日本にも来たね、コイツ。
中国の偵察用気球か アメリカ本土上空で飛行を確認 米国防総省
2023年2月3日 15時14分
アメリカ国防総省は、中国のものとみられる偵察用の気球がアメリカ本土の上空を飛行しているのを確認したと明らかにし、アメリカ軍が警戒監視を続けています。
NHKニュースより
アメリカは、「支那のスパイ気球だ」と断定した様だね。
高高度から気球で偵察か
確証は、恐らくある
さて、支那はアメリカの断定にいたくお怒りのようだが、アメリカには確証があるのだろう。
国防総省は、こうした気球の活動について過去数年間で複数回、確認しているということで、アメリカ政府は中国側に対し「事態を深刻に受け止めている」と伝えたということです。
NHKニュース「中国の偵察用気球か アメリカ本土上空で飛行を確認 米国防総省」より
過去数年間で複数回確認している、と、アメリカ側はそう言っている。

何処かで見たことのある様な気球ではあるが、それはさておこう。
米上空の偵察気球巡る問題、憶測控えるべき=中国外務省
2023年2月3日5:30 午後
中国外務省の毛寧報道官は3日の記者会見で、中国のものとみられる偵察用気球が米本土上空を飛行している問題で、事実が明らかでない段階で憶測したり大げさに取り上げたりすべきでないとの見解を示した。
ロイターより
支那外務省に、上からの情報が知らされていないことは良くあることなので、こうした発言をいちいち気にかけている意味は薄い。
取り敢えず否定したくらいの話なのだろうね。
日本でも過去に
なお、似たような気球は、日本上空でも確認されている。
正体は気象観測用気球? 消えた「謎の飛行物体」が残した課題
2020/7/2 06:00
あれは気球か、気象観測機器か、それとも…。仙台市上空で6月、正体不明の白い球体が確認され、大きな話題を呼んだ。半日ほどで見えなくなったが、誰が何の目的で飛ばし、どこへ消えたのか。「謎の飛行物体」の正体を追うと、思わぬ安全保障上の「盲点」も浮かび上がってきた。
産経新聞より

コイツも、当時それなりに騒ぎになったが、気象観測用の気球「ラジオゾンデ」じゃないか?という憶測も飛び交っていた。
更に、2021年にも。
青森上空に白い球体 「正体不明」と気象台
2021/9/5 19:40
青森県八戸市の上空で3日早朝、白い球体が浮かんでいるのを住民らが見つけたことが5日、分かった。仙台管区気象台は「正体は分からない」とし、発見時間を踏まえれば、気象庁の観測機器である可能性は極めて低いとしている。宮城、福島両県の上空でも昨年6月、白い球体が見つかり騒動となっている。
産経新聞より
ただ、「正体不明」とは言いつつも、その正体について言及した人は居たようだ。

こちらの記事は、引用がちょっと面倒だったのでリンクだけ貼っておくが、アメリカの科学イベントでアマチュア無線機を搭載した気球を飛ばし、その飛行記録と合致するという内容が記されている。
こちらの記事では、2019年に鹿児島市上空を通過した気球がいて、こちらはアメリカで今回確認された気球と同じではないのか?と推測している。
世界各地で確認
ちなみに、こうした偵察気球は世界各地で目撃されているようだ。
アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは国防総省の関係者の話として偵察用の気球は中国からアリューシャン列島、そしてカナダの北西部を数日間かけて移動し、モンタナ州に到着したと伝えています。
また、ワシントン・ポストは情報機関の関係者の話として、同じような気球が以前、ハワイとグアムの上空でも目撃されたとした上で、気球には誘導装置が搭載されているとの見方を伝えました。
NHKニュース「中国の偵察用気球か アメリカ本土上空で飛行を確認 米国防総省」より
アメリカ本土だけでなく、ハワイやグアムでも確認されているようだ。
カナダ国防省は2日、偵察用の気球がカナダ上空を飛行しているのを確認したと発表しました。
アメリカ軍とカナダ軍でつくるNORAD(ノーラッド)=北米航空宇宙防衛司令部が気球の動きを追跡しているということです。
NHKニュース「中国の偵察用気球か アメリカ本土上空で飛行を確認 米国防総省」より
カナダでも確認されているのだとか。これが、アメリカで報じられているものと同一個体かどうかは不明だが、恐らくは同一の個体なんだろうね。
何れのケースでも迎撃には至っていない模様。アメリカ空軍は、F-22戦闘機を飛ばしたらしいのだけれど、撃墜した結果、地上に被害が出る可能性もあって、脅威レベルが低いと判断したようだ。
実際、人工衛星で観測するよりも、得られる情報は少ないとされていて、一体何の目的で飛ばしているかはハッキリしない。上空を飛ばれるだけで気分が悪いのは間違い無いので、挑発目的ということも考えられるが。
追記
中南米にも発見された模様。
「中南米にも中国の偵察気球」 米国防総省が声明を発表
2023/2/4 11:42
米国防総省のライダー報道官は3日、米領空を飛行中の中国の偵察気球とは別に中南米でも「中国の偵察気球が通過中だと判断している」との声明を発表した。気球の詳しい場所は判明していない。
毎日新聞より
へー。
アメリカ上空に飛来の偵察気球、中国政府「民間の研究用が風の影響で航路を外れた」
2023/02/04 00:00
米国防総省高官は2日、中国のものとみられる偵察用気球が米領空を飛行しているのを確認したと明らかにした。軍事的な機密情報を収集する狙いとみている。バイデン大統領に報告され、モンタナ州上空での撃墜も一時検討されたが、破片の落下を恐れて見送られた。中国政府は、民間の科学研究用だと主張している。
~~略~~
中国外務省は3日夜、サイト上で、気球が中国のものであると認めた上で「民用の気象などの科学研究に用いるもので、偏西風の影響で予定の航路を著しく外れた」と主張。「(気球が)不可抗力の原因で誤って米国に入ったことに遺憾の意を伝えた」とも言及した。
讀賣新聞より
へー。
そもそも、支那において「民用の気象などの科学研究用」って、あり得るのかな。なかなか支那外務省の発表内容としてはシュールである。
アメリカ上空で確認された気球は、下部にソーラーパネルと駆動用のプロペラを備えていて、ある程度は任意のコースを飛ぶことができるのでは?と推測されている。ただ、予定外に強い偏西風などの影響を受ける可能性はあるので、コースを外れたということは考えられる。
が、本来であれば、コースを外れてアメリカ上空を通過する旨、連絡をするのが普通の感覚だと思うのだが、それをやらないのが支那なのだ。かなり目立つ気球なので、偵察目的で飛ばしたと言うのは説得力にかける話ではあるが、発見された時にどのような行動を取るのかというデータ収集目的であれば、可能性はあるだろう。
対策が打たれなければ、今度は平気としての運用ということも視野に入れてくるかもしれない。尤も、航路のコントロールは難しそうだから、現実的に戦略に組み込むことは考えにくいんだけどね。
コメント
この手の気球がどの程度まで上がれるものなのか。F22というか、航空機全般では届かない高度に浮いてた可能性も。一足飛びに宇宙に到達しちゃったことで忘れがちではあるんですが、成層圏より上の熱圏とか、大気の上層の方は意外と行き難い未知の領域ですよね。
それこそ弾道ミサイルでもブチ込むしかないのか…こういうの落とすのにレーザー(メーザー)だったりレールガンだったりが使えたら便利かもですな。
記事に書き忘れたのですが、領空の概念が通用するのは高度100㎞までと言われています(諸説あり)。
今回の気球は「民間の飛行機よりもはるか高高度を飛行」としか表現されていないので、一般の民間機の平均高度8km~12kmがその高度だとすると、20㎞以上の高度を飛んでいたと予想されます(ラジオゾンデの高度は30㎞程度にもなるようです)。
そうすると、今回のケースで言えば領空侵犯だという事になるでしょう。
一方、F-22戦闘機の実用限界高度は15,240m程度とされているので、F-22での撃墜はご指摘の通り、難しかった可能性はありますね。
ミサイルで撃墜できる高さなのか?という問題もさることながら、迎撃して落ちてきた時のことを考えると、下手に手を出すわけにはいかないという判断も頷けるのですが、不快ですよね。レールガンやレーザー兵器は必要になるんでしょうかね。
おはようございます、
このニュースは米国で大きく取り上げられていてます。
中国は自国の気象観測気球と主張し、
米国は中国の「軍事偵察機」と認識しているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=SFrfvmxdGqc
気球で観測……なるほど。低コストですが。推進能力が無ければ思うように観測できないし。太陽電池とかで動く推進力とかあるんですかね?
どの程度の実用性があるのか?
なんにせよ不快な話ではありますね。
気球というと牧歌的なイメージで、旧日本軍の気球爆弾のケースあるので、あまり実用的とは思えず、虚を突かれた感じです。
木霊さま 名六さま 山童さま 皆さま こんばんは
米国がこの手の兵器の脅威に始めて晒されたのは、日本の風船爆弾@WW2ですね。
で風船爆弾、名前からも竹槍で空を突くがごとき精神勝利ジョーク兵器な先入観がありますが結構なハイテク兵器で約9000発が発射され米国で確認されたのが300発強、火事を誘発して数人の死傷者を出したらしい。、、、ですが
注目すべき点として、米国ではBC兵器や有人スパイ兵器の疑いから「撃墜を禁止」「細菌兵器部隊が処理」「付近の探査」「情報統制」等、直接的な戦果は少なかったもののハラスメント兵器としての後方攪乱・米兵リソース消耗の関節戦果は多大であり当初目的は達成した兵器との評価もあるとの話も。
で、こっから妄想1
シナとしては今回は上手くしてやったり。
・米国の風船兵器は撃墜しない「ドクトリン」は現在も生きていることが確認できた。
・各国上空への侵入テストに成功、米国に「怒り表明させ」テヘペロしたため、このあと西側は同じテストがやりにくい。
妄想2
・風船は、桁違いの低コスト/小型で、普通の戦闘機で撃墜できない30km以上の高度まであげられる無人機(ドローン)
・日本は風船爆弾の伝統?かは判りませんが、ブーメラン気球
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsass1969/25/281/25_281_268/_pdf
とう、ラジオゾンデ用ですが、この分野先進技術保有国です。
・風船自体使わなくてもドローンのローンチ、SF的妄想では補給基地
・実はSF的妄想においては、バルーンは「カニの泡」「緩衝用のプチプチ」みたいなもので構成されるので撃ち落とすのは容易じゃない。
なのでこの間も話題に出た敵の偵察、防空妨害用の計3種の弾頭
https://annex2.site/20230119-1/
の、子・孫ドローンとして、戦闘空域に数千~数万ばらまき、しつこいですが、
日本で言えばフジクラの5G中継基地局ハード
https://www.youtube.com/watch?v=MpCKpPs8IyI
と、IRセンサ他一式積み込んでも大した重量でなくしかもこれらで
戦闘域の合成開口レーダー、秘匿通信、敵レーダー欺瞞、etc 戦場ITの中心ともなりうる、今後スウォーム戦術が主流になるならかかせない兵器になるのではと、
木霊様 BOOK様〉
なんか返信機能が作動しないので、これにて失礼を。
なーるほど……なんですね。プチプチ型や
ネバネバ型素材でバルーンを作れば、たしかに通常弾ではうち落とせないかも。
んで、そのフワフワが戦闘機や誘導弾での効力が薄い高度にバラ巻けば、スパイだけでなく、誘導弾の誘導や、ハッキングに役立ちますねぇ。低予算で。
ローテクって、こういうハイテクの補助として役立つんだ……と感心しました。
しかし、やられる側視点では厄介な代物。なら「やる側」として利用したいものですね。まぁシナは自分のやってる事をされるとスグにキレる国だから、それだけ効果的とも想うんですね。キレやすく臆病な国ですから。ただ、そういう国は異国より国内が重要視されるもので、
実際、人民解放軍より公安や武装警察や監視システムなど、国内治安の方が軍事より金かけてます。そういう国で領土内に和製バルーン飛ばすと、マジギレして何をしでかすか解らない。そこが一抹の不安でもありますが。ただ、あの国は嫌がる事をやるのが、一番、舐められない手であるんだよなぁ。
山童さま 木霊さま 皆さま こんにちはは
>そういう国で領土内に和製バルーン飛ばすと、マジギレ
前にあげたブーメラン気球とは、ラジオゾンデを前半偏西風にのせて太平洋側に飛ばし後半偏東風にのせてリターンさせるものですが、制御逆にすれば半島や大陸に飛ばした後リターンすることが可能なわけですが、、今回のことで米中の激非難合戦になっちゃったので「ゴメン制御ミスったテヘペロ」がやりにくくなったのが痛いですね。
>なーるほど……なんですね。プチプチ型や
>ローテクって、こういうハイテクの補助として役立つんだ……と感心しました。
これ妄想と言いましたが記憶朧げな古めのSFの描写なんですよね。でコロンブス卵的なローテクで言われりゃすぐ出来すぐ応用利きそうなところが...実は嬉しくない…何故かと言うとコレにナノテク・バイオテクのエッセンスを振りかけると、生理的嫌悪感を催すようなディストピア型未来戦闘の描写(ロボット飛蝗の戦いとか、、以下自粛)
そこまで行かない範囲で個人的にスウォーム戦、バルーン戦闘の状景を想像します。
例えば100×100kmの戦域に100×200=2万機のバルーンを放つと0.5~1kmに1機のバルーン。敵味方入乱れると数100mに1機のバルーンが見えない高空を埋め尽くし、こいつらが欺瞞通信・衛星・レーダー・地磁気・IRセンサ等でバカし合い、空を埋め尽くす。
こうなると戦域ではノン・インテリジェントの素朴なレーダー・通信機・GPS等はまともに機能せず、ハッカーやAIが介入する高度なインテリジェント電波機器しか頼れなくなる。
すなわちスウォーム戦てのは、某ロボットアニメのミノ粉ほどじゃないけど正にドロ試合のディストピア的戦闘となる予感。