【韓国陸軍】更新の遅れる陸軍用ヘリコプター

陸軍

韓国陸軍が運用する回転翼機の老朽化が進んでいる。これについては陸自もあまり笑えない状況なのだが、それはさておこう。

不整地を行軍する場合に、地形の影響を受けにくいヘリコプターは兵員輸送にも、物資搬送にも有効ではあると思う。ただし、重量物を運ぶことは難しいし飛行速度も速くはないこと、それなりに五月蠅い為に敵に発見されやすいなどの問題もあって、使うシーンは限定的らしいのだけれども。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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攻撃ヘリ 500MD

老朽化が進んで運用が困難に

攻撃ヘリ500MDは、アメリカのMDヘリコプターズ社開発のヘリを元に開発された軽攻撃用のヘリコプターだ。

500MD

韓国の500MD導入は1976年に開始され、大韓航空によってライセンス生産されていた。 韓国陸軍では輸送ヘリとしても運用されている模様。 その性能は、開発当初はともかく初飛行が1963年なので、流石にロートルと言われても否定出来ないレベルではある。

一応、韓国はAH-1F攻撃ヘリコプターも導入し、複数のヘリコプターの調達を進めているそうだが、数が足りずに未だに500MDが一線で活躍しているらしい。

何でも、この500MD、従来の半分しか兵器を積めず、作戦時間も従来の2/3に短縮して運用しているのだとか。

搭載できる兵器が少ない

対戦車ミサイル(TOW)を2発搭載(本来4発搭載できる)で、1時間20分しか飛べないのだとか。暗視装置が旧型で夜は飛べないとか、色々足枷の多い兵器になっているようだね。500MDの運用注に28件の事件が発生し、32人が死亡したらしいけど、いい加減替えないのか?

韓国軍主力ヘリコプター、「幽霊会社」の部品を搭載

2018年10月09日15時58分 

 韓国軍の主力ヘリコプターの500MDとリンクスヘリコプターが数十億ウォン分の幽霊会社の製品を搭載して戦力化されたことが明らかになった。 

  防衛事業庁が9日、国会国防委員長所属の李種明(イ・ジョンミョン)自由韓国党議員に提出した資料「海外導入軍需品品質保証検証実態」(2016年)によると、防衛事業庁は500MDとリンクスヘリコプターのボールベアリングなど部品購買のために2006年にA社、2010年にB社と70億ウォン(約7億円)にのぼる契約を締結した。しかし防衛事業庁が調査した結果、これら会社は虚偽の製作者検査証明書を提出したことが確認された。また防衛事業庁がシンガポールで行った現地調査でも一部の会社は契約書に住所を虚偽で記載し、製作能力がない「ペーパーカンパニー」だったことが分かった。

「中央日報」より

まあ、こんな状況なので、500MDに作戦能力が無くても仕方が無いのかもしれない。

無人機化計画!

面白いことに、500MDを無人機として運用したいという話もあるようで、あれ?更新する話はどうなったの?と。

そもそも老朽化して色々使えないというのに、それをベースに無人飛行の試験って。いやはや、どうなのよ。

大韓航空の回転翼型UAV「KUS-VH」、初の無人飛行を実施

2019年8月6日

大韓航空航空宇宙ディビジョンは8 月1日、同社が開発を進めている回転翼型UAV「KUS-VH」が、7月30日に同社の高興の施設で、初の無人飛行を実施したと発表した。

KUS-VHはアメリカのMDヘリコプターズが開発した小型単発ヘリコプターのMD500を、ボーイングの協力を得てUAV化したもので、2017年10月に開催された防衛装備展示会「ADEX2017」で当サイトが取材したところによれば、エンジン出力が強化されている点を除けば、全長やローター直径などのサイズはMD500とほとんど変わりはないという。

「TOKYO D&A REVIEW」より

無人機の飛行テストは悪いことでは無いのだけれど、何故、ベースに500MDを使ったのかは、ちょっとよく分からない。まあ、開発が上手く行くと良いよね。

偽造部品問題

更に残念な話も。

米企業、韓国軍に偽造部品を大量納入した疑惑

Posted November. 03, 2016 09:39, Updated November. 03, 2016 10:17

米国のとある軍需企業が韓国陸軍のヘリコプター、500MDの部品を含め、100件余りの偽造部品を韓国軍に納入したという疑惑が持ち上がったため、軍当局が調査を行っていることが2日確認された。海外防衛産業の不正による多量の偽造部品納入疑惑が事実と判明すれば、軍兵器装備部品管理の総体的ずさんさや装備誤作動の懸念など、波紋が予想される。

「東亜日報」より

韓国企業あるあるで、軍需産業絡みの偽造部品があっちこっちから出てきてしまうアレが、500MDにも起きちゃったということらしい。記事は古く、今になって発覚した訳では無いのだけれど。

韓国軍筋によると、今年7月、在米軍需武官部(在米国際契約支援団)は、米軍需企業であるM社が陸軍のヘリコプター、500MDのローター(プロペラ)のヘッド部品はじめ114品目の偽造部品を韓国軍に納入したという疑惑について、防衛事業庁に報告した。陸軍が対戦車攻撃用として約70機を運用している500MDは、生産から40年近く経っている老朽機種だ。

「東亜日報”米企業、韓国軍に偽造部品を大量納入した疑惑”」より

アメリカ企業のせいにしているが、この手の話は韓国軍では頻繁に聞かれる話。ただ、問題の本質は、アメリカ企業が偽部品を納入したという点では無く、未だに韓国国内で保守用の部品を作る事ができないという点なのである。

いよいよ新しい機体を探さざるを得ない、というのはこんな記事からも伺えるのである。

流石に老朽化しすぎが問題となって、入札が開始された模様。

40年ぶり変わる韓国軍訓練ヘリコプター受注戦に海外5社が入札

2021.02.22 10:23

40年以上も使用した軍訓練ヘリコプターの後続機の受注戦に海外5社が参入したことが確認された。今月初めに防衛事業庁が「陸・海軍基礎飛行訓練用ヘリコプター後続機導入事業(TH-X)」の3回目の入札を締め切った結果だ。過去2回の入札が各2社だった点と比較すると、競争は激しくなった。事業予算は1576億ウォン(約150億円)、計41機を導入する計画だ。

「中央日報」より

ほほう。次期輸送ヘリKUH1とLAHで代替するという話もあったはずだけど、新しいのも買いたいらしい。41機程度ではまだまだ足りないようなので、用途によって棲み分けが進むのかもしれない。置き換わるまでには時間がかかりそうだけど。

訓練用ヘリコプターも老朽化

SA316「アルエットIII」

当然と言えば当然なのだが、兵士を育てる為には練習用ヘリコプターだって必要となる。

韓国陸軍は、訓練用ヘリコプターとしてフランス製の汎用ヘリコプターを運用しているらしい。これで基礎飛行訓練をやるらしいね。

複数の政府関係者によると、防衛事業庁は早ければ9日ごろTH-X導入事業の第3次入札公告を出す予定だ。総事業費は約1742億ウォン(約167億円)で、来年中に契約して2024年までに約40機を導入する計画だ。

「中央日報”韓国軍ヘリの老朽化が深刻…事故の心配”」より

SA319アルエットIIIと呼ばれるフランス製の汎用ヘリコプターは、韓国陸軍と韓国海軍でそれぞれ訓練用に利用されている模様。

SA319はSA316が改良されたタイプのようで、シルエットはこんな感じのもののようだ。

何となく愛らしい印象を受けるが、初飛行は1959年と結構古い。日本でも消防庁のヘリとして導入された実績はある。また、それなりに優秀で世界中で広く利用され、そして退役させたところが多いようだ。日本でも退役済みである。

生産国では退役中

なお、製造国であるフランス軍では未だ運用されているものの、やっぱり順次退役しているようだ。Wikipedhiaによれば、2023年頃迄は飛行を続ける予定らしいが。

このように各国で退役が始まると、韓国陸軍としてもメンテナンス上の問題も顕在化する。1つは部品の供給問題で、採用数が減ると部品製造の採算が合わなくなるので、部品の供給が細る。特に消耗しやすい部品から足りなくなってしまう結果に。

また、いくら訓練用の機体とは言っても、古すぎると訓練に適さないケースも出てくる。計器の見方や機体のコントロールなど、新しい機体では随分と改善されており、様々な機能も追加される。そうした訓練には適さないというわけだ。

そんな理由もあって、結構前から機体の更新をしたいという話は出ていた模様。

ベトナム戦争を扱った『地獄の黙示録』(1979年作)のような古典映画に登場するような現機種は、事故の危険性や修理・付属品需給問題など老朽化が深刻だ。初任パイロットが乗る訓練機だが、老朽化が深刻で、不安な飛行が続いているということだ。

各軍の要請で防衛事業庁は2015年から国外購買で事業を推進したが、過去2回の入札では価格問題などで導入に失敗した。

「中央日報”韓国軍ヘリの老朽化が深刻…事故の心配”」より

ただし、調達価格設定が低くて入札不調に終わってしまっているのもいつものパターンに陥って、未だに更新できていないという。500MDの話と合わせて更新待ったなし!という感じになっているんだよね。

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