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不名誉な4大河川事業の名誉回復?水質改善の報告

公共事業
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この4大河川事業とは、2MBことアキヒロ、つまり元大統領の李明博受刑者(2022年に特別赦免を受けて出所済み)が推進した事業である。

韓国4大河川事業10年、川はきれいになっていた…せき16カ所のうち81%で水質改善【独自】

記事入力 : 2023/05/06 05:38

韓国政府による「4大河川事業」の前後で漢江、洛東江、錦江、栄山江の本流と堰16カ所の周辺で水質の変化を比較分析した結果、水質が大幅に改善したことがソウル大学と国立環境科学院の共同研究で明らかになった。20年にわたる長期水質変化分析で、4大河川事業の効果が明らかになったのは初めてだ。

朝鮮日報より

当事業は「失敗」の烙印を押されて、ムン君によって糾弾された経緯がある。

政争に使われた四大河川事業

四大河川事業は失敗だったのか

先ずは四大河川事業、又は四大河川改正事業だが、韓国の漢江・洛東江・錦江・栄山江の4つの河川に対する大規模な利水治水プロジェクトであって、アキヒロが随分と熱心に推し進めた事業であった。

ただ、目的がイマイチ明確ではなかったために単なるバラマキになってしまった側面は否めない。実際に、一部でポッケナイナイ事案が発生した事も確認されているし、そもそも財閥系の企業に対する利益供与の目的で作られた政策であった疑いもある。

その辺りのトラブルに関してはこちらに触れている。

ただ、全く見当違いな事業であったかというと、アキヒロの次の大統領であったクネクネこと朴槿恵受刑者(2021年に特別恩赦を受けて出所済み)が積極的な関与をしなかった程度には、意味があったらしい。確か、大々的に批判はしていた気がするんだけど。

「主要河川を生活・余暇・観光・文化・グリーン成長を組み合わせた多機能複合空間に作り変える。」という壮大な目標をぶち上げたが為におかしな事になった事業も目立ったのだが、治水の面や生活用水の確保の面では多少役に立ったようだ。

ソウル大学の崔智竜教授は3日に開かれた「2023韓国環境分析学会春季学術大会」で研究結果を発表した。それによると、4大河川の堰周辺の16カ所と流域17カ所の計33ヵ所を対象に事業以前の10年間(2000-09年)と以降の10年(13-22年)の水質を比較した結果、堰周辺では「改善」が81%、「悪化」が6%、「有意義な変化なし」が13%だった。4大河川事業の工事が進められた10年から12年までの3年間は調査から除外された。

朝鮮日報より

前の記事でも紹介したように、工事自体杜撰な部分があって、全体的な成功を収めたという話とはほど遠いが、そもそも治水事業は継続的に行わねばならないのだ。そして、その効果も限定的にしかでないものである。だって、万が一の事態に備えるものだからね。

故に、視覚的に効果が出たと言うことは、それなりの意義があった可能性は認めるべきだろう。

下水の整備

特に、下水浄化施設の拡充には意味があったようだ。

崔教授は「水質改善は4大河川事業の一環として推進された下水浄化施設の拡充などさまざまな汚染源低減対策による効果と判断される」と述べた上で、「4大河川事業で下水処理施設が約600カ所増え、特に降雨時に流れ下る汚染物質の管理と下水管整備を着実に行った効果が大きい」と指摘した。

朝鮮日報より

それまでは割と垂れ流しに近いところも多かっただけに、工事をすればある程度の成果は出るものである。ただ、この工事も十分だったとは言えず、多少改善したに留まるものであったようだ。

ついでに言えば、もうちょっと農業用の用水を整備するなどの手当をしてあげれば、韓国の農業ももうちょっとマシな状況になっただろうに。

4大河川事業は河川に流れ込んでいた汚染源への対策など河川全般を整理した国策事業だ。川底を浚渫し、堤防を積み上げて洪水を防ぎ、堰に貯めた水で水不足に備えることが目的だ。堰は小規模水力発電(1万キロワット以下の水力発電)で再生可能エネルギーも生産する。

朝鮮日報より

とはいえ、工事中やその直後に水質が悪化するのは当然の話。今回のデータには「四大河川事業の工事が進められた10年から12年までの3年間は調査から除外」とあるように、問題が出ると分かっている期間のデータは除外されているようだ。

文在寅時代に採られたデータは破棄

なお、ムン君が「あー、四大河川事業ね。あれ、効果でなかったから」と、アキヒロの成果は「なかった」ことにしたのだが、その根拠となるデータが破棄されてしまっているらしい。

文在寅政権は21年1月、錦江、栄山江の堰5カ所解体、常時開放を決定し、その根拠として水質悪化を挙げた。しかし、環境部の4大河川調査・評価企画委員会が当時、水質評価に使用した項目である化学的酸素要求量(COD)のデータが16年に法的に廃棄されていたことが明らかになった。監査院は4大河川の堰解体と開放決定が適切な手続きを踏んで行われたかどうか調べている。4大河川に関連する5回目の監査で、監査院は今月末に監査結果を発表する予定だ。

朝鮮日報より

ふーん。

李明博政権の4大河川事業 文大統領が政策監査を指示

2017.05.22 11:40

韓国青瓦台(大統領府)は22日、文在寅大統領が李明博政権下で推進された4大河川(漢江、洛東江、錦江、栄山江)整備事業の政策決定および実施の過程に対する政策監査を指示したと伝えた。監査で明白な違法行為や不正が明らかになった場合、青瓦台は相応の対処を取る方針で、監査が李政権への捜査につながる可能性も取り沙汰される。

聯合ニュースより

過去に、ムン君はアキヒロの成果について再点検をして、違法行為や不正が明らかになれば訴追する構えであった。

が、その後、5カ所の堰は解体されたが、逮捕者が出たとは聞かない。

文大統領は選挙戦で、4大河川事業が原因で水質が悪化したと指摘し、設置された堰の問題点を検証する考えを示していた。堰によって水の流れが停滞し、水質が悪化したとの指摘がある。 

青瓦台は4大河川に対する官民合同の調査・評価チームを構成し、堰の生態系変化、水質、水量状態などを評価する予定だ。これを基に、2018年末までに堰の維持や撤去などの対処法を確定させるという。

聯合ニュースより

なるほどねぇ。

こういった堰の工事の失敗事例が報じられ、また、堰の水が緑化したニュースを見かけたので、てっきり完全に失敗したと思っていた。僕自身も反省せねばならないようだ。

が、そもそも水質の悪化の改善を目的として工事を行っていたため、調査結果を見ると「改善した」というデータも出たとのこと。

左派のムン君にしてみたら、アキヒロ政策が大失敗に終わったという結果は大歓迎すべき点のようで。ソレが故に、データを破棄してしまった可能性が高くなったという話。かなり悪質である。

工事が杜撰だった点は擁護できないが

とはいえ、四大河川事業も、随分と急いで工事をしたらしく、その結果杜撰な案件があったのは事実だ。

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これらの写真は過去に紹介した事例で、真っ当に工事したらこうはならないわけで。

ただ、クネクネは工事中止までは求めなかった。

それが、水質調査の結果などがハッキリ出ていなかったことと関係しているのかどうか、本人に聞いてみないと分からない。

こうした堰を作ると、周辺環境に多大な影響をおよぼすことは事実である。問題は、その影響が必ずしも「悪影響」だとは限らない点だ。環境変化は確実に起こるが、ロングスパンでその状況を見ていかねばならない。

「環境破壊だー」と騒ぐのは容易だし、僕もやってしまった反省はあるが……。

コメント

  1. アバター けん より:

    こんばんわ、

    保・革がたすき掛けで政権を担うあの国で、政府が5年の任期内に長期企画を政策化し、
    予算をつけて実施し、評価まで行うことは、まったくのムリ筋です。

    しかしながら、本件河川事業の中で、僅かながらも下水処理場が整備されたことは、
    評価されてよいでしょうね。あの国では、未だに河や海に不法投棄される汚物・汚水が
    少なくないようですから。

    数年前には、漢江に流される下水処理場からの排水が原因で、河口で捕れる魚たちに
    奇形が多発していたらしいです。あの国では、下水処理後の”汚染水”が、生態系に
    悪影響を及ぼしているんでしょうか? 
    https://www.joongang.co.kr/article/23435679

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。
      無理筋だとは思うんですが、やらない理由にもならないわけで。
      頑張ってやって貰うしかありません。

      何年も汚水垂れ流しの時代が続いた韓国ですから、多少綺麗になったくらいでは、目に見えた改善というところまでは至らないでしょうね。

      • アバター 七面鳥 より:

        こんにちは。

        トリチウムより、よっぽどヤバイ物が色々垂れ流しなんじゃないですかね。

        運河が抹茶ラテとか以前良く聞きましたし。

        有機リン過多で赤潮とか大丈夫なんでしょうかね。

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