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支那の権力構造を象徴する前首相の死去

中華人民共和国ニュース
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こ、これは。

中国の李克強前首相が死去、68歳…突発性の心臓病発症

2023/10/27 09:35

中国中央テレビは27日、 李克強前首相が亡くなったと報じた。68歳だった。

讀賣新聞より

何というか、大丈夫なのかコレ。

支那の政策が変わる予兆か、変化を嫌う意思表示か

若くして心臓発作で

死因は心臓発作ということらしいが、何とも評価し難い。

当然ながら日本側からも官房長官がコメントしているけれども、そこそこ評価しているという雰囲気を出している。

中国・李克強前首相の死去に「日中関係に重要な役割。ご冥福をお祈りする」松野官房長官

2023年10月27日 金曜 午前10:31

中国の李克強前首相が死去したことを受け、松野官房長官は27日午前の会見で、「日中関係において重要な役割を果たした」と述べ、哀悼の意を表した。

中国の国営メディアは27日、李克強氏が上海で心臓発作のため死去したと報じた。68歳だった。

FNNプライムオンラインより

えーと、何だろうな。一時期は李克強が次期主席に最も近いと言われていたし、首相の職を勤めていた時期にはかなりの手腕を発揮していた。

李克強氏、静かに首相退任 習氏に嫌われた秀才―中国

2023年03月12日07時10分

中国の首相を10年間務めた李克強氏が11日、全国人民代表大会(全人代)での後任首相選出に伴い、退任した。李氏の名前を冠した経済改革「リコノミクス」が国内外で注目され、李氏は当初、習近平国家主席より目立っていた。だが、習氏が権力基盤を固めるにつれ李氏の影は薄くなり、最終的に習氏により最高指導部から追放された形となった。

時事通信より

ところが、その有能さが支那皇帝の習近平氏の機嫌を損ねる。殊、経済においては習近平氏よりもよっぽど有能だった李克強は、支那経済の破綻の音が聞こえだしていることを正確に言い当て、これが不味かったようだ。

大事件

時事通信の記事にはその辺りの話が言及されている。

歴代の中国首相にとって最重要任務は、国民生活に直結する経済運営だ。「大事件」が起きたのは16年5月。党機関紙・人民日報が、李氏の経済政策を厳しく批判したと受け取れる匿名インタビューを掲載。「習氏が自身の経済ブレーン劉鶴氏に書かせた」とささやかれた。この後、李氏は徐々に「習・劉」ラインに経済政策立案の実権を奪われていった。

習氏による「李氏外し」の背景にあったのは、エリート扱いされていた共青団出身者に対する強い嫌悪感だ。習指導部は共青団を「官僚化、貴族化、娯楽化している」と断じ、出身者を人事で冷遇した。

時事通信より

何というか、余計なことを言うと、支那では出世できないらしいね。

習近平氏が首脳部にイエスマンしか残していないとは言われているんだけど、まさにそれを証明するような事件であった。

その後、李克強は別の道を行こうとして、権力の座を追われていく。

一時は頂点に立つと期待された李氏は、習氏の「一強」体制が確立していく中で不遇の2期10年を送った。今月5日の全人代開幕式で、最後の政府活動報告を読み上げた李氏の姿は弱々しく、就任当初の輝きは完全に失われていた。

時事通信より

胡錦濤氏の愛弟子だとも言われていた李克強だが、胡錦濤氏が権力の座を追われる象徴するような事件があっただけに、後ろ盾を失った李克強が権力の座から去り、この世も去ってしまった。

胡錦濤氏の退席めぐる謎、新たな映像で深まる 中国

2022年10月26日

中国・北京で先週開催された共産党大会で、胡錦濤・前国家主席(79)が途中退席を促された件をめぐり、劇的な一幕の前に何が起きていたのかを示す新たな映像が浮上した。

映像では、胡氏の左側に座る栗戦書氏が胡氏からファイルを取り上げ、胡氏に話しかける様子がはっきりとわかる。栗氏は最高指導部の政治局常務委員で、今期限りで引退する。

BBCより

なんというか、愛弟子を失った胡錦濤氏も哀れではある。

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相次いで高官が交代

今年に入ってから、支那では権力構造が大きく変化していく。いや、変化はおかしいな、組み替えられていくというべきか。

中国、ロケット軍トップ2を同時交代 異例の人事

2023年8月2日 18:08

中国人民解放軍で核・ミサイルなどを運用する「ロケット軍」の司令官と政治委員が交代したことが分かった。トップ2の役職を同時に代えるのは異例だ。軍機関紙の解放軍報が1日、伝えた。

日本経済新聞より

これが8月の話である。

中国が李国防相を解任、外相に続く主要閣僚交代-政権の安定性に懸念

2023年10月24日 21:09 JST 更新日時 2023年10月24日 23:37 JST

中国の李尚福国防相が更迭されたと、国営中央テレビ(CCTV)が伝えた。後任は明らかになっていない。景気回復が低調な中で中国政府では主要閣僚の交代が続いており、投資家の間では懸念が広がっている。

李氏は2カ月前から動静が途絶えていた。国務委員の職も解かれ、中央軍事委員会の委員からも外れたという。既に外相を解任されていた秦剛氏も国務委員の地位から除名されたと、CCTVが24日報じた。

Bloombergより

そして、こちらがつい先日の話。

この辺りの話が、一体何を指すのかは「外から」は良く分からないのだが、結果的には支那共産党の指導部から、中華思想にそぐわない人物が次々と外れていくことになっている。

経済に強い首相を代え、国防大臣を代え、ロケット軍のトップも二人代え、外務大臣も代える。何というか、経済も防衛も外交も入れ替えていく。これが日本の大臣を代えるという話ではない、なかなか重要なポストを代えているところに不安を覚える。

日本も対応を変える

これに呼応してかは分からないのだが、駐中国大使を交代している。

垂駐中国大使交代へ 後任には金杉駐インドネシア大使

2023年10月21日 土曜 午後11:06

垂秀夫駐中国大使が、2023年末にも交代する人事が明らかになった。後任には、金杉憲治駐インドネシア大使が就任する見通し。

FNNプライムオンラインより

この垂秀夫氏は、公然と支那に対して物申す大使であったと知られていて、つい先日もこんなことがあった。

この記事でも触れた平和友好条約発効45年を記念したシンポジウムで、垂秀夫氏はこんな発言をしている。

一方、日本側は、北京に駐在する垂秀夫大使が「現下の日中関係は決して理想的とは言えない。両国は困難な挑戦を前に困惑しみずからの立ち位置を見失っている」と指摘しました。

NHKニュースより

随分とマイルドな言い方ではあるが、それでもこうした発言を出来るだけの能力を持った方は、駐支那大使を務める方の中でもなかなか居ないのが実情である。

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交代の理由は?

前の記事で引用したグローバルタイムスに、読み飛ばしていたが「交代する」と書かれていた。確かに前日の時事通信にはこんな記事がでていた。グローバルタイムスさん、随分と情報が早いですね。

中国大使に金杉氏 チャイナスクール以外から起用―政府調整

2023年10月22日20時03分

政府は、垂秀夫駐中国大使(62)を交代させ、後任に金杉憲治駐インドネシア大使(64)を起用する方向で調整に入った。

時事通信より

なるほど、同時にアメリカ、ロシアの方も替えるようだ。

米国大使に山田氏 中国・ロシア大使も交代

2023年10月24日17時12分

政府は24日の閣議で、米国大使に山田重夫前外務審議官(政務担当)、中国大使に金杉憲治インドネシア大使を充てるなどの人事を決めた。ロシア大使に武藤顕前外務省研修所長を起用する。ロシア大使は約8年ぶりの交代となる。

時事通信より

なんともまあ。

垂秀夫氏から金杉憲治氏への交代理由は、支那との関係を改善が進んでいないので、非チャイナスクール(「チャイナスクール」は外務省で支那語を研修言語とした外交官たちを指す用語)系の人材を選んだという、意味のよく分からない説明がなされているが、支那にとって都合の悪い人材だったという文脈で考えれば、分かり易い交代である。

逆に言えば、向こう側の意向を汲んで大使交代をしたことで、関係の改善を模索しているのは支那の側も同じであるので、「変わる切っ掛け」になる可能性はある。

というわけで、ハッキリしたことが言えずに申し訳ないが、「何かの予兆」というようなニュースであるので紹介した次第。

コメント

  1. アバター 河太郎 より:

    ホントに自然死(病死)なんてすかね?

  2. アバター 匿名 より:

    李克強氏、持病もちという話はあったが心臓云々と聞いたことはなかった。
    上海で休養中、ホテルのプールで水泳中に発作を起こしたーらしいーそのように聞いた。
    作為を疑えばキリがないけど、世にプールと心臓発作はダーティー・ペアじゃないかね。

    李氏は退任前から、紅皇帝との対比においても、支那の民衆に高い人気があった。
    なんとなく趙紫陽元首相を思い出すね。趙氏も民衆に絶大な人気があったけど、
    『6・4天安門事件』で学生たちを支持したために、鄧小平氏に追われたっけね。

    • 木霊 木霊 より:

      李克強の訃報に関しては、左派はほとんど騒ぎませんね。
      右派も騒ぐほどのことではない、あの国では当たり前、みたいな認識が多いような印象です。

      趙紫陽ですか。
      天安門事件を切っ掛けに色々な人の人生が変わったようです。

  3. アバター 匿名 より:

    15年後の中国は少子高齢化が急速に進み、現在とは比べ物にならないぐらい弱体化してるらしいですけどね

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