スポンサーリンク

決められない岸田氏、公明党に配慮して防衛装備移転も先送り

安全保障
この記事は約7分で読めます。

そんなことになるんじゃないかとは思ったけどさ。

慎重な公明に配慮で結論持ち越し 防衛装備移転

2023/7/5 20:53

防衛装備品の輸出の推進は、昨年末に改定した国家安全保障戦略に明記されたが、そのルールを定めた「防衛装備移転三原則」の運用指針見直しを巡る自民、公明両党の協議は論点整理にとどまった。

産経新聞より

大切なところでブレーキしかかけない相手と手を組んで政権運営するのは、もはや害悪だと思うんだよね。

国家の方針を決められない岸田氏

いつもの構図

どんな矜持があるのかは知らないが、特に防衛関係の話を進めようとすると必ず待ったをかける政党が、公明党である。そうかそうか。

大幅な緩和を主張する自民と、慎重姿勢を崩さない公明の隔たりが大きいためだ。結論は秋に持ち越され、自民内には不満もくすぶっている。

産経新聞より

いやもう、バカじゃないの。

自公は昨秋、国家安保戦略改定に向けた与党協議でも装備品の輸出について議論。指針見直しの必要性では一致したものの、細部で合意に至らず継続協議となった。

ロシアによるウクライナ侵略が長引く中、ウクライナ支援での国際的な貢献度を高めるため、自民内からは「早期に再協議を始め、結論を出すべきだ」(自民中堅)との声が出た。

だが、再協議が始まったのは4月25日。「平和の党」を掲げる公明が、4月の統一地方選に影響することを懸念し、選挙後の協議再開を求めたためだ。

産経新聞より

砲弾の1つも輸出できない体制というのは、日本の国益を損なう。特にウクライナの件では、欧米が積極的に兵器を支援する一方で、日本は二の足を踏んでいる状況が続いている。

砲弾の供与

ただし、実際何も出来ないかというと、そんなことはない。

Japan in talks to provide artillery shells to U.S. to help Ukraine, Wall Street Journal reports

June 15, 20232:48 PM GMT+9

June 15 (Reuters) – Japan is in talks to provide artillery shells to the United States to bolster stocks for Ukraine’s counteroffensive against Russia, the Wall Street Journal said on Thursday.

The Asian nation is considering supplying 155-mm. artillery shells under a 2016 pact to share ammunition as part of its long-standing security alliance with the United States, the paper added, citing people familiar with the matter.

~~対訳~~

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は15日、日本がウクライナの対ロシア反攻に備え、米国に砲弾を提供する交渉を行っていると報じた。

アジア諸国は、米国との長年の安全保障同盟の一環として弾薬を共有する2016年の協定に基づき、155mm砲弾の提供を検討していると、同紙は関係者の話を引用して付け加えた。

ロイターより

おそらくは、冒頭の協議の念頭にあるのがこの話で、155mm砲弾の供給を直ぐにでもしたい。少なくとも155mm砲弾用のTNTを日本で調達する話は現実のものとなりつつある。

img

ただ、現実的に、もっと実行力のある戦力をウクライナに供給しようとすると、従来の「方針」が足を引っ張ることになる。

ハッキリ言って、火薬に留まらず砲弾の部品の輸出であれば、アメリカに持ち出すことについて制約はない。輸出管理にも引っかからない。

ただ、兵器の輸出となると、防衛装備品移転の三原則というやつに引っかかる。

具体的には、移転を禁止する場合の明確化だ。

① 当該移転が我が国の締結した条約その他の国際約束に基づく義務に違反する場合、

② 当該移転が国際連合安全保障理事会の決議に基づく義務に違反する場合、

③ 紛争当事国(武力攻撃が発生し、国際の平和及び安全を維持し又は回復するため、国際連合安全保障理事会がとっている措置の対象国をいう。)への移転となる場合

内閣官房のサイトより

だが、こんなものは法律で規制されている話でもないわけで、非核三原則や専守防衛の原則と同じで、掲げているだけで日本の立場を怪しくするものの類いなので、さっさと破棄すべきだ。いや、破棄とは行かないまでも、もっと現実に即した方針に転換すべきだろう。

5月にも同じ事が

記事にもあるが、これ、サミット前も似たような事があった。ハッキリ言って、サミットを成功させることだけ考えていた岸田氏に、押し切らせれば良かったのである。

自民内には、ウクライナ支援が主要議題となった5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)前に結論を出すべきだという意見も根強かった。しかし、公明側は「日程的に時間が少なすぎる」(石井啓一幹事長)と慎重に協議を進める姿勢を堅持した。

産経新聞より

日程的に時間が少ないという阿呆な事を言っている公明党とは、さっさと手を切るべきだ。

先の国会で、自民に反発が多かったLGBTなど性的少数者への理解増進法を巡り岸田文雄首相自らが主導して成立にこぎ着けたのは、早期の法制化を求める公明に配慮したからだとの見方もある。

産経新聞より

公明党に配慮してLGBT理解増進法を通したのに、防衛装備品移転の話は進まなかった。まるで、韓国との間にやらかした譲歩と同じである。譲歩が先食いされるだけで、後は踏み倒されるのを待つだけである。

マイナンバーカードも足を引っ張る?

更にこんな指摘もある。

協議の結論は秋に先送りされたが、マイナンバーカードを巡る問題や少子化対策の財源の議論など課題は山積する。

産経新聞より

これ、昨日唐突に出てきた話で、どうもこの記事が問題らしい。誰が書いたんだよ。

マイナンバーカードの返納が45万枚以上に 介護現場からは「情報漏洩が怖い」と不満続出(全文) | デイリー新潮
不信感が強まるばかりのマイナンバーカード問題で自主返納が相次いでおり、今年5月末には返納数が計約45万枚にまでのぼった。…

この情報のソースはどうやら総務省らしい。

朝日新聞をソースにするのはちょっとリスクはあるが、「カードの失効も含めた返納数は5月25日時点で約45万枚」とある。

なお、日本の1年間の死者数は110万人程度(2022年は156万人)なので、1ヶ月あたり10万人程度の死者が出ている。死亡すれば「カードの失効」という状況になるね。300件そこそこだった返納数が、いきなり膨らんだ理由は、一体何なんだろうね?

バカバカしいったら。

国家の方針を決められないなら、解散して選挙で問いなよ、岸田さんよ。その覚悟が無いなら総理を辞するんだね。検討ばっかしてる場合じゃないよ。決断できるのは増税だけか?!

追記

そうそう、忘れていたが政府が輸出を検討していたのが、F-15戦闘機が使っていたエンジンである。

政府、F15エンジンの輸出検討 インドネシアへ、装備移転指針見直し

2023年06月20日07時08分

政府は、航空自衛隊で今後退役するF15戦闘機のエンジンを、インドネシアに提供する方向で検討に入った。政府関係者が19日、明らかにした。防衛装備品の輸出に関する運用指針を見直す方向だ。与党側と調整し、早期の実現を目指す。

~~略~~

自衛隊が保有する約200機のF15戦闘機のうち99機は改修が難しい旧式。今後約10年間で最新鋭ステルス戦闘機F35に置き換える予定だが、不要となる部品の有効活用が課題になっていた。

時事通信より

航空自衛隊が運用しているF-15Jのエンジンはアメリカ製のF100-IHI-220E。当然、そのまま使える整備ばっちりのエンジンが残っている。

インドネシアとしても中古とは言え程度の良いエンジンである。喉から手が出るほど欲しい商品なのだが、これを輸出することを止めているのが公明党である。もちろん、支那に配慮という話なんだろうけれど、バカバカしいにも程がある。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    岸田を見ていると(他にも同様の人物が散見されますが)、
    「既に決まったことに対し、『自分が何か付け足す、あるいは待ったをかけることで自分の存在感を誇示し、それが自分の仕事であり力量であり、それが出来る自分カッコイイ、歴史に名が残る名宰相!』」
    と思っている節があるのでは、と思えてなりません。

    余計な事しないで、(特に財務省からのあれこれには)耳塞いでメクラ判押しときゃいいんだよ、あんたは。
    って思います。

    • 木霊 木霊 より:

      志が低い感じの政治家が内閣に沢山いますからね。
      何というか、官僚を使いこなせていない雰囲気が伝わってくるのが、どうにも岸田氏の安定性が。
      まあ、無難な総理なのかもしれませんが、最近色々やらかしているのは、気に入りませんねぇ。