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日・太平洋島嶼国国防大臣会合が明日から開催

安全保障
この記事は約16分で読めます。

あまりニュースにはなっていないのだが、JPIDDの開催が明日から木曜日までの日程で予定されている。

「第2回 日・太平洋島嶼国国防大臣会合(JPIDD)」等の開催について

令和6年3月15日

防衛省は、下記のとおり、「第2回 日・太平洋島嶼国国防大臣会合(Japan Pacific Islands Defense Dialogue:JPIDD)」等を開催することとしましたので、お知らせします。

JPIDD(ジェイピッド)は、防衛省が主催する多国間の会合として太平洋島嶼国地域の国防大臣等との相互理解を深め、信頼関係を構築し、今後、更なる防衛協力・交流を推進することを目的として開催するものです。

防衛省のサイトより

第2回ということになっているが、第1回は令和3年9月2日にテレビ会議形式で開催されている。

環太平洋の防衛は今も昔も

日・太平洋島嶼国国防大臣会合(JPIDD)とは何か

これに関する記事は、第1回の時に産経新聞が触れていたので紹介しておきたい。

<独自>自衛隊の島嶼国支援拡大 政府方針 軍持たぬ国も対象

2023/3/25 19:19

政府が、太平洋島嶼(とうしょ)国に対する自衛隊の能力構築支援活動について、軍隊を保有せず沿岸警備隊しか持たない国も対象にする方針を固めたことが25日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。太平洋地域で安全保障分野の協力を強化し、軍事・経済面で影響力拡大を図っている中国に対抗する狙いがある。政府は早ければ令和5年度から具体的な支援に着手したい考えだ。

産経新聞より

ご存じの通り、太平洋島嶼国については支那が随分と手を広げてきていて、結構困ったことになっている国もある。

そのまえにJPIDDの当事者国に関して、地図になっていたので紹介しておく。

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揃いもそろって弱小国家なのだが、こうした国家に対して支那は結構な額の資金を投入して影響力工作をしている。

その結果の1つは債務の罠で、これに関しては随分と危ういらしい。

債務の罠

この「債務の罠」に関しても、色々な言説が出ているので何とも評価しづらいが、支那の影響力工作の一環である事は間違いない。

ただし、支那が一方的に金銭の貸し付けをしているというわけではなく、当事者国との関係で金銭支援を行っているという姿になっている。だから、何でもかんでも支那が問題であるなどと言う積もりはない。

中国からの融資受け入れ慎重に パプアニューギニア首相

2023-12-12 15:44

パプアニューギニアのジェームズ・マラペ首相は11日、AFPの取材に応じ、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の下での資金借り入れについて、外国からの融資に「軽率に」依存することはしないと語り、慎重に対応する姿勢を示した。

時事通信より

何とも説得力のないパプアニューギニア首相の発言を紹介したが、軽率に依存しまくりである。

中国と安保協定結ばず 米豪との協力重視―パプア外相

2024年02月07日18時41分配信

太平洋の島国パプアニューギニアのトカチェンコ外相は7日、オーストラリア公共放送ABCのインタビューで、「われわれが中国と安全保障協定を結ぶ手続きを前に進めることは絶対にない」と述べた。トカチェンコ氏は1月末、中国から安保協力の提案があったことを認めていたが、協定締結を明確に否定した形だ。

時事通信より

安全保障まで依存し始めたか?!と周辺国が焦る事態になったが、一応は否定された。が、パプアニューギニアが伝統的なパートナーであると名を挙げたオーストラリアもニュージーランドも、パプアニューギニアを防衛する能力があるのか?という点に関して疑問ではある。

サモア、中国との2国間協定に署名

2022年5月28日 16:20

南太平洋の島国サモアは28日、中国との2国間協定に署名し、「これまで以上の協力」を約束した。中国の王毅外相は太平洋の島しょ国など8か国を歴訪しており、西側諸国の間で懸念を呼んでいる。

詳細は明らかにされていないが、流出した協定案によると、中国は複数の太平洋諸国に対し、安全保障と経済面での協力を拡大する計画を提示している。

AFPより

トンガ、中国と債務問題協議 豪外相が3日訪問へ

2022年6月1日午後 5:18

オーストラリアのウォン外相は3日に南太平洋の島国トンガを訪問する。トンガ政府が発表した。同国へは中国外相が訪問したばかり。

ウォン外相の事務局によると、ウォン氏はサモアも訪問する。

ロイターより

トンガやサモアのように、既に籠絡された感が強い国も少なくないため、なかなか深刻な事態であると言える。

そしてJPIDD開催はちょっとタイミングが遅かった感は強いのだけれども、やらないよりはマシだろう。

南方占領地域について

さて、少し歴史を振り返ってみよう。

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良かったか悪かったかはともかくとして、日本は南方への占領地域拡大を目論んだ時代があった。「大東亜共栄圏」の名前は、お題目ばかりで、実際には共栄を実現することはなかった。

だが、当時の日本軍の勢力拡大の様子を見て、日本が一体何を目指していたのか?といえば、石油や鉱物などの資源獲得が目的であったといわれている。

ここまで戦線拡大をしてしまった結果、兵站の維持が出来なくなって瓦解してしまうわけだが、やりたかったことは日本の影響力を増やすことで、日本が得られる権益を拡大しようという目論見があったことは否定のしようのない事実である。

奇しくもJPIDDの範囲はここを更に拡大した範囲となっていて、しかしこうした地域に対して日本だけで影響力を維持しようというのは到底不可能である。それ故に、JPIDDにはオーストラリアやニュージーランドも含まれている。

フィリピンの協力も必要

そして、これとは別にQUADという枠組みでも関係拡大を目論んでいる。

バイデン大統領 G7広島サミットとクアッドに出席へ

2023年4月26日 16時01分

アメリカ・ホワイトハウスは25日声明を出し、バイデン大統領が来月、広島で開かれるG7=主要7か国の首脳会議と、オーストラリアで開かれる日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国の枠組み=クアッドの首脳会合に出席すると発表しました。

NHKニュースより

日本とアメリカ、インド、オーストラリアの4カ国での首脳会合で、インド太平洋地域への影響力拡大を図っている枠組みであるが、これに他にアメリカはIPEFという枠組みも作っている。

第6回IPEF交渉官会合、貿易、クリーン経済、公正な経済の3分野で交渉進展

2023年10月26日

米国の通商代表部(USTR)と商務省は10月25日、マレーシア・クアラルンプールで10月15~24日に開催されたインド太平洋経済枠組み(IPEF)の第6回交渉官会合の閉幕を受け、共同声明を発表した。同会合には前回までと同様、米国からUSTRのサラ・エラーマン通商代表補(東南アジア・太平洋担当)兼首席交渉官と商務省のシャロン・ヤン顧問兼首席交渉官が率いる代表団が参加した。

(米国、日本、インド、ニュージーランド、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、フィジー)

JETROより

経済連携は緩い軍事同盟的な側面があるため、こうした取り組みも同時にやっていく必要があるわけだが、軍事的な枠組みに関してはクワッドの他にAUKUS(オーカス)というのもあって大変ややこしい。

とはいえ、東シナ海の情勢を鑑みるに、フィリピンやベトナムとの防衛協力も欠かすことが出来ない。

豪フィリピン、安保協力強化へ 南シナ海で初の合同軍事演習
オーストラリアのマールズ国防相は25日、南シナ海の安全保障は同国にとっても重要な問題で共同巡視活動でフィリピンとさらに緊密に協力する方針を示した。
フィリピンと関係強化を図るオーストラリア、南シナ海問題には深入りせず
先週フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領がオーストラリア議会で演説した際、そこには紛れもなく挑発的な発言があった。

とはいえ、フィリピンはタダ食いを目論む国なので、オーストラリアは少し腰が引け気味ではある。それぞれに国の事情というのがあるので、仕方がないんだけどね。

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支那は警戒を強めている

鏡を見てから言いましょう

こういった枠組みを作った上で、「自由で開かれたインド太平洋」を目指しているのが日本の現状なのではあるが、この動き、支那はいたくお怒りらしい。

日本は太平洋の島々を「インド太平洋の泥沼」に陥れようとしている

公開日: 2024 年 3 月 13 日午後 10 時 50 分

日本は3月19日と20日に、南太平洋地域の14の島嶼国の国防大臣と安全保障支援を巡る多国間会合を東京で主催する。サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、この会合には日本の自衛隊も参加する予定だという。 (自衛隊)と警察は、地元および地域の対応や訓練に参加しています。アナリストらはいくつかの報道で、今回の会合の主なターゲットは中国であると示唆している。

~~略~~

経済外交から軍事外交へ移行したのかもしれない。日本の自衛隊はすでにさまざまな方法で地域情勢に介入しており、この傾向が続けば将来的に自衛隊が台湾海峡情勢に関与するのは時間の問題かもしれない、とダー氏は付け加えた。これは太平洋地域を危険な泥沼に引きずり込む危険性があるだけでなく、世界を再び混乱に導く可能性がある。

Global Timesより

良く分からない論法ではあるけれども、要は「日本の動きが気に入らない」「日本のくせに生意気だ」ということなのだろう。

しかし逆に言えば、支那は日本の動きを煙たがっているということなので、日本にとっては外交的に意味のある試みであったということを、支那が保証してくれたようなものだ。

アメリカ依存は続く

ただし、こういった方向性は良いにしても、実効性があるか?ということに関しては些か足りない、いや随分と足りない状況ではある。

これは日本やオーストラリア、フィリピンなどが長距離攻撃手段を手に入れ始めたとは言え、これの運用にはまだまだアメリカの協力が必要だという意味である。

これに関して興味深い記事がある。

フィリピンと日本、中国への武装強化で長距離ミサイルのマイルストーンに近づく

2024 年 3 月 15 日午後 12 時 16 分

バンコク – フィリピンと日本の領土周辺では中国がますます攻撃的になっているため、米国の同盟国であるこの2カ国は、西太平洋における両軍の射程を拡大する新しいミサイルに投資する計画で重要な節目を迎えようとしている。

3月末までに、フィリピンは最初の対艦巡航ミサイル「ブラモス」を保有する予定であり、日本はトマホーク・ミサイルの運用訓練を開始する予定だ。これらの獲得は、紛争において中国に対抗する最善の方法は、中国の軍艦を寄せ付けないスタンドオフ兵器であるという地域全体の信念の高まりを反映している。

このようなアプローチをとっているのは日中両国だけではない。北京の海外での行動と国内でのミサイル開発、そして北朝鮮による同様の動きは、「地域の安全保障を弱体化させ、それに呼応するように他国を長距離攻撃能力の向上に駆り立てている」と、国際戦略研究所はアジアの長距離攻撃能力に関する最近の報告書で述べている。

Breaking Defenseより

ブラモス(PJ-10)は、ロシアの対艦ミサイルベースにインドで開発された超音速巡航ミサイルで、最新のミサイルと言って良いだろう。

日本がトマホーク・ミサイルを購入する話は既にしているので割愛するが、フィリピンの話も日本の話も、いずれも長距離巡航ミサイルを導入することでスタンドオフ能力を高めようという狙いがある。

オーストラリアもその方向性を狙っていて、支那としてはちょっと厄介な話だと感じているのだろう。

豪州、長距離攻撃能力を強化へ 中国念頭に国防戦略見直し

2023/4/24 20:30

オーストラリア政府は24日、長距離攻撃能力の向上を軸とした国防戦略の見直し計画を発表した。インド太平洋地域で現状変更の動きを強める中国に対応するため、米英との安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じた原子力潜水艦の配備と合わせ、抑止力の強化を目指す。

産経新聞より

ただ、こうした長距離攻撃能力というのは、目標探知能力を備えてこその話。

新型ミサイルはその射程を伸ばすだろうが、これらの軍隊がミサイルを目標に撃ち込むには、まだ支援が必要かもしれない。

オーストラリアは、情報・監視・偵察能力への投資を増やしているが、「長距離攻撃能力は、C4ISRを実現する広範なアーキテクチャーに対する米国の支援に依存し続ける可能性が高い」とIISSの報告書は述べている。

フィリピンの海上攻撃能力も同様の問題に直面しており、「専用の軍事衛星がなく、長距離センサーを装備した水上艦船や航空機の数も限られている。米国の支援はこうしたギャップの解消に役立っているが、「マニラは、その運動能力と指揮統制能力をより効果的にリンクさせるために、さらなる装備を必要としている」。

日本にとって、すでに弾道ミサイル防衛を任務としている軍艦に陸上攻撃任務を追加することは、「紛争時にこれらの艦船に大きな負担を強いることになる」と報告書は指摘し、標的を探知・追跡するための日本の資産も「不十分」だと指摘した。

東京は衛星やレーダーに投資して認識力を向上させ、部隊間やアメリカとの調整を促進するために統合司令部を設置する計画だが、経験が不足しているため、「将来の対攻撃能力は日米同盟の傘下にとどまる可能性が高い」と報告書は指摘した。

Breaking Defenseより

そして、何れの国家もアメリカの支援なしではこうした長距離攻撃能力を使えないという欠点を抱えている。日本にはある程度の探知能力があるものの、イージス艦を当該海域まで派遣するというのには限界がある。

SPY7搭載のイージス艦が登場すれば探知能力を増強できるんだけど、こちらはまだ構想段階なので当面は無理。そもそも、経験不足はこれから補っていくしかないのである。

NATOとの連携は

さて、そういう観点からして、じゃあNATOに日本が参加したら?というような発想も出てくるとは思う。コメントでもそんなお話を頂いた。

しかし、これに関しては僕は現実的ではないと思っている。

岸田首相 日本とNATO 連携強化を呼びかけへ

2023年7月12日 4時25分

リトアニアを訪れている岸田総理大臣は12日、NATO=北大西洋条約機構の首脳会議に出席し、ロシアや中国の動向を踏まえ、連携の強化を呼びかける方針です。

ストルテンベルグ事務総長との会談も行い、日本とNATOの今後の具体的な協力内容を盛り込んだ新たな文書も発出する見通しです。

NHKニュースより

もちろん、関係強化の動きは活発にしているのだが、日本がNATOに参加した時にEU諸国のどれだけが日本に対する防衛的な支援ができるのか?ということを考えた時に、その能力を持っている国の少なさを考えると、おそらくはバイでの関係強化を考えた方が良さそうである。

空母を持っているのはアメリカ以外にはイギリス、フランス、イタリアで、真っ当な海軍力を保有している国という枠で広げたとしても、スペインに、辛うじてスウェーデンくらいだろう。

逆に、日本からヨーロッパへの派兵を考えるというのもあまり現実的ではなかろうと思う。つまり、NATOとの防衛協力はあり得ても、実際にそこに日本が参加できるのか?といえばおそらく現実的ではない。武器を送って貰うような物品役務相互提供協定(ACSA)の整備を進める方が良かろうと思う。

つまり関係強化は歓迎すべきなんだけど、現実問題としては自前で守るしかなく、そのバックアップとしてアメリカとの同盟関係に依存するという形態は当面は避けられないと思う次第。

もちろん、憲法改正や法整備が喫緊の課題である事は間違いがないし、どこの国と同盟を組むにせよそれは必要となる。その先にあるのは、余りアテにはならなくともインドやオーストアリアとの防衛協力は必須であり、更に東シナ海で困っているASEANの国々との関係構築という緩い輪を形成していく今の方針が現実的なのだと思う。その延長線上にJPIDDはあるわけで、ここを支那にやられると不味いというのが日本の現状なんだと思う。巻き返しがどこまでできるのかを期待したい。

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追記

NHKがこれに関して軽く解説していたのだが……。

日島しょ国国防相会合 強まる中国の影響力

2024年03月19日 (火)

防衛省は、太平洋島しょ国の国防大臣らによる会合を、19日から2日間の日程で、東京で開くことにしています。なぜ、いま島しょ国に働きかけを強めようとしているのでしょうか。

NHKニュースより

NHKさぁ、「取り敢えず難しい漢字は使わない」という方針は止めて欲しいんだが。どうして、「島嶼国」を「島しょ国」と書いてしまうのか。「牽制」を「けん制」と書いてしまうのか。

さておき、書いてあることはメチャクチャだな。

Q)どのような支援を打ち出すことになるのでしょうか。

A)島しょ国は、米中の勢力争いに巻き込まれたくないのが本音です。

今回、防衛省は、気候変動に伴う災害への対応など、島しょ国の要望に応える姿勢を示しています。海上から物資の運び込みを行った能登半島地震での活動を紹介して、災害対応の能力向上支援を行うことにしています。また、警察に対しても、不発弾処理のノウハウを伝えるなどの支援を行って、この地域での自衛隊の存在感につなげたい考えです。

日本は、アメリカやオーストラリアと重層的な働きかけを行うことで、影響力を強める中国をけん制したい考えです。

NHKニュース「日島しょ国国防相会合」より

「アメリカと支那の勢力争いに巻き込まれたくないのが本音」という、浅い理解が島嶼国の本音だというのは、本当かも知れないけれども、それが事実かのような書き方は止めて欲しい。

A)バヌアツや、アメリカ軍が司令部をおくハワイに近いキリバスでも、中国が、現地警察の治安維持活動などを支援しているという指摘があります。中国は、政治への影響力を強め、この地域に戦略的な拠点を築こうとしているとみられています。

NHKニュース「日島しょ国国防相会合」より

支那が影響力工作をしていることには触れているのに、このことが「アメリカと支那の勢力争い」に繋げてしまうお花畑脳はどうかと思う。だって、ここいら一帯の太平洋諸島が、支那のモノとなった時に、困るのは日本なのである。もちろんアメリカだって困るのだろうが、事実上、オーストラリアやニュージーランドとの連携を切られることになる。

日本にとってオーストラリアとのシーレーンを寸断されることは容認出来ることではないのだ。

https://www.mofa.go.jp/files/100484996.pdf

外務省としても色々取り組みはやっている様だが、日本国内のマスコミを教育することが、実は一番重要じゃないのかな?

シーレーンの意義は、ちょっと考えれば解ることなんだが。

追記2

おっと、産経新聞も記事にしていた。

日・太平洋島嶼国国防相会合、全14カ国参加 中国念頭に影響力強化狙う

2024/3/19 20:15

日本と太平洋島嶼国の国防相らが安全保障上の課題などについて議論する国際会議が19日、東京都内で始まった。対面形式での開催は初めてで、フィジーやトンガなど12カ国が対面で、ニウエなど2カ国はオンラインで参加。経済支援などをてこに南太平洋地域に進出する中国をにらみ、防衛協力を進め日本の影響力を強める狙いがある。

産経新聞より

こちらは割と正確な内容になっている模様。

アジア、米国とオーストラリアを結ぶシーレーン(海上交通路)に位置する南太平洋地域では中国が影響力を拡大。ソロモン諸島は2022年に中国軍駐留を可能とする安全保障協定を締結した。19年にはソロモン諸島とキリバスが、今年1月にはナウルが台湾と断交し、中国と国交を樹立している。

産経新聞「日・太平洋島嶼国国防相会合、全14カ国参加」より

シーレーンのことに言及していないNHKニュースは「解説」と銘打っているのにダメダメである。そういう意味では産経新聞の方が幾分マシではある。マシではあるのだが、安全保障のことについて言及があるのに、なんとなく論調は悲観的である。

なんというか「会合することに意味がある」的な結びになっているのだ。

今回の会議について防衛省幹部は「中国と関係を深める国も含めすべての島嶼国が参加することに意義がある」と強調する。日本政府は7月、東京で首脳級による「太平洋・島サミット」を開催する予定で、政府関係者は「中国に対抗するためには政府全体での取り組みが必要になる」と話す。

産経新聞「日・太平洋島嶼国国防相会合、全14カ国参加」より

まあ、そこはその通りなんだけどさ。今回も成果文書の発出は見送るとしているしね。寧ろどこにスパイがいるか解らないんだよね、このメンツだと。

ただ、そういったスパイの存在に留意しつつも影響力工作や、ニーズの発掘などの関係を深める外交的意義はあったと思う。もうちょっと前向きな解説が欲しかった。

コメント

  1. アバター 匿名 より:

    時代遅れの憲法のせいで軍隊も出せない、軍事物資の支援すら出来ない、そんな日本が国防大臣会合をやったところで何も出来ません。島嶼国に金をタカられるのがオチです。
    せめて武器輸出は全面解禁しないと何の説得力も出てこないですよね。

    • 木霊 木霊 より:

      仰られることはご尤もであります。
      ですが何事も手を付け始めねば先に進めませんから、説得力があろうとなかろうと積み重ねていくしかないと思いますよ。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >あまりニュースにはなっていない

    パンダの忠犬の面目躍如、かな?>本邦マスゴミ

    >揃いもそろって弱小国家

    そう考えると、諸島部のアジア地域に関する限り、八劫一宇は実態はともかくお題目としては正しかったと言わざるを得ない気がします。
    つか、今、支那がやってるのはそれの焼き直し(総統に暴力的かつ共産的ですが)ですよね……

    NATOとは協力関係を持っておくべきですが、欧州のボヤにかまけている間に母屋を乗っ取られてはたまらないので、加入するまでは至らない方が良いでしょう。
    むしろ、やはり「大東亜共栄圏」を再び……というのが、イメージはアレですが方策としては正しいのでしょうね。
    もちろん、米豪と日本のトロイカ牽引方式で。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      日・太平洋島嶼国国防大臣会合の記事を探しましたが、特に報じられていませんね。NHKが少し解説していたようですが……。
      大東亜共栄圏は、現段階で考えても実現不能ですが、方向性としては間違っていない気がしますね。

      NATOへの加入は、そもそもEU諸国が日本を未だに対等な国と捉えていないので、現実的ではないんでしょうね。

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