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実はもっとあった韓国の鉄筋漏れマンション

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軽めのネタである。

LHが鉄筋漏れマンション5ヵ所を除いて発表

Posted August. 12, 2023 08:32, Updated August. 12, 2023 08:32

韓国土地住宅公社(LH)が先月30日、地下駐車場をフラットスラブ構造で建てたマンション団地の全数調査の結果を発表する際、鉄筋が抜けているマンション5ヵ所を除いて発表したことが分かった。「脱落の程度が軽微だ」と任意に判断し、鉄筋漏れの事実を知りながら発表しなかったのだ。今月9日、10団地が全数調査の対象から外されたことが確認されてから2日後、鉄筋が抜けている団地が追加で出てきて、LHに対する不信とモラルハザードを巡る議論が高まっている。

東亜日報より

すでに何度もやったネタだね。

調査結果が信用できない事態に

地下駐車場崩落の恐怖

色々恐怖なんだけど、まずは過去の話を簡単におさらい。

去る5月2日の韓国にて、唐突に新築工事現場崩壊事故が発生した。なんとその原因は、フラットスラブ構造で建てたマンションの鉄筋が足りていなかったということ。

こんな感じで崩れてしまったのだけれど、その原因はこちら。

ちょっとわかりにくいんだけど、要は柱と天井をしっかりと鉄筋で編み込んで繋ぐような構造になっていないといけないんだよね。

一般的なのは、梁で天井を受けるタイプのラーメン構造と呼ばれる構造体なんだけど、フラットスラブ構造もスッキリとした印象の構造物を作ることができて、構造強度も確保できるので、そのチョイスが悪いというわけではないんだよね。

91箇所のうち15箇所ではなく102ヵ所のうち20箇所

ただ、韓国の場合は、この構造補強用の鉄筋をディスカウントしちゃった。ラーメン構造の場合には構造強度には影響しない話かもしれないのだけど、フラットスラブ構造でこれをやると致命的である。

LHの李漢俊社長は11日、LHソウル本部で緊急記者会見を開き、「フラットスラブのマンション団地に対する全数調査の結果、鉄筋漏れの団地は20ヶ所だったが、5ヶ所が漏れていた事実を確認した」とし、「(数百本の)柱のうち、3~4ヶ所だけで欠陥がある団地は、自主的に補強を完了し、問題がなくて外したという報告を受けた」と明らかにした。

東亜日報より

単純に5件分のミスを隠蔽していたという話ではなく、意図的に数を少なく見せる意図があったということと、バレた経緯がおそらく「自主的に補強」という部分にあったのかと思われ、なかなか味わい深いニュースである。

調査はしっかりと嘘偽りなくやらないと意味がないんだけど、自分で調査して誤魔化しちゃったということなのだろう。そういう意味では最初から信用できない点検だったという意味なんだけど、そうするとこれ、これまでの調査は本当に信用できるん?という話になってしまう。

いやー、地獄のような事態になりましたな。

そして、これ、「どうやって補強したのか?」というのも非常に疑問だ。実際に構造的な強度を計算し直して適切な補強が行われたかも良くわからないところ。強度計算したにしても、まさか天井を支えるための門型構造体を追加するような大掛かりなことをやったわけではあるまい。

どういう補強したんでしょうね。

コメント

  1. アバター 匿名 より:

    木霊さまは、シャブコンは、デフォルトとお考えでしょうか?
    当たり前過ぎてニュースにならないとか。

    • 木霊 木霊 より:

      シャブコンの話は難しいです。
      水・コンクリート比の推奨値と実際に打設したコンクリートの耐力は別の話で、季節や温度・湿度によって加水量を調整するわけですが、加水量が多くてもそこそこの強度が出てしまいます。韓国メディアを見ていると、「コンクリートの強度が基準以上あったから、施行のやり直しをしなかった」みたいな話も見られますが、恒常化しているかはなんとも。
      シャブコン問題は韓国だけの問題ではありませんし。

  2. アバター 名無ち より:

    木霊さん、台風が大型化して朝鮮半島に上陸することも常態化しつつあるなかで、強度の問題で台風による大型建造物の倒壊なんて事態もある得るんでしょうか?

    • 木霊 木霊 より:

      台風が大型建造物を破壊するケースは、飛来物による破壊がほとんどで、風による倒壊の実例を見たことがありません。
      多分、大丈夫なんじゃないかと。むしろ、それで倒壊するのであれば、珍しい実例になりそうですね。それよりも、滅多に発生しないとされる地震の方が怖いと思います。

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