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日米で次期戦闘機と連携する無人機の共同研究に乗り出す

安全保障
この記事は約4分で読めます。

これ、前から報じられていた話ではあるんだけど、共同研究することに対して日米で政府間合意が行われた。

<独自>日米、次期戦闘機と連動する無人機を共同研究 両政府合意

2023/12/21 05:00

日本が2035年までの配備を目指す次期戦闘機で、日米両政府が、戦闘機と連動する無人機の開発を巡って共同技術研究に乗り出すことで合意したことが分かった。近く発表する。

産経新聞より

産経新聞の独自ニュースとして取り扱われているけれども、現段階で公式発表があるわけではない。が、数年前から「やる」とは決まっていたのだから、タイミングだけの話だね。

エアチーミングはコレから必須に

F3戦闘機の僚機

数日前の記事がこちら。

日本がイギリスとイタリアと戦闘機を共同開発する話が決まったという記事で、不安はあるけれども期待しているので頑張ってねーと言うような書き方をした。

で、ここにも書いたんだけど、コンセプト的に「量に勝る敵に対する高度ネットワーク戦闘」が出来るという項目があって、コレがエアチーミングと呼ばれる無人機を引き連れての戦闘を予定している。

エアチーミングが出来るように開発されているので有名なのが、「XQ-58A Valkyrie」で、アメリカで開発が続いている。

いや、もうできてるじゃん?と思う程度には進んでいて、AIを使った自律飛行のテストも成功させているのだが、おそらくは複数でチームを組んで飛行させるとか、色々なハードルがあるのだろう。

アメリカの思惑

で、アメリカは日本と何故共同開発をするという話にしたのか?といえば、おそらくは日本の科学技術力に期待したと言うこともあるんだろうけれど、どちらかというとF3戦闘機の僚機として使って欲しいという思惑が強いのだと思う。

アメリカだけでも最低1,000機ほどの無人戦闘機を調達する予定にしているといわれているが、日本、イギリス、イタリアがそれぞれ調達するとなれば、更なる量産効果が見込める。

米国防総省と防衛省・防衛装備庁とで新設された「防衛科学・技術協力グループ」の会合を2024年中に開き、無人機を含め技術協力の促進を協議する。

産経新聞より

もともと、F3戦闘機の開発にはロッキード・マーティン社が共同開発で乗り出すという話もあったんだけど、アメリカは無人機開発に力を入れたいという思惑があって、共同開発を降りた。

しかしながら、現時点でもシステム面の開発はアメリカの技術に期待すると言う事になっている。アビオニクス開発までやっていられないので、アメリカにお願いをする事になるのだろう。

当然そこに、無人戦闘機の制御なんかも含まれていくので、話としては最初から決まっていたというのはそういう意味なのだ。だからまあ、予定調和とでも申しましょうか。

ゲームチェンジャーになるのか

でまあ、アメリカ主導で開発されるであろう無人戦闘機なんだけれども、第6世代戦闘機ということを名乗るからには使えなければ意味がない。そして、多国間で無人戦闘機を共有することで、コストを下げられることや、部品を共有して修理をしやすくするなどのメリットが得られる。

当然ながら日本としてもメリットがある話なので、断る理由はない。

戦闘機と無人機による作戦遂行は、戦闘のあり方を変える「ゲーム・チェンジャー」として注目されている。米政府は日英伊の開発を支持し、戦闘機と連携する無人機を巡る協力の可能性について日本側と探ってきた。日米は互いの有力技術を活用した協力が航空優勢の確保に向けた装備開発につながると判断した。

両政府は「将来の脅威への共同対処を可能にする」とし、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)でも議題としていた。

産経新聞より

ヴァルキリーと言えば、変形するのを期待する世代ではあるんだけど、それはさておき、F3戦闘機が完成して無人戦闘機とのエアチーミングが出来るようになれば、随分と空戦も変化することだろう。

戦闘機を支援する無人機は、レーダーやセンサーで情報収集して戦闘機の操縦士を支援したり、相手を攻撃したりする役割が期待される。操縦士の犠牲を抑え、大規模な航空戦力を有する中国に対し、機数不足を補うなどの利点もある。

産経新聞より

少子化が進んで、パイロットが減っている。そこを補う意味でも、エアチーミング出来る戦闘機というのは、期待が大きい。

開発が成功することを期待したいね。

コメント

  1. アバター 山童 より:

    雪風! 雪風! 雪風!!
    マジでSFが実現する時代になってきました。編隊長機が無人機を率いるとして、そのデーターが累積してゆくうちに、
    AIが独自に戦闘するようになり、ホントに人のパイロットを射出しちゃうようになるかも知れんですね。
    たぶん、パイロットの養成にかかる費用、年月、手間を考えてゆくと、無人機主体の空戦で空軍をまとめてゆく方が効率的だし、犠牲に痛みが伴わないし…で、
    雪風はリアルにいつか実現すると思ってるのですよ。人の欲望や野心に向かって科学は発達すると思うので。

    • アバター 匿名 より:

      私も戦闘妖精雪風のフリップナイト システムを連想しました。

      • アバター 七面鳥 より:

        横合いから……

        ゴーストのことも、たまには思い出してあげて下さい……

        ※シャロンのゴーストがフロンティアで出てきたのはグッと来ました。

        • 木霊 木霊 より:

          ピンときませんでしたが、マクロスゼロ?

          • アバター 七面鳥 より:

            まったくの横道其れですが、ご説明申し上げます。

            「マクロス」シリーズにおいては、無人機ゴーストは初代~最新作まで基本的に全てに登場します(遡ったゼロにも。デルタはリルドラケンだったけど)。
            で、みんな大好きマクロスプラスで、バイオチップ載せたAiシャロン・アップルにハックされて超高性能化してしまったゴーストX9、マクロスフロンティアではこのX9のコピーを「封印」しておいた機体が出てきて……という流れになります。
            初期はAIの性能が出し切れず有人機の露払いでしたが、プラスやフロンティアあたりから有人機を上回るようになり、同時に有人機とチーミングする描写が出てきました。

            マニアのウンチク(かなり端折りました)は以上であります。

          • アバター 山童 より:

            ヴァルキリーってマクロスの戦闘機でしたっけ?
            モビルスーツに変化するやつ。あれリアル変形できるプラモだかなんかがあったんですね。日本の模型メーカーとかの金型技術の凄さですよ。ちなみに、さーせんm(__)m マクロス観てないんです。
            ボトムスなら全話みてるんたけれども。そういやボトムスはリアルなモビルスーツものとされてるのに、航空戦力がほとんど出てこないな。

      • 木霊 木霊 より:

        そうだった、フリップナイト・システムでしたね。
        FRX-99はOVA設定だったかな?あの後退翼はなんとも。

    • 木霊 木霊 より:

      まー、そうですよね。雪風ですよね。
      アレは良く出来た小説の設定でした。
      そして現実がそれに追いついてきているという。

  2. アバター 音楽大好き より:

    木霊様、皆さま、こんにちは

    SFが下火びなったようですね。すでに何十年か前のSFを超えているのだから、SF作家も大変ですね。

    さて、そういう時代になっても有人戦闘機に意味があるのでしょうか。目視で確認、判断して行動する方がベターな状況はなくなるような気がします。必要ならば基地内に「操縦室」を作ればよい。そんな時代が来るような気がします。

    映画屋さんも大変だ。最新兵器を使った戦争ものとかは廃れるのではないかな。

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。

      SFですか、日本では余り見かけなくなりましたが……、流行廃りはありますから。
      そのうち来るんでは?

      • アバター 音楽大好き より:

        木霊様、返信ありがとうございます。

        なんだけど、「有人戦闘機に意味があるのか」を書いたつもりなんですが・・・

        • 木霊 木霊 より:

          あらー、それは今一度マクロスを履修したあとでコメントさせて頂こうかな。
          年末の宿題が増えてしまった……。

  3. アバター 山童 より:

    SFが下火になったのは、我々の生活が擬似サイバーパンクなNET状況になったからではないですかね?
    20年くらい前にハリポタとかファンタジーが隆盛したのも、サイバーパンクがスチームパンクの方へ軸足を移したのも、
    「接続」する事が当たり前の世界になったからだと推察してます。
    ありがたみが消えたと。
    SF的な発想というのが、拡散して、それ事態が魅力を伴わなくなったというか。
    先端科学(量子論など)をエンタメに盛り込む(味付け)のって、ラノベの異世界ものだったり、シグマフォースだったり、ようは「伝奇もの」でせう?
    量子論がそうですが、素人眼にはオカルトぽい「先端」が出てきた事と、既成の社会や世界秩序が怪しくなってきた不安。その解決に科学を用いようにも、温暖化とco2みたく、科学者の言う事が胡散臭くて信用おけない……てのもあるんでないですかね?
    都市伝説とか流行るのもそこだろう思いますし。

    • 木霊 木霊 より:

      SF全盛時代は、傑出した作家が居たからと、そう思っています。

      そのうち凄い新人が出てこれば、おそらくはまた盛り上がるんじゃないでしょうか?

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