そうきたかー。
台湾TSMC、第2工場も熊本に 会長「土地は取得段階」
6/6(火) 11:42配信
半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音会長は6日、台湾の新竹市内で開いた株主総会後に記者会見し、日本で検討中の2カ所目の工場について「土地はまだ取得段階だが、場所は(第1工場を建設中の)熊本県だ」と明らかにした。台湾の中央通信社が報じた。
Yahooニュースより
熊本のTSMC工場はまだ出来上がっていないのに、何故、第2工場の話まで。
TSMCの戦略
業績は好調
アメリカの意向もあって、TSMCは半導体の増産をする方向に舵を切っている。直近の利益は若干低迷しているようなんだけどね。
TSMCの4~6月売上高見通し、予想下回る-世界IT低迷響く
2023年4月20日 15:09 JST 更新日時 2023年4月20日 17:34 JST
半導体の受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が20日発表した4-6月(第2四半期)の売上高見通しは市場予想を下回った。スマートフォン向けからサーバー用に至るまで半導体需要の低迷が続いていることを反映した。
Bloombergより
ただまあ、設備投資は予定通りらしい。
TSMCはモバイルとPC市場が底打ち、あるいは安定化しつつあるとしながらも、同業界の需要は当面「軟調」となる見通しだと警鐘を鳴らした。2023年の設備投資については最大360億米ドル(約4兆8400億円)と従来計画を据え置いた。
Bloombergより
まあなんというか、好調なのは変わらない。
で、2021年10月、熊本に月産4.5万枚の28~22nmプロセスの工場の建設が決定したのだけれど、この他にアリゾナ州にも工場を作っている。
台湾TSMC、独工場建設で「良い感触」 補助金について協議中
2023年6月6日2:06 午後
半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC) は6日、ドイツの工場建設を巡る交渉で良い感触を得ており、補助金について独政府と協議していると明らかにした。
TSMCはドイツ東部ザクセン州ドレスデンに製造工場を建設する可能性について、2021年から同州と協議している。実現すれば、同社にとって欧州初の工場となる。
ロイターより
ドイツにも工場を作るつもりらしい。
そして熊本第2工場
そして、熊本第2工場である。
日本政府がTSMCの投資を望んでいると強調。「多くの顧客がTSMCの生産能力が不足していると感じている」と指摘した。別の台湾メディアによると、会長は「(第2工場建設の)計画は日本政府と交渉中だ」と述べたという。
Yahooニュースより
うーん、確かに供給が足りていないのかもしれない。これからEVなどが増産されるようになれば、確実に必要になるからね。
そういえば、Sonyも熊本に工場を作る話があったねぇ。
ソニー、熊本県で土地取得 半導体子会社、27万平方m
2023/05/25
ソニーグループ子会社で、半導体の生産を手がけるソニーセミコンダクタソリューションズは25日、熊本県合志市に約27万平方メートルの土地を取得すると発表した。同日に開催した事業説明会の資料で開示した。
ソニーは、合志市に半導体の新工場の建設を検討していることが明らかになっている。取得する土地に新工場を建設し、同社が強みを持つスマートフォン向けのセンサーを生産する可能性がある。
共同通信より
熊本、凄いな!熊本経済は今後活性化することは間違いないだろうし、こうした半導体関係の工場が沢山建つと言うことは、関係する研究機関なども増える可能性が高い。学校関係者も大喜びだろうね。
唐突な話ではない
ただ、この話は唐突な話ではなかったようだ。僕は知らなかったんだけど。
台湾TSMCが日本に新工場検討、半導体装置業界の団体トップが語ったこと
2023年01月14日
半導体受託製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、日本で2棟目となる半導体工場の建設を検討していることが12日、分かった。同日に開いた2022年12月期決算オンライン説明会で、魏哲家最高経営責任者(CEO)が明らかにした。現在、熊本県菊陽町で建設中の新工場の近隣で建設する方向で検討しているとみられ、25年内にも稼働する可能性がある。
~~略~~
JASMは需要拡大に対応するため、当初公表していた線幅22ナノ―28ナノメートル(ナノは10億分の1)の製造プロセスだけでなく、12ナノ―16ナノメートルの製造プロセスも加え、月産能力を5万5000万枚に増強する方針を明らかにしている。検討中の2棟目の工場もJASMが手がけると見られる。
ニュースイッチより
今年の1月には2棟目の話が出ており、コレが順調に進んだということみたいだね。
TSMCの新工場の建設検討に対しては、政府関係者の期待も大きい。西村康稔経済産業相は先月、一部報道を受けて「(新工場が)検討されていることは歓迎だ。今後投資計画が具体化していく中で、どのような支援が可能か考えていきたい」と話していた。経済安全保障上、半導体の重要性が高まる中で経産省は国内投資を後押ししており、JASMが建設中の工場には最大4760億円の助成を決めている。
ニュースイッチより
そして、日本政府が助成を出すこともほぼ確定している。補助金を上手く使って世界各国にTSMCの工場を作ると。
なんとも台湾に上手いことやられている気がしてならないんだけど、仕方ないか。今や世界的企業で、技術もトップクラスだしね。日本勢も頑張って欲しいんだけど。
コメント
こんにちは。
このニュース、カミサンに、
「なんで台湾は熊本が好きかな?」
って聞かれて、
「……距離?」
としか答えられなかったです。
北海道に工場作るメリットはないでしょうけど、土地コストや水、ロジスティックその他、熊本が一番条件が良い、という理解で良いのでしょうかね?
「距離」は正解なのでしょうけれど、ご指摘の通り、おそらくは土地の取得条件やら、「水」の存在なんかもあるのかと思います。
地価は安いですし、きれいな水が豊富に得られることはメリットが大きいですからね。熊本は、生活用水の8割が地下水であり、特に水道水の100%が地下水でまかなわれています。きれいな水が安く豊富に手に入ることは強みとなるでしょう。
これらのことと関連して、今なお、九州には多くの半導体関連企業があるため、半導体の生産ラインとして九州を選ぶことでのコストメリットが大きいということもあると思います。特に北九州にはその拠点が集中していますから、TSMCとしても熊本というのは有力な候補地なのでしょう。
正直、台湾はさほど水に恵まれない土地でありまして、近年、最近では2021年に水不足で悩まされました。そうした懸念が少なく、近い土地という意味で魅力的なのでしょう。
輸出する際にも、九州最大の港、博多港がありますし、熊本空港も国際航空輸送網又は国内航空輸送網の拠点となる空港としてそれなりの規模があります。ロジスティックの面でも優れていると言えそうですね。
トヨタの工場などがあって、顧客の面でも不自由しない事は大きいのかも知れません。
台湾は水で不自由する、というのは盲点でした。
丁寧な解説頂き、感謝であります。
台湾のダムと言えば、烏山頭ダムで八田與一です。
巨大ダムを造らなければ台湾で農業というのが現実的ではありませんでしたから、そういう意味でも水には不自由していたんですよね。きれいな水が欲しい場合にはこの手のダムでも意味がありませんからねぇ。
ニイタカヤマがあったり、山岳部族が居たりするくらいには急峻な地形で、それこそ日本に輪をかけたような厳しい土地なんですね。なるほど、そりゃ水で苦労しますよね。
木霊さま 皆様 こんばんは
>唐突な話ではない
PR不足 木霊さんのアンテナに引っかかっていなかったぐらい、を察知して今また再発表かな?
何せ今はTSMCは事実上の世界最重要企業、なので中共は台湾と共に入手したいし米国は中共に渡すわけにはイカナイ 戦争は、TSMC破壊なので世界の敗北。支那の台湾併合とTSMC独占をイコールでなくす、は一つの戦争回避手段でキンペーならぬTSMC側として出来ることには真剣なのかも知れない。
>22ナノ―28ナノメートル(ナノは10億分の1)の製造プロセスだけでなく、12ナノ―16ナノメートルの製造プロセスも加え
1桁ナノの最先端じゃないけど12-16ナノって、まあEUV露光の守備範囲
(ギリでEUV使わずとも出来るけどTSMCの製品守備範囲ならEUV使った方が低コスト、マイクロンやシナSMICはEUV使わずこの領域作る場合も)
先々最先端狙える工場とする意図?
何せ米国アリゾナ工場が色々困難にあってるらしいので、、、、
理由:人材
米国人:技術(教育)レベル高いが、金食い・怠け者
日本人:真面目でよく働くが頭、教育レベル低い(半導体教育撤退してますから)
なので独・日と色々手を出してるのでしょう。 あ、韓国はその点では良いでしょうが支那に工場立てるのと変わりないし。
ところで九州の理由は第1工場作ってて、サプライチェーン共通化できることが大なのでは?