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ウクライナ支援は日本の未来に関わる

外交
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ウクライナへの支援に関する会議が行われたようだ。

「ウクライナ支援は未来への投資」岸田首相、長期支援を約束

2024年2月19日 11時13分

政府は19日午前、日本の官民によるウクライナ支援を話し合う「日ウクライナ経済復興推進会議」を東京都内で開いた。ロシアによる侵攻が続くなか、初期の緊急復旧から経済復興まで日本がウクライナを継続的に支援することを盛り込んだ共同声明を出した。

朝日新聞より

コレに関してはセレモニー的な意味合いが強く、日本がウクライナを支援するよと言うことを見せる目的があったのだと思う。

ウクライナ敗北の意味

ウクライナ支援に反対する層

冒頭に引用した記事は、前回のこの記事の続報でもある。

ただ、この支援を批判する向きもあるんだよね。

ロシア侵攻で「現地の安全確保」や6兆円推測の「不透明な支援額」…日本・ウクライナ復興会議 自国の安全保障と増税への懸念

2024.2/19 11:48

ロシアの侵略を受けるウクライナの復興について話し合う「日・ウクライナ経済復興推進会議」が19日、東京都内で開催される。

~~略~~

日本周辺の安全保障環境が悪化するなか、まず自国の防衛力強化が重要ではないか。

福井県立大学の島田洋一名誉教授は「ウクライナでは戦闘が続いており、支援額もどこまで膨らむか不透明だ。日本が復興の先頭に立てば、中東のガザ地区復興でも国際社会から青天井で支出を求められる可能性もゼロではない。日本の防衛力強化や、国内の災害復興に費用も必要で、対外的支援が増えれば、増税の懸念も拭えない。『ウクライナはNATO(北大西洋条約機構)の守備範囲であり、日本は台湾問題はじめ東アジアでの抑止力強化に集中する』と戦略的な役割分担を訴えるのが、岸田政権がとるべき姿勢ではないか」と語った。

ZakZakより

最近、夕刊フジのレベルが週刊誌以下に落ちていて、書いていることには賛同できないことが多い。……いや、夕刊フジのレベルは以前からこんなものかもしれないな。

さておき、ウクライナ支援に「ちょっと待てよ」という意見を言っている人がいるのだ。某党のトップ二人は論外なのでさておき、それに近い人達もおかしな事を言っている気がする。島田洋一氏は、ウクライナ支援はNATOに任せて、日本は東アジアの抑止力強化を優先すべきという話をしているし、長谷川幸洋氏も似たような文脈で批判している。

日本の「ウクライナ支援」のカネは一体何に使われているのか…「コソコソする」岸田政権が明かすべきこと(長谷川 幸洋) @gendai_biz
ウクライナを訪問した上川陽子外相が1月7日、ロシアのドローン攻撃に対処するため、北大西洋条約機構(NATO)の信託基金に約54億円を拠出する方針を表明した。だがこれは、ごく一部にすぎない。いずれ、米国...
ウクライナ復興会議 巨額支援なら増税懸念 自国防衛は手薄なのに本末転倒 長谷川幸洋 ニュースの核心
ロシアの侵略を受けるウクライナの復興について話し合う「日・ウクライナ経済復興推進会議」が19日、東京都内で開催される。岸田文雄首相やウクライナのデニス・シュミ…

まあ、言っていることについて理解出来る部分もある。ただ、「自国のことが出来ないのに、他国に支援している場合か」という精神論的な話なので、だからどうなの?と考えちゃうよね。それと、6兆円支援(夕刊フジの方に記載)ってどこから出てきた話なのさ。

なぜウクライナ支援が必要なのか

もちろん、自国優先という姿勢は大切ではある。日本には憲法改正から始まって防衛費の拡充と、サイバー部門の整備、武装のしっかりした沿岸警備隊の設立、海兵隊機能の拡大、防衛輸出三原則の根本的な見直し、拉致問題解決と外国からの邦人奪還能力の獲得などなど、必要な項目が山積みである。

それに相当額の予算が必要なのも事実だ。

では、そもそも何故、ウクライナへの支援なのか?という話について、差沢が平和財団が分かり易い記事を出していたので引用しよう。

なぜウクライナ支援が必要なのか

2023年10月以降の中東でのテロや紛争の激化などの結果、国際社会におけるウクライナへの関心は顕著に低下したようにみえる。国際世論の支持とそのもとでの支援が頼みの綱だったウクライナにとっては危機的な事態だといえる。

~~略~~

中露がどこまで一体的であるかについては評価が分かれるものの、ロシアが「勝利」すれば、少なくともロシアや中国にとっては、「やはり民主主義国家は弱かった」という結論になるだろう。反米、反西側勢力にとっては願ってもない状況だ。

笹川平和財団より

色々書かれているが、要はウクライナが負けた場合はどのような結果になるのか?ということを考えると、日本としてはウクライナが負けないように応援せざるを得ないのだ。

「いやいや、ウクライナはNATO担当でしょう」と押しつけたところで、ロシアは日本の隣国である。ウクライナが負ければ、その牙が日本に襲いかかるリスクは、当然、考えねばならない。

バイデン大統領 共和党を非難 ウクライナ支援反対は犯罪行為

2024年2月10日 10時46分

アメリカでウクライナへの軍事支援を盛り込んだ緊急予算案が野党・共和党の反対で暗礁に乗り上げる中、バイデン大統領は「ウクライナを支援しないのは犯罪行為に近い」と述べて共和党を強く非難しました。

NHKニュースより

実は同じ文脈で、アメリカの共和党がウクライナへの支援を批判している。アメリカ国内の問題の方が大切なのに、どうしてウクライナばかりに金を出すのか?という話である。

緊急予算案をめぐっては議会上院で与野党がいったんは合意したものの、トランプ前大統領が反対を表明したことに影響された共和党の議員が採決の直前になって反対に転じて7日、否決されました。

NHKニュースより

この話、バイデン氏とトランプ氏でどちらの言い分の方が正しいのか?という話をすれば、そりゃバイデン氏の方がまだマシなのである。

ただ、共和党の主張としては、違法移民問題を放置してウクライナに巨額費用を突っ込むのはおかしいだろう?!という話で、これはまあ正しいと思う。が、結局のところ両方ヤレという話なんだよね。

ウクライナへの青天井の支援が問題だと言われればその通りなのだが、これはウクライナ軍が武器不足で苦しんでいる状況だから問題なのである。せめて、兵器くらいは潤沢に供給すべきではないか。

パヨクの皆さんは、自衛隊には「兵力の逐次投入」と批判する向きがある。それなのに、ウクライナへの武器供与は「逐次供与」になってしまっている。アレこそ批判すべきだと思うんだが。

そして、ウクライナが負けた場合に、支那や北朝鮮が「武力による現状変更はOKなんだ」という理解でやる気を見せてしまうと、日本が必要な防衛費は今の金額ではとても足りなくなってしまう。ウクライナへの支援である程度それが予防出来ればそれに越したことはないのだ。

尤も、「ウクライナさえ勝てば未来は安泰」という単純な話でもないので、アレもコレも並行して進める必要がある。ただ、ウクライナでの戦争は侵略戦争を許すか?という文脈で語られると、非常に宜しくない。

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そもそも「未来への投資」じゃねぇ!

なお、今回のウクライナへの支援に関する日本政府側の主張が正しいかというと、そうとも言えない。

岸田首相は同日午前の基調講演で、ウクライナへの支援は「未来への投資」と訴えた。「農業、製造業、IT産業といった第1次産業から第3次産業に至る網羅的な経済発展を目指し、官民一体となって強力に支援する」と強調。その後発表された共同声明では「復興のあらゆるフェーズにおける日本の継続的な支援」を約束した。シュミハリ首相は講演で、日本の支援に謝意を示し、昨年3月に続く岸田首相の2度目のウクライナ訪問を要請した。

朝日新聞「「ウクライナ支援は未来への投資」岸田首相、長期支援を約束」より

いや、復興を支援するという話じゃなくて、その前にウクライナが勝利しないと未来はないんだよ。

武器の供与は必須なんだが!

とはいえ、日本だけが頑張ったところでとてもじゃないが武器供給を賄えない。正直、日本国内ですら武器弾薬不足なのに、海外に輸出できるレベルで製造能力を持ってはいないのだ。そうすると、「日本に可能なことを実行する」という文脈で話すしかないのは分かる。わかるけれども

日本の得意分野での支援を全力でする。それはもちろん大切だし、メッセージにもなるんだが。それでも武器も出そうよ。

一応、アメリカを経由してパトリオットミサイルを輸出するような話もあるんだけど……。

もっと積極的に色々やれるように動くしかないのだ。いっそのこと、F3戦闘機の件とあわせて、殺傷兵器の輸出OKにすべきだと思うんだ。

もう、「平和国家としての歩み」とか寝言言っている場合じゃないわけで、朝日新聞とかキャンペーンを展開しているんだけれども、いい加減目を覚ませ。

(安保の行方 武器輸出を問う)政策の大転換、憲法論議必要 青井未帆氏:朝日新聞デジタル
■学習院大教授(憲法学)・青井未帆氏 「平和国家である日本が作った武器で人が死ぬのはおかしい」というのが、世の中の大多数の意見だったはずだ。(佐藤内閣が表明し、三木内閣が政府統一見解を示した)武器輸…

政権支持率も危険水域に来ているんだけど、マスコミのキャンペーンも相まって、武器輸出三原則見直しも潰されそうな方向を向いているようだ。

そりゃ、武器輸出に一定の歯止めは必要だと思うけれど、日本で作った部品を使った兵器が人を殺していてもOKで、兵器の完成品はNGという理由がわからない。その違いは一体?

ウクライナ支援を日本だけで頑張るという話には無理があるが、国際社会全体で応援する姿勢を示せるように日本がメッセージを出すことは間違いではないと思う。尤も、コレが成功すれば、の話ではあるんだけどね。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ウクライナはウクライナで問題山積みな国家でしたが(今も、か。)、それはそれとして、
    ・大国しかも常任理事国による、武力による国境線変更の企み
    ・特定の国家が不当な武力により領土、政治的独立を脅かされる
    という、最低でも二つの視点から、ロシアによるウクライナ侵攻を見る必要があると思ってます。

    正直、ウクライナ自体がどうなっても(そもそも破綻寸前だった)仕方ない部分はありますが、それは外部からの武力によるものであってはならない。
    武力による国境変更の企みは、断固として拒否しなければならない。
    この点において、武力による支援の出来ない本邦は、「未来への担保」の形で「現時点での資金援助」をする以外に支援の方法は無いでしょう。
    「明日お金がもらえるとしても、今日餓死したら意味が無い」ですからね……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。
      僕自身もウクライナが善なる者、善なる国家などとは思っていないのです。
      アレの本質はロシアとさほど差が無いと思っていますから。

      ただ、ロシアの蛮行を許すということが、国際社会にとってマイナスだという観点でロシア勝利で終わることを反対しているんですよね。それは、日本としてもその道を選ぶしかないんだと思っています。憲法9条改正後であれば、別の答えを出すかもしれませんが。

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