プロレス終了か。
公明、次期戦闘機の輸出容認へ 厳格歯止め条件に、紛争国除外
2024年03月07日 19時46分
公明党は、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国輸出について、紛争助長を避ける歯止め策の厳格化を条件に容認する方向で検討に入った。
47NEWSより
散々ゴネて見せて、結果的にはOKを出す流れはいつもの話ではあるんだけど、時間は帰ってこないよ。
国内事情は海外に通用するのか
慎重に決める姿勢をアピール
予定通りであれば2023年初頭には決着できたのに、そこから協議に入って、2023年末にちゃぶ台返し。そして、2024年2月末までになんとか結論を出す約束だったんだが……。
いやもう、公明党切っちゃえよ。
従来は慎重だったが、輸出の必要性を訴えた岸田文雄首相の国会答弁を評価した。8日に行う自民党との政調会長間協議で具体化に向けて議論する。
47NEWS「公明、次期戦闘機の輸出容認へ」より
偉そうに……。
公明党のサイトには、参議院予算委員会での質疑が紹介されていて、これをもって岸田氏が丁寧に説明した、ということにしたようだ。
なるほど、ね。
歯止め策を設ける
んで、自民党と公明党との間で「歯止め策」を設定することになるようだ。
歯止め策として、国際共同開発する防衛装備品のうち、第三国輸出を解禁するのは次期戦闘機に限る方向。輸出先から紛争当事国を除外した上で「防衛装備品・技術移転協定」を日本と締結した国などに絞る案が出ている。輸出契約を交わす前に、与党の事前審査を条件付けたい考えだ。
47NEWS「公明、次期戦闘機の輸出容認へ」より
まあ、「制限無く輸出できるようにする」というのは、なかなか難しいことは理解出来る。
そして、好意的に見れば、こういったプロレスをやってみせることで、左派の論点を潰すという効果がある部分はあると思う。そして、「言ってみせる」の代表が、北側氏である。
確かに、手続き論的には予算委員会で首相が説明して見せた、というパフォーマンスが行われたため、国民に対しての説明責任を果たすという形が整った。そして、了承されるという流れになった。
次期戦闘機「輸出対象国の限定を」 公明党・北側副代表
2024年3月7日 15:00
公明党の北側一雄副代表は7日の記者会見で、次期戦闘機の日本からの輸出解禁を巡り輸出先国の限定を求めた。「無制約に輸出されることはあってはならない。どういう手続きが必要か議論したい」と強調した。
日本経済新聞より
さらに言えば、形としては、公明党に「花を持たせる」感じの動きにはなって、これで自民党は公明党と持ちつ持たれつの姿を演出する感じなんだろう。選挙協力というアリバイ工作も完成するわけだ。
まあ、僕としては「こんなのさっさと手を切れ」と。この役目は、自民党内部で担えば済む話だからね。
次期戦闘機に限る……意味は?
さておき、協議が進んで出て来そうな案は既に決まっているようだ。
次期戦闘機など輸出 政府 対象を次期戦闘機に限り輸出先絞る案
2024年3月9日 5時26分
イギリス・イタリアと共同開発を進めている次期戦闘機などの第三国への輸出を認めるかどうかをめぐる与党協議で、政府は歯止めとして、対象を次期戦闘機に限ったうえで輸出先を絞る案を示しました。公明党はこの案を評価しつつも、党内で議論を尽くす必要があるとして、合意に向けて丁寧に意見集約を進めていく方針です。
NHKニュースより
与党協議をして出てきた案がこちら。
具体的には
◇対象を次期戦闘機に限ったうえで
◇輸出先を日本が防衛装備品の輸出などに関する協定を結んでいる国に絞るとともに
◇戦闘が行われている国には輸出しないとしています。
◇また与党による事前協議も行うとしています。自民党は、この案をもとに輸出を認めることで公明党と早期に合意したい考えで、渡海政務調査会長は「着々と前進しており、この政府案でいいだろうという感触を持っている」と述べました。
NHKニュース「次期戦闘機など輸出」より
……とりあえず、次期戦闘機だけ輸出OKで乗り切れば良いという発想らしい。だけど、ここまで弱気に出る理由がよくわからない。
確かに、次期戦闘機開発は国際開発を決めていて、スケジュールの遅れを日本が招くわけにはいかないので急ぎたいのは分かる。
だが、武器輸出の話の例外として次期戦闘機を定めた根拠が不明である。今回だけ乗り切ればいいやなどというアホな発想をしているのであれば、政治家なんてさっさと辞めるが宜しい。そして、この結論なら、去年のうちに既に出ていたよね?何なの?一体。
自民党のこの腰の座らなさは、本当に国益を損ねるよ。
追記
更に厳しくしてどうするんだよ……。
次期戦闘機の第三国輸出、閣議決定条件に 政府・与党が最終調整、事前審査を厳格化
2024/3/12 19:39
政府・与党は、日本が英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を巡り、日本から直接、共同開発国以外の第三国へ輸出する場合、閣議決定を条件とする方向で調整に入った。第三国輸出に慎重な公明党が求める歯止め策の一環で、事前審査を厳格化する。複数の関係者が12日、明らかにした。
産経新聞より
そりゃ、一定の歯止め策は必要なんだろうけれども。
岸田文雄首相は12日、公明党の山口那津男代表と官邸で会談し、次期戦闘機の第三国輸出に関し「厳格なプロセスを取るため、閣議決定を含めて政府方針を検討したい」と伝えた。山口氏は会談後、記者団に「妥当な方向だと思っている」と評価した。
政府は輸出先についても歯止め策を講じる。戦闘中の国を除き、日本と「防衛装備品・技術移転協定」を締結した国に限る案を検討している。
産経新聞「次期戦闘機の第三国輸出、閣議決定条件に」より
えーと、アメリカの制度で考えたら、有償軍事援助(FMS)一本に絞る感じなのだろうか?そうなると、お高くなるのかな。
ルールなしでどんどん輸出しろとは言わないけれども、輸出先を日本と防衛装備品・技術移転協定を締結した国に限るのは絶対に悪手だよ。
現状では、アメリカ、オーストラリア、インド、イギリス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、インドネシア、ベトナム、フィリピン、タイ、マレーシア、UAEの14カ国かな。これに加えて、ヨルダンとイスラエルでMOUを締結しているのか。
政府 UAEと防衛装備品の輸出などに関する協定締結 中東では初
2023年5月26日 13時50分
政府は、UAE=アラブ首長国連邦との間で、中東では初めて防衛装備品の輸出や技術移転に関する協定を締結し、林外務大臣は日本の防衛産業の生産技術基盤の維持・向上につながるものだと強調しました。
NHKニュースより
事実上はこれで足りるのかもしれないけれど、肯定的に捉えたらこれはもっと防衛装備品・技術移転協定を積極的に結んでいこうという動きなのかな?
追記2
ようやく合意か。
自民・公明 次期戦闘機の第三国への輸出容認で合意
2024年3月15日 11時44分
イギリス、イタリアと共同開発を進めている次期戦闘機について、自民・公明両党は輸出先を絞るなどの歯止めを設けて第三国への輸出を容認することで合意しました。
次期戦闘機の第三国への輸出を認めるかどうかをめぐっては、去年4月から、認める方針の自民党と、慎重な公明党との間で協議が続けられてきました。
NHKニュースより
そして15日、自民党の渡海政務調査会長と公明党の高木政務調査会長が国会内で会談し、政府が示した歯止めを設けて輸出を容認することで合意しました。
遅いよ。
政府は、両党の党内手続きが終われば、3月下旬にも閣議決定する方針です。
NHKニュース「自民・公明 次期戦闘機の第三国への輸出容認で合意」より
「遅れても2月末に」などという話だったのに、これだよ。
コメント
こんにちは。
>自民党のこの腰の座らなさは、本当に国益を損ねるよ。
だからといって、
×自民党に票を入れず、有望な(?)野党に……
○自民党の、有望な議員をよくよく選別して票を入れる
ですよね、と。
公明、支持母体の話はトンと聞きませんが、どうなるんでしょうね?この先……
かなり揺らいでいるような報道が、池田先生御逝去の折にはちらちら見えたのですが……
※特に女性部とかその辺が。女性部って、今にして思うと、隣の国の政治部署(女性家族部)とよく似てますよね。
こんにちは。
自民党に入れると言うよりは、共感できる政策を掲げる人に投票を、というスタンスで、自分たちも政治的な知識を仕入れて投票するしかありませんね。野党議員であっても、政策立案の出来る国益を目指す議員(珍しいとは思いますが)であれば、応援すべきかと。
某学会内部は、相当荒れているようですね。高齢化が進む中での教祖の逝去。未来を暗示するには十分な話で、その中での若手台頭と女性部との軋轢が結構あるような感じでした。とはいえ、あの教団は昔からポロポロと分裂する癖があるんですけどね。
これまた然りですが、野党、ダメすぎて……
賛成党、ちがう参政党もあらぬ方向に暴走中ですし、百田氏も悪いところが全部出てる感じですし、左翼革新系は言うに及ばず。
マスコミと民主党がいつまでも裏金問題ガーしてるのは選挙対策なんでしょうけれど、自民の票を剥がしても、それが野党に流れる訳ではないあたりがなんともはや。
野党は……ダメっすねぇ。
何故、保守寄りの政党は暴走してしまうのか。
結局のところ、地味なことをやってうける政党というのが自民党と、辛うじて公明党しかいないというところがダメですよね。
野党は目立ってナンボという……。