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歴史戦を軸に内政干渉を強める国々

政治
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めんどくせーな。

教科書検定で「未了」の中学歴史2点 漏えい確認されず合格

2024年4月20日 6時58分

文部科学省は、中学校の教科書検定で事前に情報が漏れていたとして、歴史の教科書2点を合否を決定しない「未了」としていましたが、教科書会社による漏えいは確認されなかったとして、2点を合格としました。

NHKニュースより

個人的に気にしていたニュースだったが、教科書検定で合格したようである。え?何がって?竹田恒泰氏が書いた「国史」の教科書である。

内政干渉を許してはならない

教科書の内容にまで文句を言ってくる

竹田氏は数年前から「教科書を作ろう」というプロジェクトで動いていて、第5版までは不合格。合格したのは第6版と第7版である。

この内容について特に論評することはないが、そもそも日本の教科書検定制度において合格が出たのだから、その内容について概ね瑕疵はないと理解すべきである。それほど、日本の教科書検定制度はキビシイのである。

ところで、ザックリと日本の教科書について言及しておくが、日本の学校が採用する教科書は資金力がある会社が作るのが一般的になっている。

これは、普通のやり方で教科書を作ろうとすると恐ろしくお金がかかるためである。

ところが、竹田氏は個人で教科書を出版しようと計画し、令和書籍という出版社まで作り、国史を執筆した。ここで「日本史」という言葉を使っていない理由は彼なりの拘りであるようだ。曰く、日本語を教える授業は「国語」であるならば、日本史を教える授業は「国史」でなければならないと。

特に日本は、2000年以上の歴史を持つ統一した国家である。これは世界的に見ても珍しく、長い歴史を持っていると言うことはそれだけで誇るべき事である。また、外国でもアメリカならhistory或いはnational historyというのがアメリカの歴史を学ぶ授業であるし、イギリスでも同じだ。多くの国がそういう姿勢を採っているのだから日本だけ「日本史」とするのは歪ではあるよね。

まあそういった拘りの詰まった教科書ではあるのだが、これに異論がある人も結構いるようだ。

韓国政府が日本の教科書検定に遺憾表明 日本大使呼び抗議

2024.03.22 19:28

韓国の外交部は22日、日本政府が公表した中学校教科書の検定結果について、「日本政府が独島に対する不当な主張と歴史的事実に合致しない主張に基づいて記述された教科書を検定で通過させたことに深い遺憾の意を表す」との声明を出した。

聯合ニュースより

そう、文句を付けたのはお隣のアノ国である。

近隣諸国条項

困ったことにこの文句について、日本政府は公式に容認する立場にある。今回は日本側がどのように対応したという話が出ていないのだが、最近のニュースを見るにつけ、おそらく林氏は突っぱねてくれるんじゃないかな。

林官房長官「受け入れられない」と反論 「日本固有の領土」に韓国側が抗議

4/16 (火) 19:27

外務省が16日に公表した外交青書で島根県の竹島を「日本固有の領土」と表記したことに韓国外務省が抗議したことに対して、林官房長官は「受け入れられない」と反論しました。

林官房長官 「竹島問題にかかる韓国側からの抗議につきましては、日本の一貫した立場に基づき、受け入れられない旨、すでに反論をしたところでございます」

外交青書は、竹島について「歴史的事実に照らしても、国際法上も日本固有の領土である」と記載しています。

KHB-TVより

一時期は「日韓関係、低迷期脱した」などという発言もしていたが、韓国の総選挙も終わって情勢も若干変化したからどうなんだろう。

ただ、そもそも日本の立場はともかく、教科用図書検定規則には近隣諸国条項と呼ばれる項目がある。韓国辺りはこの記述を根拠に「配慮しろ」と迫っているわけである。

この条項も流石に時代遅れで国益を害するということで、撤廃の機運は出てきている。

自民、「アジア配慮」見直しへ 領土の教育強化も

2013/04/24 20:05

自民党は24日、教育再生実行本部特別部会の初会合で、教科書検定基準をめぐり、アジア諸国への配慮を求める「近隣諸国条項」を見直す方針を確認した。沖縄県・尖閣諸島など領土の教育強化も打ち出す方向で、6月に政府への提言案をまとめる。中国や韓国の反発が予想される。議論の一部は夏の参院選公約にも反映させる。

支那NEWSより

が、現状は未だ近隣諸国条項は残ったままなんだよね。竹田氏の教科書作成プロジェクトもココが発端となっているため、ある意味今回の教科書検定通過は、ある意味、近隣諸国条項撤廃への第一歩であると評価して良いだろう。

事実を歪曲してはならない

ただ、こうした論点は決して令和書籍の「国史」の内容を肯定する意味ではない。個人的には不合格教科書の初版を読んでいるので、竹田氏の「国史」について疑問がない訳でもない。最新の不合格教科書は第5版だね。

一方で、新たな歴史に関するアプローチを知って、目から鱗が落ちた部分もあって、実は縄文時代の記事はこの初版の記述が切っ掛けになって調べて見たいと思ったことが始まりなのだ。

ともあれ、色々な歴史教科書があっても良いわけで、右派が批判する「まなび舎」の歴史教科書は酷い。従前の歴史教科書とは違う方向性で書かれたという点は評価できる部分もあるのだけれど、自虐史観の強い記述になっていて、「これこそ、本当に教科書検定通過したの?」と疑いたくなるような内容だった。

【日本の議論】これは一体どこの国の教科書なのか…新参入『学び舎』歴史教科書、検定前凄まじき中身と素性(1/4ページ)
来春から中学校で使われる教科書の検定結果が4月6日に公表された。今回の検定では安倍政権の教科書改革が奏功し、自国の過去をことさら悪く描く自虐史観の傾向がやや…
教科書検定、学び舎は合格、自由社・令和書籍は不合格 右派の政治利用、なお要警戒 | 週刊金曜日オンライン
3月24日、来年度から使用される中学校教科書の検定結果が公表された。この検定で「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆にあたっ...

引用記事2つは、主張が真逆なのだけれども、色々な立場があって良いとは思うので、産経新聞の主張が全て正しいとは思わない。

が、週刊金曜日側の主張は「寧ろ収監されろ」と思うくらい酷い。

ポイントは、歴史歪曲をするなという話であって、あたかも歴史的事実はそうなのだという内容であってはならないと思うので、そういう意味で「まなび舎」のソレは最悪だった。

まあ、個人の感想ではあるが、興味のある方は読んでみて欲しい。

よって、韓国側の主張については、「アナタの国内の歴史観を押しつけるな」という意味で、反対せざるを得ない。歴史的事実を積み上げていくと、韓国側の主張にはどうにも無理がある様に思えるからね。

韓国の左派新聞の主張を鵜呑みにする必要はないが、この記事の内容もなかなか酷い。

森准教授は、現在の日本の学校の歴史教育の現場で、教師が1910年に朝鮮半島で起きたことを扱うのは容易でないとして、次のような希望を示した。「日本の教科書に、小さなコラム形式でもいいので、第2次日韓協約(乙巳勒約)や韓国併合を韓国ではどのように学んでいるのかについて書いてもらえたらと思います。日本の教科書は現在、第2次日韓協約を『日本が韓国の外交権を奪い、漢城(現ソウル)に韓国の外交を統轄する統監府をおいて、伊藤博文が初代の統監となった』というふうに記述します。一方、韓国の教科書では1ページの分量を割きます。現在の日韓関係の最大の問題は、この条約をどのように解釈するのかということです。韓国ではこの条約は無効であり、これに基づく併合も無効だとみなします。しかし日本は、強要された条約だが合法だとみなします。

ハンギョレより

この記載の中で、「韓国ではこの条約は無効であり、これに基づく併合も無効」とあるのだけれども、この記述はおかしい。何しろ、無効である理由が「強要されたから」だというものだからだ。

強要されたかどうかは韓国側の主観に過ぎず、日本で言えば日米和親条約や日米修好通商条約がそれに近い話になると思うのだが、流石に日本ではこの条約を「無効だ」とは教えない。内容的に不平等であっても、そこから得られる利益もあったからである。これらの条約は後年、陸奥宗光らの尽力によって部分的に改正されている。

おかしな部分は後年の条約によって上書きして改正されるべきであり、おかしいと思っても「あれは無効だった」などと言うのは不毛である。どうにも、韓国はそういった風土がないようだけれどね。

国民感情を傷つける

似たような事を言っているのが支那だ。

中国、岸田文雄首相の靖国参拝に断固反対 「国民感情傷つける」

2024/4/22 00:11

在日本中国大使館は21日、岸田文雄首相が靖国神社に「真榊」と呼ばれる供物を奉納し、一部閣僚が参拝したことを受け「靖国は第2次大戦のA級戦犯を祭っている。(戦争)被害国の国民感情を傷つける行いだ」と述べ、「断固反対する」と非難した。記者の質問に答える形で談話を発表した。

靖国神社は「日本の軍国主義の象徴だ」と指摘し「侵略の歴史を深く反省し、軍国主義と一線を画す」よう求めた。

産経新聞より

……ふーん?

岸田首相 靖国神社 春の例大祭にあわせ「真榊」奉納 中国 反発

2024年4月22日 5時18分

岸田総理大臣が21日から始まった靖国神社の春の例大祭にあわせて「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納したことなどについて、東京にある中国大使館の報道官は「日本の行いは被害を受けた国の国民感情を傷つけるもので、断固反対する」と反発しました。

岸田総理大臣は、東京・九段の靖国神社で21日から始まった春の例大祭にあわせて「内閣総理大臣 岸田文雄」と記した木札を添えて、「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

NHKニュースより

NHKの報じ方も酷い。

真榊を奉納したらあかんのか?総理大臣の立場だろうが私人の立場だろうが、信教の自由は尊重されるべきだ。それを支持するかどうかは有権者次第なんだし、現時点で何かの法律に違反しているわけでもない。政教分離の原則は拡大解釈され過ぎなんだよね。

厳密に解釈するのであれば、公明党も日本共産党もアカンやろう。公明党は支持母体が創価学会だから、行政力を行使という形に解釈できなくもない部分はあるし、日本共産党の方は宗教団体認定はされてはいないんだけど、やっていることは宗教と何が違うのか良く分からない。

……あ、話が逸れたんだけど、首相が真榊奉納したからって他国から何か言われる筋合いはないのだ。

つまり支那の言い分はまるっと無視して問題ない。「宗教上の目的によるものでないことが外観上も明らかである場合には、日本国憲法第20条第3項(国の宗教的活動禁止)に抵触しない」というのが我が国の立場なのである。

「A級戦犯」に関する嘘

なお、日本にはA級戦犯は現時点で存在しない。「A級」は、国際軍事裁判所憲章における「a.平和に対する罪」にカテゴライズされるという意味で、「戦犯」は戦争犯罪人の意味である。そして、「B級」「C級」についてはこの手の話において殆ど問題とされない。

更に、幾度か「A級戦犯」に関する話は国会でも問題視されている。

“「A級戦犯」は戦争犯罪人ではない”

2005年10月26日(水)

政府は二十五日午前の閣議で、「A級戦犯」に関して「我が国は、(サンフランシスコ)平和条約第十一条により、極東国際軍事裁判(東京裁判)を受諾しており、国と国との関係において、同裁判について異議を述べる立場にはない」とする答弁書を閣議決定しました。

これは、民主党の野田佳彦国対委員長の質問主意書に対するもの。

しんぶん赤旗より

この質問主意書に関しては、野田氏からだされてものであり、こんな内容となっている。

「戦犯」に対する認識と内閣総理大臣の靖国神社参拝に関する質問主意書

平成十七年十月十七日提出

十月十七日、小泉総理は靖国神社の社頭参拝を行ったが、これに対して各方面から批判が上がっている。

内閣総理大臣の靖国神社参拝に反対する理由として挙げられるのが、「A級戦犯」という戦争犯罪人が合祀されている靖国神社に内閣総理大臣が参拝することは、日本が軍国主義を美化するあらわれとなる、という論理である。中国ならびに韓国からも同様の理由で、内閣総理大臣の靖国神社参拝に関して反対が表明されている。

~~略~~

極東国際軍事裁判に言及したサンフランシスコ講和条約第十一条ならびにそれに基づいて行われた衆参合わせ四回に及ぶ国会決議と関係諸国の対応によって、A級・B級・C級すべての「戦犯」の名誉は法的に回復されている。すなわち、「A級戦犯」と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではないのであって、戦争犯罪人が合祀されていることを理由に内閣総理大臣の靖国神社参拝に反対する論理はすでに破綻していると解釈できる。

質問主意書より

この質問に対する回答はこちら。正確性を帰すために読みにくい内容にはなっているが、要は日本国の法律に基づいて名誉回復を行っていないという回答ではある。

一方で、東京裁判の結果は受け入れたが、日本国の法律に基づいて裁かれたものではないという事も言及していて、要は名誉が毀損されていないのだから、法的に回復もしていないよという意味である。

そうすると、この話はどんな意味があるというのだろうか。少なくとも「A級戦犯が合祀されている」ということが、問題になるとも思えない。

正直、こういったアホみたいな話は政府に撥ね除けて貰って、積極的におかしな主張に対しては反論して欲しいものである。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    典型定期な「声が大きい方が勝つ」ですよね、これ。
    本邦マスゴミが原則、あっちの味方ってのが拍車をかけてる。
    といったところで、「朝鮮人操作マニュアル」を久しぶりに見たくなったら、彼らの扱いには一日の長のある中国からの、日本に対するアドバイスなんかも載ってるサイトがありましたのでリンクなど。
    https://www.mirun.sctv.jp/~deus/Son32cyonnmanyu.html
    とはいえこれ、今となっては、中国もこれに値するんですよね……「先祖がイアンフで遺族が訴訟」とか言い出しましたから。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      まあ、適切に反論していくしかありません。
      国内の報道の在り方もかなり酷い状況なので、報道の自由というのも在り方を考える時期だとは思います。自浄作用は期待できませんしね。
      支那の訴訟に関しては興味深く見守っていますが、あんなの通ったら支那の政治が混乱しそうですよね。行政を訴えたらお金をせしめることができる!という事に気がついてしまうと、それはそれで大変です。支那共産党が仕掛けた作戦の可能性もあるんですが。

      • アバター 七面鳥 より:

        >支那共産党が仕掛けた作戦の可能性

        昨今の状況を鑑み、可能性は高いでしょう。
        そうでなくとも、外信に報道が出る時点で、共産党からお墨付きのGOサインが出ていることは間違いないでしょう。

        ただ、やるのが20年程遅かったと思います。
        今頃こんな事言っても、はいそうですかと応じる日本政府ではなくなった……ないよな、応じるなよ。

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