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公明党のせいで進展しない次期戦闘機F3の輸出議論

安全保障
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……なんだこのニュース。

公明、「次期戦闘機」条約案を了承=開発機関設立、輸出前提とせず

2024-02-09 15:17

公明党外交部会は9日、日本、英国、イタリア3カ国の次期戦闘機開発計画を管理する政府間機関の設立に関する条約案を了承した。公明は国際共同開発する装備品の第三国移転に慎重な立場だが、条約案は輸出を前提としていないとして認めた。自民党も8日の外交部会で了承しており、政府は月内に国会に提出する方針。

時事通信より

何も前に進んでいないじゃないか。公明党の了承?そんなの必要ないでしょうよ。

実は何も進んでいない

輸出が前提の次期戦闘機

先ずは、次期戦闘機について。

このブログでも何回か記事を書いたのだけれども、取り敢えず日英伊で共同開発する方向で決まっているというのがベースの話。

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F-2戦闘機の後継機として、或いはF-15J Pre-MSIP機の後継機として計画されているのが、F-3戦闘機(仮)であり、計画通りなら2035年までに配備される。

幾つかトピックスはあるのだが、グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)として、令和4年12月9日に共同開発を決定した戦闘機であり、第6世代戦闘機になるとされている。

そして、この共同開発を行うに当たって、出来上がった戦闘機を外国に販売できるのかどうか?と言う点が焦点になっている。だが、共同開発をするにあたって、外国への輸出は「前提」だっただろう?

輸出要件緩和が問題に

その前提だったはずなのに、日本は何時までも決断が出来ないとして、去年末には「何とかしろ」と圧がかけられ始めた。

戦闘機の第三国輸出「2月に結論を」 政府が与党に要望

2023年12月20日 19:00

政府は20日、日英伊の次期戦闘機を日本から第三国に送る可否の結論を2024年2月までに出すよう与党に求めた。3月から始まる3カ国の政府間協議での交渉力に影響しかねないと説明した。自民党の国防関係の合同会議で伝えた。

日本経済新聞より

これが去年末の記事だが、イギリスとイタリアに詰められて、流石に自民党の合同会議でも議題にあがった。「2月末までに結論を出せ」と政府に要望したのである。

これに対し、岸田氏自身は輸出要件緩和をするという方向で決断していると言われている。

次期戦闘機「日本主導」に影 第三国輸出、英伊と溝―与党協議、公明の対応焦点

2024年01月03日13時38分配信

自民、公明両党は1月に、防衛装備品の輸出拡大を巡る実務者協議を再開させる方向で調整に入った。国際共同開発した完成品の第三国への輸出が主要議題。英国、イタリアと次期戦闘機の開発・生産体制の交渉を進める政府は、完成品輸出を禁じた現行制度が日本の立場を弱めかねないと懸念し、「わが国主導の開発」を掲げて与党に2月中の決着を求めた。公明の対応が焦点となる。

~~略~~

開発体制の交渉は、参画企業の共同事業体(JV)が24年3月に基本合意され、本格化する。日本が輸出を認めるかどうかは全体の受注量に関わり、整備する生産ラインの規模も変化する。受注が減れば単価が上がり、英伊の輸出計画にも影響を及ぼす恐れがある。

時事通信より

記事にもあるのだが、生産数がラインの製造規模にも関わってくるだけに、イギリスもイタリアも輸出する気満々である。おそらく、輸出できないという結論になれば、GCAP自体が瓦解する。

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説明を尽くせ

実際にそうした話について、讀賣新聞が社説でこんな注文を付けている。

次期戦闘機 輸出解禁へ政府は説明尽くせ

2024/02/08 05:00

防衛装備品の輸出を促進し、弱体化した防衛産業を立て直す意義は大きい。日本の防衛力の強化にもつながろう。

平和国家の理念を保ちつつ、時代の変化に応じた海外移転のルールを整えたい。

岸田首相はイタリアのメローニ首相と会談し、英国を含めた3か国による次期戦闘機の共同開発を円滑に進める考えで一致した。

讀賣新聞より

今月の5日に岸田氏はイタリア首相のメローニ氏と会談を行っている。

岸田首相 ことしのG7議長国 イタリア メローニ首相と会談

2024年2月5日 22時17分

岸田総理大臣は、ことしのG7=主要7か国の議長国として日本を訪れたイタリアのメローニ首相と5日夜に会談し、ウクライナ情勢や核軍縮など、国際社会が直面する課題への対応で結束していくことを確認しました。

~~略~~

また、両国とイギリスの3か国で進めている次期戦闘機の共同開発について、進展を歓迎するとともに、3月に予定される外務・防衛当局間の協議などを通じて、安全保障分野の協力強化を図っていくことで一致しました。

NHKニュースより

その会談の中で、次期戦闘機の共同開発についての話題が出ていた。詳細については明らかにされないが、安全保障分野の協力強化というセンテンスは、「輸出OKにするからね」という内容を含んでいる。

つまり、岸田氏としては既に輸出の要件は緩和し、少なくともイギリスやイタリアが自由に輸出する事に関してはOKを出していて、日本も条件が整えば輸出することを念頭に置いている。

日本は長年、装備品の輸出を制限してきた。1967年には、紛争当事国などへの輸出を禁じる限定的な武器輸出3原則を定めた。76年にはこれを事実上、全面的に禁輸する政府見解を決めた。

現在の防衛装備移転3原則やその運用指針も、共同開発した完成品を輸出できる相手は、開発に携わった国だけに限っている。

讀賣新聞「次期戦闘機 輸出解禁へ政府は説明尽くせ」より

しかしながら過去の経緯を含めて、運用指針を変えることは避けられず、現時点に置いて完成品の輸出は未だに開発国だけに限ることになっている。

だが、これではイギリスとイタリアとの約束を反故にすることになり、その事を説明しろと讀賣新聞は言っているのだ。何しろ、共同開発品を輸出することは国際常識なので、イギリスやイタリアは当然の如く、「アメリカのF-35戦闘機みたいに販売できるよね」と言うところからスタートしている。

国際常識的にも輸出管理の枠内での販売に舵を切るべきだというのが、外国の考え方なのだが……。

殺傷可能な兵器を売ったら死の商人なのか

良く「オウベイガー」とか、「外国デハ」とかいう出羽の守の皆さん、こちらの記事を読んでどう感じるのだろうか。

パヨク大好き韓国では、武器の輸出に非常に力を入れている。その事を批判する人を見たことがないのだが、韓国の輸出は良い輸出なんですかね。

もちろん、説明の必要もないレベルでアメリカも武器輸出大国だが、それについてもあまり批判する人は……。

では、何故日本が武器輸出をするのが問題になるのか。寧ろその辺りを考えるべきではないだろうか。武器の輸出は安全保障上にも極めて重要な手段である。輸出国には日本で製造した武器が使用されることで、敵対勢力になりにくくなる。武器の供給を握ることは、抑止力たり得るのだ。そして、その武器が有効であればあるほど効果は高い。

もちろん、その武器が人を殺す覚悟、それもサウジアラビア辺りに輸出されれば中東戦争に直結することも考慮すべきではあるが、武器輸出を平和に結びつけることも可能である事は、忘れてはならないのである。

輸出管理体制を含め、日本の在り方が問われる話でもあるね。

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追記

さっそくこんなニュースが。

イスラエルへF35戦闘機の部品輸出禁止の判決、オランダ政府が上訴

2024年2月13日 3時15分

オランダ政府は12日、オランダの倉庫からイスラエルに、F35戦闘機の部品の輸出を禁じた高等裁判所の判決について、上訴すると発表した。「政府の見解では、F35の部品の供給は違法ではない」と反論した。

 高裁はこの日、米国が所有するF35戦闘機の部品を、国内の倉庫からイスラエルに輸出することを7日以内に停止するよう、オランダ政府に命じた。戦闘機はパレスチナ自治区ガザ地区での攻撃に使われており、複数の人権団体が「イスラエルは国際人道法に違反していて、(オランダ政府が違法行為に)加担することになる」と主張し、提訴していた。

朝日新聞より

オランダの法律がどのようになっているのか不明であるので、オランダの法律の何に違反した、或いはしていないと判断されて判決が出たのか不明なのだが、当然日本でも起こりえる訴訟である。

イスラエルが国際人道法に違反していようと、いまいと、法律判断には影響しないというのが一般的な理解である。しかし、オランダの裁判所は国際人道法上の判断を政府に求めている。それは最早司法判断ではなく政治力の行使なのでオランダ政府の上告は当然なのだろうが、どうなることやら。

追記2

やっぱり出てきたね。

戦闘機輸出は自公政調間で検討 首相が意向 議論仕切り直し

2024/2/13 16:08

岸田文雄首相(自民党総裁)は13日、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談し、防衛装備品の輸出ルール見直しに関し、次期戦闘機を念頭に置いた国際共同開発品の第三国輸出について、両党の政調会長間で新たに協議を始める考えを伝えた。会談後、山口氏が記者団に明らかにした。公明側が慎重姿勢を崩さず、両党の実務者協議を継続するとしていた首相側が仕切り直しを迫られた格好だ。

産経新聞より

いやもう、自公連立終わる時だよ。

去年4月から実務者協議を重ねて十分議論してきた話で、騒いで存在感をアピールする目的しかない公明党なんて、手を切るべきだって。

そして、公明党野協力なしには当選できない自民党議員も見捨てる時だよ。それは本人の実力で勝った選挙ではないし、政治家としての働きが期待できないから。

また、山口氏は首相の意図について「国民の理解を得るためには、より広い枠組みで議論した方がいいという認識だ」と説明した。

産経新聞「戦闘機輸出は自公政調間で検討 首相が意向 議論仕切り直し」より

「国民の理解」とか便利な単語使っているけど、実質「俺様の理解」だ。

最早、足を引っ張るしか能のない政党には政権与党に居て貰っては困る。

追記3

さー、イギリスが本気を出してきたぞ。

次期戦闘機輸出へルール変更を 英大使、日本に解禁要求

2024/02/13

英国のロングボトム駐日大使は13日、日英伊が共同開発する次期戦闘機の第三国輸出を巡り「日本が防衛装備品の輸出ルールの変更を近く実現することが重要だ」と述べ、早期の輸出解禁に向けた取り組みを求めた。東京都内で共同通信と単独会見した。

共同通信より

2月末に本当に結論が出るんだろうね?との圧力である。

日本の現行制度は他国と共同開発する防衛装備品の第三国輸出を認めていない。ロングボトム氏は、協議に時間がかかっていることに「国民への説明が必要だ」と理解も示した。

共同通信より

そして、「協議に時間がかかっていること」に「国民への説明が必要」と。これ、読み方によっては「時間をかけるな」と圧力をかけている様にもとれる。共同通信は「理解も示した」と書いていて、原文に当たっていないので何とも言えないが……。

もう、岸田氏が決断するしかないのでは?

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    低迷する支持率上げる方法としても、孔明切り、違う公明切りは有効と思うのですが、侵食されている議員も多いのでしょうね。

    ※公明切るついでに、宗教法人からの課税案(ただし、零細寺社仏閣への配慮は必要)を作っちゃえば良いのに。「一定以上の信者(檀家)、一定以上の寄付寄進のある団体のみ課税対象」みたいな。トップの死亡報道も既に出てるんですし。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      これは、孔明(公明)の罠だ~!と、ネタ的に書こうと思いましたが、滑るネタだと自重しましたよ。
      さておき、宗教と政治は親和性が高いので、宗教組織の影響力を排除することは難しいと思います。ですが、それとは別に政策毎の協議はあって良いと思うんですよ。そして、自民党単独でも政権は維持できる情勢ですから、思い切って体質改善できるタイミングだと思うんですよね。

      宗教法人非課税の話は……、なかなか難しいですよね。仕組みを理解して上手く課税できると良いのですが。