日本の次期戦闘機は英BAE社と組むのか?

防衛政策

ちょっと面白いニュースが入ってきた。

<独自>次期戦闘機、日英共同開発へ BAEと協力、伊も参加

2022/5/14 05:00

防衛省が航空自衛隊のF2戦闘機の後継機について、英航空防衛機器大手BAEシステムズと日本の三菱重工を主軸とする日英での共同研究開発事業とする方向で調整に入ったことが13日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。5日の日英首脳会談に基づき、年末までに正式合意する。次期戦闘機は米ロッキード・マーチン社から支援を受ける方向で検討されていたが、事実上の方針転換となる。

「産経新聞」より

F3戦闘機を作る話は、一応前進しているようだ。ただ、歴史的に見ても珍しくイギリスと組む話に現実味が出てきたようなんだけど。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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2024年試作機製造開始に間に合うか?

F-3戦闘機

一応、現状ではF-3戦闘機というのは仮称であるが、次に作られるのであれば間違い無くF-3戦闘機になると思われるので、このブログではF-3戦闘機という表記にして行きたいと思う。次期戦闘機が正式らしいんだけどね。

さて、F-3戦闘機を作る前に、先進技術実証機X-2の話に触れておきたい。

最新ステルス機、全部見せます-X-2、初のフル公開 岐阜基地航空祭 

2019/11/26 06:30

航空祭が集中する秋を迎え、航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市(かかみがはらし))でも10日に航空祭が行われた。目玉はステルス機能を持つ先進技術実証機のX-2。これまで一般に公開していなかった推力変更パドルを持つ機体後部を初めて披露し、多くの観客が記念撮影した。

「iZa」より

先進技術実証機X-2は、開発自体は1991年から始まった「将来航空機主要構成要素の研究試作」の延長線上にある実機であり、初飛行は2015年に入ってからで、様々な検証を行う為の機体であった。

F-3戦闘機はこうした積み重ねの集大成として作り上げられる話になっていたのだが、やはり日本だけで作り上げることは現実的では無く、「共同開発」ということを模索し始めた。

アメリカやイギリスに打診

共同開発の相手として候補に上がっているのがアメリカやイギリスだった。

F2後継機は日米で開発…ロッキード社、三菱重工を技術支援

2020/12/11 22:24

政府は航空自衛隊F2戦闘機の後継機について、開発に当たる三菱重工業を技術支援する企業として米ロッキード・マーチンを選定する方針だ。防衛省が調達する最新鋭ステルス機「F35」などの開発実績があり、日米同盟の強化にもつながると判断した。来年度予算案に約700億円の開発費を計上する。

「讀賣新聞」より

で、日本が戦闘機を作ろうとすれば、当然関わってくるのがF-2戦闘機を作る時に一枚噛んできたアメリカのロッキード・マーティン社だ。そして、ユーロファイターの設計にも関わったイギリスのBAEシステムズ社も一枚噛ませろと。

実のところ、アメリカはF-35戦闘機の「次」を模索していて、なかなか混迷の極みという状況になっている。

アメリカ空軍が予定しているNGADは、F-22戦闘機の後継機という位置づけの機体のようだが、既に実証機が飛んでいるとかいう話はある。

ついにベールを脱いだ米国の第6世代戦闘機

2021.12.2(木)

長い間秘密のベールに包まれていた米空軍の「次世代航空優勢(NGAD:Next Generation Air Dominance)(以下、NGAD)」プログラムが、徐々に姿を現してきた。

「JB press」より

2030年代の制空戦闘機として、2025年までに飛行エンジンが作られるのでは?という話も出ている。が、F-35A、B、Cが未だに完成を見ていない状況なので、本格的に作られているという状況にまでは至っていないようだ。

一方の、イギリス空軍の方は、ユーロファイター・タイフーンの出来が良かったとは言えず、トランシェ3とかトランシェ4とかいう話も出ているが、現実的にこれが出来上がるかは怪しい。現行バージョンはトランシェ2と呼ばれる2005年以降に開発された機体で、そろそろ古くなってきている。そんなわけで、次世代戦闘機のテンペストプログラムを発動していて、これもドイツやフランスと共同開発の予定があるのだけれど、どうにも上手いこと進んでいない。

そんな状況なので、日本が主幹で戦闘機を作るのであれば一枚噛むという色気は見せているようだ。

方針転換

ただ、日本が両国との交渉を進めていくに従って、色々な問題があることも分かってきた。

次期戦闘機はF2を共同開発したロッキード社から支援を受け、三菱重工が主導する形での開発を模索していた。しかし、ロッキード社との調整が難航し、米政府からの理解を得た上で主軸を英国へ切り替えることにした。ただ、相互運用性の観点から米国との連携は続け、無人機による戦闘支援システムは米国と共同開発する。

米国とは旧式戦闘機の退役時期が重ならず、コスト面での問題があった。また、ロッキード社が米国本土で機体改修を行うなどの秘匿性の高さが「ブラックボックス」として技術共有の面で課題になっていた。

「産経新聞”<独自>次期戦闘機、日英共同開発へ BAEと協力、伊も参加”」より

どうやら、ロッキード・マーティン社の条件として「米国本土で機体改修を行う」という事が出ているようなのだ。

この話が本当かどうかを確認する術は無いが、ロッキード・マーティン社としてはF-35A戦闘機に使った技術を持ち込みたいという意向はあると思うので、これを持ち込むためには技術をアメリカから持ち出せないというところがネックとなる。F-35戦闘機の部品供給もブラックボックスが多くて、海外の協力工場認定したFICOでのメンテナンスが義務づけられている。

そうであるならば、この「米国本土で機体改修を行う」条件というのも、全くオカシイという訳では無い。

しかし、一方でBAEと組む場合にも、「日本主導で開発する」という点を貫けるかはちょっと分からない。

機体は三菱重工とBAEシステムズが参加し、エンジンは造船重機大手IHIと英ロールスロイスが協力する形で検討。イタリア企業やロッキード社も一部参加する可能性がある。

「産経新聞”<独自>次期戦闘機、日英共同開発へ BAEと協力、伊も参加”」より

まあ、未だ決まったわけでは無いし、ロッキード・マーティン社の横槍が再び入ってくる可能性は高い。だが、日本としてはイギリスと組むのもそれなりにメリットはあると思うので、是非ともやってみて欲しい。

何れにしても、早いところ始められる体制を構築して欲しいというのが本音で、予定では、F-3の試作機は2030年までに飛ばして、量産が始まるのは2030年以降となっている。

早いところ、飛ぶ姿を見たいものだ。

コメント

  1. こんにちは。

    遂に本邦のオタク技術とトニーの英国面の悪魔合体ががが!と一人で吹け上がっております。

    冗談さておき、登載兵器(空対空ラムジェットミサイルなど)の関係で、ウェポンベイまわりや火器管制系は共通化した方が良いに決まってるし、アメリカにも話通してあるという事なので、旨く転がればテンペスト改め「晴嵐」(願望込み)などという新機体がお目見えするのでしょうけれど、他国共同開発は例外なく茨の道ですから、まずは仕様のすりあわせで揉めることが必至かと。

    ※イメージイラストの時点で、F-3とテンペストは重視している要求仕様に相当の違いがありそう。低翼面荷重の尾翼付きクリップドデルタと、無尾翼デルタですからね……ASMマシマシの空母絶対殺すマンでありつつも伝統的空戦番長と、ドーバーの向こうめがけた縦深攻撃用ステルスアタッカーとで、どう擦り合わせるのか……

    何にせよ、上手いこと言ってほしいものです。

    • いやー、日英共同開発って、何か危険な香りがしてイイ感じですよね。
      どんな魔道兵器が出来上がることやら。
      アメリカの了解が得られるのであれば、イギリスとのすり合わせは超大変だとは思いますけど、同じ島国。やりたいことの意思統合は不可能ではないと思います。
      ヨーロッパはデルタ翼が好きみたいですが、航空自衛隊がそれを欲しがるかというと……。
      先ずは産経新聞のとばし記事でないことを願っております。