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経営難の碧桂園は債券保有者に送金

中華人民共和国ニュース
この記事は約6分で読めます。

支那関連記事が続いているんだけど、不動産開発関連のニュースを紹介しておきたい。碧桂園の何処にそんな金があったのか。

経営難の中国碧桂園、元建て債保有者に元利8億元送金=文書

2023年12月13日午後 11:15

経営難の中国不動産開発大手、碧桂園(カントリー・ガーデン)が人民元建て債券の保有者への返済で8億元(1億1142万ドル)余りを送金したことが、13日遅くに深セン証券取引所に提出された書類で明らかになった。

ロイターより

碧桂園が人民元を債権者に送金したということなんだけど、手元の流動性が怪しいという話はあった。それでも人民元を送金できる程度の余裕はあったんだねぇ。

タマネギ生活始まる

返済用の人民元をどうやって手に入れたのか

大連万達集団傘下のショッピングモール運営会社「珠海万達商業管理集団」の債券を売ったというニュースがったので、これと関係しているかも知れない。

中国不動産開発の碧桂園、珠海万達持ち分売却へ-約610億円

2023年12月14日 10:08 JST

中国の不動産開発大手、碧桂園は14日、商業不動産を手掛ける大連万達集団傘下のショッピングモール運営会社、珠海万達商業管理集団の持ち分1.79%を30億7000万元(約610億円)で売却すると発表した。上場先の香港取引所に届け出た。

Bloombergより

ショッピングモール運営会社は、案外金を持っているって事かな?これ、もしかしたら家賃収入かもしれないけれど、ともあれ親会社の万達集団と違ってそれなりに優良なんだろう。

中国万達地産、6億ドルの社債返済延長を要請へ

2023年11月21日午後 3:23 GMT+9

中国のコングロマリット(複合企業)である大連万達集団の不動産部門、万達地産国際は21日、ドル建て社債の返済を約1年延期することを債権者に要請すると明らかにした。新規の資金調達や借り入れが困難になっているためとした。

ロイターより

親会社の万達集団は不動産関連のドル建て社債の返済を延期していたみたいだけど、事業によってはまだ優良なところもあるんだろう。そうでなければ、債権買って貰えないし。

売却先は大連万達商業管理集団や万達の創業者である王健林氏の珠海万赢企業管理など。碧桂園は純額ベースの売却資金をオフショア再編に充てる方針。

Bloombergより

で、碧桂園は債券を売却して得た資産をオフショア再編に充てる方針なんだそうで。

不動産リスク解消を指示

で、こうした動きがあった背景にあるのが、おそらくは習近平氏のこの発言だということだと思う。

中国 習近平指導部 不動産リスク解消に力を入れる方針強調

2023年12月12日 23時27分

中国の習近平指導部は、来年の経済運営の方針を決める重要会議を開き、不動産市場の低迷やそれに伴う地方政府の債務問題などを懸念材料として指摘した上で、リスクの解消に力を入れる方針を強調しました。

NHKニュースより

重要会議で「金融システム全体へのリスクの波及ゼロを堅持し、不動産リスクを積極的かつ慎重に解決する」とか言ったらしい。

当然、支那の指導部において習近平氏の発言は「神の言葉」に等しいわけで、これを実現するためにということを考えてしまうと、今回の碧桂園の話に「どういう関係があるのか」という風に勘ぐってしまう。

中国・碧桂園トップ、年収240万円に引き下げ

2023年12月13日 11:51

中国の不動産最大手、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)は12日、創業家出身の楊恵姸・董事会主席の年間報酬を12万元(約240万円)に引き下げると発表した。販売不振が深刻になっており、徹底したコスト削減で生き残りを目指す。

日本経済新聞より

習近平氏の発言の翌日の碧桂園のトップのニュースもね。何というか、闇が深い気がする。

新築住宅価格は下落

こんな話もある中、不動産価格の方はどんどん落ちる。

中国新築住宅価格、11月は5カ月連続下落 70都市中59都市マイナス

2023年12月15日午後 12:39 GMT

中国国家統計局が15日発表したデータによると、11月の新築住宅価格は5カ月連続で下落した。不動産セクターは需要や投資に対する信頼感が損なわれ、低迷している。

統計局のデータを基にロイターが算出した新築住宅価格は前月比0.3%下落。10月も0.3%下落していた。

ロイターより

取り引きが低迷しているので、価格が下がるのも仕方がないのだが、まだまだ下がるんだろうね。

これで碧桂園が持ち直すかといえば、無理だろう。値上がり前提で次々と不動産開発をやっていたのだから、価格低迷は避けられない。

そしてこの風潮が続く限りは、碧桂園を始めとした支那の不動産開発業の苦境は続く。しかし、潰れることは許されない。そうなると、やっぱり債権を切り売りするしかないのだろうけれど、それだって何時までも続けられる訳もなく。下請けや社員にすらお金が支払われなくなるという展開に既になっているらしいんだけど、後は何が出来るのやら。

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追記

コメントで支那の不動産余りの事に触れたので、ちょっと追記しておきたい。

中国に「空きマンションが1億戸ある」は本当か? 中国不動産バブルの定量的研究(1) | JBpress (ジェイビープレス)
昨年の秋以降、当局はバブルの軟着陸を試みているが、最終需要者が存在しない中国では1億戸の空きマンションを売りさばくことができない。中国共産党は強権を持っているからなんとか軟着陸させる(1/3)
習近平もお手上げ…34億人分の在庫を抱えた「中国のマンションバブル」の行き着く先 電気も水もない「鬼城」の住人が急増 (2ページ目)
一時、オルドス市の経済成長率は年率20%を超えた。高い成長が続くとの期待を根底に、“買うから上がる、上がるから買う”という強気心理が連鎖して、オルドス市の不動産バブルは膨張した。転機となったのがリーマ...
中国の空き家は30億人分? …元政府高官が言及「14億人の国民では埋められない」
専門家のやや高めの推定に基づくと、中国の空き家にはアメリカの人口の10倍近くが住むことができるかもしれません。

幾つか記事があるのだが、「34億人分のマンションが存在する」「空きマンションが1億戸」「30億人分の空き家」と数字が異なるモノの、似たような話をしていて、一貫しているのは人口よりも多い部屋が確保されたという内容だ。

一方で、「人口が14億人が嘘」という話もある。

水増しされていた中国の人口、「本当は10億人だった説」の衝撃──ハッキングでデータ流出
<労働人口が増え続ければ経済は栄える...。「14億人市場」という売り文句で海外...

この話が面白くて、ハッカー集団によってデータが盗まれたのだが、それが10億人分だったという話が素になっている。

昨年6月、中国は史上最悪のデータ流出事件に見舞われた。上海警察のデータベースがハッカー攻撃を受けたのだ。

ハッカー集団は、個人を特定できる最新の情報を含む10億人分(23テラバイト相当)のデータセットを盗み、それをダークウェブで1セット10ビットコイン(約20万ドル)で売りに出した。

Newsweekより

もともと、14億人という数字が本当に正しいのか?という点には疑念が持たれていて、黒孩子と呼ばれる戸籍のない子供が1300万人居るということがいわれ、この数字が14億人に入っていないのでは?と指摘されてきた。

ところが、人口減少のターンに入ってしまった支那の現状が、これまでの人口統計データでは説明がつかないことから、実際にはもっと少なかったのでは?という疑惑がもちあがってきた。

そこへ10億人分のデータである。

これが実際の人口動態プロファイルと酷似していて、おそらくデータは本物だと判断された。そうだとすると、何故、14億人ではなく10億人だったのか?という疑念が残る。統計データとして使うのであれば、せいぜい1割の人口をサンプルにすれば事足りる。

そうだとすると支那の購買力は、実は公式よりも3割引ということなのでは?という話なのである。

そして30億人分の空き家と10億人の人口という数字の両方が正しいとなれば、人口の3倍の空き家が!という話に繋がっていく。何れにしても、空き家が余っている事実は変わりなく、その多くがスケルトン販売(直ぐに居住できない状況)されるとのこと。

実に不毛な話ですな。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >何処にそんな金があったのか。

    「鶴の一声」で、輪転機が花びら大回転!だったのでは?(下品)

    あるいは、どこかから「埋蔵金」が出てきて、代わりにその地域の官僚が数名行方不明になったとか……

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。
      埋蔵金ですか。
      埋めるのが好きな民族は掘るのも得意と。埋まってしまった行方不明の官僚は、未来永劫見つからないのでしょうけれど。

  2. アバター 山童 より:

    しかし……共同富裕とか言い出してから、
    ガタガタっすよね。 
    不動産開発、IT、教育産業、ぜんぶアレでせう? そりゃ若者失業率が実質50%達しますわ。何が悲しくて精華大や北京大を出てマンション管理人か……。
    で、この未来を観ると今、キャリアを積ませねばならない人的資源に、職を与えられるか言うと絶望的でせう。
    これバブルの日本の不良債権問題と、その後の氷河期世代問題、今の自民党も真っ青の少子高齢化問題が、20年後には
    日本の10乗倍で襲ってくるの確定で。
    かと言って、もう規模がデカすぎてリセットしたら共産党支配が詰みかねない。
    結局は、全ての統計を嘘で塗り固め過ぎていて、それ故に、「本当の情報」が為政者も解らなくなってるんだと想うすよ。
    これって巨大な帝国が倒れる前兆なんですよね。逆にキンペーくんらがコレを乗り越えて解決するなら、それは何らかの意味で日本にもお勉強になると思います。ムリだと思うけど。

    • 木霊 木霊 より:

      実のところ、経済の不調は夏期オリンピック開催時から囁かれておりました。
      しかしながら、その経済は不動産開発業を投資対象とする事で乗り切ってしまいました。それが更なる不幸を招いたわけですが、仕方がありませんよね。
      なお、支那の不動産バブルは日本と違って高騰する率が低いと言われております。せいぜい2~3倍なんだとか。
      倍率が低いのでダメージも小さいという見方もされていますが、日本と異なる事情がありまして、あまり楽観視もできないようです。どんな事情かというと、不良債権となっている不動産が人口の2~3倍もあるとかいう話があって、不動産の価格が1/10になるとかいう日本の事例が参考にならないんですよね。買い手が存在せず、価値がゼロになるどころか、取り壊し費用が必要になるのでマイナスになるようなことも想定されます。どうなりますことやら。

      • アバター 山童 より:

        じ、人口の3倍の不良債権??😯
        いや……どうしてそうなる??
        いやしくも共産党政権ですよね?
        共産主義っていやぁ、官僚による
        計画経済っすね?
        きちんと全国的に統計を取って、北京が指導してりゃあ、そういう事にはならないはず……のはず。
        しかし、そうならないのが中国🤣
        あの国の持ってる構造的な腐敗と中間搾取はどうにもなりませんな。
        色々と悪く言われるが、日本の、中央政府が地方自治体に分配するシステムは、中国みたいに地方政府に配らない政体よりマトモって事ですね。まぁ、あの国がムダに広いせいもあるのでしょうけどを

        • 木霊 木霊 より:

          不良債権がどの程度あるかは分かりませんが、人口の数倍という感じの数のマンションが存在するのは間違いなさそうで。
          計画経済をやっていても、素になるデータがポンコツなのと、建前(メンツ)が優先される社会なので、一度間違えてしまうと修正するには、指導者が替わる必要があります。ところが習近平氏が終身皇帝を目指してしまったので、さあ大変。
          日本の行政も大概ではありますが……、まだ、自浄作用がアルだけマシというべきでしょう。

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