金曜日の記事の続報にあたるものだ。
ネット通販大手の倉庫で火災 ロシア・サンクトぺテルブルク
2024年1月14日 9:56 発信地
ロシア・サンクトペテルブルクで13日、同国ネット通販大手ワイルドベリーズの倉庫で大規模な火災が発生した。死傷者は報告されていない。非常事態省が明らかにした。
APFより
先日の記事ではモスクワでの出火があったというような話も紹介したのだが、今回はサンクトペテルブルグでの火災である。
火災原因は一体……
インフラの老朽化
で、「前回の記事の続報」とは書いたが、燃えた場所はサンクトペテルブルグであって、モスクワからの距離はそれなりにある。
こんな感じで距離にして700km離れている。
ロシアでは、インフラの老朽化や安全基準違反などを原因とした火災が相次いでいる。
サンクトペテルブルクの非常事態省担当者はテレグラムに、7万平方メートルが延焼したと明らかにした。
APFより
しかし、インフラの老朽化や安全基準違反などが原因であったようだ。
前回の記事でもインフラの老朽化について言及したが、こうした傾向はロシア全土で見られて、重要都市のモスクワやサンクトペテルブルグでも起きているということが問題なのである。
ロシア通信(RIA)がネット通販専門家の話として報じたところによると、ワイルドベリーの取扱商品の約9%がこの倉庫から発送されている。
APFより
ワイルドベリーズはロシアのAmazon的位置づけの新興ネット通販業者である。出火原因については言及がないが、おそらくは借りていた倉庫の設備が古かったということなんだろう。
原因不明の出火
ただ、この手の出火のすべてがロシアのインフラの老朽化、という話になるかというと、それも違うようだ。
ロシアで原因不明の火災、前年の3倍超に…ウクライナ「ブラック・ボックス」関与か
2023/07/07 20:17
タス通信などによると、モスクワ中心部にある有名なレストラン「カフェ・プーシキン」や「トゥーランドット」が入居する建物の屋上部分で6日夕、火災が発生し、約2時間後に鎮火した。換気装置から出火したという。来店客や従業員ら約100人が避難し、付近の道路が通行止めになるなど一帯は騒然となった。
~~略~~
ウクライナ侵略を続けるロシアでは原因不明の火災が増えている。タス通信によると、4日にはモスクワ中心部にある露上院に隣接する建物の屋上部分約100平方メートルを焼いた。西部サンクトペテルブルクでも5日、タイヤ倉庫が焼けた。国際的な公開情報収集(オシント)企業「モルファー」は、今年1月から3月末までの露国内での火災発生件数は212件で、前年同期の64件から3倍以上に増えたとの調査結果を発表した。
讀賣新聞より
こちらの記事では、ロシア国内にてウクライナの極秘プロジェクトの影響による火災の可能性がある事が言及されていて、戦争と出火が無関係とは言い切れないという風な言及がなされている。
情報戦の様相を呈しているウクライナ侵略戦争だが、こうした動きに関しても情報戦の影響はありそうだ。
ロシアの治安機関、火薬庫、爆発物などを次々襲う火災は本当に火事か
2023年5月9日(火)18時26分
5月7日、ロシアの首都モスクワの上空に、大量の黒い煙が立ちのぼる様子を捉えた複数の動画がネット上で拡散した。報道によるとこれは、モスクワのある建設現場で起きた火事によって生じた煙だという。また、同日にはロシア国内の他の地域でも森林火災が発生し、多くの被害が出た。
~~略~~
6日晩には、ロシア中央部のスヴェルドロフスク州にある小さな村で、森林火災の火の手が火薬庫に及び、住民が避難を余儀なくされる事態になった、と地元当局者が報告している。今のところ死傷者は報告されていないが、火事は960平方メートルに燃え広がったと、この地域の非常事態省は、自らのテレグラムチャンネルで説明している。
Newsweekより
可能性としては幾つか考えられるが、正確な情報が出てくるとも思えない。
- インフラ老朽化が原因で出火しているが、ロシア政府はウクライナのせいにしている
- インフラ老朽化原因を装って、ウクライナの特殊工作班が火事を起こしている
- インフラ老朽化原因を装って、ロシア国内の反政府組織が火事を起こしている
誰が犯人でも不思議はないし、どの件に誰が関与しているかも謎ではあるが、どれも可能性はありそうだ。
サンクトペテルブルグに関しては、こんな火事もあった。
石油貯蔵施設で火災 ロシア・サンクトペテルブルク
2023.09.04 Mon posted at 12:57 JST
ロシア緊急事態省は、サンクトペテルブルクの石油貯蔵施設で発生した火災が鎮火したとSNSのテレグラムに投稿した。現場には消防士およそ100人が出動して消火にあたっていた。
CNNより
ロシア国内で政権批判のムードを高めるために、火災発生はそれなりの効果が得られるとは思う。
ただ、感触としてはロシア政府によるインフラの積極整備が行われていなかったことが主な原因ではないかという気がしている。
今回の記事は、こうした事案があるよという程度の記事に留めておきたいが、今後の動きに関係していくかも知れないので、触れておいた次第。
コメント
こんにちは。
ちょっと前に、ウクライナシンパの工作員が云々、と言う話がありましたが、今はどうなんでしょうね。
こういうのは、資料も残さないだろうし、後の歴史家が好き放題書く領域ですね。
まあ、どっちにしても、ロシアのインフラが老朽化していることは疑う余地なさそうですが……
そういえば、ロシアの哨戒機が堕とされた話もミステリ満載みたいですね。
こんにちは。
真相は当分表に出てくることはないと思います。陰謀論が捗りますね。
ロシアのインフラの老朽化と、メンテナンスする技術者の不足は深刻なようです。
哨戒機の話は別で扱いたいですね。