20日午前0:20(日本標準時)に小型月着陸実証機(SLIM)が月面へ着陸したことを確認致しました。着陸後の通信は確立しております。

但し、太陽電池が電力を発生していない状況であり、現在、月面からのデータ取得を優先して実施しています。

今後、取得できたデータの詳細な解析を進めます。今後の状況等につきましては随時お知らせいたします。

JAXAのサイトより

これより新しいモノは現時点ではないのだが、共同通信社は別の記事を出しているね。

探査機SLIM、電源停止 20日月着陸、発電できず

2024/01/22

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、世界で5カ国目となる月面着陸を果たした探査機「SLIM(スリム)」について、20日午前3時ごろに電源が切れたと明らかにした。着陸に関するデータは取得できたとしている。

共同通信より

この記事は20日付JAXAの発表をベースに作られているのだが、JAXAの発表とは随分と印象が異なる。

言葉の使い方で印象操作をしていることは見て取れるわけだが、流石、(偏向の)プロと言うべきだろう。

神酒の海に着陸

今回のミッションの重要ポイントである、目的地へのピンポイント着陸にはどうやら成功したようだ。

スリムは20日午前0時20分ごろに赤道南側の「神酒の海」のクレーター付近に計画通り着陸した。ただ太陽電池パネルに光が当たらないことで発電できていなかった。

共同通信より

この電源停止に伴って、データが正常に送れなかったことが今回の残念ポイントのようだ。

SLIM (Smart Lander for Investigating Moon) とは、将来の月惑星探査に必要なピンポイント着陸技術を研究し、それを小型探査機で月面にて実証する計画です。 SLIMを実現することで、我々人類は、従来の「降りやすいところに降りる」着陸ではなく、「降りたいところに降りる」着陸へ、と質的な転換を果たすことになります。これを実現することで、月よりもリソース制約の厳しい惑星への着陸も現実のものとなってきます。

JAXAより

降りたいところに着陸できたので、一応目標は達成である。

img

恐らく、問題はその着地データが目標としていた程、得られなかったのだと思う。これは憶測の域を出ないので、正式は発表を待ちたいが。

ところで、着陸地点の「神酒の海」だが、神酒の海とはまた洒落たネーミングである。中二病患者の僕であれば「そーまのうみ」とかルビを振りたいところだが、「みきのうみ」という風に呼ぶようだね。

神酒の海の位置

場所はこの辺り。

月の表側ではあるが、着陸地点は太陽光に恵まれる位置では無かったようで。そこが計算違いだったのかもしれない。

そして、この地点のクレーターに名前がついていなかったので、栞という名前が付けられたようだ。

img

今回、この目標にどれだけ近づけたのかが、成否を分けるのだと思う。今後、取得できたデータの解析を行うとあるので、続報を待ちたいところ。

着陸姿勢が宜しくないという情報もあるので、今後の任務は厳しいとのこと。発電できないトラブルによって電源停止は残念ではあるんだけど、着陸データが得られるのであれば少なくとも一部成功と評価できるのではないだろうか。

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追記

僅かだが、可能性は残されているようだ。

月探査機SLIM、着陸時の飛行データ送信に成功…太陽電池復旧に備え電源オフに

2024/01/22 23:54

宇宙航空研究開発機構( JAXAジャクサ )は22日、世界で5か国目となる月面着陸に成功した月探査機「 SLIMスリム 」について、着陸時の飛行データの地球への送信に成功したと発表した。今後1か月ほどかけてデータを解析し、実証を目指していた目的地への誤差100メートル以内の「ピンポイント着陸」の成否などを確認する。

~~略~~

JAXAは、バッテリーが尽きる前に、着陸時に撮影した画像や飛行データを地球に送信し、受信に成功した。太陽電池パネルは西を向いているとみられ、今後、月面で太陽の向きが変わって西から光が当たるようになれば、太陽電池が復旧する可能性もあるという。

讀賣新聞より

記事にも指摘があるが、太陽電池パネルでの発電ができない状態が続いているのだが、太陽が当たるようになれば充電する可能性は残されている模様。ただ、バッテリー残量がない状態で太陽電池パネルによる発電が始まると、機器を損傷する可能性があるらしい。

だから電源停止しているようなのだが、いつまで保つやら。奇跡を信じて待つしかなさそうだね。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    本件、本体が横倒しになったか(通信が確立しているので、アンテナの可動域が相当あるのでない限りちょっと考えづらい)、クレータの影にでも入っちゃったか、と思えます。
    ※あくまで素人の推察。
    発表通り、月の自転=公転によって太陽光が当たると良いのですが。奇跡を願うところです。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      もうちょっと詳細な状況が判明するのは、データ解析の終わった数ヶ月後のことになりそうなんだそうで。
      ソレでも何か幸運なことがあって、電源の復活がなされれば、もう少し仕事をしてくれるんですけどね。

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