そういえば、と思い出したのはこちらのニュースを目にしたからだった。
政府 有事に備え空港や港の整備必要 南西諸島を中心に選定へ
2023年9月17日 7時35分
政府は防衛力強化には自衛隊や海上保安庁が有事の際に活用できるよう、空港や港の整備をしておく必要があるとして、南西諸島を中心に選定作業を進めた上で、管理する自治体などと協議を行うことにしています。
NHKニュースより
どこかの新聞が「軍靴の音ガー」とか言い出さないか探してみたのだけれど、今のところは見当たらない。ただ、このニュースは個人的には「防衛力強化」という意味で意義が大きいと思う。
まあ、国内ニュース、それも岸田氏の関連のニュースを扱うと、日本ではアクセス数が減る傾向にあって、このブログでも例に漏れずアクセス数が低い(何故か普段より3割は減ってしまう)。このステルスっぷりは、何なんでしょうな。
それでも記事にしちゃうけど。
岸田氏の実績はこれから?!
防衛力強化の方針
さて、岸田氏は「何もしない政治家」という印象が強いのだが、案外やっていると思う。外交もそこそこ成果が出ているが、内政の面でもそれなりに力が発揮されている部分がある。
前回、随分とこき下ろした手前、「何を言っているんだ」と言われるかも知れないのだけれど、この2点についても、とある方が「位打ち」だと評されていた。ちょっとは反省したけど、この時点での感想を含むと言うことでご了承頂きたい。
要は二階氏や公明党に、「支那との支那を取り持ってくれ」「やっぱり国交省は公明党の指定ポストだよね」と言っておいて、出来ない事が分かってから「やーい、やっぱり出来ないんだ」とやったのだという。岸田氏は、この手の人事がお得意らしいね。
ただ、真偽は不明である。あくまでその可能性があるよ、という程度の話だ。
去年策定された「国家安全保障戦略」に基づき、政府は有事に備えた公共インフラの整備や拡充を進める方針で、8月、初めての関係閣僚会議を開き、具体的な検討を始めています。
公共インフラのうち、空港や港については整備したい施設を「特定重要拠点」に指定し、自衛隊機や海上保安庁の巡視船などが発着・入出港できるように、滑走路の延長や岸壁の改良工事などを進める方針です。
NHKニュースより
今回のこのニュースでも、公明党は反対できない。国交大臣のポストを貰ったところで、政府の方針には反対できないのである。
どう考えても公共インフラを整備という点について、「自衛隊機や海上保安庁の巡視船などが発着・入出港できるように、滑走路の延長や岸壁の改良工事などを進める」などと報道したら、サヨクの方が顔を真っ赤にして怒りそうなものだけど。
石垣港に米掃海艦入港予定に反対する市民が声明
2023年6月7日
新港地区に「PAC3」が配備されるなか、今度はアメリカ海軍の艦船が、入港する予定があることが分かり市民からは「戦う準備に他ならない」と抗議の声が挙がっています。
琉球朝日放送より
この程度の事で反対を叫ぶって意味が分からない。
防衛力強化の意味
とまあ、冒頭のような「防衛力の強化」という話が出てきたのは今に始まった話ではない。この辺りがステルス岸田の面目躍如というか、「良くやっているな」と思う次第。
反面、解りにくいので賛同も得られにくい気がするが。
岸田首相「防衛力強化が外交の説得力に」 記者会見
2022年12月16日 15:00 (2022年12月16日 19:50更新)
岸田文雄首相は16日、首相官邸で記者会見した。閣議決定した国家安全保障戦略など防衛3文書について説明した。「防衛3文書とそれに基づく安全保障政策は戦後の安全保障政策を大きく転換するものだ」と述べた。
日本経済新聞より
この時点でも、ミサイルによる反撃力の獲得に関して随分と騒がれていたが、しかし本命はそこではない。
防衛費は23~27年度の5年間の総額で43兆円に増やす。現行計画の1.5倍に相当する。27年度には公共インフラや科学技術研究費など国防に資する予算を含めて現在のGDP比で2%に近づける。
日本経済新聞より
この時点でも公共インフラの強化という視点がきっちりと含まれていた。
つまり、見た目で分かり易い兵力増強という方針の他にも、兵站の強化が出来るように公共インフラの改修にも力を入れるという防衛力の強化にこそ力点が置かれていたことが解る。
そして、おそらく公明党はこの方針を呑まされている。
港湾整備計画
実際に、この計画を推進するためには国土交通大臣の認可は不可欠で、そういう方針で計画が進められている。
空港・港を有事に備え整備、戦闘機や護衛艦対応…政府計画原案
2023/08/24 05:00
防衛力強化に向けた政府の「公共インフラ(社会基盤)整備計画」の原案が判明した。全国約40の空港・港湾を対象とし、沖縄県の与那国島の新たな港湾整備や宮古島の宮古空港の滑走路延長などを挙げた。台湾有事などの不測の事態に備え、防衛や国民保護を目的とした利用を推進する狙いがある。来年度予算に関連費用を盛り込む方向だ。
~~略~~
昨年12月に改定した国家安全保障戦略では、「防衛力の抜本的強化を補完」する取り組みとして、公共インフラ整備を推進し、総合的な防衛体制を強化する方針を掲げていた。
讀賣新聞より
で、この話が通っていたのだとしたら、国土交通大臣の交代というのは寧ろ悪手ということになる。寧ろ、残留させたからこそ「約束だから進めようか」という話に繋がる。
……あくまで推測であることに、留意願いたいが。
「特定重要拠点」とする空港や港はいわゆる「台湾有事」を念頭に、沖縄県の離島など南西諸島を中心に指定する方向で、選定作業を進めることにしています。
政府は選定にあたって、施設の管理者となっている自治体や港湾管理組合などとの間で協議を行うことにしています。
NHKニュースより
で、岸田氏が果たしてそこまでのビジョンがあったか?という点についてはさっぱり分からないが、分かっていてやっているのだとすればなかなかの策士である。
相変わらず、国連ではSDGsがどうとか、核兵器の削減とか寝ぼけた事を言ってはいるが、実際の国防費もGDP比2%という水準にする話に向かっていて、「大幅増だ」と騒いでいるメディアもあるが、そこまで大騒ぎになっている感じはしない。
概算要求114兆円超に 過去最大 防衛費や社会保障費が増加
2023年8月31日 19時58分
来年度=令和6年度の国の予算案の概算要求が31日締め切られ、防衛費や社会保障費の増加を反映して、要求総額は一般会計で114兆円を超え過去最大です。
NHKニュースより
昨今は、メディアが岸田氏個人を叩く方向に推移していて、結局、懐刀としていた木原誠二氏を失ってしまった。が、防衛大臣に木原稔氏を採用して、こちらの方面の強化を図る方針のようだ。
あとは、外務省マターなのだが……。
外務省は、OSA=「政府安全保障能力強化支援」という、価値観を共有する他国の軍に防衛装備品を提供する取り組みに21億円を要求しています。
NHKニュースより
これもまた興味深い予算である。そういえば、外相には「鉄の女」と呼ばれる川上氏が採用されていたね。この先に退役したF-15JのPre-MSIP機から取り出したF100エンジンの輸出がある。これもしっかりやって欲しい。
「増税メガネ」などと呼ばれているが、実際に増税を決定した事実はないのが岸田氏である。今後も色々言われるのだろうが、僕自身は実績で評価したいなと思う次第。特に、今回のこの方針はきっちりと実績として実現して欲しいところ。
え?最近「期待が持てない」って書いたばっかりだって?
内閣改造はねぇ。
コメント
こんにちは。
とりあえず、空港にブンカーいっぱい作りましょう。
大型機も入れて、ブンカーバスターで抜けない奴。
台湾有事の際、真っ先に狙われるのは駐機中の航空機と停泊中の艦船だそうですから。
※アメリカのウォーゲームでそういう結果(初期被害の相当数がこれ)が出たそうで。
ブンカーって何かと思ったら、ドイツ語読みのUボートを守る港湾施設ですか。
日本語だと掩体壕と書くアレですね。シェルターの方が通用しやすいかも知れませんが、一般的にはなんて言うんですかね。
しかし、確かにウクライナでもドローンによる被害が深刻なようで、何らかの施設はあってしかるべきですよね。
すみません、身近なところで「ブンカー」で通じてしまうので……
せめてバンカーにしておけばよかったですね(違
岸田首相が防衛力整備計画を粛々と進めていることは大変喜ばしいことですが、それって大元は安倍政権でつくられた防衛力強化プランでした。しかも、米国が岸田首相に実施を促したらしいです。
日本側の問題といえば、例の財〇省がこれまで防衛力整備に難癖をつけても、予算をつけなかったことでしたが、米国から督促されたんで予算がついたんでしょう。
なにはともあれ、防衛力強化プランが活かされてよかったです。
安倍政権の時は、なかなか実現できずに「防衛計画整備」という流れで兵力増強が主な所でしたから、安倍政権時のプランといえばそうかも知れませんが、ここまでやれたのは岸田氏の手腕かなと。
アメリカからの突き上げがあるのも事実なんでしょうが、それを加味しても、岸田政権が実行した事実はあるわけで。そこは評価しましょうという話です。
逆に言えば、それが認められるほど危機が迫っているともいえるんでしょうけれど。
たとえ米国に説得されたとしても、最終的に政策としてまとめ、財〇省から予算を引き出すことに成功したのは岸田首相ですから、その尽力を評価します。
あとはその尽力が尻切れトンボにならないことを願っています。それから言っておきたいことは、防衛費増額分を一般会計枠内で賄えないのであれば、新税ではなく国債で賄うべきということでしょうか。
岸田氏、今のところいい仕事している感じはするんですよね。
ちょいちょいおかしなことを言っていますが、成果を出してはいますから。
危なっかしいところは、なんとかして欲しいところ。
>岸田氏、今のところ良い仕事,,,
私もそう考えていた時期がありました。「LGBT、対韓譲歩」までは、、、
路線を大外から見るなら下コメ「緑の鳥」さんの仰る安倍さん路線を踏襲してるので、以外と良い仕事に「見える」
だけど個別事案の「選択・決定・実行」の過程は、
まるで「プー&くまのプー」 何考えての決断かわからない。
木霊さんのような洞察働かせないと、、それさえ正しいかどうか
民主主義の手続きを無視・あるいは隠す。木霊さん命名の「サイレント岸田」は言いえて妙。立憲民主じゃないけど「説明責任や民主手続きをつくしてない」
だから「ザイムかアメリカ民主党の傀儡なのか?」という疑心暗鬼を生む。
まあ安倍・菅さんがスゴすぎたので贅沢になってるのかもですが、(立憲民主の要求する説明責任は要らないけど(笑)は果たしてもらわないと いつまでも
「ちゃんと説明してもらわないと信用できない」
のが今の岸田首相への最大の不満ですね。
ついつい穿った目で見てしまうのですが、安倍政権の時に蒔いた種を岸田政権が刈り取った。。。
先を見通して種をまく、出来たものをただ刈り取る。
私なら前者を評価します。
そして無能な者は批判さえされない。
なるほどそういう考え方もありかな。
僕はある程度岸田氏を評価していますが、確かに刈り取るだけの楽なお仕事という見方もできますね。
そのうち、みんなで評価できる日が来ることを期待していますよ。
報道によると、今年7月11日に海保警備艇が尖閣沖合のEEZ内で、支那国家海洋局が勝手に設置した海洋調査ブイを発見した。
https://pelicanmemo.hatenablog.com/entry/2023/09/19/211500
2か月以上経って、今月19日に官房長官がその事実を公表したのだが… その支那のブイが撤去されたとの官房長官の言質はなかったのだ。これは重大な安保問題だろう。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230919/k10014200491000.html
もし今もそこにあるなら、尖閣諸島から80km離れた海域にアンカリングされていると。
地図でその位置をみると、その実態は支那海軍のための台湾包囲戦用マーカーなのでは?などと想像させられる。
岸田政権は、新防衛相は、コレをどう分析し、どう対処するだろうか?
おー、コメントいただいていましたね。
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