宇宙開発は順調と胸を張る韓国

迷走韓国宇宙開発史

あれ?打ち上げは?

韓国の「純国産ロケット開発」はどこまで進んだ?=韓国ネット「絶対成功」「打ち上げはまだまだ先だ」

配信日時:2019年10月20日(日) 10時40分

2019年10月17日、韓国・ニュース1は、21年に宇宙へ打ち上げる予定の韓国型ロケット「ヌリ号」の開発が順調に進んでいると伝えた。

記事によると、韓国航空宇宙研究院(KARI)韓国型発射体開発事業のコ・ジョンファン本部長は同日、「3段目ロケットエンジンに使用する7トン級認定型液体エンジンが最近、燃焼試験を通過した」と明らかにした。

「レコードチャイナ」より

レコードチャイナの記事なので、引用元の記事を読みながら行きたいと思う。

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韓国が目指すロケット打ち上げ

順調では無かったこれまでの宇宙開発

もともと韓国はロケットの打ち上げについてそれほど積極的ではなく、民間レベルで細々とやっている様な感じだった。ただ、細々が悪いというのでは無く、堅実に固体燃料ロケットの打ち上げをやり、実績の積み重ねがあったという意味では寧ろ評価すべきではあろう。

ただ、ある時、この方針は大きく転換される。その理由は、北朝鮮が弾道ミサイルを撃ち上げた事件である。

その下りはこちらに説明しているので参照して欲しい。

まあ、簡単に言うと国内自主開発を諦めて、ロシアに協力を仰ぐ方針に転換しちゃったんだ。

そしてそれは失敗。

で、こちらの記事で説明するように、再度自分で打ち上げる方針に転換する。

エンジンの開発が一番ネックなのだけれど、コレに関してはウクライナから30t級エンジンの図面を手に入れてスケールアップするなんて手法で対応する積もりのようだ。

それなりに順調な開発?

で、続報がないかなー、と思っていたら、ようやく出てきたのが冒頭のニュースである。

ヨカッタヨカッタ。

……え?良くない?

韓国航空宇宙研究院 (KARI)韓国型発射体開発事業本部長のコ・ジョンファン氏は17日、「3段に使用される7トン認証モデル液体エンジンが最近燃焼試験500秒を達成しており、75トンのエンジン4基結ば1段は、クラスタリング処理などを介して、来年下半期から本格的に燃焼試験が始まる」と述べた。

「news1」より

いや、連続燃焼時間500秒を達成したって、順調じゃ無いか!

実は当初予定されていたロードマップは、予想通り上手く行かなかった。

  1. 2010年から2014年までの第一期:第3段用液体燃料ロケットエンジンの開発と、75t級エンジンに対応した燃料試験設備の建設完了
  2. 2015年から2018年までの第二期:75t級エンジンを開発し、これを第1弾用エンジンに使った試験用2段ロケットを完成して試射
  3. 2019年から2021年までの第三期:KSLV-2の完成と試射

これが開発当初の予定だったが、残念な事に試験用2段ロケットの打ち上げは実現できていない。

もちろん、途中で計画が修正されている。報道によれば、2021年にテスト打ち上げをする方針に転換している。

政府は、韓国の純粋な技術で韓国型ロケット「ヌリ号」を開発するために、2010年から1兆9572億ウォンの予算を投入している。ヌリ号は、最終的に来る2021年2月と2021年10月に宇宙に打ち上げられる予定である。1.5トン級の実用衛星を地球上空600〜800㎞低軌道に投入することができる3段発射体の形で製作される。

「news1」より

……あれ?冒頭の記事だと2021年2月に本番をする事になってるぞ??

韓国の“国産”月軌道船の打ち上げがまた延期に?開発が遅れる理由は…=韓国ネットは「期待してない」

2019年6月19日 06:10

2019年6月16日、韓国・ニュース1は、韓国が「純国産技術」で開発を進めている「月軌道船」の打ち上げが延期になりそうだと伝えた。当初は2020年12月に打ち上げる計画だったが、「研究陣の技術的な意見の食い違い」により「日程調整は避けられない見通し」だとしている。

「レコードチャイナ」より

あ、前回報じられた話は、「月への調査船打ち上げ」の延期だったのね。

ここでムン君が2020年12月に月軌道に調査船を送り込むという鼻息の荒いことを言っているのだが、その手段はどうやらアメリカのロケット技術だよりだという、そういう話で今回の国産ロケットの話とは直接的には関係無い。

だが、こちらはちょっと遅れてしまっているというニュースがあった。

こちらはこちらでスケジュール的にヤバイ状況なのだが、ムン君は現実を直視するのを止めて次期政権に「希望を託す」という選択をしたらしく、この話は忘れようぜ!

順調と伝えられる開発

そんな訳でロケットエンジン開発の話に戻ろう。

ヌリ号1段は75トン級の液体エンジン4基を1まとめにして成り立っ、2段は75トン級の液体エンジン1基、3段は7トン級の液体エンジン1基で構成されている。過去2018年11月2段に使用される75トン級エンジン試験発射体発射に成功した。以後11ヶ月が過ぎた今、1段3段の研究開発が滞りなく進行していると研究者たちは伝えた。

最近では、3段に使用される7トン液体エンジンのよいニュースが伝えられた。7トン認証モデル液体エンジンが500秒燃焼試験に成功したものである。500秒燃焼試験の成功の基準となる理由は、7トンの液体エンジンが飛行するときは、少なくとも燃焼する必要が最小の時間であるからである。7トン級の液体エンジンの飛行モデルを作ることができる段階まできたわけだ。

「news1」より

……あれ?75tエンジンの話かと思ったら、「良いニュース」は7tエンジンの方だったんだけど。

えーっと、確かに7t級エンジンは3段目のロケットを飛ばす上で重要だし、500時間連続で運用できたと言うことは喜ばしいことではある。

ただ、7t級エンジンは圧送式サイクルと呼ばれるエンジンで、液体式ロケットエンジンとしては最も単純で低コストなエンジンであることで知られている。なお、過去に開発していたKSL-3で液体式ロケットエンジンを採用しており、一応、高度42.7kmまで飛ばした実績がある。その時使われていたのがガス押し式サイクル(圧送式サイクル)で、12.5t級のエンジン(1997年打ち上げ実施)であった。

残念な事にKSL-3の計画は、韓国政府の方針転換と共に消滅して、その技術を承継する液体ロケットエンジン開発部門はロテム(現代ロテム)に買収され、ロテムはその後、完全に開発から手を引いている。つまり、技術が失われてしまった。

今回、成功が伝えられた7t級エンジンは、過去のエンジンよりは長い時間の燃焼テストに成功したので、前進はあったと思って良いだろう。だが、前の段階、つまり1997年にはある程度打ち上げ可能なレベルにまで仕上がっていたレベルだけに、技術の累積的進歩、と言い難い部分がある。

クラスタエンジンの困難性

75t級エンジンをクラスタする

簡単に「クラスタ」と言うけれども、ロケットを飛ばすにあたって均等な燃焼を実現する事は、結構ハードルが高い。

話はちょっと逸れるが、似たような困難性に挑戦しようとしているのが、韓国次期型戦闘機KF-Xだ。

実はKF-Xは、双発エンジンを採用する予定で、エンジンそのものはアメリカ企業のGE社がF414-GE-400を提供する予定になっている。F414-GE-400は、F/A-18E/F「スーパーホーネット」戦闘機も採用する実績のある戦闘機である。

ウルサイという欠点はあるものの、その出力は折り紙付きのエンジンで、実際にF/A-18E/F戦闘機でも双発で採用されている。なお、F/A-18E/F戦闘機も4.5世代ジェット戦闘機と言われ、マルチロール機として運用されている。

……え?KF-X戦闘機も4.5世代の予定だよね?あれ、自前で開発する必要があったの??

さておき、KF-Xが実績のあるエンジンを利用する事になっているのだが、そもそもエンジンを2発制御するという制御系を自前で開発せざるを得ない。しかしそれがハードルがかなり高い。2つのエンジンでも、その出力を揃えるというのは意外に難しいのである。

話をロケットに戻すが、4基のエンジンをロケットが狙った角度になるように調整しながら燃焼させるのは、実のところ燃焼温度が高く、条件が難しい分、戦闘機よりもハードルが高い。

ひとつは、ヌリ号が完成するかどうかがまだ未知数であるという点である。たしかに最大の関門だった75トンf級エンジンはほぼ完成したが、ヌリ号の第1段はそのエンジンを4基束ねる(クラスター化する)必要がある。クラスターは、比較的容易に大推力のロケットを開発できる手法とされるが、それはあくまで新規に大推力エンジンを開発する場合と比べての話であり、クラスターが簡単というわけではない。各エンジンへの推進剤の供給から飛行時の制御まで、これから解決すべき技術的課題は多い。

さらに各段の分離機構など、ナロ号で韓国側が開発を手がけていない部分も新規開発となるため、2021年の初打ち上げを目指した開発スケジュールが遅れる可能性は十分にある(もっとも、新型ロケット開発において遅れはつきものであり、深刻なことではない)。

「マイナビニュース」より

が、報道ではそれほど深刻に捉えていないようだ。

事実3段よりも75トン級エンジンを4つの束ねた技術である「クラスタリング」が含まれている1段製作技術が難しい挙げられている。コ・ジョンファン本部長は「1段の研究開発が最も重みがあり、越えなければならない’大きな山」だ」と表現した。

現在1段は、エンジンモデルを組み立てており、組み立てが完了したら、来年から認証モデル試験に入った後、来年下半期頃からクラスタリング、燃焼試験などが順次行われる予定である。また、今回のヌリ号と合わせて発射台も開発が行われており、2021年2月に発射体発射前、発射台認定試験も行われる予定だ。

「news1」より

当の本部長も随分軽い感じだな。

スケジュールは、2021年打ち上げ予定

そして、一番注目のクラスタリングの実験は、来年2020年末に予定されているとのこと。

いやー、待ちきれませんな。

しかし、いきなり4つのエンジンクラスタリングをやるんですかね?あと、2021年2月に発射台の認定試験をやるんだとか。何やるんですかね?

コ・ジョンファン本部長は「試験発射に成功後、まだ1年に満たない時点だが、今のところは計画通りに滞りなく研究開発が進められている」とし「最終打ち上げが予定されているそれまでの研究を問題なく進めていく計画だ」と語った。

「news1」より

予定通り行くと良いな。

1段目が一番ハードルが高いんだから。

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