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ロシアは大統領選挙前に攻勢を強めたいが

ロシアニュース
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ロシアネタでもう1つ。

ウクライナがロシア国内の石油施設を無人機攻撃 オイルマネー減らし経済への打撃狙う

2024/3/14 08:33

ウクライナメディア「ウクラインスカ・プラウダ」は13日、同国の保安局がロシア国内にある3つの製油所を無人機で攻撃したと報じた。ウクライナは最近、ロシア国内の燃料関連施設への攻撃を強めている。当局者は「ロシアから資源を奪い、オイルマネーを減らすのが狙いだ」とし、ロシア経済に打撃を与える戦略だと説明した。

産経新聞より

ウクライナに侵攻してもう2年が経過して、未だにウクライナは持ち堪えてはいるが経済的にはかなり厳しい。もはや西側の支援なしに国家が成り立たないレベルになってはいる。

ロシアとしても楽観視できる戦況ではない

製油所への攻撃

それでも、幾度となく反撃を試みているようではある。

攻撃したのは、ロシアの西部ニジェゴロド州、北西部レニングラード州、モスクワ南東リャザニ州にある製油所。一方、ロシア国防省は13日、一晩でウクライナの無人機58機を無力化したと発表した。

産経新聞「ウクライナがロシア国内の石油施設を無人機攻撃」より

情報がどの程度正しいのかは良く分からないが、製油所が燃えている写真も出回っているところを見ると、どうやら裏はとれている情報らしい。

困ったことに、これがウクライナ軍によるロシアへの越境攻撃であったと言うことである。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは、バイデン米政権が12日に発表した最大3億ドル(約443億円)の追加軍事支援に射程約160キロの地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」が含まれていると報じた。

産経新聞「ウクライナがロシア国内の石油施設を無人機攻撃」より

更に、ウクライナ軍が攻撃に用いた兵器がどうやらATACMSだったという情報もある。

幹部の不審死

これとの関係は不明だが、ロシアの石油大手幹部が急死したという報道が出ている。

ロシア石油大手幹部、また急死 ウクライナ侵攻に懸念、4人目

2024年03月14日06時27分配信

ロシア石油大手ルクオイルは13日、ビタリー・ロベルトゥス副社長(53)が急逝したと発表した。死因は公表されていない。同社取締役会はウクライナ侵攻開始翌月の2022年3月、声明で侵攻への懸念を表明。以来、現職を含む幹部経験者の急死は今回で4人目となる。

時事通信より

この話は寧ろ前の記事に関連する事項のように思われるが、石油関連の話としてこちらの記事に書かせて貰った。

何が言いたいかというと、オイルマネーはロシア経済にとっては非常に重要な要素であると言うことだ。

反プーチン武装集団

そしてもう1つ、越境攻撃という括りでニュースを紹介しておきたい。

反プーチン武装集団がウクライナから越境攻撃、ロシアは撃退主張

2024年3月13日午前 12:25

反プーチン政権の武装集団「自由ロシア軍」は12日、ウクライナからロシア西部に向けて戦車で越境攻撃を行ったと発表した。一方、ロシア側はこれを撃退したと明かした。

ウクライナ側は自由ロシア軍は単独で行動していると発表したが、ロシア大統領選挙を数日後に控えた攻撃はウクライナが支援していると広くみられている。

自由ロシア軍の広報担当者は「これは(作戦の)初日に過ぎない」と指摘。3月17日のロシア大統領選挙を控え「最も興味深いことはまだこれからだ」と述べた。

ロイターより

なかなか辛辣なコメントが紹介されているが、武装集団の規模自体はさほど大きなものではない。

反プーチン武装集団がウクライナから越境攻撃、ロシアは撃退主張

「自由ロシア軍」といえば、ベルドロゴへの侵攻の際に登場していた名前だな。

まあやっていることは反政府軍事行動なので、テロリズムではあるのだが、そういえばプリゴジンの騒ぎの時にも名前を見たような。

何というか、信長殺害に失敗した明智光秀みたいな話ではあるが、プーチン氏の喉元にまで迫っていただけに、プリゴジンにその気があったのだとしたら、それなりの成果を得られた可能性はある。

残念なことに暗殺されてしまうのだけれど。

ともあれ、プリゴジンの時と違うのは、プーチン氏が当選する予定の大統領選挙直前の出来事だということである。

航空優勢が徐々に崩れつつある

ちょっと前のことになるが、ロシアは貴重な早期警戒機A-50を失っている。

再びロシアは貴重な早期警戒機を失う、生じる「レーダー探知範囲の隙間」

2024.02.26

ロシア空軍に残された計8機のベリエフA-50早期警戒管制機(A-50MとA-50U)のうち1機を、ウクライナ軍が2月23日にどのように撃墜したかは正確にはわからない。だが、その理由はわかっている。

Forbesより

この早期警戒機A-50は、1月にも撃墜されている。

ここにきて航空戦力を失ったことは、それなりに大きな打撃ではある。

img

おそらくは、この影響もあってロシア空軍の戦闘機が相次いで撃墜されている。

ロシアは戦闘機も捨て駒に? ウクライナ軍、1日1機ペースで撃墜続ける

2024.03.04

ウクライナ空軍は2日、ロシア空軍のSu-34戦闘爆撃機を新たに2機撃墜したと発表した。ウクライナ側が過去2週間に撃墜したと報告したロシア軍機は、これでSu-34が12機、Su-35戦闘機2機、ベリエフA-50早期警戒管制機1機の計15機に達した。

Forbesより

ロシア軍が保有する戦闘機の数からすれば撃墜数は少ないし、これを機に責めどきだと判断してロシアが構成をかけているために、それに比例して損耗が増えているとも言えるので、A-50を失ったことが直接的に影響していると判断するのは早計である。

露、早期警戒機「A50」の生産再開へ ウクライナ軍の撃墜で補充迫られたか

2024/3/1 09:21

ロシアの国営軍需企業ロステクのチェメゾフ総裁は2月29日、露軍が運用する早期警戒管制機「A50」の生産を再開する方針を明らかにした。タス通信が伝えた。ウクライナ軍によるA50撃墜が相次ぎ、補充の必要に迫られた可能性がある。

産経新聞より

ただ、ロシアがA50の再生産を表明したこともあって、早期警戒機A-50の損失は痛手であったと判断した方が良さそうである。

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ウクライナは潰走する場所がない

苦境が目に見えるウクライナ軍

一方のウクライナ軍はというと、楽に防衛させて貰えていない実情がある。

ウクライナ軍は圧倒的戦力差に苦境…ドニプロ川の渡河作戦「兵力100倍のロシア軍と後方の川、少しも引き下がれない自殺任務」

2024/02/20 12:15

ロシアがウクライナに侵略してから24日で2年となる。ウクライナ軍の兵士が激しい戦闘の様子などを読売新聞の取材に証言した。

讀賣新聞より

東部でも南部でも戦線維持に苦戦していて、圧倒的な戦力差と武器弾薬の不足でじりじりと撤退戦をやっている状況だ。

「前方は兵力100倍の露軍、横は地雷原、後方は川。少しも引き下がれない自殺任務だ」。昨年12月末までドニプロ川東岸沿いの村クリンキで戦ったイーホル(44)は「最も過酷」とも言われる戦場の実態を語った。前線で負ったトラウマ(心の傷)からか、証言している途中も腹部はけいれんしていた。

讀賣新聞「ウクライナ軍は圧倒的戦力差に苦境」より

国内で十分な量の武器を生産出来る状況にはもはやなく、外国からの資金・武器・弾薬の提供に望みを繋いでいる状況だ。

苦境ウクライナ軍「1発も無駄にはできない」 東部ルポ

2024年3月4日 5:00

戦車部隊の兵士は「実感では、ロシア軍との武器の差は1対10以上ある」と語った(ウクライナ東部チャシフヤール近郊)

ウクライナ軍が東部地域の戦線で劣勢を強いられている。砲弾・弾薬不足に加え、追加動員も遅れており、兵力も厳しくなってきた。ロシア軍は2月、ウクライナ東部ドネツク州のアブデーフカを掌握し、さらに西へ攻勢に出る構えを見せる。前線で戦うウクライナ兵は苦境を訴えながらも「我々に戦う以外の選択肢はない」と悲壮な決意を示す。

日本経済新聞より

記事を読むだけで胃が痛くなるな。

ただ、苦境にあえぐウクライナ軍ではあるが、彼らは領土奪還のために戦っていて、逃げる場所はない。撤退したら撤退しただけ領土は切り取られるのだ。

更に、和平交渉という段階でもない。

少なくとも、ロシア大統領選挙前は「選挙に利用してください」というようなものだ。そして、その先はウクライナ大統領選挙であるので、こちらもおそらく負けを認めるような選択をするメリットがない。良くも悪くもそういう段階である。

コメント

  1. アバター 砂漠の男 より:

    昨日、プーチン氏が「核攻撃の準備は出来ている」と勇ましいことをTV特番で言ったらしい。
    いつもの国民向け「強いロシア」アピールだけど、これがロシアの民衆には大層喜ばれるそうな。
    その反面、ロシア経済は相当に苦しい状況にあると耳にしている。
    経済データを覗いたら、2月の政策金利は実質15%だった。
    https://tass.com/economy/1759699
    個人の予想では、だから現状でインフレ率は15%以上とみている。
    稼ぎ頭が石油・ガスしかないから、国内の物価統制のために、
    国家財政は火の車だろうね。いつまで耐えられるだろうね。

    • 木霊 木霊 より:

      ありましたねー、プーチン氏の核恫喝が。
      言わざるを得ない部分はあるんでしょうが、逆効果になっている気がして仕方がありません。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ロシア、伝統的に、強い(≒恐い)指導者が望まれる傾向にあると思ってます。

    自分のケツに火が付かない限りは、その方が即断即決で上手く回るのでしょうけれど。

    粛正される方はたまったもんじゃないですが。

    その意味で、今は「正しいロシア」ではあるように見えてます。

    「正しいロシア」は、「国際常識的に正しい国家運営」とは相容れませんけれど……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      選挙ではプーチン氏が8割の票を獲得して圧勝したようですな。
      まさに「正しいロシア」の方向へ一直線であります。

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