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支那でまた邦人拘束、今度はアステラス製薬の幹部

中華人民共和国ニュース
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「またか」と言うニュースではあるんだけど、今回は末端の社員ではなく幹部が拘束されたというニュースだ。

中国、アステラス製薬の日本人男性拘束は「スパイ容疑」と説明

2023/3/27 18:18

北京市でアステラス製薬の現地法人幹部の日本人男性が拘束された事件について、中国外務省の毛寧報道官は27日の記者会見で、「(男性は)スパイ活動に従事し、中国の反スパイ法などに違反した疑いがある」と拘束理由を説明した。男性が拘束された経緯は不明。北京の在中国日本大使館は、早期解放に向けて中国側への働きかけに全力を挙げている。

産経新聞より

アステラス製薬が支那でビジネスをやっているのは、アステラス製薬の社の方針であるから、拘束された男性にとっては、不幸としか言いようがない。

ただ、アステラス製薬がチャイナリスクを分かった上でビジネスをしているのだとすれば、会社には当然に責任が生じるし、警告してこなかった政府の責任も多分にある。

チャイナリスクは高まっている

逮捕容疑は不明

支那が「スパイ容疑」を掲げるときは、概ね他の法律で拘束できる理由がない場合だと考えて差し支えない。

男性の釈放については「まずは法に則って行動しなければならない。中国は法治国家だ」と説明。「近年、日本国民の類似事件がしばしば発生していて、日本は自国民に対する教育や注意を強化すべきだ」と主張しました。

TBS NEWSより

「法に則って」などと口では言っているが、支那の言う「法治国家」は西側諸国の常識ではない。どういう意味合いなのかは後述するのだが、今回のケースで言えば、アステラス製薬の幹部を拘束する目的があり、適用できそうな法律を探したら「スパイ容疑」しかなかった、と、そういう風に理解すべきだろう。

つまり、今回のケースも何か支那の法律に反したからアステラス製薬幹部が拘束されたのではなく、拘束することが目的であったと言うことだ。

むろん、この分析について大した根拠があるわけではないが、「スパイ容疑」の適用というのは往々にしてそういう側面はあるのだ。

むしろ、明確な拘束理由があったのであれば、支那の報道官は口にしている。可能性としては、捜査に支障があるために逮捕容疑を明確にしない可能性もあるにはあるのだが、おそらく「スパイ容疑」と説明した場合には、そうした可能性は考える必要は無いだろう。

法治国家の意味は西側の常識と異なる

そもそも支那において人民の順法精神というものは、希薄である。

「上に政策あり、下に対策あり」というのは支那においては当然のように浸透している考え方である。「上有政策下有対策」と言うようだが、現代の支那おいてはこの言葉は、政府の決定事項に対して、人民が抜け道を考え出すといった意味で捉えられている。

つまり、順法精神という考え方自体が支那では邪道であり、規則を如何にかいくぐるか?というのが人民の考え方なのである。

この辺りの考え方はこちらの記事で解説されている。

中国の「上に政策あり、下に対策あり」現象をどう見るべきか | 大和総研
大和総研グループのアジアンインサイトに関するページです。証券系シンクタンクとして蓄積してきた「知見」、受け継がれた「洞察力」をいかんなく発揮し、さらには大和総研グループのITを支えてきた先端を行くSI機能と連携し、時代を先取りしたコンサルテ...

「なるほど」と関心したが、ここで挙げられている事例はかなりマイルドな方法ばかりらしい。

往々にしてあるのは、政策を作る側の人間が態と抜け道を作っておいて、対策する側の人間はそこを利用する代わりにお目こぼしをして貰うためのキックバックを「袖の下」として献上することが横行している。

「上」というのは指導部たる習近平氏をトップとした支那共産党であり、この「下」には地方政府があって、人民がさらにその「下」という構造になっている。つまり、指導部が方針を伝えて、実際に規則を作る地方政府は、キックバックを受け取るために抜け穴のある規則を作る。規則に縛られる人民は、お金を支払ってそこそこ規則を守っているふりをするという事になる。

そして、問題は一般的な国の法体系は、憲法があってその下に細則たる法律があり、更に政令・省令・条例があって、規則がある。そして、一般的な法治国家ではこれらの法律に行政は縛られる。

ところが、支那の場合は憲法の上に指導部たる支那共産党があり、そのトップに座るのが習近平氏なのである。

法による統治の意味

人々が法律を守り法律は人々を守る、これが法治国家の原則ではあるが、支那はその上に共産党指導部が存在するので、法律を守ったところで「セーフ」にならない可能性が肯定されている。極端な話、共産党指導部が「シロ」といえば黒くても「シロ」になるのだ。

これでは、人民が法律を守るというインセンティブが形成されないのも無理はない。そして、無法地帯となった挙げ句に文化大革命(1966年~1976年)にいたるというのが支那の歴史なのだが、それを反省したはずの共産党指導部は集団指導体制に移行して法治を進めようと画策するも、結果として習近平体制になって以降、指導部側にその考えは失われてしまったようだ。

当然、人民側も多少は芽生えただろう順法精神が失われても仕方が無いというものだろう。

習近平氏は、毛沢東を礼賛し、寧ろ毛沢東を超えた最高指導者として君臨しようとしている。

習近平氏「毛沢東超え」を示唆 党大会報告に潜む狙い

2022年10月18日 2:00

中国共産党の習近平総書記(国家主席)は16日に開いた第20回党大会で3期目政権をにらんだ活動報告を読み上げた。内容からは自らを毛沢東を超える「革命指導者」に位置づける思惑がにじむ。

5年前の党大会時と比べると、報告の構成には2つの変化があった。1つは13だった項目が15になったこと。集権強化のために確立した「国家安全」と「法による統治」という2制度に関する項目が追加された。

日本経済新聞より

習近平氏は「法による統治」を謳ってはいるが、これは便利なツールとして法律を利用して統治するという意味で、法治国家を目指すという意味ではない。

支那において、法律は人民の権利を保障するものではなく、人民を統制するためのツールなのである。

何故、アステラス製薬の幹部は拘束されたのか

多くの場合、邦人が支那当局に拘束されるケースでは、どこそこの写真を撮影したとか、何か大切な情報にアクセスしたとか、そういう事が多かった。つまり、あまり支那のことを知らずに、うっかり行った行為が何らかの問題にされるケースだ。全てとは言わないが、多くがそう言ったケースであるようだ。

しかし、今回のケースはちょっと異なるようだ。

会社側は所属部署や経歴を明かしていないが、東洋経済の取材では、拘束された人物は香港や北京で長期間の駐在を経験した中国ビジネスのスペシャリストだ。これまで医薬原材料の輸出入、輸入医薬品の販売、工場の立ち上げ、販売体制構築、中国政府対策など、中国に関する幅広い分野で仕事をしてきた。

北京の日系企業で構成される中国日本商会の副会長や、同会のライフサイエンスグループのリーダーも務めた。新型コロナウイルスの感染対策やワクチンについても詳しく、頼りにされる存在だったようだ。

東洋経済より

似たような話として、北大の教授、岩谷將氏が拘束されたケースがある。支那の社会科学院近代史研究所の招待で会議出席のため支那を訪問した際に、「国内法に違反した」として逮捕された事案があった。

国家安全法制の改正後に逮捕されたと言うから、国家安全法制に抵触した可能性が指摘はされているのだが、詳しいことはよく分かっていない。

そして、北海道大学の教授が中国当局に拘束された背景については「この教授は、実際の歴史資料に基づいてしっかりと研究を行ってきた。中国共産党の歴史に関わる日中戦争当時の研究では第一人者だ。しかし中国では最近、共産党の歴史観と異なる資料に基づく研究を批判する傾向があり、こうした中国の事情が拘束に影響を及ぼした可能性が高い」と指摘しました。

NHKニュースより

一説には、支那の歴史を調査して編纂した結果、支那共産党の歴史観とは異なる内容となったからだという風にも言われている。

しかし、アステラス製薬の幹部はこういった歴史に関わる話にアクセスした形跡はない。可能性としては、武漢ウイルスに関する情報にアクセスしていた可能性もあるのだが、アステラス製薬の重要なノウハウを記した書類を持ち帰ろうとして、それを狙われたという推測も出ている。塩野義製薬に先を越されたが、アステラス製薬も武漢ウイルスのワクチン開発や治療薬の開発を行っている。何らかの情報を持っていたとしても不思議はない。

逆に言えば、それくらいしか拘束される理由が見当たらないとも言える。

支那における経済活動は絶望的

いずれにせよ、こういった理由も分からない拘束というのは、支那で活動している外国のビジネスマンにとって極めて高いリスクを課すことになる。

3月20日には、アメリカの信用調査会社であるミンツ・グループの北京事務所が中国当局による家宅捜索を受け、中国籍の社員5人が拘束された。24日には米欧のメディアが一斉に報じ、中国でのビジネスに潜在するリスクにあらためて注目が集まっている。

東洋経済より

もちろん、日本人だけではなくて西側諸国の国民や、企業で働く社員が拘束されるケースが目立ってきている。

これは支那国内で生活する人民にとっても似たようなリスクはある。人権擁護の運動を続ける弁護士は相次いで拘束されているし、武漢ウイルスの告発をした医師は、習近平氏の指導の正しさを説明するのに利用されて、今や忘れ去られてしまった。

習近平氏の指導のおかげで支那国内の武漢ウイルスは撲滅されたのである。今、流行っているのは「単なる風邪」だ。

今後の支那経済がどのように盛り返していくのかは分からないが、外資はどんどん逃げている。今回のニュースも、外資撤退を加速させる一因になるのではないだろうか。

というか、政府もそろそろもっと強く支那からの撤退を推奨しようよ。日本国民の生命と財産を守るためには、必要なことだよ。

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