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【韓国地下駐車場崩壊マンション】別の原因も隠蔽か

ビルディング
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うんまあ、予測はしていたよ。

鉄筋不足を隠した韓国土地住宅公社…「駐車場崩壊」の別の原因も隠蔽

2023.09.08 15:28

LH(韓国土地住宅公社)がLHアパートの安全性を点検した安全診断専門会社の「診断結果」を黙殺した事実が明らかになった。

中央日報より

この件は酷い続報が幾つもあったのだけれど、ある程度の部分はこのブログでもカバーしている。今回はそんな続報の1つ。

隠蔽体質

概要

先ずはどんな話だったのかをおさらい。

2023年5月にその事件は起こった。韓国仁川のマンション新築現場で、突如として駐車場構造物崩壊事故が発生したのである。

崩壊現場

原因は直ぐに判明する。

マンション建築にあたって、必要な鉄筋を入れていなかったのである。いわゆる「骨なしマンション事案」ということになる。

詳しい事情の解説はリンク先を読んで頂くとして、今回問題となった地下駐車場、フラットスラブ構造という梁のない構造を選んでいた。最近、韓国では流行の構造らしい。梁を使わない分、梁と柱の接続部分に補強のための鉄筋を沢山必要とするんだけど、その補強をしていなかったのが直接的な原因のようだ。

呪われた構造

ところで、このフラットスラブ構造は、特に目新しい構造ではない。ただ、例えば日本では余り見かけない。理由は、耐震設計が難しくなるため、より剛性の確保しやすいラーメン構造が好まれるからだ。日本は耐震基準が厳しいからね。

では、韓国で用いられない理由は?というとこちら。

過去のトラウマがあるからなんだ。

過去に韓国では三豊百貨店という、事故後に特に有名になったデパートが存在した。

なぜ有名になったかというとこちら。

倒壊現場

被害が甚大だったことも有名になった理由の1つではあるが、両サイドを残して見事に床が落ちてしまった崩壊っぷりが有名になったのである。「どうしてこうなったんだ」と。

が、今回はそこが主題ではなくて、この倒壊してしまったデパートの建物の構造に採用したのがフラットスラブ構造だったのである。

そんなわけで、韓国ではフラットスラブ構造を使うのをなんとなく忌避するようになったらしい。

尤も、原因は別の所にあったんだけどね。

報告結果をそのまま公表できなかった

ところで、今回の地下駐車場崩壊事案だが、「1棟だけじゃないだろう」ということで、韓国政府の指導の下、調査が行われることになった。

残念ながら調査結果から、1棟だけではなかったことが判明。

最初は、韓国土地住宅公社(LH)が発注した無梁版構造アパート91ヶ所のうち15ヶ所が「問題あり」って診断だった。ところが、よせば良いのにこの報告が虚偽だったことが後に発覚。

91ヶ所中15ヶ所ではなく102ヶ所中20ヶ所が問題だったけど、「たいしたことないから」と報告を省いてしまったようだ。意味がよく分からない。

結局、102ヶ所中20ヶ所に問題があったことが分かり、1/5の建物に致命的な問題があると言うことになった。程度の差こそあれ、隠蔽していたという事実はなかなか重い。

報告結果を隠蔽しちゃった

が、冒頭のニュースではそれ以外の問題も隠蔽していたということが発覚した。

LHは4月、仁川黔丹アパート(LH発注、GS建設施工)駐車場崩壊事故の後、このアパートのように無梁版構造で建設したLHアパートの安全性について外部専門会社を通じて点検を受けた。透明性を高めるために外部の会社の診断を受け、その結果をそのまま発表するという趣旨だ。しかし7月30日の結果発表当時、診断会社の主な指摘事項を抜いた。

結果発表当時、イ・ハンジュンLH社長は「軽微な事案であっても、LHが発表せず後に明らかになれば縮小・隠蔽したという声が出るため、軽微な部分まで詳細に発表した」と述べたが、実際はそうでなかった。

建設業界によると、LHアパート安全点検をした専門会社はLHアパート地下駐車場の上の花壇の土深(土壌の深さ)が設計より深いため荷重状態と深さを確認する必要があると診断報告書に明示し、LHに提出した。

設計図面上、土深は1メートルだが、実際の現場点検の結果、土深が3メートルのところもあり、設計基準に合わせて花壇が造成されたところは一つもなかったというのが、診断会社の関係者らの話だ。

今回LH事態が浮上したことで、設計図より高く積まれた土を取り除く作業を急いで行った現場も少なくなかったという。建設現場で設計図は法と変わらない。

中央日報より

倒壊した地下駐車場の上に、予定以上の盛り土があった。つまり、想定している荷重以上のモノが載っていたということだ。

設計上は1mの表土が被っている状態を想定していたが、実際にはその1.5倍~3倍の表土が載っていたところがあったと言うから、偏荷重がかかっていたという風にも考えられる。

本来であれば、1.5倍~3倍の荷重がかかっていても倒壊するというような状況にはならないのだろうが(安全率をかけて設計するので、建設中に崩壊するなんていうことにはならない)、鉄筋をけちったので予定よりも随分と強度が低かったため、事故が起こった。

実際、6日に鉄筋不足の団地としてLHが発表したソウルのあるLHアパート団地を調査した結果、松が植えられた花壇の高さは地上基準で最高80センチだった。地下に1メートルの土が積まれているため、土深は最高1.8メートルということだ。

設計より深い土深は黔丹アパート駐車場崩壊事故の3つの原因の一つだ。鉄筋不足と共に設計基準より1メートル高く積んだ地下駐車場上の土砂の重さが設計荷重を超過したと、国土交通部は7月5日に発表した。

中央日報より

むしろ、崩壊が早かっただけマシだっただろう。既に人が住んでいるマンションにも似たような鉄筋不足の案件が見つかっていることから、早々に対策が必要だとされている。

黙っていた理由

さて、こうした事態を、調査報告で指摘されながらLH(韓国土地住宅公社)が黙っていた理由は、「全部」だからだ。

鉄筋不足団地は一部だが、土深設計荷重超過が懸念される団地はすべてであり、さらに深刻な問題になり得る。LHが安全診断を依頼した100余りの団地がすべて該当する。

LHはLH現場を管理監督する外部監理会社にも設計図面をまともに与えず、監理業界では「設計図面もなくどうやって監理しろということか」という不満が多い。

匿名を求めた構造診断会社のある技術士は「荷重が設計基準を超過している可能性がある花壇の部分については徹底的に調査し、さらに遅くなる前に補強工事をする必要がある」と話した。

中央日報より

どうやら、102ヶ所のマンション全てで、似たような事案、つまり土深設計荷重超過が確認されたとのこと。

設計荷重よりも実際の荷重が重くなることは往々にしてあり、その為に安全率が高めにかけられているものだが、その建築の方で手抜きがあってはどうしようもないね。

そもそも設計時の荷重計算が正しかったのかも分からないが、色々と不手際が発覚してしまい、それを隠蔽していた。まだまだ深くて暗い闇がありそうだ。

コメント

  1. アバター 匿名 より:

    怖いですねぇ。
    マンションだけの話と思えないですねぇ。
    韓国に行く人は、スッゴイ勇敢なんだと実感しました。
    建物だけが怖い訳じゃ無いのでしょうけど。

    • 木霊 木霊 より:

      この問題は、おそらくLH(韓国土地住宅公社)という企業体自身が腐っていることが大きいんだと思います。
      日本の公営住宅みたいのを作る半民間会社で、割とリーズナブルな住宅を提供する構造になっております。
      要は利ざやが薄い商品を沢山売るという営業形態なんですよね。

      まあ、そういう話だと思います。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    氷山の一角というか。

    いつぞやの、橋の歩道が落ちた件といい、どうしてこう……

    要するに、
    「何から何まで、表から見えない所は信用出来ない国、韓国!(悪い意味で)ダイナミックコリア爆誕!」
    と言う事でしょうね。
    ……まあ、爆誕したのは今に始まったことじゃないですが。
    ある意味『表から見えない』整形が流行るのもむべなるか。

    建物でこうなのだから、あっちで食べる食事など、こっちから見えない厨房の奥で一体何をしていることやら……韓国旅行に行く人って、本当に勇気あるなって思います。

    • 木霊 木霊 より:

      韓国のこの手のネタは豊富ですから。
      LH以外が建てたビルはどうなんだ?という疑問は出るんですが、今のところは明らかにされていませんね。

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