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スパイ防止法に関する法整備は必須であると自民党内から

安全保障
この記事は約7分で読めます。

個人的に自民党の松川るい氏の発言は信用出来ないと感じている。過去の発言が原因なんだけどね。

さておき、こんな報道があった。

松川氏「スパイ防止法は必要」、玄葉氏、平時からの「積極的サイバー防御」導入に前向き

2023年7月2日 日曜 午後9:16

自民党の松川るい外交部会長代理は2日、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)に出演し、「スパイ防止法は必要だ」と強調した。中国で1日、かねてスパイ行為の定義があいまいだと指摘されていた反スパイ法の改正法が施行されたことに関連して発言。日本人が中国で拘束された時に「取引することの材料にもなる」と述べた。

FNNプライムオンラインより

登場する3人は、見事に発言の軽い方ばかり。なので、いつもは参考にならないわけだが、今回はちょっと面白かった。

支那で成立した反スパイ法

松川氏の発言は余り信用出来ないが

さて、松川るい氏は「日本の国益と尊厳を護る会」(通称「護る会」)に所属している。が、護る会に参加しているからと言って、必ずしも保守系というわけではない。

速報  護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) は85人になりました
青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road

実際に、こんなツイートをして逃亡したとして追求されている。

何が問題かと言えば、護る会でもLGBT理解増進法関連の動きがあったし、護る会の代表である青山氏はLGBT法案に関する動画を何本か出している。

LGBT法案一任 自民保守系から不満噴出

2023/5/13 19:56

LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案を巡り、自民党の保守系議員が党内議論の進め方に反発を強めている。

~~略~~

自民議員グループ「日本の尊厳と国益を護る会」の代表を務める青山繁晴参院議員は13日、産経新聞の取材にこう懸念を口にした。

「LGBTに関する法律は日本社会となじまない。岩盤支持層だけではなく、自民から離れてしまう人が増えるのではないか」

産経新聞より

これは5月13日の報道だが、この時も青山氏は批判していた。護る会の性質上、別に松川氏がLGBT理解増進法に賛成であっても構わない。しかし、「関与していない」と発言から逃げた上で、「問題を感じなかった」という発言をしてしまう意味が分からない。

その上で消してしまうとか……。

ま、いいや。

そんな経緯もあったので、余り信用していない彼女の発言ではあるが、引用した記事で主張されている内容は概ね問題を感じなかった。

改正反スパイ法

さて、中身に入る前にこんなニュースを紹介しておきたい。

米・外国企業へのリスク増大、中国改正反スパイ法 米当局が警告

2023年7月1日5:09 午前

米国家防諜安全保障センター(NCSC)は30日、中国で7月1日から施行される改正「反スパイ法」について、中国で活動する米国や他の外国企業による通常のビジネス活動が中国当局から罰則を受ける可能性があると警告した。

中国全国人民代表大会(全人代、国会)常務委員会は4月、スパイ行為の摘発を強化する「反スパイ法」改正案を可決した。国家の安全に関わるあらゆる情報の移転を禁止し、スパイ行為の定義を拡大する。

ロイターより

支那で成立した改正反スパイ法だが、この中身については危惧する点もある。あるんだけど、この反スパイ法が成立する前でも、ガンガン邦人は拘束されていて、その辺りは過去の記事でも触れている。

つまり、法律があろうと無かろうと支那共産党の方針はさほど変わらない。今後もリスクが高いままで、寧ろ表面化しただけ警戒しやすいという事は言えるかも知れない。

支那共産党は何故こんな法律を通したのか?といえば、国内向けのアピールだと推測される。「何をやったら逮捕されますか」ということを、少し解り易くしたと、それだけの話だ。国内で不信感が高まっているので、多少ガス抜きをする目的だろう。

NCSCは、改正反スパイ法は「米企業が中国で保有するデータにアクセスし管理する法的根拠を拡大する」と指摘。さらに、中国は国外へのデータ流出を国家安全保障上のリスクとみなしており、外国企業が現地で採用する中国人社員に対し中国の情報収集活動を支援するよう強制する可能性があるとした。

~~略~~

こうした中、米国務省は30日、中国への渡航に関する勧告を更新。「不法な拘束のリスク」などを警告し、中国への渡航再考を促した。

ロイターより

NCSCの指摘も今更だよね。寧ろ、アメリカの国務省が勧告を出した分、警戒は高まったと言うべきだろう。ではなぜNCSCはこのタイミングでこんなことを言ったのだろう。

年内に

と、その前に、共同通信で青山氏の記事が出ていて、ちょっと目を惹いたので言及しておきたい。

年内に対抗法整備着手 中国反スパイ法は「日本人に脅威」―自民・青山参院議員

2023年07月03日07時06分

自民党の青山繁晴参院議員は時事通信のインタビューに応じ、中国で1日に施行された改正反スパイ法について、中国に在留する日本人の安全が一層脅かされると懸念を示した。対抗するために、自らが代表を務める議員連盟「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」で、外国によるスパイ活動を取り締まる法整備に向けた提言を年内に取りまとめると表明。並行する形で、岸田文雄首相に「情報関連機関の統合」の実現を強く迫っていくと明らかにした。

時事通信より

青山氏は時事通信出身の議員であるが、随分と上の方との確執もあったらしく、時事通信がこのような取り上げ方をするのは結構面白い。

その上で、別の狙いもあるような気はする(護る会が85人の集団になってしまい、「警戒しろ」というような意図を感じる)ものの、周知するという意味では良い記事だと思う。

―どのような対抗措置を取るのか。日本にはスパイ防止のための法がない。

かつて自民党が制定を目指した「スパイ防止法」には問題があり、廃案になった。護る会は「スパイ防止法」という言葉を使わず、「カウンター・インテリジェンス(防諜=ぼうちょう)」に関する提言を秋の臨時国会でまとめる方針だ。岸田首相にも働き掛け、議員立法で不正な工作を防止する法体系の実現を目指している。

日本は公安調査庁、警察庁外事情報部、防衛省情報本部などカウンター・インテリジェンスに関係する部門がばらばらだ。故安倍晋三元首相は、これらを統合するための「国家情報局設置法案」を検討し、私も協力していた。数年前の通常国会に法案を出そうと議論していたが、安倍氏は途中で「政治的コストが高い」と言って断念した。

議員立法でカウンター・インテリジェンスに関する法律の成立を図るだけでなく、政府にも関連部門を創設しないといけない。それは閣法(政府提出法案)でやらないといけない。二つの法案の実現を同時に働き掛けていく。安倍氏は「(不人気な施策で)国政選挙に負けたくない」と考えた。しかし、政治的コストがいくらかかっても、やらなければいけないことがある。

時事通信より

岸田氏が果たして何処まで応えてくれるのかは解らないが、注目していきたいと思う。

皮肉に満ちた結びの一言

で、この記事で特に面白いと思ったのは最後の一文である。

世界は皮肉に満ちている。日本の安保体制の強化に最も協力しているのは実は中国だ。改正反スパイ法の施行後、日本で危機意識が高まり、法整備への追い風となるだろう。

時事通信より

この言葉は青山氏の発言として記載されているが、時事通信の本音としても見て取れる。

何故ならば、上に引用したようにアメリカのNCSCも警告を出し、自民党の動きを時事通信が伝えている。本当であれば、時事通信はこんな記事を出したくなかったに違いない。

でも、動きがある以上は、触れざるを得ない。そして、左派への御注進という意味でも記事にしておきたいのだろう。なかなかの皮肉である。

で、青山氏もNCSCも、改正反スパイ法自体はさほど危険性の高い法律であるとは思っていない。これはアメリカのコレまでの方針からも、青山氏が発信した情報からもそうした事が伺えるが、その上でこのような動きをしている理由は、「これがチャンスだ」と考えているからだろう。解りやすく支那がリスクを示してくれたので、国内を説得する材料としては都合が良かったので利用するつもりだ、というわけだ。

こういった動きの切っ掛けとなったのが、支那から出された方針だったというのも、何とも皮肉な話だね。

コメント

  1. アバター 河太郎 より:

    必須です!!
    てか、何を今さら言ってんだ? 議論の余地ある段階なんざとうの昔に終わり。
    1990年代に「KGBのグルメガイド」という本が出版されていて、ロシア中心に各国の元諜報機関員や、外交館勤務の軍人らが「人たらし」に用いた美味しいお店ガイドなんですが。KGBもCIAもMI6も、
    Tokyoガイドが多かったんですよ。アジア地域でダントツ。
    我が日本の料理は世界一ィィィ……ではなく、「舐められたもんだぜムカつく💢」ってのが当時の感想。よーするに各国のスパイがグルメして、日本人を罠にハメる店をどうどう物色する。そういう事がとーぜんのような国って事です。冷戦中にコレだもん。平和ボケ極まる💢💢
    あれから幾星霜なのですが、冷戦時代から何の進歩もなし。今さらなんですが、
    これ邪魔者はシナやロシアのスパイじゃないんてすね。ぶっちゃけパヨクとマスゴミっすよ。
    あんね、彼らは後ろ暗い事が山ほどあるので、諜報機関を作ると「自分に矛先が向う」と信じてる。外国の侵略を水面下で防ぐ機関なのに。自分に向けられる事を恐れて猛反対してくる。
    理由? ホントに売国してるからしょ!
    まったくこの手の売国奴を一網打尽にする良い方法はないもゆですかねぇ
    ( ´Д`)=3

    • 木霊 木霊 より:

      左派の抵抗が激しくデコレまで導入できなかったスパイ防止法ですが、政治的コストを支払ってでも導入するというのが、青山氏の発言の要旨です。
      この中で「政治的コスト」という意味が凄く河太郎さんのお話を聞いたら意味深に聞こえてきますね。
      すなわち左派の抵抗というよりも、スパイに協力するような勢力と血みどろの戦いをやるというような意味に採れるわけです。
      そのうち分かる話かも知れませんが、日本も暗殺されるような人がでてきちゃいましたから、どうなることやら。

  2. アバター BOOK より:

    確かにスパイ防止法は既に必須の法律ですから、すぐにでも強引にでも臨時国会召集して7月中に成立、月末には施行して欲しいもの。

    LGBT法がもう施行されてるスピード感からすれば楽勝でしょ(笑)

    • アバター 河太郎 より:

      BOOK様、最後の皮肉効いてます。そょーもねえ事だけとっとと決まるんですね。
      半島の遺物の話、返コメありがとうございました。ただ、あの辺り奴らの言い分と違い、ホントに古代となると訳わからないんですよ。なのでちょいと手に余り
      ご返事しませんでした。済みませぬ。

    • 木霊 木霊 より:

      過去にも提出されていて、その見直しはある程度やれている。
      そういう意味では、スピード提出でスピード可決は出来るでしょう。何だったら強行採決をしてでも通すべきでしょうね。

      • アバター BOOK より:

        木霊様 河太郎様 皆様こんばんは
         
        木霊様>何だったら強行採決

        そうそう、臨時国会 強硬開催して集まった議員だけでえ強硬採決、7月下旬に施行がよろしい。
        その上で8月上旬に キシダ氏、リン氏が自首して逮捕者第1・2号になるならば私はキシダ政権を認めても良い(笑)

        河太郎様>
        こちらこそ返コメありがとうございます。 正直「最後の皮肉」だけ言いたくて書きました(笑)

        >ホントに古代となると訳わからない

         陳舜臣(日本生まれ日本育ちの台湾人、司馬遼太郎のお友達) 著 「小説十八史略」 の最終章近辺の記述によると、朝鮮半島ってのは「腐りやすく鮮度が重要な「儒教」」を腐臭がするまで腐らせた「金王朝」の生き残りが逃げ込み、先住民をジェノサイドして生き残った場所?
         だった記述があるけど、小説なので鵜呑みは危険とも思い >ホントに古代となると訳わからない 正直な返答ありがとうございます。

         (あ、更に脱線。ワタシ思春期は儒教徒に近かったので、儒教そのものを悪く言われるのは心境複雑です(笑) 

  3. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    いいから、とっとと「訪中団」を帰国禁止にしる!

    ※全然関係ない話ですが、「~しる!」に次ぐパワーワード、「止めて!→痩せて!」が爆誕したらしいですね。
    https://twitter.com/Che_SYoung/status/1675771289741697024

    • 木霊 木霊 より:

      「痩せて」ですか。
      岸田氏が激務で痩せたら、達成ですね?(違

      こんな誤字を見つけても気がつかないというのは残念な話ですね。

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