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支那の海上ブイを撤去しない日本政府

安全保障
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あー、これなー。

日本EEZ内の中国「海上ブイ」民間船接触リスク 外航船船長や元海保幹部が警鐘も 政府は〝抗議すれども撤去せず〟

2023.10/7 10:00

沖縄県・尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国が勝手に設置した「海上ブイ」問題が波紋を広げている。設置から約3カ月が経過したが、日本政府は〝抗議すれども撤去せず〟という対応に終始している。周辺海域は民間船舶の往来も多く、事故など不測の事態が生じかねない。また、尖閣周辺では中国当局の船も連日確認されているが、中国漁船の侵入などがエスカレートする恐れもあると、地元の危機感は強い。岸田文雄政権はこのまま見過ごすのか。

ZakZakより

コメントを頂いて触れることにしたんだけど、未だ撤去していないんだよね。

海洋ブイの撤去は出来ないのか

勝手に設置

日本の弱腰に付け込んだこの所行だけど、これってどうするつもりなんだろう。

7月上旬に設置されたこのブイだが、未だに撤去されていないらしい。

こんな感じのアイテムらしいのだが、結構デカイ。

ブイは中国の海洋調査船「向陽紅22」が7月1日から2日にかけて設置したとみられ、尖閣諸島の魚釣島の北西約80キロで確認された。日本政府は中国側に抗議し、撤去を求めているが、海上保安庁によると、今月5日時点でブイに変化はないという。

ZakZakより

イヤこれ、撤去しないとダメじゃないの?

撤去は結構面倒くさい

さて、問題のブイなんだけど、じゃあどうやって撤去するのか?というところが問題である。

ブイ撤去にはどのような手段があるのか。前出の遠山氏は「一般船舶の安全航行への支障となるとの理由で中国側に撤去を求め、それに応じなければ日本側で撤去し、中国側に引き取りを求めるとの方法も考えられるが、中国側の出方は安易に想定できない。18年の事例では海上で海保が中国の海洋調査船に引き渡す形となったが、これは既にブイが漂流していたことが前提となったものであり、前例とはなりにくい」と指摘する。

ZakZakより

既に支那には「撤去しろ」と言った後のようだが、撤去はされていない。前回も、海保が引きとって支那に引き渡したらしいのだが、今回は、海底に係留されている模様。

一応、支那の財産という扱いなので、EEZ内の設置に対して撤去を求めるというスタンスでいるようだ。領海内(12海里:22km)に設置されていれば話は別なのだろうが、いきなり破壊という事は弱腰の日本政府には難しいらしいね。でも、撤去は出来るだろう。

撤去の管轄官庁は何処か

で、じゃあ、誰が撤去するか?ということなんだけど、海上保安庁の仕事と言うことになる。そうすると、管轄官庁は国土交通省である。

で、国交省と言えば公明党だ。

中国は「平和の海」の言葉にふさわしい行動を 日本EEZ内に「海上ブイ」設置 動揺する永田町、岸田首相の解散戦略は?

2023.10/11 06:30

中国が今年7月、東シナ海の日本の排他的経済水域(EEZ)内に、日本の同意なく勝手に「海上ブイ」を設置したと報道されている。夕刊フジが、大型外航貨物船の現役船長や、元海上保安庁幹部に取材した記事を読んだが、「周辺海域は船舶の往来も多く、事故のリスクもある」そうだ。

国連海洋法条約の関連規定では、EEZに「海上ブイ」などの構築物を設置したり、規制したりする権利は、沿岸国にのみ認められる。他国は、たとえ科学的調査のためであるとしても、沿岸国の「同意」がなければ構築物を設置できない。

~~略~~

しかし、沿岸国がどのように原状回復を図ることができるか条約に明文の規定はなく、確立した国際慣習もない。フィリピンと中国の言い分は異なるが、浮遊障壁の撤去はスカボロー礁から12カイリ内で行われており、EEZではない。

ZakZakより

公明党のトップは、このZakZakに寄稿した山口氏である。彼の認識では、支那の同意がないと撤去できないというものらしいよ。

確かに、フィリピンの事例は、フィリピンの領海内での出来事なんだよね。

フィリピン、南シナ海で中国設置の障害物を撤去

2023.09.26 Tue posted at 18:00 JST

フィリピン当局は25日、南シナ海で中国がフィリピン漁船を妨害するために浮かべた障害物を撤去したと発表した。

フィリピンの沿岸警備隊が同日公開したビデオには、南シナ海のスカボロー礁で、フィリピンのダイバーたちが漁船から飛び込み、ブイをつなぐロープを小さなナイフで切断する場面が映っている。

CNNより

こんな感じの撤去は、日本のEEZに設置されたケースに適用ができないという理屈は分かる。

中国、南沙諸島周辺3カ所にブイ設置、「主権を行使する行為だ」と主張 フィリピンに対抗

2023年5月28日 21時31分

中国の交通運輸省は、フィリピンと領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島の3カ所に灯浮標(とうふひょう、照明装置付きのブイ)を設置したと発表した。フィリピンは今月10日以降、フィリピン国旗を掲示した浮標ブイ5基を南沙諸島に設置済みで、これに対抗した形だ。両国が領有権を主張する南沙諸島を巡る対立が再燃しつつある。

東京新聞より

実際に海保の立場としては、撤去は難しいとしているようだ。

元海上保安官の一色正春氏は27日、X(旧ツイッター)で、フィリピンと対照的に撤去しない理由をめぐり、「海保や海自は行政組織なので政府の命や法令がなければ動くことができません 一番悔しいのは現場の人間です」と投稿した。

Yahooニュースより

「法令はなく、政府の判断で撤去」ということはアリだろうけれど、少なくとも国交省はその気はないらしい。

対応する法律は本当にないのか

しかしこれ、法令がないというのは問題ではある。

だが、仮にあったとしても簡単に撤去できるかというと、一般的にはこれも難しいようだ。

伊良部島 漁港の県有地で無許可建設 “漁協前組合長の独断”

08月23日 07時28分

宮古島市の伊良部島の漁港にある県有地で、県の許可を得ないままマリンレジャー用施設の建設が進められていることについて地元の漁業協同組合が会見を開き、漁協の理事会も認めておらず辞職した前の組合長が独断で進めたものだと説明しました。

この問題は、先月ごろから伊良部島の佐良浜漁港にある県有地で、県の許可を得ないままシャワーやトイレといったマリンレジャー用施設の建設が進められているものです。

NHKニュースより

この事例は陸上の県有地に、無許可で建物が建築されたケースで、撤去相当という事にはなると思う。そして、撤去命令や使用禁止命令を出せる法律構成になっているのだが、違法建築物であっても私有財産という扱いになるので、簡単に撤去や取り壊しができない。

陸上であってもこういった状態なのだから、海上の構築物の撤去は更に難しいことは言うまでもない。法的根拠が薄弱だからね。

じゃあ、今回のケースはどうか?というと、政府の判断次第では撤去が可能である。

そして、「法的根拠がない」というのは若干おかしい。

(我が国の法令の適用)

第三条 次に掲げる事項については、我が国の法令(罰則を含む。以下同じ。)を適用する。

 排他的経済水域又は大陸棚における天然資源の探査、開発、保存及び管理、人工島、施設及び構築物の設置、建設、運用及び利用、海洋環境の保護及び保全並びに海洋の科学的調査

 排他的経済水域における経済的な目的で行われる探査及び開発のための活動(前号に掲げるものを除く。)

 大陸棚の掘削(第一号に掲げるものを除く。)

 前三号に掲げる事項に関する排他的経済水域又は大陸棚に係る水域における我が国の公務員の職務の執行(当該職務の執行に関してこれらの水域から行われる国連海洋法条約第百十一条に定めるところによる追跡に係る職務の執行を含む。)及びこれを妨げる行為

 前項に定めるもののほか、同項第一号の人工島、施設及び構築物については、国内に在るものとみなして、我が国の法令を適用する。

 前二項の規定による我が国の法令の適用に関しては、当該法令が適用される水域が我が国の領域外であることその他当該水域における特別の事情を考慮して合理的に必要と認められる範囲内において、政令で、当該法令の適用関係の整理又は調整のため必要な事項を定めることができる。

e-GoVより

これは、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律なのだが、2条に定められるように、構築物については国内に在るものと見なして、我が国の法令の適用が可能で在る。

では、どういうことになるのかというと、「他当該水域における特別の事情を考慮して合理的に必要と認められる範囲内において、政令で、当該法令の適用関係の整理又は調整のため必要な事項を定めることができる。」とあるので、要は政府が「必要」だと判断し、法令を作れば法的根拠は生えてくるわけだ。つまり、「法的根拠がない」というのは嘘ではないけど正確でもないんだよね。

要は、岸田政権が弱腰対応していると言うことなんだよね。でも、これが基地や住居だとしたら、どうするんだろうか。どう考えてもその前段階の準備である様に映るんだけど。腹を決めて撤去しようぜ。政府が方針を決めれば、撤去は可能なんだから。

コメント

  1. アバター BOOK より:

    こんばんは!

    イヤこれ残念ながら絶対に挑発に乗っちゃいけない「国連敵国条項」案件でしょ。
    何せ「千島列島の武力占領」のロシア正当性主張の根拠がこの「敵国条項」ですからね。

    今日本が独断で撤去すると

    「かかった!」と、ばかりに支那は尖閣&MOREは占領にかかって来て米国も阻止できない。となっても不思議じゃない。

    推定根拠

     NATO加盟国のドイツでさえ遅い遅いとさんざ非難浴びながらも「米国のエイブラムス供与決定表明」が出た後でしか「レオパルドのウクライナ供与【許可】」さえ出さなかった。

    現状は、敵国条項の枷は、これほどまでに重い。  

     故に日本は屈辱舐めようと「米国のポチ」としてしか生き延びられない。忘れている人が多くて不思議。

    故・安倍-トランプ 時代なら、すぐに「米国から」支那に抗議してもらい、その流れで処置したでしょうが、今日本が独断で撤去すると「かかった!」と、ばかりに尖閣&MORE 支那は占領にかかると思いますよ。

    今の日本は結局「米国のポチ」としてしか生き延びられない。「誇りより命を選べ」はマッカーサーに土下座までした故昭和天皇のご意思

    尚:ほかにも枷たくさんあり、明治維新で日本自身が選んだものもありますが、それはまた。

    蛇足

    過去スレ 河太郎 さん ご意見 

    >そもそも私は、この500年ばかり続いた「西洋の白人による世界支配」そのものが終わろうとしていると推測していています。

    は、思い切り賛同できるが、賛同できるが故

    「こんな重い枷&枷、残したまま終焉するなよ!」と思ってしまいます。

    ですからウクライナについて、願望的予想のひとつもしたくなる。彼らば「日本を常任理事国にすべき」と言ってます。

    ————–
    現状の他のヒドイ枷1.

     近隣2大ナラズモノ大国が ・拒否権持ち常任理事国  ・NPT例外の核兵器持ち 

    のままですからね。 

    ちなみに米国は「拒否権廃止」論側、「ロ・中」は「拒否権死守」論側ですよ(苦笑)

    ここから持論ですが、実は日本が明治維新の頃に自身で選んだであろう更に大きな枷もあります

    (河太郎様、何か最近沸点低めのご様子。
     もともと沸点低いBOOKは、直接からむと尊敬申し上げる氏とケンカになりそうで、納める自信がない、ごめんなさい)

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。

      うーん、敵国条項の話ですか。
      確かにあれは酷い話で、何としても撤回する方向に動いてほしいところですが、ロシアと支那が常任理事国である以上はその目処はたたないでしょうね。

      しかし、敵国条項は、「戦争により確定した事項を無効に、または排除した場合」という内容です。直ちに抵触するとは思えない。が、ロシアは実際それを押し通していますから、可能性として完全に排除することは出来ませんね。ですが、この話は「どこまで許容するのか」という話でもありますから、ブイだけならともかく基地など作られるに至ると、本当に困ったことに。アメリカを利用してでもどこかでキッチリ線を引いておかないと大変なことに。

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