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韓国不動産バブルの影響波及でセマウル金庫問題も更に悪化の予想

大韓民国ニュース
この記事は約9分で読めます。

楽韓webさんのところも同じ記事を扱っていたのだけれど、流石にこの記事をスルーするわけには行かないだろう。

「GS建設・セマウル金庫」… PF不安刺激悪材連発に債券市場緊張

入力2023.07.07 午前6時01分 修正2023.07.07 午前6時02分

最近GS建設全面再施工決定とセマウル金庫資金離脱など悪材が連発してしばらく平穏だった債権市場に緊張感が高まっている。

Naverより

なにしろ、過去に取り扱ったニュースの関連記事だからだ。

不動産バブルと韓国経済

バブル崩壊の足音

「いつになったら韓国不動産バブルは崩壊するのか」という質問を偶に目にするが、答えは「既に崩壊している」だ。

ちなみに支那の不動産バブルも同じである。では、何故騒ぎにならないのか?といえば、韓国政府が必死にダメコンをやっているからである。が、長引かせれば長引かせるほどダメージは大きくなる。

既に1月の時点でこんな記事を書いた。

今読み返すとまとまりの無い記事ではあるが、要はこの時点で既に不可避な情勢だったということだけは指摘しておきたい。

韓国でバブル崩壊か…年収6割以上を返済に充てる人々 無理な投資・金利急上昇・“家賃ゼロ”制度で住宅ローン苦が深刻

2023/01/26

日本では、日銀の金融政策の動向と住宅ローンの金利引き上げに注目が集まっているが、ひと足早く政策金利の引き上げに踏み切ったお隣・韓国では今、不動産価格が暴落している。 つい最近まで「不動産バブル」が続いていた韓国で今、何が起きているのか?

文春オンラインより

こちらの記事でも似たような指摘をしているが、まあ、分かり易く説明している図がある。

映像のキャプションは「崩壊の兆し」などと書いてあるが、この時点で完全に崩壊している。救いようが無い。

物理的に崩壊

で、こうした経済的なはなしだけではなく、物理的にも崩壊してしまっているのが韓国の不動産である。

まー大変でですね!

とまあ、人ごとのように書いているが、このGS建設という建設会社が、マンション建設に使っていたのが、不動産PF(プロジェクトファイナンス)というヤツで、今年に入ってから韓国のこの不動産PF周りが焦げ臭い。

だが、加熱したマンション投資に更に火をくべるために、頑張って建設会社が費用をかき集めるために出した不動産PF。これを積極的に買ってきたのがセマウル金庫だ。

で、ここも取り付け騒ぎになる直前で韓国政府が水を差した格好である。

経済に対する懸念

地下駐車場の天井が崩落したマンションを建設したGS建設だが、このマンションの再施工が決定されたことで、資金繰りの問題が再燃している。

そもそも、こういった手抜き工事をする背景には、韓国人特有の気質もあるのだが、ロシア軍がウクライナに侵攻した関係で、支那からの資材が色々滞ったことも影響している。

例えば、尿素だったりアンモニアだったり。コンクリートに混ぜる骨材なんかも不足気味である。ついでに、日本からフライアッシュを買うのを止める関係で、自国で生産を始めたら、支那から石炭の輸出を絞られてこれもかなり高騰。

結果、マンション建設コストがかなり大変なことになってしまったのだが、ある程度建設が進んでいる物件は、当初から予算が決まっているので大幅な変更が難しい。で、「工夫をしちゃった」という事になる。

その「工夫」が悪影響を及ぼしたGS建設、既に資金繰りが悪化しているにも関わらず、更に団地規模での建て替えを余儀なくされた。

これらの事件が不動産プロジェクトファイナンシング(PF)関連の不安感を刺激できるうえ、セマウル金告発債権物量が市場にあふれ、供給負担の懸念も出ている状況だ。

7日、金融投資業界によると、GS建設が仁川剣団新都市アパート地下駐車場崩壊事故で当該団地の再施工を決定した事件でPF償還に対する懸念が提起された。

今回の決定で、GS建設が最大5千億ウォン台の費用を負担しなければならないと推定され、直ちに第2~第3四半期の実績に直撃弾を打つことはもちろん、新人も毀損による後嵐でPF借り換えに問題が生じる可能性があるという判断からだ。

ナイス信用評価によると、GS建設の住宅事業関連支給保証規模は総2兆9千18億ウォンであるが、このうち約44%に該当する1兆2千839億ウォンが今年満期が到来する。

Naverより

そうすると、どこかからその資金を調達しなければならないのだが、資金を提供するはずのセマウル金庫が現金が足りなくてヤバイ状況になっている。

まあ、そんな感じだ。

一気に崩壊が進む

GS建設が韓国国内で3位の建設企業であることも、業界にかなり波紋を広げている理由だ。

GS建設はLGグループから分離独立した韓国企業だが、いわゆる財閥系の大企業である。一部業績の良い企業もあるようだが、全体的にはかなり厳しい。

韓国経済 「製造業の不振和らぎ、景気底打ち」=政府系機関

2023.07.09 14:14

韓国政府系シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)は9日発表した「7月の経済動向」で、韓国経済について「製造業の不振が一部緩和し、景気は底打ちした」と判断した。主要産業の半導体の輸出不振が和らいだことが大きい。

聯合ニュースより

景気は底を打ったという報道は出ているが……。今なお半導体業界は厳しいんだよね。どうなることやら。

韓国電力問題は、解決していないからねぇ。不動産PFはかなり厳しい状況が続くと思う。

追記

コメント頂いたので、追加情報として紹介しておきたい。

「セマウル金庫犯政府実務支援団」業務開始… 事態鎮静総力戦突入

2023-07-10 12:56  |  2023-07-10 15:40

「セマウル金庫事態」を早期に安定させるために設けられた汎政府セマウル金庫実務支援団が10日に業務を開始した。

金融業務に専門性を持つ関係機関実務陣がセマウル金庫中央会に常駐し、セマウル金庫「資金離脱」事態を早期進化することに総力を尽くす予定だ。

news1より

結構大掛かりな組織を立ち上げたみたいだけれど、それだけ「本気」を見せないと拙い状況であるとも言える。

実務支援団は、行安部・金融委・機材部・韓銀・金監院・予報などから派遣された実務陣がセマウル金庫中央会に常駐する方式で運営される。セマウル金庫資金離脱事態鎮静のために設けられたコントロールタワー「汎政府対応団」の実務組織と見ることができる。実務支援団はセマウル金庫事態安定時まで運営される予定だ。

news1より

「Too big to fail」(大きすぎて潰せない)という意味なんだろうね。しかし、様々なところから実務陣に参加する人材が送られて、セマウル金庫の業務をコントロールしだしたというのは、なかなか象徴的な出来事でもある。

6月末セマウル金庫預金残高は昨年末比8兆ウォン以上増加した259兆ウォンを超えた。最近になって不良の懸念が大きくなり、1兆ウォンが抜けたが、政府支援政策に去る7日だけで3000件余りが再預置された。

延滞率も増え、健全性管理の必要性も大きくなった。先月末セマウル金庫の延滞率は6%を超え、延滞率が10%を超える金庫も30個に達することが把握された。

news1より

心配なのは、遅延率が10%を越える金庫が増えていることだ。ダメコンを進める韓国政府だけれど、もはやソフトランディングは困難なんじゃないかな。

追記2

えーと、何だろう。ダメっぽい?

10大建設会社PFも半減…”年内に施行会社10社中8社は倒産する”

入力2023. 7. 6. 18:25 修正2023. 7. 7. 02:25

首都圏に本社を置く開発業者A社は、京畿道華城市東弾で進行する住宅事業用プロジェクトファイナンシング(PF)資金が不足して保有した他の資産を担保として貸し出しを受けた。事業費の40%に達する後順位PFローンをしてくれる金融会社を見つけることができなかったためだ。難しく思われた先順位ローン金利も年8%で昨年の2倍で走った。A社関係者は「PFローンは覆ってはいけないという金融当局の圧迫が大きくなり、一部の証券会社程度だけローンをしてくれている」とし「ローン会社が少なく、後順位金利が年15~19%まで上昇した状況」と話した。

~~略~~

しかし、対策が「成熟したところを救う」のではなく、「金融会社の確定損失を後回しにする」ことに偏っているという指摘が出る。事業性のある開発事業を支援すると言ってHUGと住宅金融公社の保証限度額を増やしたが、リスク管理基準はより厳しくしたのが代表的だ。今年1~4月、HUGなど政府機関が新規に支援したPF保証などの政策金融は9000億ウォンに過ぎなかった。今年使うべき保証予算(5兆1000億ウォン)を守っているだけなのだ。

開発業者は通常、本PF融資を受けて高金利で調達したブリッジローンを返済する。ブリッジローンの状態で本PFに移行できないいわゆる「ゾンビ事業場」が急増している。ある開発会社の代表は、「金融費用に耐えられない施行会社10社のうち8社は年内に倒産するという話が公然と出ている」と話した。ハ・ソジンハナファイナンス経営研究所の主任研究員は「不良懸念事業場は売却を支援するが、正常事業場は融資保証を拡大し、事業再構築を通じて収益性を高めるなど、カスタマイズされた支援が必要だ」と述べた。

Daumより

凄いこと書いてあるな。

今の韓国政府の対策は、時間稼ぎに過ぎないという評価が多く、年末までに資金ショートで8割の施工会社が破産するのではないか?という予測まで出ている始末。

そもそも、韓国の不動産PFはかなり不健全なので、前提として全ての建設会社は救えないという状況であり、その上で、何処まで生かすのか?というところがポイントになるのだろう。

韓国の不動産の価格は確実に値崩れしている。

これとリンクしているのが政策金利らしいのだが……。

政策金利を下げると、資本逃避(キャピタルフライト)リスクが高まるので、アメリカの政策金利が下がることを期待したいところだが、どうにも今年中もあと2回くらいは金利上げるんじゃないの?という観測になっている。よって、政策金利は下げられない。でも、金利を上げた結果、借金が雪だるま式に増えているので、時間が経てば経つほど韓国国民の首が絞まることになる。

そうすると不動産投資が冷え込むことは確実なので、結果的に不動産PF市場はこれからもっと冷え込む。

ろくな事にはならないんだけど、これ、第二金融全般を潰しちゃった方が話は早いのか?

追記3

コメント頂いたので、1つ韓国の失業率に関する記事も追記しておきたい。

韓国失業率、5月は2.5%で過去最低 製造業の雇用回復には遅れ

2023年6月14日9:21 午前

韓国統計局が14日に発表した5月の失業率(季節調整後)は2.5%と前月から0.1ポイント低下し、1999年6月の統計開始以来の低水準となった。景気減速の兆しが見られるものの、労働市場が依然底堅いことが示された。ただ製造業ではなお、雇用の弱さが続いている。

~~略~~

医療・福祉関連の雇用者は16万6000人増加、接客・ケータリングサービスも12万8000人増加した。建設部門と製造部門は6万6000人、3万9000人、それぞれ減少した。

60歳以上の雇用者数は37万9000人増と伸びが目立ち、他の年齢層の減少を補った。

ロイターより

医療・福祉関連の雇用者がこれほど増えている理由はよく分からないのだけれど、老齢層の雇用者数がかなり増えているというのは、やはりアルバイトを増やしているんじゃないか?という気がする。ムン君の時も、老人を公共機関で短期雇用するという方法で雇用を随分と増やしたからねぇ。

コメント

  1. アバター 砂漠の男 より:

    韓国政府が、セマウル金庫に関連部署の官僚たちを派遣し、政府主導でセマウル金庫の信用崩壊を回避するためのダメコンを始めた。
    https://www.news1.kr/articles/?5103290

    いまや右を見ても左を見ても韓国の金融界隈は、米政策金利の上昇圧力を受けて火達磨状態だ。韓国からの資本逃避も続いている。
    だから、日本にスワップをおねだりしたわけだが、もはやスワップの効果も疑わしいね。

    • 木霊 木霊 より:

      ダメコンの効果がどの程度あるのでしょうかね。
      なかなか厳しそうな情勢みたいですけど。

      通貨スワップも焼け石に水のような気はします。

      • アバター 砂漠の男 より:

        最近の韓国の失業率が顕著に改善しているとの報告がでているんだけど、
        米国の政策金利の上昇基調に引っ張られて、韓国は後追いしている状態だから、
        何かがおかしいような気がしていた。
        https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/06/b19d3b89bb273a33.html

        木霊さんの指摘の通り、金利上昇で債務者の借金は膨らむし、企業は投資を控えるはずで、韓国企業が積極投資に動いている可能性はあるけれど、韓国中銀による通貨供給量(M2)が、今年に入ってから激減している最中に、失業率が大幅に改善されるほどの企業融資が行われているのかとても疑わしいんだよね。M2を劇的に減らしているのだから、韓国政府は景気を引き締めているはずだね。
        https://kr.investing.com/economic-calendar/south-korean-m2-money-supply-787

        邪推だけど、韓国の労働市場で、全体として低賃金労働(時間給アルバイトなど)が増えているのでは?。借金を抱えているから、若者も高齢者も働きに出る。それが、いまの失業率改善のトリックなのでは?と思っている。

        また、韓国政府による景気引き締めが、セマウル金庫危機や不動産市況の悪化に波及したんだろうね。

        • 木霊 木霊 より:

          韓国の失業率についてチェックしていませんでしたが、なるほど、減っていますね。
          サービス業の回復につれて、失業率の改善が見られたのだろうという分析がありますね。観光業が回復基調にあることを考えれば、多少良い影響があっても不思議はありませんが、製造業は苦戦しているようなので、まだまだ苦しい状況は続きそうですね。
          このような傾向からすれば、アルバイトなどが増えているという可能性はあるでしょう。

          仕事があって、働き口があるのは幸せなことではありますが。

          • アバター 砂漠の男 より:

            韓国の非正規労働者の推移(~2022)をまとめ。ご参考まで。
            他の社会経済指数との同時比較もできるので、考察に便利かと。
            https://graphtochart.com/social-protection-&-labor/korea-republic-of-part-time-employment-total-of-total-employment.php

            昨日偶然に見つけた資料なんだけど、これを観ると、韓国ではアルバイトなどの非正規労働者が1997年のアジア通貨危機以降に増え続け、最近は爆増している模様。

          • 木霊 木霊 より:

            おお、これは便利なものをありがとうございます。
            なるほど、確かに「爆増」ですね。
            3割がバイトですかぁ、こりゃ社会インフラを維持していくのにも支障が出そうな数字ですね。

          • アバター 砂漠の男 より:

            >社会インフラを維持していくのにも支障
            まったくその通りですよ。
            知識と技術を持つヒトも大事な社会インフラなので。
            このまま行けば、韓国の社会基盤は徐々に劣化するだろうし、そうなると事故が多発したり、一層の少子化が進むだろうね。知らんけど。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >「Too big to fail」(大きすぎて潰せない)

    「潰れちゃうんだなぁ!これが!」

    会長か何かが車椅子で会見まで見えました。

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