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【理解できない岸田脳】日韓通貨スワップ協定再開へ前進

外交
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次々と呆れた政策を打ち出すな、最近。

日韓、通貨スワップ再開へ 29日、7年ぶり財務対話

2023年06月28日20時30分

日本、韓国両政府は29日、財務当局の閣僚級が意見交換する「財務対話」を東京都内で開き、金融危機時に外貨などを融通し合う「通貨スワップ(交換)協定」の再開について協議する。協定は両国の関係悪化を背景に、2015年に失効したまま。再締結が決まれば、両国首脳のシャトル外交再開などと併せ、関係正常化の流れが加速しそうだ。

時事通信より

先日は、輸出管理のグループAに韓国を復帰(以前はホワイト国という分類だったが)させたばかりだが、今度は通貨スワップ協定なんだそうな。

通貨スワップ協定に意味は無い

二国間通貨スワップ協定は対等ではない

まず前提として、二国間通貨スワップ協定では、お互いの中央銀行同士がお互いの国の通貨を融通し合う制度で、一定額を予め決定した為替レートで通貨交換する協定である。

一見、お互いの国に利があるように思えるが、実際のところ日韓通貨スワップ協定は日本にとって何の利も生み出さない。

総断言する理由は簡単で、韓国が通貨危機に陥った場合に日本は未だ踏みとどまっている可能性があるが、逆はありえないからだ。つまり、日本が韓国銀行から通貨を引き出すケースは想定できない。

日本はアジア諸国とも通貨スワップ協定を結んでいる。

令和の時代に入ってからでもこれだけ積極的に協定を結んでいる。これの意味合いは日本が金融セーフティネット強化を保証するということになる。

日韓通貨スワップ協定は過去に終了した

なお、この通貨スワップ協定だが、過去にも結ばれていた。

協定は両国の関係悪化を背景に、2015年に失効したまま。再締結が決まれば、両国首脳のシャトル外交再開などと併せ、関係正常化の流れが加速しそうだ。

時事通信より

時事通信は「関係悪化を背景に」等と書いているが、事実と異なる。これは韓国が一方的に協定を終了させたのである。

似たような話は、日韓GSOMIAでもあった。

当時、麻生太郎氏が財務大臣を努めていて、韓国側から「もう必要ない」と言われたので終了させた。だから、関係悪化とかそういう話とは一切関係が無いのである。

そして、韓国との関係を深めたところで、日本にとっての利益はほぼゼロ。

通貨スワップは、行き過ぎた通貨安を阻止するために必要な外貨などの提供を互いに約束するもので、金融協力の象徴と位置付けられる「外交カード」の一つ。日韓の協定は、竹島(韓国名・独島)や慰安婦などの問題が響き、最初の締結から約13年半で失効していた。

時事通信より

変な協定を結んだところで、相手から「外交カード」として使われるだけである。そんな国は他に知らないのだが、韓国は実に特殊だ。

そもそも、日韓関係の改善は一体日本にどんなメリットをもたらすのか。

デメリットなら挙げられる。上述した外交カード化する他にも、実際に通貨スワップ協定に基づいて「円」を引き出した上で、韓国側がドルと交換して為替介入することは、過去の実例からも明らかだ。

なんと、日本は韓国の市場介入に加担してしまい、ドル市場が不安定になりかねない。そうすると、アメリカから日本が恨まれることになる。

「そんな馬鹿な」と思われるかもしれないのだが、過去に韓国はアメリカとの協定に基づいてドルを引き出した上で、介入に使っている。それをアメリカに叱られた実績があるのだ。同じことをしないとは誰も保証できない。

韓国にとっては経済が相当にヤバイので後ろ盾が欲しい

アメリカに再び叱られることは十分りかいしているのだろうけれど、韓国にとっては自国経済が相当ヤバイことをなんとかしたい。

あ、韓国経済がヤバイ話は何度も書いたので、リンクだけ貼っておく。

貿易もダメ、若年失業率が高止まり、不動産バブルもヤバイ、ついでに電力もヤバイと。

え?ドルベース?

面の皮の厚い話

と、追記要素なんだけど、何事も無かったように記事の続きを書きたい。いや、途中でアップしちゃったんだよね。

韓日8年ぶりに通貨スワップドルベースで締結有力

入力:  2023-06-28 19:44:53

韓国と日本が8年ぶりに通貨スワップを再開する方案を終盤調整している中、ドル化基盤でスワップを締結する方案を検討している。

28日、企画財政部など関係省庁によると、チュ・ギョンホ経済副首相兼企画財政部長官(写真)は29日、日本東京で鈴木俊一日本財務長官と会い、第8次韓日財務長官会議を行う。この場で韓日通貨スワップ再開が確定するものと見られる。

韓国メディアよ

韓国のメディアもコレについて大々的に報じていた。

……あれ?ドルベース?

上にも書いた通り、通常は相互の通貨を交換するという話になるんだけど、ケースによってはドルベースでの通貨スワップ協定を結ぶこともある。

これ、日本も韓国も外貨準備としてドルを用意しているのだが、ここから融通するという形もある。

規模は20億ドル~100億ドル

過去、30億ドル規模の日韓通貨スワップ協定を結んでいたのだけれど、一時的にアジア通貨危機と言うことで200億ドル規模まで積みました実績がある。

規模は少なくとも20億~100億ドルの間で議論中だという。過去に比べると規模は大きくないが、韓日外国為替協力の象徴性を勘案した措置として解釈される。

韓国メディアよ

ここの下り、「過去に比べると規模は大きくない」という意味はそういう意味である。

まあ、韓国経済の規模で考えても、日本経済の規模で考えても、100億ドル程度積んでおいても殆ど意味は無い。

韓国外貨準備、5月は急減 ドル高や市場介入で

2023年6月5日12:44 午後

韓国銀行(中央銀行)が5日発表した5月末時点の外貨準備高は前月末比57億ドル減の4209億8000万ドルと、2022年9月以来8カ月ぶりの大幅な減少となった。

ドル高やウォン防衛に向けた介入が重しとなった。

ロイターより

何故なら、韓国は外貨準備高で4209億8000万ドル積んでいるのだ。ここに200億ドル規模の通貨スワップ協定から引き出したお金を用意したところで焼け石に水である(棒)。実際にこの外貨準備高の中身、何処まで実体が伴っているのか?という点は疑問視されている。

更に言えば、韓国国内でも通貨スワップ協定はあまり意味が無いことは指摘されている。

日本の外貨準備高は1兆ドル超 G7諸国の4~13倍、9割が外為特会 スリム化求める声にも政府は慎重

2022年11月1日 06時00分

財務省所管の外国為替資金特別会計(外為がいため特会)で大部分が保有されている日本の外貨準備高が、先進7カ国(G7)で突出して多いことが、国際通貨基金(IMF)のデータから分かった。2021年末で他のG7諸国の約4〜13倍だった。物価高で国民生活が圧迫される中、特会に積み上がった巨額の外貨資産を経済対策や財政再建に活用すべきだとの声が与野党から上がっている。(山口哲人)

~~略~~

日本の外貨準備高は21年末で1兆4058億ドル。当時の為替レートで約161兆円に相当し、政府の一般会計当初予算の1.5倍の規模。今年に入り、急速に進む円安是正のため為替介入した後の9月末でも、1兆2380億ドルも残っている。

東京新聞より

なお、日本は1兆4058億ドル規模の外貨準備(外為特会)がある。

外為特会のスリム化は必須だが

ちなみに、変動相場制の日本において、1兆4058億ドル規模の外為特会が積んであるのは、アメリカ的にも少々問題である。

G7各国の状況から考えてもこんなに積んであるとは非常に問題なので、ちょっとはスリム化したら?という話もちらほら出ている。

だから、ドルベースで通貨スワップ協定を結んだところで日本には痛くも痒くも無いところではあるんだけど……。

韓国側がこれを主張するのは、実にムシの良い話である。韓国にとってはドルが欲しいのであって円では無い。円を手に入れてからドルに替えなければならない手間がある。この時に円安だと面白くないのだろう。だがそれは、韓国の都合であって日本にとってメリットにならない。

万が一、まん万が一、この話を進めるというのであれば、韓国からは更なる譲歩を引き出すべきだろう。ソレが政治のディールだろうよ。韓国と約束したところで反故にされるので意味は無いのだけれど、それでも幾つもの案件が韓国側の都合でぶら下がっている事を考えると、ソレを取り下げさせる位の交渉はやって欲しい。

追記

我が国の財務大臣は無能だった。

日韓財務対話「通貨スワップ協定」再開で合意 関係強化で一致

2023年6月29日 17時14分

日韓関係の改善が進む中、日本と韓国の財務相が経済の課題について意見を交わす「日韓財務対話」が東京の財務省で7年ぶりに開かれました。金融市場が混乱した際などに互いに通貨を融通しあう「通貨スワップ協定」の再開で合意するなど、経済・金融面の関係強化で一致しました。

~~略~~

今回合意された協定では、互いに100億ドルを融通する枠を設けることとします。

また、▽クリーンエネルギーにとって重要な製品のサプライチェーン=供給網を両国が協力して強化することで一致しました。

さらに、▽北朝鮮の不正な資金調達活動への対策を強化することでも合意しました。

NHKニュースより

100億ドル枠で合意か。事前に言われていた分の最大限で譲歩したということか。そして、日本側が得られた利益は何も無いと。

いやもう、財務大臣クビにして良いから。

なお、上の記事に書いたように100億ドル程度では日本にとっても韓国にとっても何の防波堤にもならない。日韓スワップ協定を結んでいるという事実は、韓国にとって利下げの為の材料としては機能するが、それ以上の意味は無い。危機に陥れば、100億ドル規模は瞬時に蒸発する。

第8回日韓財務対話プレスリリース(令和5年6月29日) : 財務省
第8回日韓財務対話プレスリリース(令和5年6月29日)

こちらは財務省のプレスリリースだ。

9.両大臣は、国際協力銀行(JBIC)と韓国輸出入銀行(KEXIM)間の覚書(MOU)への署名を歓迎した。JBICとKEXIMは、本MOUを通じ、知識・経験を共有しJBICとKEXIMによる共同支援の機会を模索しつつ、特にインド太平洋地域をはじめとする第三国での質の高いインフラプロジェクト開発や、多様かつ強靭なサプライチェーンの確立、世界的なカーボンニュートラルの達成のために連携を強化する。

財務省のサイトより

いやもう、ダメだろう。交渉の出来ない財務省の言うことをハイハイ聞いているだけの大臣って必要なの?

何を模索する気かは知らないけど、サプライチェーンの確立って韓国とやって何の意味があんの?もういらないよね、アノ国との連携って。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    (民主党政権時代のアレやアレはもう論外なのでノーカンとして)岸田氏、当方の内部的には近衞文麿の次くらいのランキングになりつつあります。歴代の首相の、愚鈍番付として。

    マスコミもいいようにアッチの報道に踊らされてるし。

    はらわた煮えくりかえりますね。

  2. アバター 砂漠の男 より:

    チョロ岸田、アタマおかしいんじゃないか?

    海自機へのレーダー照射事件が未解決
    在釜山日本総領事館裏の慰安婦像問題が未解決
    日本から輸出された高純度フッ化水素(13メトリックトン)の行方不明問題が未解決

    チョロ岸田は国益を護る意思がない。

  3. アバター 河太郎 より:

    嗚呼、嫌な予感が的中しました。
    一刻も速く退陣願いたいです。

    • アバター BOOK より:

      いちおー! 既に老人である自分のショック死防止に!

       解散見送ってキシダ政権まだ任期長いので、

      支那・韓国のTPP加盟容認ぐらいまではあり得ると想定しとくかな!

      (新宿会計士さんの所にマルチポストするかも、木霊様>ご容赦を m(..)m )

  4. アバター 匿名 より:

    同盟国が別の同盟国に戦争しかける気満々。と、言うのは米国の深刻な問題かと思われますが。まぁ、正式にどっちか一方を切り捨てるまでは形振りだけでも繕うしか無いのも実際で。
    …「二股かけてんの?」みたいな形になっちゃってて、これはこれでこっちも面倒くさい事になってる気もしますが、韓国の反日感情を利用して特に正そうともしてこなかったのは米国も一緒な気もしますので、そっちもそっちで、最悪は在日米軍vs在韓米軍の同士討ちなんて醜態を晒さないよう、精々出来もしない仲立ちに苦労して下さいな。とも。

    • 木霊 木霊 より:

      日本が韓国と断交するという選択肢が採れない以上は、冷めた関係でお付き合いしたいというのが日本側の希望なのですが、韓国がもう色々とヤバいんですよね。
      「自業自得なので」と切り捨ててしまえば良いとは思うんですが、アメリカとの関係を考えると簡単に切り捨てられないのでしょうね。
      アメリカの甘えを許すのであれば、その対価を得られるような交渉をし、国民に説明できるところまでは説明するというスタンスを示して貰えるのであれば、岸田氏も信用出来るんですが。

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