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ロシア国内での労働力不足がより深刻化

ロシアニュース
この記事は約9分で読めます。

定期的にお伝えしているロシア経済だが、まあ、良い材料はないよね。

“ロシア国内で労働力不足 深刻化” 国内経済へ打撃との指摘も

2023年12月25日 6時16分

ロシアの有力紙は、ロシア国内で労働力不足が労働力人口全体の6%余りに上り、来年も深刻な不足が続くと伝えました。ウクライナへの軍事侵攻が1年10か月と長期化する中、国内経済への打撃になるという指摘も出ています。

NHKニュースより

前回も、「その兆候がある」とお伝えしたわけだけれども、今回はその裏付けのニュースとなる。と言うわけで、今回のこの記事は記録のために書いたような感じである。

経済の舵取りはまだ出来ている?

人手不足は割と深刻

目新しい話は特にない。

前回、11月に言及した際に、「無理な利上げをやったよ」という話を書いて、その理由が人手不足に起因するインフレだとした。

ロシアの有力紙「イズベスチヤ」は24日付けの電子版で、ロシアの研究機関の調査結果を引用しながら、ことしの労働力不足は480万人に上る見通しだと報じました。

ロシアの労働力人口全体の6%余りに相当し、ロシア中央銀行のナビウリナ総裁が先月(11月)「製造業や化学工業などで深刻な人材不足を引き起こしている」と懸念を表明していたのが数字で裏付けられた形です。

NHKニュースより

でまあ、この話を裏付けるような話が出てきたというだけのニュースだ。

ウクライナへの軍事侵攻に伴って兵士として多くの人々が動員されているほか、国外へ逃れた人が多いことも背景にあるとみられ、記事では来年もIT分野や工学系の専門職、医師や運転手など幅広い職種で深刻な労働力不足が続き「制裁下の経済の立て直しを困難にする」という専門家の指摘を伝えています。

NHKニュースより

高度人材流出という問題もあるのだろうが、それ以上に単純労働力すら戦場に採られているという実態がある。

人口を増やせ!

でまあ、人手が減っていることは分かっていたので、ちょっと前からロシア政府は出産を奨励してきた。

焦るプーチンは多産を奨励 それでも少子化は止まらない

2022年7月4日

ソ連崩壊後の1990年代にロシアを苦しめた出生率の低下と人口減少が、再び深刻化する様相を見せている。新型コロナウイルス禍でロシアの人口は昨年、ソ連崩壊後で最悪の年間100万人以上が減少。さらにウクライナ侵略が長期化するなか、ロシアはプーチン政権発足後で最大の経済の落ち込みが見込まれており、社会不安の高まりが女性の出産を抑制すると予想されているためだ。

プーチン政権は子供を〝10人以上〟生んだ女性に「英雄」称号を与えるとしたが、効果は見通せない。すでに国の頭脳となる若者らの国外流出も本格化しており、国力の低下に拍車をかけそうだ。

wedge onlineより

これは去年の記事で、この時点でもかなり無茶な話が出ていたようだ。当然ながら、あまり効果はなかったらしい。

プーチン大統領は6月1日、「国際子どもの日」に合わせ開かれた会合でこう強調した。10人以上の子供を育てた母親を「英雄」として表彰し、さらに100万ルーブル(約250万円)の報奨金を与えるという内容だ。7人以上なら50万ルーブル、4人以上なら20万ルーブルなどを与えるという。

wedge onlineより

政策自体に即効性がないのは誰の目にも明らかだが、そもそも10人育てたら250万円って、馬鹿にしてんのか。20倍の金額でも足りるかどうか。日本の場合には、出産一時金として50万円ほど出る(ほぼ出産費用で消える)のだが、10人産んだら行政の支出は500万円になる。ロシアでは一時金も出るようだが、これも最近になってからの話。

プーチン氏、新たな少子化対策発表 第1子から一時金支給

2020年1月17日 10:21

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は15日の年次教書演説で、出産に対する一時金の支給を通じた新たな少子化対策を発表した。

~~略~~

この一時金は、2007年にプーチン氏が導入して好評を集めていた制度。すべての家庭を対象に2人目以降の出産に対して支給され、今年の支給額は約7600ドル(約84万円)となっている。

プーチン氏はまた、子どもが2人いる家庭への手当について、総額を現在の為替レートで約1万ドル(約110万円)に引き上げ、少なくとも2026年まで継続すると表明した。この手当は子どもの教育や居住環境の改善などに使用できる。

AFPより

おお、日本より手厚いね。

……あれ?

https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11863404_po_02890214.pdf?contentNo=1

仕組みに言及した文章を見かけたのだが、最後の一文が不穏だな。「支給は、現金では行わない」って書いてある。他にも、「自動的に支給されるのではなく、申請による」とか、なかなか不穏なことが書かれている。

なお、こうした取り組みは戦争以前から行われていた事に注意されたい。

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2023年には更に悪化

で、こうした政策を行っていたにも関わらず、状況は悪化。ついには先日こんなニュースが。

「もっと兵士を産め」 ロシアで中絶阻止の動き強まる

2023年12月22日 18:15

ロシアではウクライナ侵攻開始以降、急激に保守化が進み、国民の暮らしも変化した。影響が及んでいる問題の一つが、女性の中絶権だ。

宗教色のより強い多くの西側諸国とは違い、ロシアでは何十年も前から中絶は合法で、この問題で社会が分裂することもあまりなかった。だがここ数か月で雲行きが変化している。

AFPより

うーん、怪しい話だ。なんというか、欧米の妊娠・中絶に関する問題の騒ぎについては知っていたけれども、ロシアにも波及しているのか。

またプーチン氏が政府方針に抵抗するあらゆる社会的立場について、西側諸国の策略だとみているとも指摘した。「中絶もその一部だ。女性に中絶させることは、ロシアの人口問題を悪化させようとする西側の策略だと考えている」

政府系のクリニックでは長年、女性に中絶を思いとどまらせるために「相談会」を実施してきた。だが保健省が新たに発表した医師向けの勧告は、もっと強引な方法を推奨している。

AFPより

大統領が陰謀論を唱えているのはどうよと思うわけだが、ロシア人女性が妊娠に否定的な印象を持つ事は、悪手だと思うのだが。

何より、ロシア国内で安全な出産が出来ないとロシア人女性には思われているようで。

ロシア女性の「出産ツアー」 制裁かいくぐりスイスにも

2023/06/21 08:30

ロシア人妊婦が出産のためにスイスを訪れるのは、特に目新しいことではない。ウクライナでの戦争を境にその数は大幅に減少したが、対ロ制裁を回避してでもスイスで医療を受けたいロシア人は多い。

~~略~~

出産のために外国へ行くロシア人妊婦は多く、「出産ツアー」と呼ばれている。欧米の専門医のもとで無事に妊娠期間を過ごすことが目的の人もいれば、出生時に子供に与えられる国籍が目当ての人もいる。

swissinfoより

以前からスイスで出産するロシア人は少なくなかったようだが、制裁絡みでスイスへの渡航が厳しくなった後でも、まだ存在はするそうで。

いずれにせよ、ロシア国内の状況は、戦争前から良くはなかったようだが、戦争後、経済制裁を受けることで悪化。ロシア人にとってロシアで生存する魅力は更に減じたというわけだ。

インフレ率は8%

この記事についている動画を見ると、プーチン氏は相変わらず「ウクライナの非ナチス化」という意味不明の発言をしている。

が、利上げに関しては「更に上がる」とのこと。

ロシアの今年インフレ率は約8%、経済はプラス成長へ=プーチン氏

2023年12月14日午後 7:29

ロシアのプーチン大統領は14日に開いた年末記者会見で、今年のインフレ率が約8%になる可能性があると述べた。15日には中央銀行が物価高騰を抑えるために再び金利を引き上げると見込まれている。

ロイターより

なるほど、卵を含む生鮮食品が高騰しロシア人が卵を入手するために行列を作っているという話はあったんだけど、全体的にも徐々に上がっているって事だね。

とはいえ、ちょっと前に20%を超えていたことを考えれば、随分とマシといえるレベルである。

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ウクライナ経済の方が深刻

さて、日本としては侵略された国が何とか国土を取り戻して欲しいと応援したいところではあるが、厳しい。正直、もう保たないんじゃないかな。

アングル:厳しさ増す来年のウクライナ経済、西側援助の持続性に黄信号

2023年12月25日午前 7:29

ウクライナ経済は、外国からの援助が到着するまでの今後数カ月間を乗り切ることはできるだろう。しかし、来年が今年より厳しくなることは確実であり、政府は今よりも自国の資源に依存する必要が出てきそうだ。

ウクライナは来年予想される430億ドルの財政赤字を、主に海外からの資金援助で埋めたいと考えている。欧州連合(EU)からは185億ユーロ、米国からは重要な軍事支援を含めて80億ドル余りの支援が期待される。

ロイターより

今のところ、紙幣増刷には至っていないようだが、もはや国内経済を維持するだけの余力はなく、外国からの支援が途絶えれば直ぐに破綻してしまうだろう。

ロシア経済の耐力よりも、早くに枯渇することはもはや誰の目にも明らかだ。

エコノミストによると、ウクライナが外国からの資金援助に依存し続けるのは確実だ。ところが、西側からの援助は縮小するかもしれない。

ICUは調査ノートで、外国からの援助や融資を勘案しないベースの財政赤字は「少なくとも2027年まで国内総生産(GDP)の10%を超え続け、30年以降になってようやく5%を下回るだろう」と予想した。

今年1―10月の貿易赤字は、過去最大の223億ドルに膨らんだ。輸出が低迷する一方で輸入が急増していることを物語っている。

ロイターより

直ちに外国からの支援が途絶えることはないかも知れないが、既に細ってきている。

ウクライナの政局も随分と怪しいようで、この夏の反攻作戦は全体的に失敗したと見られていて、大統領の退陣が視野に入ってきている。ただ、ゼレンスキー氏の退陣は結構なリスクがあるので、2024年に予定される大統領選挙は「やっている場合か」という話になりそうだ。

と、ウクライナの話をしたので、戦争終結はウクライナ経済崩壊によって早まる可能性は結構出てきていると思う。少なくとも、現状で戦線を維持できていない理由は、武器支援が細っていることの他に、前線の兵士不足という深刻な側面がある。

ロシア側は質を無視した量を強みにした攻勢によって、ウクライナでの戦線を押している。随分と押し切られるところも増えてきた印象で、なかなか厳しい。

そこへきて、「停戦に興味」という報道を出して揺さぶりをかけている。

“プーチン大統領が停戦に向けた協議に関心示している” 米紙 | NHK
【NHK】ロシア軍によるウクライナ侵攻が続く中、アメリカのメディアは、プーチン大統領がことし9月以降、仲介者を通じて停戦に向けた協…

自国の状況は厳しいけれども、「ウクライナを勝ち取った大統領」という功績が残せれば、プーチン氏の名声も維持できるという目算なのだろう。ただ、国際社会はどうするのか?ということを考えると、余り楽観視もできないのだが。

コメント

  1. アバター 山童 より:

    ロシアはまぁ、総兵力に対して国境線が長すぎるんですよ。きんぺーくん達と違うのは人口が国土の割に多くない事。
    なので、そもそも、あっちこっちに手を伸ばすのはムリなんですな。ムリだからプリコジンみたいのが伸長したのだろうし。そこにきて西側が出生率を下げる謀略してるとか、笑わせるでねーすか?
    金で貧しい国の人を傭兵として釣ってるらしいけど、どこまでもつか?
    ウクライナも似たようなもんだけど🤣
    私はウクライナがロシアを撃退しようが、奴隷になろうが、「たいして台湾に影響しない」と考えてるので。武力でキンペーくんが乗り出す時は、やるしかないピンチとチャンスの時で、そのタイミングはウクライナに関係ないと思ってます。
    ここでウクライナを助けないと……というのは、自由主義vs権威主義国家の対立軸に話を持ってゆきたいバイデンらのシナリオであって、実態には関係ないし、わざわざ任期も残り少なく、次大統領選挙で票田が割れる事が解りきっている民主党のロートル大統領の喧伝に、わざわざ乗ってやる必要はないと思ってます。
    ウクライナ支援して、それが自由主義を護るとかは幻想に過ぎません。

    • 木霊 木霊 より:

      ロシアもジリ貧だからこそ、「強いロシア」を見せることで国力を盛り返すという発想なんじゃないですかね。

      個人的には、「侵略を許してはならない」という立場から変わらないのではありますが、しかしそれはそれとして現実を見ればウクライナ劣勢は明らかです。
      国益を追求するために何処までウクライナに手を貸すのかは、日本としても見極める必要がある時期なのかも知れません。

      バイデン氏の思惑は分かりますが、しかしあの人本当に次の選挙出るつもりなんでしょうかねぇ。
      任期中に老衰で死去、政局混乱、なんてのは割と現実的になってきましたが。

  2. アバター 山童 より:

    岸田は確認待遇で米国に行きたくて仕方ない。んで、バイデンは議会でダメ!を出された7.5兆円のウクライナ&イスラエル支援金を日本に出させるつもりです。
    なんでウクライナを護る為に、米国一国でなくバイデン個人の権力と、その取り巻き民主党の為に、苦しむ日本人の金を払わねばならないのでしょう?
    ウクライナ支援すべき言う人が金を負担するようにして欲しい。

    • 木霊 木霊 より:

      ……民主党は、何処の国も碌なモノではありませんね。

      ウクライナ支援やイスラエル支援に関しては、別に記事にしたいと思います。
      ある程度は必要なんでしょうが。

  3. アバター 山童 より:

    少なくともバイデン政権に絶対に意思表示せねばならぬ事があります。
    それは「金や協力を日本に求めるのは、次の大統領選挙に当選してからにしろ!」です。チップ無しで、すり減った信用を元手に「青天井」の勝負しようなんざ考え甘いぜ!

    • 木霊 木霊 より:

      言わんとしていることは分かるのですが、じゃあ、ロシアの侵略を許すのか?と言うところはなかなかに厳しいと考えています。
      確かにウクライナが負けてしまって、国際社会に大きな影響があるかといえば、場合によっては掌を返してロシアとの関係修復を目指す可能性はあります。

      ですが、ロシアの行為を是とした時に、ロシアが次に狙うのは北方領土から北海道ですし、支那は沖縄から九州地方であります。それを実行しても国際社会は許してくれるのだという前例を作るわけですから。

      「そんなの綺麗事だ」「過去の歴史を見れば前例は沢山ある」というのも正論ではありますが、近現代において、侵略戦争を認めるのか?という点はまた別であります。日本が、侵略され始めた時に初動の時点で国際社会が助けてくれるかは、国際的「貸し借り」で何処まで「アイツに手を貸した方がリターンが大きい」と、感じさせられるかにかかっていると思います。

      アメリカに載せられてホイホイと金を出すのは確かに違いますし、もっと国内に目を配れよと言うのは正にその通りなのではありますが。

  4. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ロシア経済はちょっと置いておいて……
    ウクライナは、結局、
    ・西側が、各国自分の事情にかまけて支援が及び腰になりつつある
    ・ポーランドとか隣国がどう考えてもロシアに取り込まれてて、物資輸送とかの邪魔している
    のがなんともはや。
    この件に関しては、アメリカがトランプのオッサンになっても好転出来る気がしない……猛獣使いだった安倍元首相の手腕無き今となっては。

    で、ロシア経済ですが、全体としてどう見るかは別として、こんな視点もあったのでご紹介を(御存知ならすみません)。
    https://twitter.com/Witchwatch99/status/1738638768360542627
    >「ロシア軍が押し返してる」「ロシア国内の経済状況は良好」等々、ここ最近ロシアのポジティブ報道が増えて来てたんで気になって調べてたらいくつか気付きがあったので以下長文

    だからどうした、という所は、七面鳥は経済疎くて頭の整理が追いつかないのですが……少なくとも、物事は多面的に見るべきという事だけはわかりました。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      ウクライナの状況は厳しいと言わざるを得ません。
      紹介頂いたポストの内容は参考になりましたが、要は戦時経済でロシアが「好調に見える」ようにコントロールできているけど、内容は結構厳しいよと言う話になると読み取りました。一時的に指標が好転しているのは、支那も同じですが、原油価格に依存した体制はなかなかに外乱に弱い。アメリカがシェールガス増産に踏み切っていますから、その価格高騰も余り続かないでしょう。
      このブログでも概ね似た感じで論じている積もりではありますが、ロシアは長くは保たないでしょうね。

      一方、ウクライナ経済は完全に破綻状態なので、支援の手が止まれば未来はありません。自前で何とか出来るほどロシア軍は弱くないと言うことですね。

      ポーランドなどロシア隣国は、国際情勢を見ながらバランスをとっています。結局は、どこかが大規模に支援する姿勢を見せて、実際にウクライナが盛り返して見せないと、事態は好転しません。ですが、その鍵となる反転攻勢に失敗してしまいましたから、現状が厳しくなっているという構図ですね。

      • アバター 七面鳥 より:

        ロシアの周辺国(旧東側)の状況は、東南アジア情勢とどこか似ていて、哀しくもあり、辛くもあり……

        ランドパワーのスーパーパワーに、弱小国家は太刀打ち出来ず従うしかない、という構図は変わらないのですよね……
        ※東南アジアには海があるが、ブルーウォーター化をゴリゴリ推進する支那のパワーにはやはり逆らいきれない……日本の立ち位置(地形的にも、地政学的にも、政治的にも)が異常なのですよね。
        ※だからこそ、似た立場にある(より近いのは台湾か?)ウクライナを支援したいけれど、「9条」その他の足かせは重すぎますね。

        • 木霊 木霊 より:

          ロシアが力の信奉者であり、その庇護下にいた事実はありますから、周辺国としても苦しいところ。
          ジャイアンにすり寄るスネ夫が陰口をたたくような状況に似ていますが、生存戦略でもありますから否定も出来ません。
          東南アジア情勢もまあ、一緒ですね。

          ウクライナは心情としては侵略者を排除するという一点で支援したいと思っていますが、現実は日本の国益になるかを冷徹に見るべき事案でもあります。
          山童さんも書かれていますが、日本にとって不都合なことも随分とやってきた国ですから。

  5. アバター 山童 より:

    イスラエルに関しては支援せざる得ないでしょう。
    トランプ政権になっても、地盤の一つが福音派ですから。神の意志によりユダヤ人にカナンが与えられたと聖書を信じる人々の票田が全米有権者の25%を占める。
    バイデン以上にイスラエル支持は強固なはず。そしてユダヤ系財閥の力は侮れない。故に現実論として、日本も妥協せざる得ないだろうと私は考えてます。
    その延長として、ウクライナには冷淡なわけです。助けてもタカられるだけで、
    そもそも北朝鮮に組織的(組織≒国家とは言ってない)に核技術を輸出してきた国を何故に助けにゃならん?
    日本に向ける核ミサイルを輸出した「敵対国家.反日国家」やないすか!
    間接的だろうと、日本の喉首に突きつける核を輸出した国は敵国です!

    また、木霊様も当初はパレスチナに同情する若者を過小評価してらっしゃったが、あれよあれよと侮れない拡大を見せてます。これはグローバルサウス評価もそうで、木霊様はその力を軽視してらしたが、現実に国連決議で何度も彼らはまとまってきていて、その中心は「産油国」です。日本の97%の原油を握る湾岸諸国です。何度も言いますが、現在は連合国≒国連の作った戦後の秩序が過渡期にあります。今は軽視する連中でも、10年後は解らないのですよ。
    現在の我々が位置するロシア制裁組とか、イスラエル支援賛成派は国連加盟国の中でマイノリティです!
    これは数の上から実証できる事でしょ?
    多くの国連加盟国はロシア制裁に参加してない!
    だから中露が暗に賛同する国を増やしている。そして、この事は、この10年で相対的な米国やEUの影響力が低下して、信頼を失いつつある現実と比例してます。
    私はそういう「流れ」は無視すべきものではないと想う。

  6. アバター 山童 より:

    ロシアに関しては国際法ではたしかに侵略だが、彼らの文法では侵略ではない。
    ロシア史を1から書くほどの知識はありませんが、ようは9世紀のキエフ・ルーシ国が直接の起源です。キエフを中心にウクライナ、ベラルーシ、ロシアのひがしスラブ人の国。で、この9世紀から公国の違いはあれ万世一系でリューリク朝がスラブ地域を700年治めてました。その血筋がイワン雷帝で途絶えた。
    その時にモスクワを占領していたポーランド軍を撃退した民衆義勇軍が、戦後のスラブ地域統治を巡り会議を開きます。
    万世一系の血が途絶えている。共和制的な話も出ていた。で会議でツァーリ専制を選び、選出されたのがミハイル.ロマノフつまりロマノフ朝の始まり。
    もともと強力な専制で「スラブ」を統一する事を民衆会議で決めた国なのです。
    なので東スラブ民族にとって、専制的な指導者の下に束ねるのは、我々が天皇家を敬うような、彼らの民族的な文化と言って良い。それに比べれば冷戦崩壊後のウクライナの独立に関する話は薄いものなんですよ。
    そして、その文化的?な資質はソ連以後も残った。

    例えば西欧のクリスチャンやギリシャ正教すら十字を切る時は3本指で切る。
    ロマノフ朝のピョートル大帝までは、ロシア正教は2本指で切ってました。
    ここ大事です!
    3本指とはトリニティつまり父と子と聖霊が一体である事を示します。ようはイエスは神の化身である。
    この事は西欧に於いては「法王だろうかま皇帝だろうが所詮は人だ」を意味します。この点は中国の皇帝も同じ。
    しかし、2本指とは「神と人」を表してる。つまりイエスは人であり神である2重の存在であると。
    んで、ロシア正教は皇帝が総司教の任命権を持つので、「皇帝は神でもある」のです。我々は天皇陛下が神だとしても、天皇家が天地創造した創造主と同一視したりはしませんよね。例え戦前でも。
    でも、ロシア人はそうじゃ無かった!
    こういう歴史的で文化的な刷り込みが根底にあって、それが絶対権力をロシアのトップが握るという精神性を産んでるわけです。こういう「縛り」は「発想のことごとく」を覆うので、理屈でどう言ったって彼らには通用しないんですよ。

    現代は西洋科学文明いがいの文明は存在しないので、その中心にある西欧合理主義と科学で物事を測る訳ですが……
    ぶっちゃけ理系の出身者や、理系的な発想する方には「そもそも宗教および宗教的文化は矛盾したものである」という事が理解できない!!
    これは私が理系と文系の双方の国家資格者であり、東洋医学と西洋医学の双方から治療してきた者として断言てきます。
    理系的な発想の人は「論理的な一貫性」を重視する。それ故に「物事は合理的に弁証できる」と勘違いしてる!
    けれど、中東がそうだが、文化とくに宗教・信仰を土台とするものは「一貫性は存在しない!」のです。
    宗教にはドグマや聖典があるが、これがロジカルに一貫していると、かならず後世に矛盾をついて反論してくる奴が出る。その蟻の一穴がダムの亀裂となり、
    やがては信仰体系が破壊されるからです。それを防ぐ為に、あらゆる教典・教義は「予め矛盾を内包」している。
    真逆な事を列挙しておき、どの方面からツッコミが来てもそらせるように出来ている。宗教は論理的一貫性を持たないように出来ているものなんです!
    結論から言うと、米国が中東政策で失敗してるのは「それ」が原因です!!
    そして、これは開発途上国に全般的に言える事ですね。
    国際法とか法の下の平等とか、自由主義とか、そういうものは人類史において、
    ここ数世紀のものでしかありません!
    それで説得するのは、それらの価値観を共有する先進国のものでしかない!
    従って、抑えるとしたら「力と金」でしかない!!
    その力と金が米国の下で急速に衰えている以上、それらにグローバルサウスが従わなくなるのは当然なんですね!!
    この世はパワーです。米国が世界を率いてこれたのは、ユーラシアの東西で、ヨーロッパとアジアで同時に開戦できるだけの金と軍事力を持っていたからです。
    決して自由主義だの民主主義だののお題目が世界の警官を務めさせた訳ではありません。
    最後に、あまり書きたくはなかったけれど、ここまで書いても木霊様とは根本的には平行線だと思います。
    それは簡単で、私は今は堅気だが、もともとはグレーゾーンで途上国ビジネスしてきた「アウトロー」だったからです。
    明るい処から暗闇は見えにくいが、暗闇からは明るい場所は良く見える。
    そして、そこに観える光景は、明かりの下で観える光景とは違うからです。
    そこは理解しあえなくても仕方ないとは諦めてます。

    • アバター 山童 より:

      最後に、ロシアの北海道侵略を正当化しかねない……ならばです。
      日本もシベリア資源やハバロフスクを武力て奪っても良いという事になる。
      そういう逆転の発想もあり得る!
      今後、北極海航路が開けてくる時に、北海道はハブになるから、シベリア東岸まで抑えると、北極海を実質に握る米国とロシアに物つよく言えるんですよ。
      非現実的? まぁ平和ならね。でも乱世はどう転がるか解りません。
      アニメ「ゴールデン・カムイ」で生きていた土方歳三がアイヌちよる蝦夷共和国を狙う話が出てくる。アレは元ネタがあって、明治にポーランド貴族やチェコ人などの流刑囚が、砂金を元手にオロチョン族やアイヌ族を手下にして、北海道からシベリア東岸の独立を狙った話。
      動乱の時代には、この手の狼煙が上がる。そして現在は動乱の時代に既に入ってる。それは、中露を巡り、あくまてロシアを仮想敵にするか、はたまた中共を主敵とするか、今の米国の議会や政府機関内で揺れてるでないですか。次の大統領選挙後に(内紛多発しなければ)定まってくるてしょうけど。
      日本も北極海航路の伸展による旨味に1枚噛めるチャンスでもある。
      そういう逆転の発想って減ってるなぁ。
      要は次に何が起きるかわからない時代に我々は生きており、「今の現実的とされる状況」を土台にして計算しても、コロナや猛暑やハマスのように、簡単に土台がひっくり返る時代なんてすよ。
      くさする気は毛頭ないんたけど、木霊様の最近の記事は「技術屋の近眼」な視点を感じるんですね。
      俺、進学時に経済援助してやった数学の博士とか理学部出身いるんで、工学系との違いって薄々わかってる。
      今あるファクターで先々を考える。これがエンジニアの特徴で、言うなればホリエモン的な予測。2、3年先の未来については良く当たるんだけど、この手の見解って、20年先だと大幅に狂うんです。
      先の万博の頃、2020年には火星植民地とか、せめて月面植民地と言われてた。
      現実には通信とコンピュータの発達でサイバーパンク的になり、ゲノムやバイオで1970年代の未来予測とは全く違う方向に変わった。ソ連も崩壊したし。
      あの当時の「原則的なリアリスト」は、
      人口統計学者や民族学者が提唱する「ソ連の崩壊」を嘲笑していた。
      「ソビエト帝国の崩壊」なんざ、見事に10年後を予言していたけど、リアリストなアナリストにボロクソされてた! 
      つまり「科学者」の浮世離れに対して、
      「技術屋」系統には「近眼で側近の予測は上手いが、中長期の予測は必ず外す」という特徴がある!
      本当に日本の未来を切り開くならば、その近場ばかり観るのは、いつかは弊害になって来ると思いますよ。

  7. 木霊 木霊 より:

    > 山童さんへ

    コメントが複数あって、トピックスがコメントを跨いでるため、纏めてお答えしたいと思います。

    さて、この話題に関して、僕の言語化能力で山童さんとの認識の溝が埋められるなど自惚れてはいません。
    したがって、2~3訂正をしておくに留めておきたいと思います。

    まず、イスラエルに対するスタンスですが、現状のトップ、ネタニヤフ氏の考え方を僕は支持しておりません。
    テロ活動によって被害を受けたと言う事実は認めつつ、その報復のやり方は余りに凄惨です。イスラム国家の流儀なのかもしれませんが、アレでは次のテロリストを産むだけでしょう。
    イスラエルという国家そのものの存在は認めていますが、それでもパレスチナ人が消えて欲しいわけじゃない。
    そして、アレは良くも悪くも民族紛争であって、外国を巻き込む類いの話ではないと考えています。暴論だとは思っていますが、正直、勝手にやってくれと。話し合う気があるのなら、手を貸すのは吝かではないというのが正直なところ。それこそ、外側の論理を持ち込んで和平させようなんて、烏滸がましいし恨みを買うだけです。

    次に、ウクライナの話ですが、アレは侵略戦争です。ロシアの理屈がどうであれ、国際的にはロシアを交えて約束をしたのですから。どう言い訳を並べても侵略行為に他ならないのです。ロシアの歴史?知らんがな、ですね。ウクライナにはウクライナの言い分があるでしょうし、どちらの言い分を尊重するという話でもありません。もちろん彼らには彼らの言い分があるのは理解するし、尊重はします。しかし侵略行為はそれを外に持ち出すということなので、侵略行為を認めるな、それだけです。歴史的背景の複雑な話は両国の政治で解決して貰うべきで、それは争いで殺し合い決着を付けるべき話でもない。こちらの話も、彼らの正当性は彼らにしか理解出来ないモノで、それで良いのだと思っています。ただ、国際的には自分の理屈を他国に押しつけるのは誤りで、あまつさえそれを武力でねじ伏せようなんて最悪ですよ。単純な構図で見ているのは申し訳ありませんが、第三者的立場でみるしかないのですから、どちらかに肩入れするのは基本的には宜しくないと思います。

    最後に、このブログで僕は日本のあるべき国家観の話をしたことはありません。ろいろあってブログの説明なんかも簡略化してしまいましたが、「気になったニュースを分かり易く解説」の部分だけは、できるだけ守るように心掛けております。最近ちょっと雑なんですがね。
    そこを踏まえた上で、「マネーとパワーが大切」というご指摘には論旨も含めて賛同しますよ。そして国際紛争に対して勝ち馬に乗った方が有利なのもわかります。ですが、国際的に取り決めた最低限のルールにたいして、「それは西側の論理だ」と切り捨てるのは、ロシアにしても支那にしてもやってはいけないことだと思います。何しろ、彼らは当事者なのですから。
    近視的というご批判は甘んじて受け入れますが、その点は守るように働きかけたうえで、実際にぶん殴られる前に殴り返される態勢を整えるべきでしょう。

    • アバター 山童 より:

      では少し意地悪たけれどシンプルな質問します。
      ◯ロシアも公の場で約束した決まり。
      ◯それは西側ルールだと破る
      お前らも参加して認めた上でのルールだろう?という訳ですね。

      では、小学校で掃除をサボったり、廊下を走ったら(ルール違反者は)
      ◯クラス全員の前で裸踊りして謝る! 
      さようなルールを決めていた場合、児童に裸踊りさせるのが「正しい」です?
      現実に地域であった事件です。

      まともな大人や教師なら、
      「皆で決めたルールだろうがダメなものはダメだ!」で権力行使でヤメさせる。

      このダメなものはダメだ! が、木霊様のロシア史など知らん、ダメだ!てす。
      それは正しいだろう。
      だが、子供らの自発的に決めたルールで定められたものを……って話はあるね?

      中露の現状変更は「そんなルールおかしいだろ?」な訳です。
      たしかに国連UNは「連合国」でして、
      国際連合などでなく、戦勝国ですから。
      サイクス・ピコ協定による中東の国境線とか、少なくとも19世紀の帝国主義植民地獲得競争の以前にリセットしないと不公平だ!ってのも事実ではある。
      だから中露の言い分に開発途上国は乗ってるし、制裁に距離を置いてる!
      これは「力と金」が欧米で衰えているからの現象な訳です。

      ようは私が何が言いたいかと言うと、
      ルールって所詮は人が作ったもんでしょう?
      そんなに絶対的なもんなわけ? 
      ルールなんて力関係が返答すりゃ変わるものでないの?
      なんで金科玉条のごとく侵略だ!
      いけないんだ! 言うんですかね? 
      武力で他国を支配してはいかんとか、聖書にも仏典にも乗ってない。てか、聖書にはユダヤの民がカナンの地を、先住民を皆殺しして奪うのを肯定している!
      皆の決めたルールだから変えてはいけないというのは、違反者を裸踊りさせるのが正義だという小学生たちと変わらないのてはありませんかね??

      • 木霊 木霊 より:

        それは、ロシアが小学生レベルだとの指摘でしょうか?まさか西側諸国が大人側だと?いや、小学生同士の決め事なのでしょうから、両方が小学生レベルなんでしょうね。そして国連ルールは小学生同士のおかしな取り決めだから、破って問題ないものだと。

        ……コレは例えが不適切なのではないかと思いますよ。

        国連で決めたルールが嫌なら、国連内部から正式な手続きを経て変えれば宜しい。
        それが嫌なら国連から脱退すれば良いのではないでしょうか。それこそシンプルな話です。そして、ロシアに賛同するロシア中心のグループを作ってその中で盟主を気取れば良い。実際にそうしていたではありませんか、ソ連時代は。しかし、ソ連時代であっても国連の枠組みは利用していた。つまり、暗黙の了解として、彼らは国際的な取り決めを守るという意思表明をしていたのです。まあ、タダ乗りする積もりだったのでしょうが。

        そもそも、ロシア側は現時点での侵略戦争を「侵略」と認めてはいませんね。「侵略はいけないことだ。しかしロシアがやっていることは特別軍事作戦であって戦争行為ですらない」、それがロシアの立場でしょう。
        しかし、侵略でないのなら軍事力を使った自国民の虐殺に他なりません。正直、ロシアのやっていることは擁護の余地が無いのです。これは、欧米を見習うべきだとかそういう話ですらありません。
        例えて言うならば、家の中に勝手に侵入してきて「ここは元は俺の家だった」と住み着いている他人を追い出すのに、難しい理屈が必要か?というお話に過ぎないのです。警察は「民事不介入だ」と言って手を貸してくれませんが、何故か「家の中で使うだけなら」と拳銃を貸してくれた特殊な状況ですが、相手も銃器を持っているので、正当防衛の範囲内でしょうか。もしかしたらロシアにとってみれば、立場がまるっきり逆という主張なのかも知れませんけどね。

        規則やルールはおかしなモノがあるのは事実です。それが罷り通っている事実でしょう。そのルールを変えるために仲間に意思確認をして多数決をとるという民主的手続きを、独裁主義国家に押しつけるのはおかしいという事かも知れませんが、そんなことを言ったらルールなど決められません。

        ああ、これらの認識はあくまで個人的な認識なので、そういった事が必ずしもこれが正しいとか、意見を押しつける気はありません。この件、山童さんに対して失礼な物言いをしている部分がある認識はありますが、譲れない部分はあるのです。そこはご容赦頂ければと思います。

  8. アバター 山童 より:

    中露は国連を脱退して自分等のグループを作れというのは私も賛成です。
    拒否権を持ったまま国連に残ろうというのは図々し過ぎる。
    が、じゃあ英仏米が拒否権持ったままで、資源濫費して、それでいてco2排出規制だの途上国に強いるやり方もどうなんですかね?
    10年前なら大国は相手にもしないし、また途上国が声を上げる事もなかった。
    善悪の問題でなく、ここにあるのは力関係の変化だと想うんですよ。
    黙ってる必要が無くなったてことです。
    んで、中は基本的に開発途上国を搾取してきた事が無いとは言わないが、欧米のようにやってきてない。途上国では植民地時代の搾取や虐殺で今が貧しいと、賠償を求めようという動きが出てる。
    それが通るか否かとは別にして、それが国際社会で公言でき、かつ大国も無視できないレベルに「力関係」が変化してるって事です。中露はそこに付け入ってます。それに比べると、先進国は自由とか民主主義とか言いながら、矛盾が隠し難いほどに露呈してますでしょ?
    イラクが核所有の疑いでせめられ、イランが経済制裁されるならば、少なくとも現役の閣僚が「核使用も有り得る≒我々は持ってる」と発言している以上、紛争解決後には国際原子力委員会の査察をイスラエルは受けるへきだし、それは議決されるへきですよね? で、なる??
    そもそも侵略がいかんと言うならば、ヨルダン川西岸地区への入職は国際法違法の侵略じゃないんですか?
    ネタニヤフ政権に反対か否かの話ではなく、侵略いかん言うなら、そこを端折るのは矛盾してませんかね??
    そういう所を、もう途上国側は見て見ぬふりをしなくなってるし、そのように力はどんどん変わってる。
    たから、自由主義を守れの何ののスローガンはもう古いし、有効てはない。
    大義名分を使う(大義名分は嘘でも絶対に必要)にしても、新しい切り口を養育せすに、アメリカの尻馬に乗ってると、
    そのうち痛い目にあうぜ!と私は言ってるたけなんてすけどね。

    • アバター 山童 より:

      余談)
      木霊様個人とは切り離して考えて欲しいのですが、この自由だの何だのについては、80年代から「理系の大卒とくに研究開発職」とコジれてきました。
      日産の航空宇宙研究所や本田技研工業に務めた連中が強硬てしたが。
      彼らは「発想の自由と表現の自由が、開発と研究の発展を担保する」という強迫観念を持ってました。
      軍事独裁的な政権下では学問の自由がないので、結果としてテクノロジーは発達しない。日本は自由たから経済大国になった! まぁそういう理屈。
      彼らはたしかに偏差値高い理系エリートなんたけど、研究室しか知らないでしょ。私はフロントの途上国ビジネスで、
      それこそ小国の官僚からマフィアまで色んな国の人々に直に会ってました。
      そこから見てアジアの新興工業国って、
      台湾にせよ、韓国にせよ、シンガポールにせよ、独裁政権下の開発独裁で上昇した国ばっかなのてすね。ほぼ「戒厳令下の国」ばかりがテクノロジーと経済を発展させている。つまり「自由は進歩を担保する」という理系開発職の「真逆」だったのが実情でした。
      その辺から「自由」や「多数決による公平な解決」や「民主主義」を「発展の根源になるパワー」だというバブル期日本の論理に甚だしく違和感を感じてきています。
      そもそもその自由主義の国が大国を先頭に多数決を守ってないしね(拒否権)。
      多数決が本当に価値あるならば、イスラエルのヨルダン川西岸地区植民を違法とした国連決議で、あそこで話は終わっていたはずです。それはネタニヤフ登場以前の話です。
      つまりは全ては幻想なんてすよ。
      通貨がそうだが、幻想が現実の世界を動かし、かつ必要とされる場合がある。
      紙幣は紙切れですが、あそこにある「国の信用」が市場経済を成り立たせてます。幻想にも現実の力はある。
      だだ、それはソフトウェアみたいなもので、賞味期限があるんですよ。ヴァージョンアップは常に必要で、時にメディアそのものが大変化して意味を成さなくなる時がある。絶対じゃあない。
      前述した途上国がG7になびかなくなった、もしくは逆らうようなった。中露を支持するようなったというのは、はっきり「潮目」が変わりつつあるって事かと想うんですね。
      その時代の境目に戦後民主教育の価値観を引きずって建前にしてもダメなんじゃないの??
      私はそう言いたいだけです。

  9. アバター 山童 より:

    結局、この話で結論を言うと、私が木霊様に求めるものは、
    「エビデンスは何?」なんです。
    多数決で決めるとか、自由主義とか。
    侵略はいかんとか。
    いや、そのエビデンスは??
    木霊様は明らかに「山童さんもそれはマズいと思いますよね?」目線で語ってらっしゃる。
    だが、俺は何度も言いましたが、
    多数決? それが何か?
    民主主義? それで食えるの?
    それらが正しくて、自由が大事って何を根拠に言えるの?
    言論の自由もなく、記者が暗殺され、
    そういう国で経済発展して豊かになってるの私は何度も見てきてるんたけど。
    正しいなら、その根拠を示してくれ!
    そういう話で、それだけの話なんてすね。

    • 木霊 木霊 より:

      うーん、色々ありますが、一旦時間をおいて考えたいと思いますよ。

      あ、エビデンスだけおいておきますね。

      ケロッグ=ブリアン協定(1928年)
      → 侵略の定義に関する条約(1933年) 
      → 国際連盟における決議(1938年)
      → 平和的解決の義務化(1945年)

      現段階では国連憲章2条4項にて侵略戦争の禁止として定めています。
      こうした約束事は定期的に見直されるべきものであることは理解していますが、国際紛争の平和的解決義務はすべての国家に課せられた義務ということになっております。
      世界情勢が著しく変わりつつありますから、対応出来るように変えることは大切です。ルールを守ることと、ルールを変えるべきかは別の話ですね。

      注:国連憲章2条4項には、「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」と規定され、侵略戦争を禁止を含む規定だと理解されています。

      すなわち、国連憲章は武力による対立の解決をみとめておらず、武力行使禁止の原則を謳っております。そしてその例外として、(1)武力攻撃が発生した場合、安保理が必要な措置をとるまでの間、国家に認められる個別的または集団的な自衛権の行使(2)平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為に対する集団的措置として安保理が決定する行動の2つを認めています。
      侵略行為に対する集団的自衛措置を認めている点でも、侵略行為には重きを置いていることが伺えるかと思います。

  10. アバター 山童 より:

    つまりはアレですね。侵略か否かは、
    「先に手を出したら侵略」って事ですね。自己防衛も集団的自衛権も当然にあるのですが。戦端を一度、開いたなら、
    相手の国にミサイル撃ち込むのも、相手の国土に攻め入り首都陥落させてもOK!
    要は先に手出しした奴が悪者になるルールで、それさえクリアすれば敵国を焦土に変えて皆殺ししてもOKって話です。
    だからイスラエルはアレができると。
    つまりロシアもハマスもやり方が「稚拙」であった。テロリストに過ぎないハマスはともかく、ロシアはおとくいのハイブリッド戦で、ウクライナ側が先にロシア系虐殺とかの証拠を(偽旗でも)手に入れるべきだった。偽旗の善悪は米国もトンキン湾やってますから善悪は関係ない。とにかく「反撃」とか、現地政府の治安支援という形までは取らなきゃならない。デニーが何かの拍子で中国に沖縄の治安維持を頼むようなシナリオを。
    だから耐えて、あくまで反撃ですという大義名分を立てれば良い。
    それが現状の戦争ルールって事ですね。
    まぁ、そのように理解いたしました。
    では、この話はお終いといたします。
    誠意あるお付き合いを、この年末の忙しい時には割いていただいていれば感謝いたします。ご返事は求めないつもりですが、私からこの項の投稿はここまでといたします。ご返事あってもREのREはいたしません。勝手ながら御了承ください。
    全てのカードを開き終えた事もあり、これ以上は木霊様のお時間をムダにするネタしかないのです。では。

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