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弾道ミサイル避難訓練を「茶番だ」と詰る新聞(機関紙)

安全保障
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酷い話だよ。

練馬で弾道ミサイル避難訓練 市民団体「茶番だ」と抗議行動

2023年11月7日 07時18分

6日午前、東京都練馬区の都営地下鉄練馬駅周辺で行われた弾道ミサイル飛来を想定した避難訓練。通勤や通学客らが行き交う中、一帯は物々しい雰囲気となった。訓練を知らずに「何があるの?」と立ち止まったり、スマートフォンで写真を撮ったりする人もいた。

東京新聞より

文章の構成としては、「市民が驚いた」「市民団体が抗議した」という内容になっているが、その実、この東京新聞という名の機関紙が国に対して抗議の声を上げ、市民に賛同を得やすいよう偏向報道をしているに過ぎない。

避難訓練はとても大切

前提条件が書かれていない

そもそも練馬区は何故、弾道ミサイル飛来を想定した避難訓練を行ったのだろうか。

ミサイル適切避難へ「緊急一時避難施設」活用で初の訓練実施へ

2023年10月13日 16時35分

ミサイルが飛来した有事の際、適切な避難につなげようと、東京都が指定する「緊急一時避難施設」を活用した初めての避難訓練が11月、練馬区で実施されることになりました。

~~略~~

こうしたなか、都は、ミサイルが飛来した有事の際、適切な避難につなげようと、この施設を活用した避難訓練を11月6日に練馬区で実施すると、13日発表しました。

会場は都営地下鉄練馬駅の周辺や区立平成つつじ公園、区民交流ホールの3か所で、訓練を実施する都や区などは住民に対してミサイルの発射に関する情報伝達などを行って、初動対応を確認したい考えです。

NHKニュースより

これはNHKニュースからの引用だが、「有事の際、適切な避難につなげようと」とある。つまり、万が一に備えて避難誘導をした場合に起こりうる事態を洗い出すことが目的である。

全国瞬時警報システム(Jアラート)全国一斉情報伝達試験の実施について:練馬区公式ホームページ

これは練馬区のサイトのリンクであるが、全国瞬時警報システム(Jアラート)の伝達試験を行っている旨の紹介ページである。

【令和5年10月13日】国・都と共同で、練馬駅周辺で弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施します[事前のお知らせ]:練馬区公式ホームページ

こちらが今回の避難訓練の実施案内で、国と都と共同で行う旨の紹介が行われている。主催者は「内閣官房、総務省消防庁、東京都、練馬区」とある。こうした取り組みは練馬区に限らないわけだが、首長が理解していなければなかなか出来ないのも事実。

練馬区には駐屯地がある

さて、練馬区がこうした取り組みを続けている背景には、練馬駐屯地があるからだと、反対派は騒いでいる。

頭のヌルい方々がお集まりのようで。

駅前では横断幕を掲げた抗議行動もあり、市民団体「戦争に協力しない!させない!練馬アクション」には約50人が集まり、リレートークなどで反対をアピールした。呼びかけ人の池田五律いつのりさん(63)は「訓練は茶番だ。実際には避難する暇はなく、頭を抱えてしゃがみこんでも被害を避けることはほぼ無理。住民の不安につけ込むだけ」と話した。別の抗議グループが「戦争をあおる訓練をやめろ!」などと大声をあげて、訓練のアナウンスがかき消される一幕もあった。

東京新聞より

避難訓練を実施したら戦争が煽られるという理論には、ちょっとついて行けないのだが、彼らは至って真面目らしい。

なお、ここに書かれている「頭を抱えてしゃがみこんでも被害を避けることはほぼ無理」などというデマはかなりありふれており、今やこんなデマに踊らされる人の方が少ない。少ないよね?

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ミサイル飛来時に頭を守る理由

特にこのブログを訪れて頂ける方であれば、こんな常識を敢えて言及する必要性は無いだろうが、まあ、念のため。

今は学校での防災訓練がどのように行われているのか知らないが、基本的に災害時に頭を守るのは高い位置からモノが落ちてくる時に、頭部を守る事が最も生存率を高める可能性が高いからである。

ミサイルが飛来して直撃するケースでは先ず助からないのだけれども、ミサイルの直撃を受けることは隕石に当たることを心配するようなモノで、余り意味がない。「大きな差があるじゃないか」と、指摘される方もいるだろう。それは事実だが、0.01%と0.0001%とを比較するような話である。

ミサイル飛来で最も注意すべきは、破壊がまき散らされた時に発生する爆風の影響や飛来物の影響である。その時姿勢が低いほうが断然安全性が高まる。的は小さく低い方が当たりにくいから当然である。

反対している人は小学校からやり直した方が良い。

今回の訓練の意義

ただ、今回の話はむしろ行政側の確認の意味が大きかったと思う。

地下鉄構内に避難、しゃがんで頭守る…弾道ミサイル飛来想定し都内で5年ぶり訓練

2023/11/06 11:25

弾道ミサイルが飛来し、全国瞬時警報システム(Jアラート)が発令されたとの想定で、住民の避難訓練が6日午前、東京都練馬区で行われた。住民60人が参加し、有事の際の行動を確認した。

訓練は国や都などの主催で、都内では2018年1月以来2回目。

~~略~~

内閣官房によると、訓練は今年度、27都道府県で計42回を予定している。

讀賣新聞より

内閣官房主導で、27都道府県で42回行われるうちの1つということなので、基地のあるなしは余り関係が無い。

まあ、敵としてはミサイルで狙う目標を基地に設定するのは、お約束みたいな所があるので「当然」ではあるのだが、基地がなくなったらミサイルが飛んでこないという話にはならないのである、残念ながら。

そんな話は日本でも70年以上前に身を以て体験しているし、世界中を見渡しても、ウクライナでもイスラエルでも「基地の無いところが爆撃された」という状況が発生しているのに、実に説得力無い話である。

で、訓練は、訓練に参加する人々の意識付けも大切なのだが、訓練を実施する側の意識付けも非常に大切だ。どんなトラブルが発生するのかを、少人数で確認した後に、もう少し規模を大きくしたらどうなるのか?という検証をしていく必要がある。

この訓練が「慣れてしまう」ことは、良い面も悪い面もあるので何とも言えないのだが、少なくともやらないよりはやった方が良いことは間違いない。経験として知っておくことは極めて大切だからだ。

都担当者は「ミサイル発射情報は今年10回以上ある。訓練を繰り返して避難行動を周知していきたい」と話した。区担当者は「これで全ての区民の避難行動につながるとは到底思えないが、区民が避難行動に関心を持つ契機になる」と話した。

東京新聞より

担当者は分かっているね。

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緊急一時避難施設が足りない

ただ、日本には別の深刻な問題がある。それが「避難所足りない問題」である。

国は都道府県に対し、1人当たり0.825平方メートルを基準にコンクリートの建物や地下街など頑丈な施設を指定するよう求めていて、都内では公共施設を中心に4258の施設が指定されています。

都は都内の人口分の一時的な避難先を確保しているとしていますが、公共施設が少ない地域では施設が不足していることが課題となっていて、民間の施設についても交渉して指定を進めています。

NHKニュースより

このような施設は建設することすら、活動家は反対するというのだから驚きである。

宮古島に住民避難用のシェルター整備をしようとしたら、反対派が大騒ぎした。まあ、平和センターの「奴ら」なんですが。

ハッキリ言って、活動家の方々の騒ぎは脇に置いておくとして、「足りない」問題は何とかしないとダメだと思う。

具体的な事例は、政府のサイトにも紹介されているが、実は自宅に避難でもOKだ。

弾道ミサイル落下時に取っていただきたい行動の例(避難訓練の場面から) - 内閣官房 国民保護ポータルサイト

避難の場所は「頑丈な建物」であれば「なお良い」が、自宅でも窓から離れておくことが大切である。

外を歩いている人が避難するための施設として、公共の建物が指定されており、おそらくは住民の1割程度が避難できる場所の確保がなされている。それでも「全国4258の施設」では足りないのだ。

そして……、おそらくだが指定された施設の利用者は、非常時にそうした使われ方をすることを知らないことが多いようだ。それこそ想定訓練をすべきじゃないだろうか。自宅の近くの小学校に電話をしてみたが、校長ですら知らない模様。それはダメなんじゃないかな。周知徹底は何よりも大切だよ。

スイスがやったように民間防衛の本でも出版したらどうかな?

コメント

  1. アバター 河太郎 より:

    練習しなきゃ本番で動けっこないじゃん! 何を言ってるんだケチつけるマスゴミは。こういう偏差値高くて地頭の悪い奴らが多すぎる!
    米軍の研究で、例えばシミュレーションのFPSゲームが上手い兵士は、リアルの戦闘訓練の成績も良い事が判明してます!
    「やらせる」というのは何事においても効果はあるんですよ。てか、それないとダメだよてのは山本五十六も言ってる。
    そりゃ一回の避難訓練で絶大な成果を出せるか言うとムリ。
    しかし、こういう事は、そこで体や頭を使った経験が、後々に役立つものなので、「やる」事をディスるのは筋違い。
    そこが「わかんねー」んですなマスゴミは。あとね、そこ、採用時の業界的な「ふるい落しの特徴」が一因かも。
    小論文は書かせるでしょ?採用で。

    ◯喫煙について書きなさい

    上記の設問なら、医療系なら「体に悪い」「どうやって止めるか」を書く。
    小話としては面白くないが、そこに「喫煙にも価値はある」とか「逆張り」してくる人材はいらないんですよ。医療畑にはですが。
    逆に報道機関は、「タバコは害あるが、喫煙によるストレス軽減は侮れない。麻薬文化は古代からあった……」
    みたいな「逆張りによる意外性」を指摘する奴が高得点を取る。
    これは大学入試段階からそうで、いわゆる理工系は「設問の意味を理解して、理論を展開している」だけど、
    文学部とかだと「その常識を疑うなぁ。なぜならば…」が尊ばれる。
    とーぜん、逆張りで入試、就活を乗り越えてきたマスゴミには、
    「つまらないところで見当違いのデーターに惹かれる奴」が多い!
    まぁ、その結果として、「訓練しといた方が良いよね」という常識に、ケチをつける人材を多く輩出するわけですな。
    だから「ゴミ」なんですけど。

    • アバター 河太郎 より:

      あ、木霊様。そろそろ涼しくなってきたので、甲羅とお皿を外して、毛皮を着て
      「山童」に変化したいのですが。
      なにせ河太郎(河童)は秋冬は山童になって山に上がる物怪ですので。
      という訳で、そろそろハンドルを山童に変えたいんですが許可願えますか?
      新しい読者の方には???でせうが、
      季節で変化するハンドルなもので(笑)

    • 木霊 木霊 より:

      何というか、東京新聞(機関紙)ですから。
      何かこう、奇をてらった記事を書きたかったということなんでしょうね。
      活動家のお気持ち表明を記事にしたいが為に、あんな報道の仕方になっちゃったと。左旋回するにしても、ちょっと無理が。

  2. アバター 砂漠の男 より:

    ミサイル避難訓練を地震避難訓練にくっつけて『ミサイルおよび地震避難訓練』として、学校やコミュニティーで実施したらよいと思う。

    ただ、そうはいってもね..

    砂漠の男の住む地方都市では、不定期的に、役所が非常事態警報を予告なくスピーカーで鳴らすことがある。役所によると、その非常事態警報音をすべての住民が知っておくべきだからと。
    それは大型地震発生の際には役立つかもしれないが、現実には非常事態発生時の警報音以外に役所が取れる行政措置は-事後の警察・消防活動を除くと-大してない。
    そも街に地下鉄はないし、シェルターの類も何もないから、空襲には対応できないね。
    少なくとも子供たちを護るシェルターくらいは欲しい。役所は真剣に考えてほしいね。

    • 木霊 木霊 より:

      子供たちにとっての学びにもなりますから、地震避難訓練ではなくミサイル避難訓練というのも目先が変わって良いように思います。

      ただご指摘のように、「そもそもどこに避難したら良いの」という場所も結構あるわけで。
      体育館建設にあたって地下駐車場とシェルターの併設くらいはやってくれても良さそうなものです。もちろん、建設費はかなりかかるんでしょうけれど。

      • アバター 砂漠の男 より:

        ウクライナやイスラエルを見ればわかるように、住宅地にミサイルが飛んで来るのが21世紀の戦争だからね。残念なことに非戦闘員も効果的な標的になりうる。
        だから、練馬区は必要なことをやっていると感じ入る反面、ウチの地元議会にもジモミーのために奮起して欲しいよ。

  3. アバター 七面鳥 より:

    >外を歩いている人が避難するための施設

    「この世界の片隅に」で、外出中の空襲警報に、出先の防空壕に入れてもらうシーン、ありましたね。
    ※その後に悲劇があるわけですが……

    防災訓練は、・一定以上に防災意識を維持する ・防災活動の問題点を洗い出す 等が目的で、うちの会社も毎年やってます。
    今回のこれも、特に二番目を重視しているものと思いますが、「活動家」の方々は、目先のマッチの炎を見て火事ボーボーだと吹聴して回るのが仕事ですから……
    言うなれば、彼らは脊髄反射、違うな、梯子状神経の反射だけで、目に見えたものに食ってかかるだけで、そこに論理思考はありませんから……
    ※論理思考するトップの言いなりに動く手駒、鉄砲玉である事を自覚してないのは、むしろ幸せなんでしょうね。

    シェルターは一朝一夕では増やせませんから(同じ機能の地下街も)、せめて「爆発が予想されるなら、耳を押さえて口を開け」位は学校で教えておきたいものです。

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