メキシコ国境付近で何が起こったのか?コメントを頂いたこともあって、少し触れていきたい。
米、メキシコにつながる鉄道路線を一時閉鎖 急増の不法移民対策
2023.12.21 Thu posted at 21:30 JST
米税関・国境警備局(CBP)はメキシコからの移民らの不法越境などが急増しているとして、国境を接する米テキサス州からメキシコへ通じる国際鉄道路線の2カ所にある鉄橋を一時的に閉鎖する対策をこのほど打ち出した。
CNNより
国際鉄道路線の閉鎖というのは穏やかでないね。
移民増加が止められない
国際鉄道線の閉鎖
最初にお断りしておくが、この事態のニュースは追い切れていない。年末に動きがあった程度の認識だったので、最初に読んだ時は「アメリカも相変わらず大変だ」くらいの感想でスルーしていた件でもある。
で、改めて記事を読んでみたのだが、懸念された生成AI絡みの案件ではなさそうだ。ただ、政府と州兵の対立があるかどうかまでは追い切れなかった。
バイデン米政権は過去数週間内に、メキシコとの国境線上にある通関手続き地点を閉鎖し、車両や徒歩による入国を禁止した。イーグルパスやアリゾナ州ルークビル、カリフォルニア州サンイシドロの施設が対象だった。
CNNより
で、今回の事態、何が起こっていたのか?ということなんだけど、バイデン政権がメキシコからの入国者が激増したために、慌てて対応したというのが報じられている疑いのない事実であるように思う。
……そりゃ、慌てるよ。
移民は主にベネズエラ、キューバ、メキシコから?
かなりの規模の移民が押し寄せたということなんだけど、これに関してはこちらの記事が参考になった。
メキシコで何千人もが徒歩でアメリカ国境目指す 「貧困からの脱出」掲げ
2023年12月25日
主にベネズエラ、キューバ、メキシコからの老若男女でなる行列は膨らみ続けており、24日時点で最大8000人規模となっている。
メキシコには近々、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官が訪れる予定。ブリンケン氏は、移民管理に関する新たな協定をメキシコと結びたい意向だとされる。
アメリカ南部のメキシコとの国境で拘束された人の数は、今年と昨年の両会計年度とも各200万人を超えた。
米国土安全保障省によると、今年9月の1カ月だけで、米国境警備隊は不法に国境を越えようとした20万人以上を拘束したという。
BBCより
年間200万人を超える移民がアメリカを目指す事態になっていて、去年9月の1ヶ月だけで不法越境で逮捕した人数が20万人以上と。20万人/月という規模が凄いな。
この結果何が起きるのかというとこちら。
“移民殺到”で寛容な街ニューヨークも「受け入れ拒否」 揺れるアメリカ、米大統領選でも争点に【WBS】
2023/11/25(土) 14:16配信
アメリカでは今、中南米などから移民が殺到し、バイデン政権への不満が高まっています。トランプ前大統領は、来年の大統領選に向けて移民対策に取り組む姿勢をアピールするなど、移民問題をめぐってアメリカが大きく揺れています。
ニューヨーク・ブロンクスにあるイスラム教の礼拝所「モスク」。この日は100人を超える信者が集まりました。彼らはニューヨークで急速に増えているアフリカ諸国からの移民です。なぜ遠いアフリカから渡ってきたのでしょうか。
Yahooニュースより
アメリカの各都市に移民があふれて、アメリカの市民が困っているという内容なのだが、気になったのが、アフリカ諸国からの移民が大量にいたということ。
そういえば、支那人の移民もメキシコ国境から流入しているというニュースがあったように思う。後でその点には触れたい。
そして、多数の移民を受け入れたニューヨークなどでは治安が急激に悪化しているようだ。
ニューヨーク市は今年6月までに2100億円以上を費やし、市内の公園や病院、老人ホームなど200カ所以上に移民のシェルターを設置。市では移民対策の費用を捻出するため、警察や消防などの予算を削減しました。
Yahooニュースより
警察や消防の予算を削減すれば、そりゃ治安悪化に拍車をかけるよ。一体何をやっているのか。
そういえばニューヨーク市長は大抵リベラルな人材がなる地域性で、現職の第110代市長はエリック・アダムス氏(民主党)だ。前NY市長がルディ・ジュリアーニ氏(トランプ前大統領元顧問弁護士)だっただけに、揺り戻しが来た感じではあるが、流石に昨今の難民増加には頭を痛めているようだ。
やっていることはかなりヌルいけどね。
……そりゃ、「不法移民を追い出す」と主張するトランプ氏の人気が高まるわけだよ。
処理能力が追いつかない
で、冒頭のニュースだが、封鎖は一時的な措置だったようだ。
鉄橋は同州イーグルパスとエルパソにある。今月18日に始まった一時的な閉鎖措置が続く期間は伝えられていない。CBPは報道発表文で、越境する移民らの審査作業の支援に職員を差し向けるための措置とも述べた。
CNNより
この後、数日後に再び再開している。
メキシコにつながる鉄道路線、米政府が再開 移民急増で一時閉鎖
2023年12月25日午前 9:57
米政府は22日、米テキサス州とメキシコを結ぶ国際鉄道路線について、不法移民などの増加を受けて閉鎖していた2カ所の鉄橋を再開した。
米税関・国境警備局(CBP)は18日、メキシコからの移民の不法越境などが急増しているとして、テキサス州イーグルパスとエルパソにあるこの鉄道路線の鉄橋を一時的に閉鎖すると発表した。
これを受けて、鉄道や農業関連業界からは物流が停滞するとの懸念が浮上、米議会でも輸出に影響が及ぶとの声が高まった。
ロイターより
しかし、再開した理由が「輸入に影響が出る」というものだったというから、バイデン政権は何やっているのか。封鎖したり再開したり。結局、国境封鎖解除は移民増加を止めたからではないってことじゃないか。
米・メキシコ大統領、国境の取り締り強化必要との認識で一致
2023年12月22日午前 6:17
バイデン米大統領とメキシコのロペスオブラドール大統領は21日に実施した電話会談で、移民問題を巡り、米・メキシコ間の国境における取り締まり強化が必要との認識で一致した。米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が述べた。
ロイターより
「取り締まりを強化しようね」と、大統領同士の電話会談で約束しただけという、まあ、なんというか、バカバカしい展開である。
イーグル・パスの位置が上で、エルパソの位置は下に示す。
この辺りは、平野の続くところなので、リオ・グランデ川を挟んで国境線を決定しているイーグル・パスと、エルパソ、何れも入り込まれてしまうと止めることが難しい。
これは、エルパソの方の写真なのだが、こんな感じで開けている。なので、封鎖するためには鉄道橋を封鎖して鉄道を止めるくらいしか手立てがないんだよね。
ワシントンが答えを求めている中、米国とメキシコの国境での移民の急増により貿易が鈍化
12/20/2023 20:01
テキサス州イーグルパス、12月20日(ロイター)- 最近の移民の渡航増加に対応して当局が2つの交差点を閉鎖した後、鉄道会社とビジネスグループは米国政府に対し、テキサス州とメキシコの国境にある交易路の再開を迫っている。
ロイターがレビューした内部機関の報告によると、米国国境警備隊は月曜日に南西国境で約10,800人の移民を逮捕した。約40%が家族または同伴者のいない子供でした。
~~略~~
彼は、政府機関はエージェントと移民の安全を確保するために「利用可能なすべてのリソース」を使っているとも付け加えた。
Wellbullより
ところが、封鎖した時点から経済界からの突き上げがあって、利用可能なすべてのリソースを使って何とかしていると説明したんだけど、結果的に封鎖解除せざるを得なかったのが実情のようだ。
州兵出動の事態
「利用可能なすべてのリソース」の意味
さて、日本語でなされている報道は幾つか拾ったが、どの程度の話になっているのかはイマイチ理解出来ない。ところが、Xのポストにはこんなモノがある。
個人のポストのようだが、引用部分はテキサス州のアボット知事室の言葉を使っている。どうやら、出店はFOXニュースっぽいな。
映像には、テキサス州イーグルパスにあるBPの重要な作戦地域であるシェルビーパークへの米国国境警備隊の立ち入りをテキサス州兵が拒否している様子が映っている。
テキサス州軍省:「現在の態勢は、将来の不法移民の急増に備え、公園内やイーグルパス周辺地域で不法移民の通行を常態化させている組織への立ち入りを制限することだ。」
テキサス州アボット知事室:「テキサス州は引き続きテキサス州兵、DPS部隊、さらに多くの防壁を配備し、バイデン大統領が現在進行中の国境危機に対応するためにあらゆるツールと戦略を活用する。」
Mario Nawfal氏のポストより翻訳
やっぱり、州兵が出ているね。コメントの指摘は恐らくこのポストに関連する話なんだろうけれど、ここも後に触れることにする。
州兵は災害対策にも動員されるので、直ちに軍事的な衝突をイメージするのはちょっと困るが、国境の警備はかなり緊迫しているようだ。テキサス州兵が民間人に対して発砲したようなニュースもある。
米当局、移民対応にテキサス州兵1000人の追加動員要請
2019年7月9日 18:31
米国防総省は8日、南部テキサス州の対メキシコ国境から入国する移民への対応の支援のため、州兵を1000人追加動員するよう国土安全保障省(DHS)から要請があったと明らかにした。テキサス州では移民収容施設が「危険なほど過密」な状態で、中には1か月間シャワーを浴びられない人やソーセージのサンドイッチのみの食事で便秘に苦しむ人もいると報告されており、DHSに非難の声が上がっている。
国防総省の発表によると、税関・国境警備局(CBP)が対メキシコ国境を越える移民の数に圧倒されているとして、テキサス州兵が支援に当たれるよう認可を求められたという。
AFPより
これは2019年の記事なんだけど、州兵を数千人規模で動員して移民の流入に対応した話が書かれている。
米テキサス州兵が国境越しに発砲、メキシコ市民負傷 メキシコ外務省発表
2023.09.01 Fri posted at 09:57 JST
メキシコ外務省は、メキシコの領内にいたメキシコの民間人男性が8月26日、米テキサス州エルパソから国境越しにテキサス州兵に撃たれて脚を負傷したと発表した。
テキサス州によると、「ローンスター作戦」と呼ばれる州知事の国境警備作戦に配備されていた州兵が、「国境関連の事案」で発砲した。
CNNより
しかし、2023年9月にも似たようなケースが報道されていて、この時は発砲による負傷者が出たというニュースであった。
ただし、この時が初めてだったというわけではない。
ローンスター作戦に配備されたテキサス州兵は今年1月にも、同州南部のリオグランデバレーで誤って発砲し、移民を負傷させていた。
CNNより
散発的にこうしたケースが出ていて、これがテキサス州兵の練度の問題と捉えるべきなのか、常に銃を携帯しながら警備しなければならない事態であるという意味に捉えるべきなのかは悩ましい。
人権団体は訴訟の構え
ただ、多数の州兵が動員されていて、銃を持ち出して警備していることは間違いない状況で、そこまでしないと移民流入を抑制できないのだと言うことは分かる。
米南部州で移民逮捕可能に テキサスで法成立 人権団体は訴訟の構え
2023/12/19 12:57
米南部テキサス州のアボット知事(共和党)は18日、州機関による不法移民の逮捕や強制送還命令を可能にする法案に署名し、同法が成立した。来年3月発効の見通し。移民政策は連邦政府の専権事項とされ、移民に対し寛容なバイデン民主党政権は反発しそうだ。
産経新聞より
テキサス州知事といえば、グレッグ・ウェイン・アボット氏である。トランプ親派としても有名だ。
米テキサス州のアボット知事、トランプ前大統領への支持表明
2023年11月22日
米国テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)は11月19日、2024年米国大統領選挙の共和党候補として立候補しているドナルド・トランプ前大統領を支持すると、米国・メキシコ国境に近いテキサス州エディンバーグでの集会で表明した。複数のメディアが報じた。
JETROより
移民問題が深刻であるが故に、トランプ支持に回ったと言うことなんだけど、テキサス州知事が過激な方向に向くほど、移民問題は根深いモノがある。
なお、コメントでも指摘頂いたが、テキサス州兵は「最強」と言われ、一国の軍隊に匹敵するほどの実力と装備を持っていると言われる。
人権団体は州兵を使った移民排除に批判的のようだが、バイデン政権はこうした方針には反対らしい。
増え続ける移民
だが、そんな悠長に構えていて良いのかは疑問である。州兵ランキングのトップに君臨するテキサス州兵、そして、2位がカリフォルニア州兵、3位はペンシルベニア州兵であるとされている。
地理的に確認していただければ分かるが、1位と2位がメキシコ国境に接している州である。州兵が強い理由は他にも「南部」であるということも関係している。そう、アメリカの歴史を眺めると南北戦争(1861年4月12日~1865年4月9日)の影響が少なくない。結果的には工業地帯を有する北軍が勝利したが、その敗北を喫した記憶を南部はずっと持ち続けており、実のところテキサス州などは政府との仲が悪い。
そして、現バイデン政権は民主党で南部の混乱に目を配らないという批判がある。州兵として移民に対応しつつ政府の監視を行う兵力を保有する。それは兵士の練度を維持するモチベーションになり得るといえるだろう。
一方、移民を送りつけるメキシコ側の事情はというと。
メキシコ「高過ぎるペソ」の苦悩、景気底入れも移民送金目減りで内需の足かせに
2023.8.18 5:00
財輸出の約8割を米国向けが占め、GDP(国内総生産)の約4%に上る移民送金の大宗が米国からの流入であるなど、メキシコ経済は構造面で米国の影響を受けやすい。
ここ数年、米国を市場とする製造業企業は、米中摩擦の激化やコロナ禍、ウクライナ情勢の悪化を受けて生産拠点をアジアから米国周辺に移す『ニアショアリング』の動きをみせている。なかでもメキシコは米国と地続きの上、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)も追い風にし、海外からの投資流入の動きが活発化している。
DIAMOND Onlineより
ここ最近のメキシコ経済はかなり好調なのだが、特に「ニアショアリング」とよばれるアメリカの政策が影響して当面安定すると思われる。アメリカは巨大な消費を抱えている一方で、支那からの輸入に頼った脆弱性を抱えてしまった。
そこで、国内や近隣諸国に生産地を作ることで、不安定さを解消する方策をとっている。これの恩恵にメキシコがあずかっているというわけだ。だが、それ以外にもメキシコが重視しているものがある。それが、GDPの約4%に上る移民送金である。
アメリカに送り込んだメキシコ人労働者からの送金が、貴重な外貨獲得手段になっているわけで、このことが移民問題に影響していると考えられる。
もうキューバにはいられない… なぜ?!30万人の国外大脱出
2023年3月20日
日本が準決勝を戦うWBC=ワールド・ベースボール・クラシック。 もう1つの準決勝で敗れたキューバは、日本が優勝した2006年の第1回大会で決勝戦を戦った相手です。
実はいま、そのキューバの若者たちが、アメリカを目指して次々と島を脱出しています。その数、去年1年間で30万人あまり。キューバの人口は約1130万人ですから、たった1年で約3%の人口が消えたことになります。
NHKニュースより
ブラウニーは賃金数カ月分、インフレ率400% 混乱続くベネズエラ
2023年9月21日 18時00分
南米ベネズエラで、経済的な混乱と格差の拡大が続いている。独裁的なマドゥロ政権によってもたらされたインフレの最悪期は脱したとはいえ、2023年も物価上昇率は前年比数百%に上る見通しだ。国外に逃れる国民は700万人を超えた。24年には大統領選が予定されているが、政権は野党の有力候補を締め出している。
朝日新聞より
そして、キューバやベネズエラからの移民流入は止まらない状況であり、メキシコでは美味しいところを頂きつつ、余った人材はアメリカに送り込むというスタンスをとっている。
移民は増えるよね。
自然増でない可能性も
ただ、経済的混乱のあるキューバやベネズエラから移民がながれているだけ、という話ではなさそうなのがこの話の厄介なところ。
ルークビルを含むアリゾナ州ツーソンの国境警備区域で今月の最初14日間で拘束された移民らは3万7000人以上に拡大した。CBPによると、この急増ぶりは多国籍的な犯罪組織などが広める虚報が背景にあるとも指摘した。
CNNより
CNNが報じるように、多国籍的な犯罪組織がSNSなどを使って虚報を広めることで、移民がアメリカに向かっている状況があるようなのだ。
つまり、移民の急増は意図的であると考えられる。
上で紹介したように、「何故」かアフリカ諸国からの移民が紛れていたり、記事になっていないが支那からの移民が多数、観光気分で押しかけていたりと、おかしな話がかなりある。
アメリカへ“亡命”目指す中国人が急増? いったいなぜ?
2023年7月12日
「さらに多くの中国人がアメリカを目指すと思う」
こう話すのはアメリカへの“亡命”を目指し、ことし2月にメキシコ国境を越えた中国人の男性です。
ことしに入って5月までにメキシコとの国境付近で摘発された中国人は1万人超。 去年の同じ時期の17倍に上っています。
NHKニュースより
支那を脱出している、という分析をNHKニュースはしているのだが、おそらくは違う。
わざわざ支那からアメリカを目指す理由は、支那共産党が誘導している可能性がある。アメリカ経済を混乱させるための策略である可能性もあるのだ。実際に、これを誘導している犯罪組織は、支那共産党の息のかかった組織もあると聞く。
こうした動きがあるからこそ、州兵がピリピリしながら警備する事態になっているのだと予測できる。
ロン・ディオン・デサンティス
さて、コメントの要旨であった政府とテキサス州兵との対峙という話に最後に触れていくわけなんだけど、その前に1つ紹介したい男がいる。え?タイトルでバレている?
米大統領就任なら麻薬対策でメキシコに特殊部隊派遣、フロリダ州知事
2023.09.02 Sat posted at 17:20 JST
2024年の米大統領選への出馬を表明したデサンティス・フロリダ州知事は2日までに、当選すれば隣国メキシコに米軍特殊部隊を送り込み、麻薬密輸組織(カルテル)の掃討作戦を進めさせるとの公約を改めて表明した。
米アイオワ州での選挙活動で述べた。「カルテルが今のように支配権を握っているのを見るのは屈辱」とし、「米国を事実上侵略し、米国民を殺している」と断じた。
知事は最近実施された共和党の大統領選候補者を集めた討論会でも特殊部隊の派遣論を展開。関連の質問を受けて「就任の初日にそうする」とも主張していた。
CNNより
なかなか過激な発言ではあるが、このデサンティス氏、フロリダ州知事であることにも、この発言の意図がうかがえる。
フロリダ州はメキシコ国境に接してはいないが、海を挟んでキューバやバハマに接している。
連邦政府が保持する全ての能力を違法な薬物流入の阻止に投入し、デサンティス氏はこの目的達成のために全ての手段を講じるだろうとも述べた。
CNNより
残念なことにフロリダ州は合成麻薬汚染が激しく、オピオイド系の合成麻薬やカチノン系の合成麻薬が蔓延して問題視されている。というか、10年以上苦しんでいるのだ。
安価な合成麻薬「フラッカ」、低所得層にまん延 米フロリダ州
2015年6月26日 15:32
麻薬としては破格の安さで手に入る上、使用者を死に至らしめることもある強力な合成麻薬が米フロリダ(Florida)州で急速にまん延し、数十人が死亡する事態となっている。
~~略~~
州当局が今月発表したブロワード郡での麻薬乱用についての報告書によると、中国から少量ずつ郵送されたフラッカを麻薬ディーラーが分配している。複数の中国企業がフラッカを自宅へ直接送り届けるとインターネット上で公然と宣伝している。
AFPより
これは2015年の記事だが、マイアミゾンビ事件(2012年5月26日)と呼ばれる衝撃の事件と同じ系統の合成麻薬の話である。
こうした非常に困った事態があって、アメリカのいくつかの州では大麻を合法化に踏み切っている。日本はゲートウェイドラック理論が主流で、大麻の合法化には遠いところにあると思うが、アメリカの場合はそんな段階ではもはやなく、より安全な大麻を合法化に踏み切ったということなのである。
逆に言えば、長らく南部は移民問題と麻薬問題で苦しんできて、政府に不信感を抱いていると言って良いと思う。特にバイデン政権にはその不信感を増大させているといって良いだろう。
共産党員は軍事行動を促す
こうしたかなり危機的な状況がアメリカ国境付近では起こっていて、軍事的プレゼンスを高めたいという意図は、デサンティス氏以外の共和党員からも挙がっているようだ。
カルテルに対する軍事行動を促す共和党員はデサンティス氏だけではない。ただ、この問題の専門家は成果が乏しいカルテル対策へのいら立ちなどに理解を示しながらも、軍事手段に出た場合のメキシコとの間の外交摩擦への懸念にも注意を促している。
CNNより
しかし、バイデン政権の動きは鈍く、「やっぱり壁は必要かも」と言ってみたものの、具体的な建設の話は殆ど聞こえてこない。
州兵と政府との対立というのは、そういった部分においても生じうる話なんだと思う。
米国、メキシコ国境検問所を4日再開 不法移民が減少
2024年1月3日午後 3:33
米税関・国境警備局(CBP)は2日、メキシコとの国境にある検問所4カ所の業務を4日に再開すると発表した。高水準の不法移民流入が収まり人員に余裕ができたという。
~~略~~
米高官によると、メキシコ当局はここ数週間で取り締まりを強化し、移民を南部に移動させたりベネズエラへの強制送還便を再開させたりしている。
ロイターより
現在では若干状況が改善しつつあるけれども、核心は「テキサス州兵が連邦政府の税関・国境警備隊を武力排除」という話があったのか否か、ということだ。で、上で引用したポストの中身(動画)がその問題の核心であるように思う。
これは別の方のポストで、同じ動画を使っている。
ただ、動画を確認するとその内容は、単に政府系だと思われる車両がゲート前に来て、2台連なっているのでゲート内でUターンさせたようにも見える。
現場の混乱具合などを考えると、「ゲートが違うので他に行ってくれ」というやりとりがあったとしても不思議はない。
News U.S.さんのところは、テキサス州が国境警備隊を拒否した様なキャプションを付けているが、どうかなー。
残念ながら現時点で裏付けるだけの情報を他に見つけられず、核心部分の裏付けはとれなかったのだけれど、上で述べてきたように政府と州兵が対立する可能性はある。ただ、個人的には否定的な印象を持った。決定的な衝突事案に至れば、恐らく続報はあると思う。ただ、現時点で続報が見当たらない。それ故に、「ご指摘いただいたようなところまでは至っていない」と結論して良いだろう。
尤も、情報を絞っている可能性は否定できないので、暫定的な意見で申し訳ないのだけれども。
追記
記事を見直していたら「ローンスター作戦」について触れるのを忘れていたことに気がついた。軽くピックアップしておきたい。
米テキサス州、国境の川にブイ大量設置 メキシコ「主権侵害」と反発
2023年8月4日 12時00分
ビザを持たずに米国への入国を試みる人が大勢集っているメキシコが、国境を接する米テキサス州とのあつれきを強めている。同州が7月、国境を流れる川にブイを大量に設置して越境者を抑え込もうとしているためだ。メキシコは「主権の侵害だ」と反発し、米バイデン政権もブイの撤去を命じて州を提訴する事態になっている。
~~略~~
移民に強硬な姿勢を持つテキサス州のアボット知事は2021年3月、越境者を厳しく取り締まる「ローン・スター作戦」を開始。州内の私有地に入った移民を不法侵入の罪で逮捕するなどしている。昨年9月には、ビザを持たないまま米国に入って拘束された移民をバスに乗せ、民主党が強い首都ワシントンやニューヨークに送り、批判を浴びた。
朝日新聞より
ローンスター作戦は、国境の安全確保の措置として2021年3月にテキサス州が開始した作戦であり、作戦の方針を巡って知事と政府が対立している模様。
2022年9月にはカマラ・ハリス副大統領の公邸近くにバスで100人以上の中南米からの移民を移送するなど、「的確な成果」をあげている作戦でもある。ローンスターというとOINKを思い出してしまうのだが、かなり過激な作戦のようだね。
……うーん、確かに州と政府の対立は深刻なレベルにあるようだ。
コメント
木霊様ありがとう🥹
ガチで怯えて、木霊様に泣きついたのが真相ですので。いや「残念ながら」ではなく、「幸いにも」です。
過去投稿でバレバレすが、親戚には治安官が少なくないし、私の農場は米軍施設に近い。
アメリカ内戦になったら?シミュレートの漫画動画(紙芝居みたいの)企画を出していたら、ゲッ!となってガチでビビってたんですね。
さすがは木霊様で、ロジカルに
「まぁ、不法移民爆発は脅威だが、政府と地方政府が銃をむけあうような事態の痕跡は見られない」
という分析がしっくり来て、一安心いたしました。良かった🥹
木霊様、七面鳥様、Book樣
えと、あとご報告。
辺野古へ出稼ぎに行く事になるす!
近く。別に食い詰めた訳でなく……てか、
今でも妻と妻の一族農園のヒモみたいなものですから、自分で小遣い銭稼いで気楽なのですが。配信関係で少しおおきくやりたいのですよ。運営になって!
その初期軍資金に300万ほど見ているのですが、その金が欲しくなったです。
高給取りの妻と妻の一族から出してやると言われましたが、ビジネスとしてやる以上、最初の回転資金は自分の体を張って稼がないとダメです。
年に一度、一月は帰還することを条件に、最大2年まで行かせてもらう事になる。あそこは出入り業者は入札ゆえ、書くと社名が特定されるので業種は伏せます。そこで、以後、投稿が激減するかも知れませんが、木霊様推しは変わりません。
七面鳥樣)チベット、冒頭しか読んでないけれど、引き込まれました。全部を読んて、いずれ、きちんとした感想をカクヨミ側に書かせて頂ます。
色々と親切にありがとう。
Book樣)結局、私が信仰問題で貴兄の良心を傷つけてしまったのが、コメ離れさせてしまったようです。
陳謝いたします。
私も過去に、木霊様に紹介したブログにまで出張られて匿名氏に、あること無い事を書かれ誹謗中傷された事があり、
(その他ブログ主は匿名の言う事を却下した)匿名てある事を使って何度か絡まれているので、先だってトラブルに至ったのてすが、その事より、Bookさまにどんだけ不快な想いをもたらしたか、大いに想う事あり、ここに陳謝いたします。
最後にBook樣がもしも復帰さへたならば、山童が謝罪していた件をお伝え下さい。
以上、当面は辺野古へ行く前の身辺整理があるので、投稿を控えます。
あそこで現地の事をこのブログに報告てきると良いのですが、守秘義務で厳し。
そこで、今でも「公表されるコメ欄」ではなく、「木霊様の個人宛の私書箱」の
投稿欄は既存ていますか?
前のプロバイダの時は、ホットラインにになる私書箱が存在しましたが?
「守秘義務違反にならない範囲」ですが、こっそり私信できれば思います。
現場での見聞は不可能ですが、外出時に私人として見聞できた事のうち、建設と関係ない部分なら書ける可能性もあります。台風の災害状況とかね。
では。
ご武運を、と言いますか、ご安全に、と言いますか。
この場合、左翼もですが、一朝事あらば最前線と化す沖縄ですから、ゆめゆめ嗅覚は鋭くされていらして下さい。
無事なご帰還、お祈り申し上げます。
※ご帰還までには、小説、仕上がってますでしょう。
そうでしたか。
十分に時間を取れなかったこともあって、今少し情報を集めている最中でありますが、多少なりとも気休めになったのであれば幸いです。
辺野古辺りに行かれるのでしたら、十分にお気を付けください。
私書箱という程ではありませんが、本ブログにも問い合わせ先という形でのメールフォームを設置してあるので、安全な範囲内でご利用頂ければと思います。
こんにちは。
国境と不法入国問題、母なる海に守られた島国、蓬莱に住んでいるとピンと来ませんが、地続きの国は例外なくこの問題がありますよね。
某南北みたいに、国境線に地雷埋めて一定間隔で監視所置くわけにも行きませんし。
バイデンは、この件に関する限り後手後手のダメダメで、「やっぱ壁作る」って言い出した時は「本気か?本気で本物のボケ老人か?」って思いました。
だったら最初から継続しとけと。
メキシコも、アメリカの仕打ちにご立腹みたいですが、そもそもお前の国から人出すなって話なので、困ったもんです。
欧州の、アラブ系移民に比べると、まだキリスト教系な分だけ救いがある、のかな?
>人権団体は州兵を使った移民排除に批判的
「人権団体の金の流れを調べろ」かな?七面鳥が東側なら、三つくらいペーパーカンパニー通して援助しますね。カネだけ出しておけば勝手に反政府運動してくれるなら、安いもんですから。
こんにちは。
なかなか厄介なことですが、国境問題はどこの国も抱えており、特に陸続きの国は大変であるように思います。
日本人にはなかなか理解出来ない感覚というのは、北欧に出向いた友人の談でありましたが、おそらくはその真意を真に理解出来てはいないのでしょう、未だに。
南米で反政府運動が盛り上がっているようですが、それは別の記事で言及させて頂きました。