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内モンゴルで広がる「雷雨喘息」とウランが関係するという噂

中華人民共和国ニュース
この記事は約9分で読めます。

内モンゴル自治区での放射能騒ぎがあったようだが、日本のメディアは扱っていないようだ。噂は広がっているけどね。

内モンゴル自治区の広範囲で「雷雨喘息」がパニックを引き起こす 盲目的な採掘が深刻な核汚染につながっていることを改めて指摘

2023.09.11

中国北部の広い地域で起きている謎の喘息について、公式には雷雨によるアレルギー性砂嵐と説明されているが、民間人はウラン炭の大量燃焼が核汚染を大気汚染水へ流入させているのではないかと疑っている。 実際、過去数十年間、陝西・甘粛・寧夏盆地ではウラン炭鉱や鉄鉱石鉱山の採掘に狂奔した結果、悲惨な結果を招いている。一部の村では、死者総数の70%以上がこの種の核汚染によるガンが原因で死亡している。このような事態を中国当局は長い間知っていたが、長年隠蔽してきたのである。

自由亜洲電台より

コメントを頂いたし、どんな話なのかちょっと調べてみた。

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内モンゴルの石炭事情

内モンゴル自治区オルドス市

この問題の舞台となっているのは内モンゴル自治区である。

ファイル:China Inner Mongolia.svg

地域としてはこの赤で示した領域が「内モンゴル自治区」で、国共内戦(第二次国共内戦1946年~1950年代)時に中華民国から独立。1949年に中華人民共和国が建国された際に、早々に自治区に加わったとされている。詳しい話は省くが、支那共産党に侵略された地域という見方もある場所だ。

漢人が多数入植している地域ではあるが、支那共産党にとっては自国領土認定している土地ながら、実態としては割と酷い扱いをされている地域である。

炭鉱は衰退し

ところで、この地域の特産物といえば、「石炭」である。いや、「石炭であった」が正しいのか。

「鬼しか住まぬ」中国オルドス 石炭バブルが崩壊

2013年8月15日 7:00

中国有数の産炭地、内モンゴル自治区オルドス市。羊毛業が主産業の貧困都市が、石炭バブルで空前の好景気に沸き、1人当たり域内総生産(GDP)が中国トップとなったのは2010年だった。今年に入って石炭バブルが崩壊。いまオルドス市は、鬼しか住まないとたとえられるほど空洞化した「鬼城(ゴーストタウン)」として有名になっている。

日本経済新聞より

石炭採掘で一儲けをした地域がこのオルドス市だが、一頃は支那有数の採掘量を誇っていたモノの、その後不調になって経済が崩壊。支那最大のゴーストタウンが生まれるという皮肉な結果になる。

尤も、今尚石炭採掘は続いているようで、無理な石炭経済が立ち行かなくなったという事のようではあるが。

中国独自開発した新エネ鉱山用運搬ロボットが稼働

2023年5月8日 16:22

中国が独自開発した新エネルギー鉱山用スマート運搬ロボット「載山(CarMo)」が6日、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)オルドス市東勝区の露天掘り炭鉱で無人編成による運行を開始した。

AFPより

露天掘りの炭鉱は今尚、採掘が続けられているようだ。

なにやら自動運搬ロボットの投入をしたというニュースを見かけたが、石炭採掘自体は未だ継続されている。

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マイニングに太陽光

ただ、石炭だけではなくて色々な分野にも手を出している様子が窺える。

高騰し続ける仮想通貨Bitcoinを掘る世界最大のマイニング工場に潜入、2万5000台のマシンを酷使する採掘現場の恐るべき実態に迫る

2017年08月24日 08時00分

仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」は、世界中に分散して保存された取引台帳に取引の記録を整合的に記録する計算処理に対して新しいビットコインを割り当てる「マイニング」という行為によってシステムが維持されています。ビットコインマイニングの最前線とはどのようなものかをさぐるべく、すさまじい数の専用マシンを使ってビットコインを掘り続ける世界最大のマイニング工場の仮想通貨採掘現場をQuartzが取材しています。

Gigazineより

その後、ビットコインに手を出したり、太陽光発電に手を出したりしたらしい。ビットコインのマイニングをやるためには安価な電力が必須である。

おそらくは石炭火力発電である程度安く電力が手に入るのだろう。

img

何かこんな小屋のような工場を作って、マイニングに勤しんでいるんだとか。

内モンゴル、石炭採掘陥没エリアに太陽光発電所を建設

2021年07月13日14:20

伊金霍洛旗天驕緑能50万kW石炭採掘陥没エリア生態ガバナンス太陽光発電モデルプロジェクトの主体工事がこのほど竣工した。プロジェクトの建設は最終段階に入っており、年内に電気網に接続し発電を開始する見込みだ。新華網が伝えた。

人民網より

更に太陽光発電に手を出した。

内蒙古で単一発電設備容量が最大の「風力・蓄エネ一体化」モデルプロジェクトが稼働

2023年01月03日13:36

内蒙古(内モンゴル)自治区鄂爾多斯(オルドス)市杭錦旗委員会宣伝部が1日に発表した情報によると、国家能源集団龍源電力内蒙古公司杭錦旗200MW「風力・蓄エネ一体化」モデルプロジェクトが送電・逆送電に成功し、同プロジェクトが正式に電力網に接続された。中国新聞網が伝えた。

人民網より

何か、風力発電もプロジェクトとして進んでいるようだし、蓄電池の話もこれと並行して進んでいるようだ。

そういえば、支那の二次電池工場がオーバーフローして在庫が余る予想が出ていたので、丁度良いかも知れないね。

ウラン鉱床も見つかっている

とまあ、色々手を出してはいるらしいのだけれども、完全に迷走しているように見えるよね。

中国、内モンゴルで世界規模のウラン鉱床を発見=新華社

NOVEMBER 5, 201212:31 PM

新華社が国土資源省の情報として報じたところによると、中国の地質学者らは内モンゴル中部で「世界規模」のウラン鉱床を発見した。

新華社は、具体的な推定規模には言及していないが、この発見により、中国のウラン埋蔵量は押し上げられ、原子力エネルギー政策の実行可能性が一段と強まるとしている。

ロイターより

そんな地域ではあるが、相変わらず炭鉱は続いていて、ウラン鉱床が見つかったと報じられたこともあった。

実際、この地域にウランがあることは前から分かっていた。

別の話として、モンゴル政府が旧ソ連と組んでモンゴル国内でウランの採掘を行っていたことは知られている。が、この関係も長くは続かず、1995年にはモンゴルでのウラン採掘は停止される。モンゴル側に鉱床があることが分かれば内モンゴル地域でも採掘されるのはおかしい話ではない。

が、採算ベースに乗るか?という話はまた別なのである。

中国のウラン資源探査、最深試掘井の稼働開始

2019年12月18日13:15

中核集団が17日に明らかにしたところによると、中国のウラン資源探査分野における設計・施工が最も深い試掘井、中国ウラン鉱3000メートル科学試掘井(CUSD2-1)の稼働開始セレモニーが、江西省相山ウラン鉱山で開催された。科技日報が伝えた。

人民網より

支那国内でウランの生産はやっている感じなんだけど、採掘して採算ベースに乗っているのかは不明。2019年時点で世界シェアの4%をしめる生産量があるという事にはなっている。

これが内モンゴルで生産されたモノかも不明。調べた限りでは採算ベースに乗るほどのウランは見つからず、採掘した石炭などに微量に含まれる程度ということのようだけど。

で、この話がどう繋がっていくのかというと、採掘している石炭にウランが含まれているのでは?そのウラン入りの石炭を燃やしているのでは?ということになるらしい。それが、冒頭の雷雨喘息の要因になっていると。

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雷雨喘息

なお、「雷雨喘息」で検索していくと、支那で雷雨喘息と診断されるケースが増えているというニュースは出てくる。

「雷雨ぜんそく」 中国フフホト市でせきやぜんそくの症状訴える人急増

2023年9月6日 20:18

中国北部に位置する内モンゴル自治区のフフホト市は2日、雷雨に見舞われ、せきやぜんそくの症状を訴える人が急増し、病院の呼吸科や救急外来が大混雑しました。これについて、同市の衛生健康委員会は、雨後に花粉濃度が急上昇したことによる「雷雨ぜんそく」と関係があると説明しました。

内モンゴル医科大学付属医院救急科副主任医師の宋威氏によりますと、雷雨後に花粉濃度が急上昇したことによって引き起こされた集団発病です。今回のぜんそくには、大部分の患者にアレルギー性鼻炎の病歴があり、しかも初めて発病した患者が多いという特徴があるとのことです。

AFPより

なんとなくこれだけ読むと、唐突感のあるニュースである。

確かに内モンゴルの出来事だという報じられ方をされているのだが、AFPは「雷雨喘息だ」と決めて報じているからね。

ただ、冒頭に紹介したニュースでは、ウランの影響ではないかとしている。

40億元以上の投資で1,000万トンに達する予定で、建設期間は15年に及んだが、一時中断されたが、ウランを含む原子力安全問題に関連していることが知られており、2022年には、かつて中国ウラン工業が介入し、石炭採掘の準備のために100人近くの調査団を現地に派遣し、まずウラン鉱石を採取したが、結局何も起こらなかった。Hangjin Bannerの地元当局者らによると、地方政府も投資家国家能源集団も40億元以上の投資を遅らせることはできないという。

関係者によると、北部の多くの火力発電所では数十年にわたり、核放射性元素を含むウラン石炭を燃焼させてきた。これに先立ち、オルドス島の東125キロメートルに位置する平代溝超大規模露天掘り炭鉱は33年間にわたって実際に操業されていた。

自由亜洲電台より

実は、鉱物資源の中にはウラン鉱石が少量含まれていることは珍しくない。日本にもウランが発見はされているのだ。ただ、濃度の問題があって「採算がとれない」と、放棄されているのが現状だ。

どうやら内モンゴルの話もそれに近い話のようだ。

石炭の中に含まれるウランがあって、これが燃やされて火力発電をしているので、それが咳喘息に繋がっているのではないかという見解らしい。

雷雨喘息は北京でも

しかし、今回のこの話。どうやら内モンゴルだけではないようだ。

海外は大変なことになっていました。中国・内モンゴル自治区。大雨の翌日、多くの人が息苦しさを訴え、未明に病院に殺到しました。同じ事態は北京などでも相次ぎ、テレビでも「雷雨ぜんそく」に注意が呼び掛けられました。

キャスター:「天気の急変で花粉の濃度が高いことが雷雨ぜんそく患者が急増した原因だとみられます」

雷雨ぜんそくの要因が大気中の「花粉」です。台風などの強い風で花粉が雲の中に飛ばされ、水分を含んで破裂。細かくなった花粉は地上に降り注ぎ、肺の奥に侵入。ぜんそくを引き起こすのです。

テレ朝ニュースより

日本でもリスクがあるよと言うニュースなのだけれど、記事には北京でも似たような事例が確認されているという。

ウランが関係しているかどうか?という点は何とも言えない。

ただ、内モンゴルでは石炭の燃焼以前の問題として、石炭・ウラン・レアアースなど豊富な鉱物資源の採掘にあたって、廃液処理をしっかりしていないという問題は以前から指摘されている。トリウムが混じっているという話も見かけたね。

Southern Mongolian Human Rights Information Center

まあ、ソースはちょっと怪しいんだけど、その分を差し引いても支那で雑な残渣処理が為されていることは間違いないだろう。

こういった環境汚染が喘息に関係している可能性は高そうだ。ただ、放射性物質の多くは重いので、粉塵として拡散するにしても遠くまでは飛来しない。喘息の原因になったかどうかはちょっと怪しいと思っている。

こうした噂がばらまかれる程度には、環境汚染を含めた雑な処理について懸念されていることなのかも知れないんだけどね。

コメント

  1. BOOK より:

    >ウラン炭

    ごめんなさい。直観的に違和感があり、すなわち

    石炭って本来、数千万~数億年前の生物(主に植物)化石で、すなわち植物ウジャウジャ生息してた場所から出る。
    するってえと、数千万~数億年前、すなわち今より放射線が強かったはずのウランと一緒にウジャウジャ生息してた植物ってこと?

    実際はどうなんでしょうか?

    • 木霊 より:

      いやー、その辺は深く追求しませんでした。
      実際に、石炭や木炭にウランが混ざってくるのは違和感が強い気がしますが、地下資源のことははっきりわかりませんし何とも。
      しかし、実際に鉱脈は確認されているようですから、「近くに存在する」くらいのイメージなのかなと。

  2. 砂漠の男 より:

    原子力、天然ガス、太陽光と、一見して支那は脱CO2戦略を取っているかに見えて、国内での石炭需要はいまもって極めて高い。まだまだ需要量は伸びる見込み。
    https://coal.jogmec.go.jp/info/docs/230119_11.html

    その理由は、いうまでもなく発電だ。
    https://jp.reuters.com/article/climate-change-china-coal-idJPKBN2W3039

    内モンゴル自治区の奇病の原因がウラン炭かはわからないが、家庭の暖を薪や石炭から電熱に替えようとして、じゃんじゃん石炭を燃やしているのが支那の実相だ。
    (その後ろには、半世紀前の設備を稼働させている国営巨大重工業が隠れている。)

    そういえば、近年ペスト菌の発祥は内モンゴルの草原地帯だったと解明されたように、あの地域にはいろいろ隠れているのかもしれないね。

    • 木霊 より:

      富裕層はともかくとして、貧困層は石炭を使うしかありません。
      都市から少し外れれば、メイン燃料は未だに石炭や薪という状況が支那の現状ですから。

      そして、支那では色々な病原菌が隠れているというのは、その通りなんでしょう。支那発の病気はこれからも幾つも出てくるんでしょうね。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    この件、ツイッター(まだXと言いたくない、慣れない)でもチラチラ見かけますね。

    ネタ元が大紀元でないといいのですが。

    というか、もし本当なら、それこそ福島をスケープゴートにしようとしている?とか、コブラボール飛ばせよ!とか、T-4に放射性物質回収装置付けて飛ばせとか、色々考えてしまいます。
    ※事実だとしても、そこまでの放射線はまだ観測されていないのでしょうけれど……

    • 木霊 より:

      いやー、記事にも触れていますが大紀元がネタにしている怪しい話ですよ、これ。

      できる限り「信用できる筋」からの情報収集に務めましたが、結局、放射線でトラブルというのは可能性がかなり低いというのが僕の見立てです。
      ただ、じゃあ「雷雨喘息」なのか?というと、コレもかなり怪しい気がします。汚染物質をばらまいたから、というのが一番ありそうなパターンですよ。

      • BOOK より:

        そうなんですよ。私も最初「ウラン炭」でググると、トップあたりに出てくるのは

        「劣化ウラン弾」と「ダーティーボム(放射性廃棄物ばらまき)」とを同一視するパヨク陰謀論者のサイトばかり。なので上記コメでした

        あんまり間に受けない方が、、、、