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次世代イージス駆逐艦「正祖大王」には国産の艦対地弾道誘導弾を搭載

韓国海軍
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このブログでは逐一韓国軍の兵器を追いかけている積もりなのだが、結構抜けもでていて、後から気がつくなんてこともある。

別の記事でKF-21の話を紹介したのだが……、その最後にしれっとこんなことが書かれていた。

軍当局、防衛事業推進委員会で審議·決定 「空対空性能追加検証」の立場を反映 今年20台契約し武装検証後、追加契約

入力 : 2024-03-22 15:06:18

~~略~~

一方、軍当局はこの日、同委員会を通じて艦対地弾道誘導弾の国内開発に関する基本計画も審議・議決した。

mk.co.krより

なんですと!

イージス艦配備にも異常アリ?

次世代イージス駆逐艦「正祖大王」

えーと、驚いたのはこの部分だ。

同事業は現在、軍が運用中の「北朝鮮長射程砲キラー」である戦術地対地誘導弾(KTSM)より射程距離などを向上させた誘導弾を開発し、正祖大王級イージス駆逐艦と韓国型次期駆逐艦(KDDX)に装着することを目標にしている。

mk.co.kr「軍当局、防衛事業推進委員会で審議·決定」より

次期イージス駆逐艦なんて計画があったっけ?!

僕が把握していたのはこちらの記事である。

こちらは韓国軍の駆逐艦全般について言及したもので、現行の世宗大王級駆逐艦(2008年に就役)にもちょっと問題があるから、次の駆逐艦を建造する計画があるよという話だった。この時点で、正祖大王級駆逐艦に仮決定していたんだけどね。

ところが、ミニイージスを作るとか言う話があって、てっきりそちらに計画を修正したと思っていたんだよね。

件のミニイージスは問題のある駆動システムを採用していたので、「大丈夫なのか」という懸念は書いたのだけれど、この時に韓国軍は大型駆逐艦より取り回しの便利なフリゲート艦を増やす方針だと勝手に勘違いをしていたんだよね。

迎撃システムを強化

だけど、実際は違った。恥ずかしながら、このニュースを見逃していたんだな。

次世代イージス駆逐艦「正祖大王」の進水式 北ミサイル迎撃可能=韓国

2022.07.28 13:57

韓国海軍と防衛事業庁は28日、南東部の蔚山にある現代重工業の造船所で8200トン級イージス駆逐艦「正祖大王」の進水式を開催したと発表した。

聯合ニュースより

いや、過去にもしかしたら触れていたかも知れないのだが、記憶の中からはすっぽり抜け落ちていた。

正祖大王は次世代イージス駆逐艦「広開土3」バッチ2の1番艦であり、海軍の4番目のイージス艦だ。同クラスのイージス艦は今後さらに2隻建造される。バッチは同じ種類として建造される艦艇を意味する。バッチ1から2、3と進むほど性能が改善される。

聯合ニュース「次世代イージス駆逐艦「正祖大王」の進水式」より

韓国の謎のネーミングルールが分かりにくいので、どういうわけだかこの艦は「広開土3」バッチ2という位置づけである様だ。

韓国のイージス艦近代駆逐艦はこんな感じのラインナップになっている。(注:イージス艦じゃないのが混じっていました)

  • 広開土大王級駆逐艦(1998年に就役)基準排水量3,200t-3隻(KDX-I)
  • 李舜臣級駆逐艦(2003年に就役)基準排水量4,400t-6隻(KDX-II)
  • 世宗大王級駆逐艦 (2008年に就役)基準排水量7,600t-3隻(KDX-III)
  • 正祖大王級駆逐艦(未就役)基準排水量 8,200tー1隻(3隻予定)←New

で、正祖大王級駆逐艦はKDX-IIIのバッチ2という位置づけっぽい。うんまああ、良いんじゃないでしょうか。

正式に就役したら扱いが変わるのも良くある話だし、バッチ2ではなくてKDX-IV扱いになるかも知れない。

ともあれ、これに関しては進水式の当初からミサイル迎撃を考えていたようではある。

韓国型垂直発射装置を設置し、艦対空ミサイルSM6などの長距離艦対空誘導弾や艦対地弾道誘導弾を搭載する予定で、主要戦略標的に対する遠距離精密打撃だけでなく、弾道ミサイルに対する迎撃能力も一層向上した。

聯合ニュース「次世代イージス駆逐艦「正祖大王」の進水式」より

うんうん、VLS搭載は最近は当然のように行われるし、イージス艦ならば必要だ。だからソレはいいんだが、これ「韓国型垂直発射装置」なんだよね。そして、そこにはSM6搭載予定だと言われていた。でも、現時点ではアメリカ海軍とオーストラリア海軍しか採用していないんだよね、SM6って。

とまあ、「本当にSM6の調達ってできるの?」という疑念はこの記事からも湧くんだが……。

国内開発ニダ!

冒頭に紹介したように国内開発に切り替えた模様。

おそらく今年中には就役するだろうとされている次世代イージス駆逐艦「正祖大王」なんだけど、眼帯地弾道誘導弾はどうすんのさ?これから開発するの?

事業期間は今年から2036年までで、約6800億ウォンがかかる。

聯合ニュース「次世代イージス駆逐艦「正祖大王」の進水式」より

予算、少なくね?

というか、2036年まで12年あるんだけど、当面は手持ちの艦対空ミサイルSM-2辺りで済ませるんだろうか?

SM-3は共同開発している日本の許可もとる必要があるので、オーストラリア海軍はともかくとして韓国海軍に許可される可能性はどうなんだろう?とは思う。イスラエルやポーランド、ルーマニア、ヨーロッパにも配備計画だあって、ポーランドとヨーロッパには配備された模様(ヨーロッパ配備は、アメリカ海軍のミサイル巡洋艦に配備されたという話らしいが)。いや、ポーランドの話は宙に浮いてしまったのだったか、NATOのアメリカ軍駐留基地に配備されたのだったか、定かではないが。

詳しい情報が出ていないので見つけたらまたお伝えしたいが、まさか次世代イージス駆逐艦「正祖大王」は丸腰で就役することになるんだろうか。

コメント

  1. アバター 匿名 より:

    本邦がどデカいイージス艦建造しますからね

    • 木霊 木霊 より:

      あれ、本気なんですかねぇ。
      SPY-7が駄目ってんじゃないんですが、やったことのないチャレンジをわざわざやるのかと。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >正祖大王は次世代イージス駆逐艦「広開土3」バッチ2の1番艦であり

    KDX-1と2がイージス……?
    当時、スチームタービン船の「しらね」だったかにも艦隊機動で着いていけなかった船がご冗談を、って話ですね。
    イージスシステムを載せてないのにイージスとはこれ如何に。

    まあ、KF-21の増数と併せて、お金が尽きなきゃいいね、ってとこですか。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      おっとごめんなさい、僕のミスでした。お詫びして訂正させて頂きます。
      それにしても、韓国は金持ちですね。

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