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【韓国】LHの骨抜きマンション更に判明

ビルディング
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またこの系の話か。

今回は鉄筋70%欠落… LHの骨抜きアパート「最高峰」が明らかになった

入力2023.09.25 午後6時 修正 2023.09.25 午後6時09分

韓国土地住宅公社(LH)が仁川剣団新都市に建てているあるアパートの建物の外壁鉄筋が最大70%まで落ちたことが明らかになった。これまで明らかになったLHアパートの鉄筋抜け規模の中で最も大きい。

NAVERより

このブログでも何度か話題にした、韓国の地下駐車場崩落マンション絡みの話である。

骨抜きは「筋金入り」に徹底

点検対象ではなかった

ただ、今回のこの話はかなり深刻な話なのだ。

簡単に経緯を説明すると、以下のような流れになる。

  • 2023年4月 韓国・仁川市西区黔丹のマンション工事現場で地下駐車場2階の屋根構造物が突如崩落
  • 同年5月 同じ構造のLHが関与したビルの地下駐車場の全数調査開始
  • 同年7月 マンション団地91ヶ所中15ヶ所で不良を確認
  • 同年8月 マンション団地102ヶ所中20ヶ所で不良を発見したことを公表
  • 同年9月 鉄筋抜け不良だけでなく、盛り土も設計通りでなかったことが発覚

予想外に色々な話が出てしまったのだが、こちらの記事で事件に触れたときに、「何故、地下駐車場だけ調査するのか」という疑問を呈している。

そりゃそうだよね。設計的に鉄筋を少なく指示している案件だけならともかく、現場の判断でも鉄筋が減らされているのだ。当然、地下駐車場だけの話ではないと思うのは自然な流れだ。

だが、この話はさほど盛り上がらなかった。それどころか、「それ以外の構造物は安全ですよ」として調査しなかったのだ。意味がよく分からない。

鉄筋抜けが横行

当然、調査しなかったので明らかにならないと思われていたが、どうやら発覚してしまったらしい。

25日、LHなどによると、鉄筋が抜けている地点は、同団地全体13棟のうち4棟の地下壁部6ヵ所だ。この団地の地下駐車場は無梁版構造なのでLHが5月に自主的に実施した緊急安全点検当時の点検対象だった。しかし、当時は無梁版構造で建てられた地下駐車場の部分だけを点検し、住居棟の鉄筋漏れは発見できなかった。

鉄筋抜け事実が確認されたのは6月末で、監理会社の職員が発見し、LHの現場監督官に知らせながらLH本社まで報告された。だが、LHは去る7月末にこのアパートを含む無量版構造適用団地(地下駐車場)91ヶ所に対する安全診断結果を発表する際、このような内容は欠けていた。鉄筋だけでなく、不良内容まで「欠けている」のだ。

NAVERより

記事によると、LHマンションの地下駐車場に鉄筋抜けのリスクだけでなく、LHのマンションの他の部分も怪しいんじゃないかと。で、地下駐車場の上の部分、住居棟の鉄筋漏れも明らかになった。

韓国語の記事の記載がイマイチよく分からない部分があるのだが、この鉄筋漏れ、アパートの建物の外壁鉄筋で発覚したのだけれど、最大70%OFF!だったんだそうで。

外壁鉄筋ってどういうこと?!

さて、この「外壁鉄筋」という部分に引っかかったのだが。

改めてマンションの構造について言及して行きたいのだが、韓国のこのマンションも含めて壁式構造が多いようだ。

で、この壁式構造の壁、外壁に鉄筋が……。

更に恐ろしいことに、この鉄筋抜けの外壁は補強工事によって補強される事になるらしい。

2025年6月入居予定のこの団地の工程率は約30%で、鉄筋抜けが発見された4棟は発見当時地下層骨造工事が完了した状態だった。LHは鉄筋抜けを確認した後、自己報告などの手続きを経て去る11日から遅れて補強工事を進行中だ。

NAVERより

外壁完成後にどうやって補強工事をするのか謎なのだが、普通はコンクリートを流して壁として完成している状態だと、「補強」といわれても。恐らく、耐力壁を別に足す事になると思うんだけど。

まあ、「ごく一部」なので安心して欲しい。

LH関係者は「70%欠落はごく一部だ」とし「去る4月に発生した検団地下駐車場崩壊事故とは異なり、今回は監理がきちんと動作して早期に問題点を発見したのだ」と話した。

NAVERより

安心できるかー!

以前心配した通り、地下駐車場だけが問題というわけではなく、住居棟もおそらくは骨抜きが徹底されている。寧ろ、そうでない理由がよく分からない。

これは未だ問題がでてくるね。

追記

中央日報の日本語版が出ていたので追記しておく。

アパート外壁鉄筋70%不足…韓国土地住宅公社、発表せず

2023.09.26 08:15

仁川黔丹新都市内のアパート外壁の鉄筋が最大70%不足していることが明らかになった。最近明らかになった韓国土地住宅公社(LH)アパートの鉄筋不足の中で最も規模が大きい。

LHなどによると、鉄筋が不足した地点は同団地全体13棟のうち4棟の地下の壁体部分6カ所。この団地の地下駐車場は無梁版構造であり、LHが5月に自ら実施した緊急安全点検対象だった。しかし当時は無梁版構造で建てられた地下駐車場の部分だけ点検し、住居棟の鉄筋不足は確認されなかった。

中央日報より

やはり鉄筋70%カットということらしい。にわかには信じられないが、70%も鉄筋が不足している外壁というのが存在しているらしい。「僅か」らしいけど。

鉄筋不足が確認されたのは6月末であり、監理会社の職員が発見してLHの現場監督官に知らせ、LH本社にまで報告された。

中央日報より

不可解なのはこの部分。監理会社(監督業務を行う会社の意味。設計図のとおりに施工が進んでいるか確認する業務を行う)からの報告で、図面より70%鉄筋が少ないという報告があって、LHはこれを握り潰したと。

かなり悪質である。

2025年6月入居予定のこの団地の工程率は約30%で、鉄筋不足が確認された4棟は発見当時に地下の骨組工事が完了した状態だった。LHは鉄筋不足を確認した後、報告などの手続きを経て11日から補強工事に入っている。LHはこの過程で入居予定者にこうした事実を事前に知らせなかった。

中央日報より

握り潰したといっても、公表をしなかっただけで、補強工事はしたということになっている。ただ、本文に言及したように、どのような補強工事が出来たのかは不明。

「骨組工事」と書かれているが、日本では「躯体工事」と呼ばれるものに相当するらしく、コンクリート打設済の状態である。これは韓国語版の報道内容とも一致する。

ところで、コンクリート同士は乾いた後ではくっ付かない。隙間が出来てしまう。当然、コンクリートにアンカーを打ち込んで追加する鉄筋組みと接続し、コンクリート打設をすることで、一体化させることは可能なんだけど、そもそも鉄筋の周りにコンクリートを打設するのは、使っている鉄筋が錆びないようにする効果もあるわけで、アンカーで接続するようなやり方だと、接続部分に隙間が出来て、そこから錆が進行するなどのリスクがある。

地下の外壁だから湿気対策も必要だろうし、いまいちどんな補強をしたか良くわからない。

でも、やらないよりはマシか。

コメント

  1. アバター 玄米茶 より:

    「LHが設計段階で70%抜いてるのはごく一部」で、「施工業者が現場で更に鉄筋抜いてる物件」を含めると……。な可能性もありそうな?

    • 木霊 木霊 より:

      鉄筋を減らしてダイエットする話は、さほど珍しくないのでしょう。
      シャビコン、減鉄筋物件は、割とありふれた話。
      それくらいのことでは騒いでいられない、という雰囲気だったのかも知れません。

  2. アバター 音楽大好き より:

    >外壁鉄筋が最大70%・・・

    70%Offなのか70%しか入っていなかったのか、ようわかりませんが。。。

    「外壁」って、外側の装飾ではなくて、モノコックの「壁」なんですよね、きっと。
    怖すぎる・
    震度3でも崩壊するのでは??と思ってしまいます。
    朝鮮半島は大陸プレート上なので、地震は少ないのですが「地震はない」のではありません。
    ソウルとその周辺に国民の半数が住んでいて、その人たちが住んでいるのが「骨抜きアパート」だとすると・・・恐ろしすぎる。

    • 木霊 木霊 より:

      追記でも書きましたが、どうやら鉄筋の量を70%減らしたということらしいですね。
      そして、おそらくは耐力壁の鉄筋を減らしています。

      これが広がって色々な物件を検査していくと、あっちこっちで騒ぎになりそうですよ。

  3. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >やはり鉄筋70%カットということらしい。(略)「僅か」らしいけど。

    そうなんですよね。
    そんでもって、他の壁が「100%大丈夫!」とは、ひとっことも言ってないんですよね。

    ……っていうか。
    「破壊」って、弱いとこ狙って起こるんですがそれは。

    • 木霊 木霊 より:

      不思議なのは、どれだけの耐力があるからOKで、無いからNGという話が出てこないことですね。
      計算すればだいたい分かるのに。

  4. アバター 匿名 より:

    土建分野は、わからない事が多いのですがで、半島南部の高層ビルは何階建て以上はヤバイのでしょう?

    • 木霊 木霊 より:

      それはなかなか難しい質問ですね。
      その建物が手抜き工事をされているかどうかは、階層の数では判別できません。また、その建物が軟弱地盤の上にあるかどうかでも話は変わってきます。骨抜きされていない、シャビコンの使われていないビルであっても、外装素材に難燃性素材を使わないという規則が最近までなかったそうですから、火災にあった場合はヤバイかもしれません。

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