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支那自慢の海底トンネルが浸水

中華人民共和国ニュース
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日本でも青函トンネルが浸水するという話があって、1分間に20tもの海水が染み出してくるので、これを汲み出して維持しているという。

「100年耐えられる」 中国自慢の海底トンネル、開通2週間で水浸しに

記事入力 : 2023/05/17 09:41

中国・大連の海底トンネルが開通2週間で水浸しになった。中国の英字紙グローバル・タイムズなどの外信各社が16日(現地時間)に報道した。

朝鮮日報より

支那の大連海底トンネルはどうなのか?というと、ちょっと分からないのだが、支那当局の発表だと「消防バルブから水が漏れた」と言うことらしい。

ただ、本当にそんな理由なのか?という疑問は出るよね。当然だが。

問題ない!

海底トンネル12.1km

支那の海底トンネルは、大連市中山区と甘井子区を結ぶ区間に建設されている。

大連湾海底トンネルは着工から4年後の今月1日に開通した。大連市中山区と甘井子区を結ぶ往復6車線幹線道路(12.1キロメートル)から大連湾海域地下5.1キロメートルを貫く区間だ。

朝鮮日報より

建築区間はこんな感じ。

大雑把な位置関係はこの辺り。

割と浅い海である地域なので、水深はさほど深くはない。「渤海海峡トンネル」計画の一部であり、最終的には全長50.5kmで海底部分は37.9kmとなる大トンネルとなる予定。今回のはその一部、大連湾海底トンネルは海底部分5.1kmとなっている場所だ。

完成から2週間

で、今年の5月1日に開通したという報道があった。

中国 大連湾海底トンネル 1日に正式開通

2023年5月4日 11:35

中国東北部に位置する遼寧省大連市の大連湾海底トンネルと光明路の延長工事が、7年間の建設期間を経て、1日、正式に開通しました。このプロジェクトの本線は、海底トンネル、山岳トンネル各1本、海底インターチェンジ1カ所、陸上インターチェンジ4カ所を含む、全長12.1キロです。

そのうち海底トンネル部分は5.1キロで、北は大連梭魚湾地区から、南は大連東港ビジネスエリアに至る、中国北方地域初の大型海洋縦断沈埋トンネルです。

AFPより

この海底トンネル、沈埋トンネルという形式のトンネルである。

予め海底に溝を掘っておき、そこに沈埋函ちんまいかんと呼ばれる構造物を沈めて土を被せるといった工法で作られる。

これが沈埋函ちんまいかんで、おそらくは4車線のタイプだと思われる。海底を掘削して作った青函トンネルとは異なり、沈埋函を設置していくタイプなので、陸上でしっかりした沈埋函を作っておけばリスクを下げられるため、最近人気の工法らしい。

これを海底に設置するとこうなる。

立派な構造だけど、沈埋函は並列に2つ並べるんじゃなくて1つで6車線作ったんだねぇ。そりゃスゴイ。

しかし、中国のネット上では、トンネルそのものの安全性に疑問を抱いている人もいる。事実、「ウェイボー(微博)」など中国のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で公開された当時のトンネル内部の動画を見ると、トンネルの壁と天井から水が降り注ぐ様子が確認できる。

もう一方の区間は、一見して分かるほど大量の水が道路にあふれている様子だった。水浸しになった部分を走行していた車も、車輪の一部が水没した状態で徐行運転を続けていた。

朝鮮日報より

が、分割ユニット方式なので、接続部分から漏水する可能性はもちろん出てくるわけで。

開通から2週間で問題発覚という事態に陥ってしまったのだな。ただ、おそらくは接続部分の漏水を止めるだけで対処が可能だろうから、大した問題ではないとは思う。逆に言えば、沈埋函そのものが問題だとすれば大規模な工事を要する事になるので、手の施しようがないかも?1本平均で5.5万トンもの重さの沈埋函を18本接続して作っているからね。どれかを交換するようなことになれば、かなりの大事になる。

まあ、おそらくは大丈夫でしょう。

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100年大丈夫

今回のニュースのキモは、支那当局が「100年安心」を謳った構造物だったのに、2週間で漏水が発生したので、その威信が傷つけられてしまったことだろう。

寒冷地帯の中国東北部で初めて開通した海底トンネルでもある。当局は「100年耐えられる耐久性を確保するため、ハイテク掘削工法が適用された」と説明していた。

朝鮮日報より

画像が粗くて申し訳ないんだけど、随分と水が出ている様子が見られる。

こちらはもうちょっと拡大したものだが、こりゃ酷い。

いやー、陸上部分はきれいなのにねぇ。

一時通行止めになったけれど、暫くして解除になったと言うことなので、深刻な水漏れという事ではなかったようだが、不安になるのは仕方がないだろう。

冒頭で紹介した青函トンネルの水漏れだが、これは海底トンネルの宿命みたいなもので、水圧のお陰でコンクリートから海水が染み出すとうな状況で、特に何か問題があるという話ではないようだ。ただ、コンクリートの寿命に対して良いことはなさそうだね。まあ、そういう話もあるということで紹介した。

支那の海底トンネルも、しっかり対策して使えるようになると良いね。

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追記

さて、大連湾海底トンネルの深さはどんなものなのか?は少し気になっていたので、記事を探していたのだけれど、これなんかは参考になるのかな。

大連湾海底トンネル 1日に正式開通

2023-05-02 17:04:41

中国東北部に位置する遼寧省大連市の大連湾海底トンネルと光明路の延長工事が、7年間の建設期間を経て、1日、正式に開通しました。

~~略~~

大連湾海底トンネルは曲線状のトンネルで、最深部が30メートルにも達する海底に、1本平均で5.5万トンもの重さの沈埋函を18本接続しており、カーブの部分は沈埋函が水面に出る際に既存の道路網とぴったりと接続しなければならず、施工の精密度における厳しい課題となっていました。

CRI Onlineより

ふーん、最深部が30mか。

こちらは浸水していない状態の海底トンネルである。

青函トンネルの話を度々出して申し訳ないけれども、青函トンネルは最大水深が240mなんだそうで。水圧の話を考えれば、大連湾海底トンネルはそこまで過酷ではなさそうだ。

30mくらいの深さなら、やっぱり橋を架けた方が良かったんでは。

コメント

  1. アバター みみこ より:

    沈没函にならないことを祈ります。
    いや、まじで。
    こんな所を走っていて不安にならないのが不思議。

  2. アバター 砂漠の男 より:

    海底トンネルにするより、橋を架けたほうが良かったんじゃないかなぁ。
    そもそも黄海は浅いし、大連湾内なら水深はずっと浅いと思うんですよね。

    ちょっとググってみたら、その大連市と黄海を挟んで対岸に位置する煙台市を結ぶ海底トンネル計画というのも、あるらしいのよ。

    なにが彼らをそんなに駆り立てるのかね。

    • 木霊 木霊 より:

      そうなんですよね、橋架ければ良かったのにとは思いました。
      ただ、海底に作る方が自由度が高いと考えたんではないでしょうか。
      そして、もっと延長して2030年くらいになると世界最長の海底トンネルになるとかなんとか。

  3. アバター 匿名 より:

    橋を架ける計画でニポンの会社にワイヤーとアンカーボルトを中国で作れと言ったら断られたアル。

    • 木霊 木霊 より:

      ははは、そういう話が実際にあったら面白いのですが、流石にないでしょう。
      一帯一路政策であれだけ高架をバンバンと作っている国ですから、橋の材料には事欠かないかと。

  4. アバター 一読者 より:

    アクアラインのトンネルで渋滞して完全に停止した時は、安全だと解っていても不安だったから、水漏れ、しかも大量なら相当不安だったと思う。
    いや、笹子トンネルの事故以来、トンネルにはほんの僅かの不安が付き纏う。ただ、あの手の天井は撤去されているし、日本の構造計算や施工はしっかりしているので大丈夫だと念じて通過している。
    まあ、埋めるの得意な国だから大丈夫でしょ。

    • 木霊 木霊 より:

      笹子トンネルの問題は未だ継続中でして、第2の笹子トンネルが出てきたとしても不思議ではないと思います。
      老朽化したトンネルはそこそこありますからねぇ。

      日本の工事技術が優れていても、メンテナンスがしっかりしていなければ、ね。

  5. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。
    沈埋函、不勉強で馴染みなかったです、勉強になります。
    ボックスカルバートって呼んでました。
    沈埋函は工法全体、カルバートはコンクリの躯体、が正しいのでしょうかね。

    それはともかく、
    ・カルバートを沈める前、海底をならして砂利を綺麗に敷く(実は潜水夫の仕事)
    ・「中空の」カルバートが浮かないように、ガッチリと固定する
    という、結構「マジか?」っていう工法なのだと感じます。
    確か青函トンネルは従来工法ですので漏水はやむなしとも思いますが、比較的新しい沈埋函工法の、東京港臨海道路の東京港トンネルですら、カルバートの接続部分からは微妙に水が滲んでますから、そもそもがそういうものなのだとも思ってます。
    だからって、これは酷すぎですが……
    こういうのって、「まだイケルは、もうあぶない」なので、ある日突然崩壊するヤツかなって思います。
    大量の死傷者が出ないと良いのですけど。

    ※他界した義父が「まだはもう、もうはまだ」って貼り紙して株やってたのが忘れられません。

    • 木霊 木霊 より:

      沈埋函という言葉を使いましたが、トンネルエレメントとか呼ばれることもあるようです。
      ボックスカルバートは、恐らく地下埋設型の共同溝(或いは上水、下水、貯留槽、水槽、地下道)なんかに使われるタイプなのでちょっと違うかも?という気がしています。似たようなものでしょうけれど。

      で、接続部分が怪しくなってしまうというのは、この手のタイプの工法であれば、避けられません。
      だからこそ、5.5kmで18本(1本300m換算)というバカでかい沈埋函を使ってリスク低減を目指したのでしょうが、それでもやっぱり上手いこと行かなかったんでしょうね。

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