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韓国唯一の宇宙飛行士が辞職して26億円が無駄に

迷走韓国宇宙開発史
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こういうこともあるさ。

大失態の韓国政府、辞職の“韓国唯一”の宇宙飛行士=「宇宙の11日を話すだけで余生は過ごせない」―韓国

2014年07月08日13時28分

2014年7月7日、中国広播網は記事「“宇宙の11日”を話し続けるだけで余生は過ごせない、韓国唯一の宇宙飛行士が辞職」を掲載した。

「ライブドアニュース」より

諦めて次の人を探そうぜ。

韓国唯一の宇宙飛行士……、宇宙飛行士??

韓国発、宇宙飛行士行き

韓国唯一の宇宙飛行士は、李素妍という女性で、2008年4月にロシアの持つ国際宇宙ステーション(ISS)区画に乗り込み、11日間滞在した。

これが韓国が主張する唯一の宇宙飛行士である。

ところがこの話、実は、いつもの韓国の悪い癖、つまり「見栄」が大きく作用した話であった。

「ロシア」の宇宙開発事情

ここでロシアの宇宙開発の話を少ししておきたい。

ロシアはソ連崩壊によって経済の混乱を招いた際に、宇宙計画にも大きな問題を抱えていた。

実は、ロシアのロケット技術の半分はウクライナにある。ソ連時代も、ウクライナは地理的条件も相まってロケット開発の一翼を担う地域だった。また、ロケットの発射はバイコヌール宇宙基地に頼る部分が大きかったが、この宇宙基地は現在カザフスタンの領土となっている。

だが、ソ連崩壊でウクライナやカザフスタンが独立したことで、ロシアはロケット技術の多くと、宇宙基地を失うことになる。

この結果、ロシアは経済的な痛手と共に、ロケット技術や発射拠点も失うことになってしまった。

ロシア連邦宇宙庁が廃止、来年に国営宇宙開発企業「ROSKOSMOS」が誕生へ

2015/12/31

ロシア大統領府は2015年12月28日、ロシア連邦宇宙庁を廃止し、国営宇宙開発企業「ROSKOSMOS」を設立する大統領令に、プーチン大統領が署名をしたと発表した。発効は2016年1月1日からとなる。

「sorae」より

とはいえ、技術が未だ残っているうちに、何とか復権をという狙いもあったし、国威発揚の意味でも宇宙開発の礎を放棄する訳にも行かない。そんな訳で、比較的豊富な地下資源を利用して何とか資金を調達し、こうした宇宙開発企業を立ち上げるなど、未だにロシアは宇宙への夢を捨て去ったわけでは無い。

ロシア製エンジンで軍事衛星を宇宙へ打ち上げる、米国の複雑な事情

2017/07/21 09:00:00

米国にとって命綱ともいえる軍事衛星を、ロシア製エンジンを積んだロケットで打ち上げる--。

そんな倒錯した状態が始まって10年以上が経った2014年、米国とロシアの関係悪化によって、米国がロシア製エンジンを使えなくなる可能性が出てきた。そこで米国は、このロシアへの依存からの脱却を目指して、新たなる次世代ロケット「ヴァルカン」の開発と、そしてそのヴァルカンを宇宙へ打ち上げる、新型ロケット・エンジンの開発を決定した。

「マイナビニュース」より

また、ロシア製ロケットエンジンは、未だ健在で、その信頼性は高い。アメリカのロケットエンジンを凌駕する、それが今なお優位にあるロシアの宇宙開発技術なのである。

復権をかけるアメリカ

一方の、アメリカの宇宙開発計画も又頓挫している。

アメリカの誇るスペースシャトルは全機が退役するに至る。やはり資金面で折り合いがつかず、アメリカ政府も宇宙開発に本腰を入れてこなかったことが原因である。

月面で「アメリカの復権」狙う米国政府と、NASAの対立

2019/03/31 08:00

米国のマイク・ペンス副大統領は3月26日、アラバマ州で開かれた国家宇宙会議で、5年以内に米国の宇宙飛行士を再び月面に着陸させる目標を発表した。

ペンス副大統領は、この目標の達成に向けNASAのチームが、あらゆる手段を講じて困難も克服するべきだと述べた。

「フォーブス」より

NASAには今なお巨額の資金が投入されてはいるが、全盛期に比べれば何十分の一にも縮小されている。

今後、トランプ政権は月を目指すという目標を掲げているが為に、再び予算を投入することになるだろうが、そのためには巨額の軍事費を削ったりと、様々な取り組みが必要だと予想される。

また、アメリカは民間企業に宇宙開発の担い手を任せている部分もあり、かつてのような国を挙げた開発が行われるかは見通せない状況ではある。

ロシアは開発を進める為に,技術を切り売りする

このことをロシアが見逃すはずもなく、何とか自力でロケット技術の開発を続け、又、宇宙基地もボストチヌイに新たに建設し、2020年にはロシアの有人飛行ロケットは全てここから打ち上げられるようになるとのこと。

だが、ロシアの経済問題は依然として深刻なレベルにある事は事実。このボストチヌイの宇宙基地でも、2015年に建設会社からの給料の支払いが滞っているという理由で労働者のストライキが発生するなど、順調であるとは言い難い状況である。2016年にはロケットを打ち上げているので、機能はしているみたいなんだけどさ。

このために、商用のロケット運用や、ガガーリン宇宙飛行士訓練センターで宇宙飛行士養成事業を行うなど、積極的にソ連時代の資産を活用して外貨獲得に力を入れている。

韓国が買う宇宙旅行券

宇宙に行ける券!

ロシアの厳しい経済事情より外貨獲得の手段として行われた宇宙飛行士養成事業などに目を付けた韓国は、2004年に、「韓国宇宙人輩出事業」なる謎プロジェクトを立ち上げる。そして、ロシアから商用の宇宙旅行の権利を購入した。

日本も、ジャーナリストの秋山氏が宇宙空間に滞在するために、ロシアの宇宙旅行の権利を購入すると共に、秋山氏に長期間にわたる訓練を行わせた。

結果、秋山氏はソ連の宇宙飛行士資格を有するに至り、諸事情もあって日本初の宇宙飛行士となった。

しかし、韓国は日本とは少々事情が異なったようだ。

2006年に行われた韓国人宇宙飛行士候補者選定の際に、高山氏と共に李素妍氏が宇宙へ行く候補者が選ばれる。

2007年には、正式に高山氏が宇宙飛行士として宇宙に行くことが決定され、李素妍氏はバックアップとなった。そして、二人はロシアでの訓練を開始する。

スパイは宇宙に行けません

ところが、2008年3月にこの決定が覆され、李素妍氏が宇宙に行くことが決定した。

これは、高山氏がロシアの訓練施設内で搬出禁止の訓練教材を故意に持ち出してコピーしたり、教育に無関係な資料の貸し出しを受けるなど、保安規則違反を繰り返して摘発を受けてしまったためである。なんと、ロシアでスパイ行為を働いたというのだから、実に韓国人らしい。

そして、同年4月に韓国初の宇宙旅行者が誕生するに至る。

そんな訳で、韓国もロシアの思惑に乗っかって、宇宙開発計画を夢見て、実際に宇宙に韓国人を送り込むところまで漕ぎ着けたのである。

宇宙飛行士の資格

ところで、宇宙旅行者ではなく、宇宙飛行士ではないのか?という疑問をお持ちの方がいるかも知れない。

実は、宇宙飛行士と呼ばれる人々は、ロケットなどの正規の乗組員の事を指す。それ以外の乗組員でない者は「宇宙旅行者」と呼ばれる。

アストロノート(アメリカで宇宙飛行士訓練を受けた者)やコスモノート(ソ連、ロシアで宇宙飛行士訓練を受けた者)には、船長、操舵手、搭乗運用技術者(船外活動やロボットアーム操作などの仕事をする技術者)や搭乗科学技術者(実験や科学運用に専念し、システム運用に関与しない者)などと呼ばれるが、それ以外のカテゴリーが「宇宙旅行者」となる。

まあ、明確な基準はないらしいので、実は宇宙に行ったことがある者であれば、誰でも「宇宙飛行士」と呼ばれている実態もあるとか。

韓国にしてみれば、韓国人を宇宙に送り出すことが大きな目的である為、別に操船系の訓練などは不要だと判断したのだろう。短期間で宇宙に行くことを重視した結果だとも理解できる。或いは、韓国が単にお金をケチった結果、なのかもしれないな。

宇宙旅行者と、講演

ともあれ、李素妍氏は韓国初の宇宙旅行者になった。

一躍韓国国内でスター扱いとなり、その後4年間で235回の講演を韓国各地で行い、2年間の韓国航空宇宙研究院における義務服務期間を過ごすことになる。

元々、李素妍氏は韓国科学技術院で機械工学を専攻した後、博士課程で生命工学を研究する研究者であったが、宇宙に関連した仕事をしていたわけではない。

それが理由かは分からないが、義務服務期間を過ごした後、研究院を休職して渡米するに至る。これが2012年3月のことで、何故かMBA(経営学修士)課程で学ぶ話となり、挙げ句に2013年8月には渡米先の韓国系米国人医師と結婚してしまう。

これが冒頭の記事の話に繋がるわけだ。

「私は商品だった」韓国初宇宙飛行士が明らかにした宇宙プロジェクトの実体

2018年03月07日12時05分

 韓国初の宇宙飛行士である李素妍(イ・ソヨン)さんが10年前、政府の宇宙プロジェクトについて口を開いた。 

~~略~~

  李さんは「政府が宇宙飛行士を送ると国民に広報をしたが、実際には(宇宙人輩出事業に対する)意志がなかった」とし「科学実験に対して本質的に全く理解していない人々と働いたという事実に気付いて虚しかった」と話した。 

  同時に、「私が宇宙飛行士事業を代表する人のようになったが、実際、私は宇宙人輩出事業が作り出した商品だった」とし「宇宙人後続事業の責任が私にあるかのように報じられるたびにどうすれば良いか考えた」と明らかにした。 

「中央日報」より

彼女としては、見世物生活は飽き飽きだったのだろう。

加えて、志を持って宇宙旅行者になったものの、韓国には宇宙開発のビジョンがなかった。つまり、2年間の韓国航空宇宙研究院の活動は何をやらされていたのやらと言う話になる。

さらに韓国紙・ソウル経済は、「ここ6年間、李素妍の活動は各地で公演をすることくらいしかできなかった。これは、李素妍を宇宙に送り出した後のプロジェクトが何もなかったからだ」と、政府の計画に落ち度があったと報じている。

「レコードチャイナ」より

そりゃ、飽き飽きして渡米するってなもんだ。

まあ、仕事を放り出してアメリカに行ってしまった彼女にも責任はあるのだろうが、韓国政府の抱える問題は大きいだろうな。このプロジェクトに260億ウォン(26億円程度)も投入したらしいが、無駄に終わったねぇ。

残ったのは、変な像だけか?

韓国国籍放棄は誤解

とはいえ、彼女が完全に韓国を見限ったかというと、そういうワケでも無かったらしい。

大韓民国初の宇宙飛行士・李素妍氏「韓国国籍放棄は誤解」

2018年04月03日13時19分

  2008年に260億ウォン(約26億円)の国費が投入された韓国宇宙飛行士輩出事業で韓国人初の宇宙飛行士になった李素妍(イ・ソヨン)博士(バイオシステム学)が「国籍放棄説」に対する立場を明らかにした。 

リンク切れ

韓経:「2人目の韓国人宇宙飛行士輩出を支援したい」

2018年04月04日10時52分 

「韓国人のうち地球から最も遠くに行った人物、BBCが選定した最も先駆的な女性7人の一人、各種論議を呼んだ主人公になった不運な宇宙飛行士」。

~~略~~

李氏は3日、大田(テジョン)儒城(ユソン)インターシティホテルで開かれた韓国マイクロ重力学会で「韓国がいつか宇宙飛行士事業を再開し、任務が与えられれば、帰ってきて2人目の韓国人宇宙飛行士の輩出を支援したい」と述べた。 

「中央日報」より

何があったんだ!

連日の中央日報の記事で、誤解を解くような記事を載せていたが、何が目的なのかはよく分からない。

韓国が目指すべきは

ただね、この話、韓国が反省すべきは、無責任な女性を韓国初の宇宙旅行者に選んでしまったことではない。26億円相当の予算をつぎ込んでも、韓国人を宇宙に送り出すという貧相なビジョンしか持ち合わせなかった、計画のずさんさである。

何億円も投資したプロジェクトが無駄に終わってしまうなんてことは、日本でもそう珍しい話ではないのだ、残念ながら。大切なのは次に繋がる結果が残せるか?その結果をどう活かすか?というビジョンなのである。

韓国人宇宙旅行者を誕生させることだけが目的ならば、今回のこの話は無駄ではなく「大成功」なのだから。

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