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ロシアの港で大規模火災が発生

ロシアニュース
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定期的にウクライナ関連の情報にも言及しているが、これは結構大きな話になりそうだ。

ロシアの港で大規模火災 ウクライナの無人機が長距離化に成功か

2024/01/21 15:41

ロシア北西部レニングラード州の港で大規模な爆発がありました。ウクライナの無人機による攻撃とみられ、無人機の長距離化がロシアの防空システムに与える影響が指摘されています。

テレ朝NEWSより

単純に「火災が発生した」という、前回のニュースとはまた随分と話が異なる。

それは「テロ」なのか正当な攻撃なのか

被害者はノバテク社

前回、こんな記事を書かせて貰った。

記事の中で、モスクワでの火災について言及し、より具体的な話として、モスクワだけではなくサンクトペテルブルグでの火災にも言及している。

今回はレニングラード州の港での火災なんだが、これが無人機での攻撃の疑いが濃いというのが冒頭のニュースである。

レニングラード州知事は21日、サンクトペテルブルクの西約130キロに位置するウスチルガ港にある天然ガス大手「ノバテク」社のターミナルで火災が発生したと明らかにしました。

テレ朝NEWSより

ノバテク社は、ロシア大統領プーチン氏の旧友が経営する会社で、ロシア国内でも大きなシェアを持っている。

日本参加のロシアLNG事業、生産ライン発送をプーチン氏承認

2023年7月21日午前 10:48

ロシアのプーチン大統領は、日本も権益を持つ北極圏の液化天然ガス(LNG)開発事業「アークティックLNG2」の第1生産ラインを北部ムルマンスク州から北極圏ギダン半島に送り出すことを承認した。

~~略~~

同事業の権益はノバテクが60%を持ち、仏トタルエナジーズ、中国石油天然気集団(CNPC)、中国海洋石油(CNOOC)、日本のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と三井物産の連合がそれぞれ10%を保有する。

ロイターより

日本も無関係ではない話ではあるが、ロシアの液化天然ガス開発事業「アークティックLNG2」の主導的役割を担っているのがノバテク社である。ノバテク社がシェアを伸ばすことで、ロシア国営企業のガスプロム社のシェアが低下したといわれている。

そこが保有する製油輸出施設が燃えてしまった訳だ。

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操業停止を余儀なくされる

で、当然、火災が発生してしまったのでノバテク社の輸出ターミナルの一部は操業停止状態に陥る。

ロシア巨大製油輸出施設の操業停止、ウクライナのドローン攻撃で火災発生か

2024年1月22日午前 7:40

ロシア天然ガス大手企業ノバテクは21日、サンクトペテルブルク西方約170キロのフィンランド湾で運営している巨大製油輸出ターミナルの一部の操業停止を余儀なくされたと発表した。ウクライナのメディアによると、ドローン攻撃に伴い火災が発生したという。

このターミナルは、天然ガスコンデンセートを軽質ナフサ留分や重質ナフサ留分、灯油、軽油などに分離精製処理し、国際市場向けにタンカーへ積み込む施設。操業停止がいつまで続くかや、停泊中のタンカーの隻数、今後の市場への影響などは現段階では分かっていない。

ロイターより

この時期にLNG輸出の一部とは言え、機能が停止してしまったことは、ロシアの輸出産業にもそれなりの打撃が考えられる。

だが、どちらかというとノバテク社の資産に手を出したことの方が、大きな意味があるように思われる。下手すれば、プーチン氏の逆鱗に触れかねない。

ウクライナ、ドローン攻撃認める 露燃料ターミナル火災

2024/1/22 08:04

ロシア北西部レニングラード州の燃料ターミナルで21日未明に起きた火災で、複数のウクライナメディアは21日、消息筋の話として、露軍に燃料を供給しているターミナルを破壊するため、ウクライナ軍特殊部隊が無人機(ドローン)攻撃を行ったと伝えた。

産経新聞より

ウクライナメディアは、ウクライナ軍特殊部隊の無人機の攻撃であると報じたようで、ロシアの防空防衛網がかなり手薄になっている印象を受けるできごとである。

市民25人が死亡

この攻撃で、ロシアメディアは「市民25人が死亡した」と伝えたそうな。

“ロシアの支配拠点で市民25人死亡”ウクライナへの批判強める

2024年1月22日 7時04分

ロシア北西部の港にあるガス会社の施設で起きた火災について、ウクライナのメディアは、ウクライナの治安機関が行った無人機攻撃だったと伝えました。また、ウクライナ東部ドネツク州では、ロシア側が支配する拠点で、ウクライナ軍の攻撃で市民25人が死亡したとして、ロシア側はウクライナへの非難を強めています。

NHKニュースより

民間人の犠牲出たことを全面に押し出すことで、ウクライナ軍の残虐性を協調する意図があるのだろうが、恐らく一定の効果はありそうだ。

ウクライナのメディアは、情報筋の話としてウクライナ保安庁が行った無人機攻撃で、ロシア軍に供給される燃料を標的にしたものだったと伝えました。

また、ウクライナの東部ドネツク州の親ロシア派の代表、プシリン氏は21日、ロシア側が支配する州都ドネツクでウクライナ軍の攻撃で市民25人が死亡し、20人がけがをしたと発表しました。

ロシア外務省は声明で「欧米から供与された兵器が使われた。すべての国や国際機関がこのテロ攻撃を非難するよう訴える」として非難を強めています。

NHKニュースより

なるほど、「テロ攻撃」ね。それも、「欧米から供与された兵器が使われた」と主張することで、ウクライナへの兵器供与を止めさせることを狙っているようなんだけれども、「どの口が言うのか」とは思う。

ウクライナ軍はこの他にも、石油貯蔵施設を攻撃するなどの行動に出ている。

ロシア石油貯蔵施設で火災 双方でインフラ施設への攻撃強まる

2024年1月20日 19時12分

ロシア西部の石油貯蔵施設ではウクライナ軍による攻撃によって発生した大規模な火災が4つの貯蔵タンクに燃え広がり、ウクライナ、ロシア双方によるインフラ施設への攻撃が強まっています。

ウクライナと国境を接しているロシア西部のブリャンスク州の州知事は19日、撃墜されたウクライナ軍の無人機が積んでいた爆発物によって、州内のクリンツィにある石油貯蔵施設で大規模な火災が起きたと明らかにしました。

映像では施設から巨大な黒煙があがっていて、ロシア国営のタス通信は4つの貯蔵タンクが燃え、火災はおよそ1000平方メートルにわたって広がっているとしています。

ロシアでは今月18日にも、第2の都市サンクトペテルブルクの港の石油ターミナルに対してウクライナ軍によるものとみられる攻撃が行われています。

NHKニュースより

いやー、防空網がザルですな。

これら一連の攻撃が、国際条約的に見てどうかと言えば、恐らくアウトだろう。それを分かった上でウクライナ軍は作戦を実行している。何故そうしたのか?という原因は2つ予想できる。

1つは、イスラエル内戦の話。国際的にはイスラエルVSテロ組織ハマスの戦争だと整理するところと、イスラエルVSパレスチナの戦争であると整理するところがあり、前者と後者ではかなり意味合いが異なるわけだが、それでもイスラエルの行動を擁護できない。が、表だった批判は少ない。つまり、ウクライナは「あの程度やっても批判されないならば」という、作戦ラインの拡大を考えたということ。

もう1つは、ウクライナの内情の話。もはや支援なしでは経戦が困難で、形振り構っていられないということだ。まあ、こちらは恐らく間違いが無いのだろう。そこまでウクライナ軍の内情は厳しい。

これに対し、ロシア軍もウクライナへのミサイル攻撃などを行っていて、双方がインフラ施設への攻撃を強めています。

NHKニュースより

更に言えば、ロシア軍のミサイル攻撃の報復という側面もあるのだろう。

それで市民の犠牲を出して良いということにはならないのだが、良くも悪くも戦争である。

今後も続く

そして、ウクライナ戦線は膠着状態にあることもあって、こういったウクライナ軍とロシア軍の応酬は続くだろうと、戦争研究所は予想している。

一方、ロシア軍もミサイルと無人機による攻撃をウクライナ各地で行っていて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は20日、「ウクライナの防空網を突破し、圧力をかけるため、ロシア軍はミサイルと無人機を組み合わせた攻撃を続けていく可能性がある」と分析しています。

NHKニュースより

犠牲者はこれからも増えるのだろう。

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バルト三国の動きが緊迫

越境攻撃が活発化

ウクライナ軍とロシア軍双方の越境攻撃が活発化した結果、バルト三国が事態の悪化に対処できるように動き始めた。

バルト三国 ロシアやベラルーシとの国境沿いに防衛施設構築へ

バルト三国のエストニア、ラトビア、リトアニアの国防相は19日、ロシアとベラルーシとの国境沿いに今後、数年間かけて防衛施設の構築を共同で進めていくことを明らかにしました。

エストニアの地元メディアによりますと、具体的には自国とロシアとの国境沿いのおよそ600か所に砲撃などに耐えられるコンクリート製の陣地などを建設する計画だと伝えています。

NHKニュースより

明日は我が身のバルト三国である。

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どちらの側に立つのか?という選択で、バルト三国はウクライナ側につくことを選んでいる。この態勢がいつまで続くのかは不明だが、ヨーロッパを巻き込んだ戦争になる前に食い止めたいというのが、バルト三国の願いなのだろう。

先ずはすり潰される運命だからね。

リトアニア議員団が訪台

2024年01月21日18時10分

台湾外交部(外務省)は21日、リトアニアの国会議員団が台湾入りしたと発表した。リトアニアはロシアとその同盟国ベラルーシの脅威にさらされており、両国と緊密な中国と距離を置き、台湾との友好関係強化に動いている。

時事通信より

そして支那からも距離をとりはじめ、台湾との接触を図ることでアメリカの関与を引き出そうという狙いが見える。

ロシアは核攻撃を示唆

ロシア側はこんな発言もして、主導権を得ようとしている。

ロシア「核で反撃」、ウクライナが国内基地攻撃なら=メドベージェフ氏

2024年1月12日午前 2:27

ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は11日、ウクライナが米国とその同盟国から供与された兵器でロシア国内のミサイル発射基地を攻撃すれば、ロシアは核兵器で反撃する可能性があると警告した。

ロイターより

メドベージェフ氏の発言は、プーチン氏の発言と同一視できるので、そのままプーチン氏の真意を汲んだ発言だと理解すれば良いだろう。

核攻撃など、できるのであれば既に使っているわけで、今この局面でこんな発言が出てきたことを重視する必要はないんだけど、腰が引ける国は出てくると思っているのだろう。

国際社会からの反発を覚悟の上でこの発言をしたということは、ミサイル発射基地の攻撃は「逆鱗だぞ」という意思表示であり、そこを攻撃すると核ミサイルに誘爆する危険性があるので、彼らの主張は強ち嘘とも言えない。核施設にミサイルをぶち込んで、核分裂反応に繋がる可能性は高くないが、核物質が飛散する結果になれば周囲を汚染することになる。「核攻撃と同一視してやる」というのは、冗談ではないと思う。

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情報統制を加速

そして、ロシアはこんなことも言っている。

ロシア 軍の活動のうそ情報を拡散などで資産没収 法案提出へ

ロシアではプーチン大統領の側近としても知られるボロジン下院議長が20日、ロシア軍の活動についてうその情報を拡散させたりロシアの安全を損なう活動を呼びかけたりする行為を行った場合、資産を没収する法案を作成し、22日に議会下院に提出すると明らかにしました。

ボロジン議長は「ロシアを破壊しようとしたり、裏切るものは罰をうけ、国に与えた損害はみずからの資産で償わねばならない」と主張しています。

NHKニュースより

似たようなニュースは日本でも見かけたが、東側諸国のソレはまたレベルが違うからねぇ。

日本国内でもこの手の規制導入は、表現の自由などを脅かしかねない。が、公共の福祉とのバランスで、デマ情報拡散を防ぐことは必要である。

が、恣意的な運用は情報統制に使えるので、政府にとって都合の悪い情報をふるいにかけるというのは、なかなか難しい。しかし東側諸国で独裁体制を採っている国々にとっては、こういった情報統制は国民の弾圧に直結しかねない。支那でも随分と積極的にやっている様だけれどね。

大戦の段階が進んだ

というわけで、越境攻撃が活発化してきたという意味で、今回のニュースは「大戦」への序章に繋がりかねない話と捉えることができる。

似たようなことはこちらでも触れたが……。

ロシアは自分のところはウクライナに対するミサイル攻撃をガンガンやっているのに、イランやパキスタンに対しては「自制しろ」というのだから、説得力が無いよね。

特に「軍事施設攻撃」ではなく「インフラ施設攻撃」の段階に移ってくると、危険度は飛躍的に高まる。ロシアはその事を十分理解して、ウクライナへの民間攻撃をやっているが、ウクライナ軍がロシアへの攻撃をしたら、国際的非難が巻き起こるように煽るのだから、質が悪い。ダムを破壊した言い訳も未だ聞いていないのだが、あれはロシア側の主張に寄ればウクライナの自作自演ってことだったんだっけ?

だけど、こうした越境攻撃やインフラ施設攻撃が活発化すると、色々な国が対応せざるを得なくなる訳で。世界大戦へ発展するリスクが次第に大きくなっている気がする。

日本としても他人事ではないのが、なんとも。

コメント

  1. アバター 匿名 より:

    最終的な話しですがEUはロシアを倒すことはしないと思います。仮にロシアがなくなったらNATOの存在意義がなくなってしまいます。これは巨大軍事産業を抱える欧州にとって大きなマイナスです。アメリカも同じ考えです。英仏独あたりの首脳の考えを聞いても、ロシアには政権交代が必要だと唱えているところはありません。ただ弱体化は必要だと考えています。
    そういった観点でもウクライナ侵攻はある程度コントロールされた戦争だと考えて良いでしょう。どちらかと言うとイスラエルのほうが問題です。

    • 木霊 木霊 より:

      そうですね。
      アメリカもEUも「打倒ロシア」を目指していないのは確実でしょう。ただ、それはNATOの存在意義消滅を気にするよりも寧ろ、「力を削いでおきたい」というのが本音だと思います。ロシアが分裂してしまって不安定になるとそれはそれで困ることになりますから、直ぐにでもウクライナから手を引いて貰って、プーチン氏を差し出して断罪することで禊ぎとし、ロシア存続という形の方が良いと考えている首脳は多いのではないのかと。

      イスラエルの方は……、まあ、困った話ですよね。これ、イスラエルがパレスチナをすり潰すところまでやると思うのですが、ソレを許して良いのか、そうでないのかということも含めてかなり問題のように思えます。

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